鳴女さんの令和ロック物語   作:ディヴァ子

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 実況動画って下手なテレビ番組より面白い気がするんですヨネー。


零余子ちゃんの鳴女さん観察記

 とあるひ~♪

 

『よし、そこだ。行けムザン、「めらめらバーン」!』《ブッブ~イ!》

 

《おお、決まった!》《今日も鳴女様のムザンが大活躍だな!》《さすがムザン様! アカザやドウマも凄いけど、やっぱりムザン様が一番だぜ!》

 

『当然だ。このモノクロカラーは伊達じゃない』

 

《そう言えば、色違いの個体(♀)なんだよなぁ、ムザン様》《一発で色違い引き当てるとか、鳴女様の豪運が凄まじい》《他の面子も全員色違いだしな》《むしろ、通常色に出会う方が珍しいくらいかも》《こうなるとどっちが原色なのか分からなくなるよねー》《うんうん》

 

『フッフッフッ、我が家には座敷童子がいるんでね。LUCKにブーストが掛かってるのさ』

 

《座敷童子?》《ああ、よくコラボしてる朱紗丸(すさまる)氏の事か》《確かに座敷童子っぽいけど、マジなん?》《いやいや、まっさかー》《つーか、同居してんの?》《そーいやぁ、零余子氏やチャラトミさんとも結構コラボしてるけど、近所だったりする?》《ならもっとコラボすればいいじゃないか!》《それな》

 

 私こと零余子は、呑気にゲームを楽しむ鳴女の後ろを姿を見て、心の中で溜息を吐いた(本当に吐くとミンチにされるので我慢我慢)。今日は相棒と「Let’s Go!」しているようだ。

 ちなみに、今は手足が生えてます。鳴女が一人で配信している時は自由時間なんです、信じて下さい。一週間の謹慎は止めて下さい、心が死んでしまいます。

 

『ほほぅ、こいつが次のジムリーダーか。名前は……えっ、カツラ? 禿げてるのに? 禿げのカツラって事?』

 

《それギエピーや》《ヅラじゃなくて、植物の「桂」だよ》《ジムリーダーは大抵植物由来の名前になってる》

 

『なるほど。じゃあ、カスミは「カスミソウ」で、タケシは……芥子? つまり、今日もポピーって事?』

 

《たぶんそうだけど、「竹」がメインって事にしておいて》《やめたげてよぉ!》

 

 つーか、鳴女の奴マジで楽しそうにゲームするわね。鬼でなくとも結構いい年した大人の女が。

 というか、ゲームに限らず何事に対しても、以前の彼女からは考えられないくらいに喜怒哀楽がはっきりしている。表情は相変わらず「無」そのものだが。淡々と喜んだり、無表情でブチ切れたりする様は、正直に言って前よりも怖い。

 だが、同時に観ていて面白くもある。だって、本当に子供みたいなはしゃぎ方するんだもの。丸子ちゃんとどっちが子供か分からなくなる時が、稀によくある。ある意味幸せな人よねー。

 たぶん、元々そういう性格なんだろうなぁ。そうじゃなきゃ、ここまで自然体になれないわ。

 

『さて、本日の配信はここまで。次回の「鳴女さんの携帯獣戦記」シリーズを楽しみにしておいてくれ』

 

《了解でーす》《ラジャラジャー》《ブ、ラジャー!》《それはしん○すけや》《バイバイき~ん♪》

 

 と、今日の配信が終わったらしい。なら、次は私で弄ぶ気か?

 

『さて、本日の配信も終わった事だし……今からお宝鑑定団を始めたいと思います!』

 

 なーんて思ってたら、まーた意味不明な事を言い出した。今度は何をやろうってのよ。

 

『おっ、何かするのかえ?』

『ああ。お前を呉服屋から連れ出した時、ついでに骨董品も持って来たんだが、これがまた多くてな。せっかくだから整理して売りに出そうかと思って』

 

 おい、それ普通に窃盗だろうが。

 

「………………」

『何だ零余子、何か言いたそうだな?』

「……いや、それって泥棒じゃない?」

『盗んだんじゃない。拝借しただけさ、永遠にな』

「やっぱり泥棒じゃん! ただの空き巣だからね、それ!」

『失礼な。あの呉服屋は倒産確定だし、どうせ売られるのなら、将来性のある私の軍資金になって貰った方が、骨董品も喜ぶってものだろう。呉服屋の財産は私の物、私の金は私の物だ』

 

 清々しいまでのジャイアニズムだな。ここまで開き直れるのは、逆に凄いと思う。全く痺れず憧れないけど。

 

『そもそも、あの呉服屋の店主、趣味とは言え、やたらめったら骨董品を買い込み過ぎなんだよ。パッと見でも贋作が混じってたし、遅かれ早かれ首が回らなくなったんじゃあないかな』

 

 実はあの主人、商才なかったりする?

 

「それで、どんなラインナップなんすか?」

 

 すると、ここでチャラ男も参戦。自分の配信が終わったので、暇になったらしい。こいつもこいつで見た目詐欺よねー。無駄に頭良いし、機転も利く。本当に何でこんなチャラい見た目なんだろう。絶対損してるって。顔だけは良いんだからさ、もっと落ち着きを持とうよ。

 

『んーと、壺に皿……掛け軸……刀まであるな。見境なさ過ぎだろ』

 

 そして、無限城に並べられる、骨董品の山、山、山。陶器や絵画ならまだ分かるが、明らかに刃のある真剣まで集めるなよ……。

 

「見た所、半数は贋作っスね。特に壺のパチモンぶりが凄い。これで「フム……良い……!」とか言ってるようだったら、マジで嗤っちゃいますねー」

『お前マジで凄いな』

 

 鑑定まで出来るのかよ、お前。今度からチャラ男先生って呼ぶわ。

 

「でも、逆に刀は殆どが本気の名刀ですね。そこの一本なんか、たぶん妖刀の類っスよ」

「これの事?」

 

 彼の凄さに感心していた私は、うっかりチャラ男先生の指差した刀を手に取ってしまった。

 

 これが、いけなかった。

 

「はぅ……!?」

 

 何か頭の中で「ギャーン」って音がしたかと思うと、私の意識はそこでプッツリと途絶えた。




◆「Let’s Go! ピカチュウ」&「Let’s Go! イーブイ」

 「ポケットモンスター ピカチュウ版」のリメイク版。所謂「第七世代」のソフトであり、「ポケモンGO」と連動したシステムを採用している為、一部を除いて野生のポケモンとのバトルが無く、ボールで捕まえるだけである。他にも「あく」「はがね」「フェアリー」が追加されていたり、幻の№152&153のポケモンがいたりと、大筋こそ変わらないものの、結構違う部分が多い。何よりピカチュウに加えてイーブイが相棒枠に抜擢されたのが大きいだろう(アニメの影響?)。
 ちなみに、鳴女さんの手持ちは以下の通り(全員色違い)。

・ムザン→イーブイ(♀)
・コクシボウ→リザードン(♂)
・ドウマ→ルージュラ(♂←世界が認めたバグ)
・アカザ→サンドパン(♂)
・ギョッコ→アズマオウ(♂)
・ギュウタロウ→カブトプス(♂)
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