YA-HA-ッ!
こんばんはだ、諸君。アメフトは別に好きじゃないけど、アメフト漫画は大好きな鳴女さんだ。今日も何処かで鬼太郎が鬱なダークサイドに足を踏み入れているような気もするが、そんなのどうでも良いぜ!
さて、本日は超時空要塞「ブリガドーン」にお邪魔している訳だが、凄いなこりゃあ。いきなりドデカいザルに乗せられ(チャラトミによると、本来魔女は「箒」ではなく「カゴ」や「ザル」で空を飛ぶんだそうな)、不自然に浮かぶ積乱雲に突っ込んだかと思うと、彗星煌めく宇宙空間みたいな所に案内されたんだからな。その中で悠然と構える「ブリガドーン」を見た時は、素直に感動した物である。“「
さらに、内部も要塞のような堅苦しさは無く、どちらかと言うと貴族的な煌びやかな内装をしている。床はレッドカーペットだし、天井は失楽園の絵巻物だし、壁には高そうな絵画や骨董品が飾られているし。机や椅子なんかの調度品も良い仕事をしていて、一緒に連れて来たチャラトミが凄い目移りしてたな。曰く「これ全部売ったら先進国を2、3は買える」とか。ヤバいじゃん、逆に怖くて触れないよ。今の稼ぎじゃ、1個壊しただけで破産しそう……。
『お、このダイヤ、奇麗じゃのう』『何カラットあるのかのう?』
だから、気安くアクセサリーを観るような感じで近付くな、子供組ぃ!
少しでも傷付けたら、しばき倒すからな、オラァッ!
『……しっかし、よくもまぁ、こんなに美術品を集められたな』
「殆どはヴォルフガングの趣味ですよ。彼、芸術品に目が無い物で……」
『よく破産しないな、そいつ』
「世渡りが上手いんですよ。今も正体を隠して、とある大企業の名誉会長をやってますからね」
ほぅ、丸子の居た呉服屋とは雲泥の差だな。やっぱり高い趣味は相応の金が無いとイカンよ。
『ちなみに、そのヴォルフガングって何なんだ?』
「幹部の一人で、狼男ですよ。あ、噂をすれば……」
すると、廊下の角から、紅色スーツのダンディな貴族様が。こいつ、絶対にモテるな。で、思わせ振りな態度をしつつも最後は袖にして、独身を貫くタイプだ。
『そうなんだろ?』
『いや、あの、いきなり、そうなんだろう、と言われましても。……ところで、貴方はもしや、鳴女様では?』
『おう、そうだが?』
何だ何だ、完全に初見の幹部にまで顔と名前が知られているとか、どういうこった。
『……「「奏」の呼吸」のファンです。是非、後程演奏をお聞かせ下さい』
『あっ、あんたもしかして、何時も50000円のスパチャしてくれる「大尉」さんか!?』
『はい。何時も名演奏を聴かせて貰い、心を満たされておりますよ』
『ご視聴ありがとうございます。これからも頑張りますので、よろしくお願いします!』
『いえいえ、こちらこそ。……さて、何やら用向きがあるようですので、私はこれにて失礼いたします』
そう言って、仏のような笑みで一礼し、大尉殿は去って行った。
『よし、一丁地獄滅ぼすか!』
「急にやる気満々ですね……」
『ファンの為なら努力も協力も惜しまないのが、私の方針だ』
「凄く分かり易い人だなぁ……」
いや、だってさぁ、会うどころか恩義すらも無い奴の為に頑張るとか無理でしょ、普通は。そんな知らない奴よりも、私の演奏を確かな形で応援してくれる人の方が100億倍は価値あるわ。
『というか、バックベアードの所にはまだ着かないのか? 結構歩いてる気がするんだけど』
「すみません、何分艦の中枢におられますので」
馬鹿と煙は高い所に何とやらってか。
「……しかし、確かにこのまま歩かせるのも何ですね。“足”を呼びましょう。衛兵、例の物を」《
と、流石に客人を長歩きさせるのはどうかとアデルも思ったのか、近くの衛兵(錬金生物)に何かを準備させる。やがて、何処からかフヨフヨと半透明な物体がやって来た。見た所、クソデカいミズクラゲみたいだが……。
『何だこれ?』
「「クリッター」の幼生です。大丈夫、品種改良していますから、安心して乗れますよ」
『そう言う問題なんだろうか』
クリッターと聞くと、どうも「トモダチ」と称して食われる気がしてならないんだよなぁ。
つーか、クリッターって海月だったのか。空飛ぶ海月なんて有りなのか?
「一応、日本にも「海月の火の玉」って妖怪が居ますよ」
『解説どうも』
チャラトミwikiは何でも知ってるねぇ。
まぁ、問題が無いというのなら、有難く座らせていただくか。
おっ、案外良い座り心地じゃん。プルプルで軟らかいから、背中を預けて寝そべっても全然問題無いし。ヒンヤリスベスベで、とても気持ち良い。ついでに微弱な電気で全身をマッサージしてくれたりと、至れり尽くせりだ。子供組なんて、もう寝ちゃってるよ。
『きゅん♪』
あと、何か鳴き声が可愛い。……一匹、家で飼っちゃ駄目かな。後で相談しようっと。
そして、抗い難い眠気と戦う事、数十分。
「鳴女殿、着きましたよ」
『……んはぁゆ? ああ、そうなの』
イカン、あんまりにも寝心地が良過ぎて、変な声が出てしまった。恥ずかしい。
――――――で、ここが艦の中枢部か。如何にも大魔王が居ます、って扉だな。開けたら暗黒世界だったとか言われても納得出来る。
「……ベアード様、鳴女殿をお連れしました」
『入れ』
アデルが扉越しに一礼すると、中から渋い声が聞こえて来た。
さらに、扉を開けてみれば、そこには目玉の付いた黒い太陽が。こいつがバックベアードか。圧が強いんだよなぁ……。
『とりあえず、初めましてだな、鳴女』
『こちらこそだ、バックベアードさん』
自己紹介されたので、一先ずさん付けで呼んでみる。直ぐに呼び捨てになるかもしれんけどね。
……それにしても、圧迫感が凄いわ。部屋はエネルギーコアを中心に天球儀が描かれたドーム型で、結構な広さがある筈なのだが、こいつのせいでかなり狭く感じる。どうにかなりませんかね。
『フム、このままでは話し難いか。ならば、本来の姿を示そう』
すると、空気を読んだバックベアードが、人型形態を取った。一気に広くなりましたよー。
『さて、それではさっそく話し合いと行こうか?』
『いや、その前に一つだけ聞きたい事がある』
『何だ?』
うん、意外と話が通じるボスキャラだな。無惨様だったら絶対キレてたし。
『……ピカチュウとイーブイ、どっちが好き?』
「何故いきなりそんな事を!?」
いやぁ、少しでも親交を深めようかと。
ちなみに、私はメタモンが一番好きです。あのプルプルした間抜け顔が堪らんのよ。
『私はピッピが一番好きだ』
「嘘ぉ!? あ、いや、申し訳ありません! 黙ってます!」
コメディアンかお前ら。
それにしても、ピッピが好き……というかゲームを知ってるんだな。カンナさんのぬいぐるみ好きが発覚した時以来の衝撃を受けたわ。流石はオタクなベア子の父親である。
『それはそうと、次の「携帯獣」はどのバージョンをプレイする気だ? あとやっていないのは例のリメイク作くらいだろう』
『ゑ』「……ベアード様?」
その発言、もしや――――――、
『毎回50000円は落としているんだから、「「操」の呼吸」もきちんと励めよ、鳴女』
『最近やたらとスパチャしてくれる「お父様」ってあんたかい!』「ベアード様ぁ!?」
さっきは知らない奴とか考えてすいませんでした。
よーし、鳴女さん、頑張って会議しちゃうぞ~♪
◆鳴女さんの実況動画
チャラトミに勧められて始めた、鳴女の動画チャンネル。
実演動画を纏めた「鳴女さんの「奏」の呼吸」と実況動画を纏めた「鳴女さんの「操」の呼吸」の2つに分かれており、「操」は無表情な顔でイキイキとプレイするギャップが人気で、「奏」は純粋にその技術力(と、時折見え隠れする美しくも逞しい肉体美)に注目が集まっている。コラボ動画としては、チャラトミとの「お勉強シリーズ」、零余子との「食物連鎖の二人プレイシリーズ」の再生数が多い。
ちなみに、「奏」には「大尉」、「操」には「お父様」という大御所登録者が居るのだが、その正体は……。