鳴女さんの令和ロック物語   作:ディヴァ子

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 シェルレウスの戦い方のイメージはジンオウガ+マガイマガド+リオレウスって感じデス。つまり回復の暇を与えない苛烈な攻撃がコンセプトでスネ。


クエスト⑤:甲殻竜シェルレウスの捕獲

 はい、皆さん、こんばんは。

 ワタシはベアトリス=バックアップ・コアソウルズ。あのバックベアードの一人娘よ。だけど、個人的には気軽にベア子と呼んで欲しいわ。これでも親日家ですもの。

 さて、さっそくで悪いけど、ちょっと愚痴を良いかしら?

 

 ワタシ、何でこんな所でハンターやっているの?

 

 ……いや、分かってはいるのよ。ワタシが勝手に付いて来ただけだって事は。

 でもさぁ、鳴女をほったらかしにしとくとか、怖過ぎじゃない。前はアデルを嵌めて遊ぼうとしてたし、何より初対面時で死に掛けたし。あの時はワタシもヴィクターもヤバい状態だったわ。鳴女と言うより、丸子ちゃんたちのせいだけど。

 でも、ワタシは全力で鳴女のせいにするわ。だって、今でも丸子ちゃんの動画ファンですもの。本当に、何なのかしらね、あの子は。あそこまで自由奔放・元気溌剌に生きてみたいものだわ。

 ――――――って、流石に関係ない話をし過ぎたわね。そろそろ現実と向き合いましょう。

 ワタシは今日、零余子たちと共同戦線を張る事になっているわ。何でも以前取り逃したシェルレウスが、緊急クエストの対象にされたらしいのよ。零余子としては是が非でも捕まえたいらしいけど、シェルレウスの猛攻を防御が出来ないライトボウガンと狩猟笛だけじゃ不安だから、近接戦に特化してるワタシたち協力して欲しいんだって。自分たちはワタシたちへの協力に大分渋った癖に、虫のいい話よね。

 ちなみに、シェルレウスと言うのは、ギルドに絶滅種として認定されている飛竜種のモンスターで、甲殻竜と呼ばれるだけの装甲厚と、セルレギオスも真っ向から叩きのめす馬鹿力が特徴よ。強さ自体は前回零余子が目撃して報告してるから、今回の調査はどちらかと言うと生態調査に近いわね。

 まぁ、内容が「捕獲」になってるから、最期は解剖されて終わりかもしれないけど。

 だけど、それは零余子が許さないか。素材だけ提供して、後は自分のオトモンにするつもりかも。

 良いわよねぇ、オトモン。ワタシとヴィクターも持っているわ。ワタシがリオレイアで、ヴィクターがリオレウスね。どちらも亜種で、ピンクとブルーという分かり易い組み合わせをしているわ。まさに夫婦ね。

 そして、シェルレウスはそんな彼らの先祖であり、宿敵でもある存在。零余子の報告を鑑みて、ギルドとしては“シェルレウスと正面切って戦う事は不可能に近いから飛翔能力を上げた”と考えているようね。本当かどうかは知らないけど。

 ただ、体重と靭力、パワーを考えると、確かに真っ向勝負は危険ね。リオ夫婦は飛べる分、かなり軽いから。気を引き締めていきましょう。

 

「あ、ベア子ちゃんたち、おはよう。今日はマルチクエスト、ありがとね~♪」『………………』

 

 と、コムリのギルドに到着した所で、零余子から声を掛けられた。姑獲鳥はこちらを見もしない。やな感じ。

 

『別に良いわよ。これをクリアすれば、HR7になるからね』

『いやー、感慨深いねぇ。だけど、こんなに時間を要しているというのに、向こうに戻れば精々数日。感覚がおかしくなるねぇ~♪』

 

 口と頭で別の事を言っている彼は、ヴィクター・フランケンシュタイン。ワタシの相棒よ。

 元々は単なる「フランケンシュタインの怪物」でしかなかったけど、創造主に成り代わる事で晴れて今の“知性と野性”が同居した、マッドサイエンティストになったらしいわ。あくまで本人談だけどね。真相はフラスコの中よ。

 

『まぁ、それは置いておいて……シェルレウスの動向はどうなっているの?』

「移動はしていないみたい。観測班によれば、普段は鍾乳岩窟の最奥地で静かに過ごしているらしいわ」

『獲物を待ち構えている、の間違いじゃない?』

「そうとも言う。……あそこ、貴重な鉱石や原珠がゴロゴロあるみたいだからね」

 

 へぇ、ゴツイ見た目をしている割に、意外と待ち伏せ型なんだ。ディアブロスもあれで草食らしいから、こっちの常識はあんまり通じないのかもね。

 しかし、鉱石や原珠と言ったレア物でハンターを(・・・・・・・・・)釣っている可能性がある(・・・・・・・・・・・)となると、知能の高さも留意しなければなわないわ。ティガレックスのような“戦いの天才”とは別に考えた方がいいのかも。

 ともかく、ここでまごまごしてても仕方ないし、さっさと出掛けるとしましょう。準備は済んでいるしね。

 

「……あ、そうだ!」

『何よ?』

「トイレ行っていい? 待ち時間にコーヒー飲んだら、ちょっとね……」

『早くしなさい』

 

 オマエはハンター失格だ!

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 所変わって、鍾乳岩窟。

 さらに、今回はその下層部に来ているわ。シェルレウスを捕獲する為にね。

 

『幻想的ね』「確かに。スマフォ、持ってくれば良かったかも」

 

 ……だけど、そんな野暮な事は抜きにして、今はこの景色を堪能したいわ。ここにはあんまり来た事が無いからかもしれないけど、本当に奇麗よねぇ。鍾乳洞のあちこちに色とりどりの鉱石が生えていて、それらが七色に淡く光っているんですもの。気分は「耳をすませば」の劇中劇よ。あの魔法の洞窟も一度で良いから行ってみたいわねぇ。

 

『おお、これは今まで見た事の無い鉱石だ! 宝の山だな、ここは!』『ちょっとくらいガメても良いわよねぇ? インテリアに良さそう♪』

 

 そして、ヴィクターと姑獲鳥(こいつら)は情緒の欠片も無いわねー。物欲センサーがビンビンよ。こういう奴らが真っ先にシェルレウスの罠に掛かるんだろうなぁ……。

 まぁ、それはそれとして、

 

『はいはい、そろそろ行きますよ、お二方』

『『もうちょっとだけ』』

『お黙り! さっさとなさい!』

『『うひーん』』

「何か母親みたいだなぁ……」

 

 やかましいわ。どいつもこいつも子供みたいな事ばっかりしやがって。いい加減にしなさい!

 ……コホン。という事で、ワタシたちは鍾乳岩窟の奥へ歩を進めた。ちょっと目移りしそうになったが、他の面子がもっと目の色を変えていたので、逆に落ち着いて対処出来た。オマエら何しに来たんだ。

 

 ――――――カサッ!

 

 だが、流石に何かが動く物音がしたら、警戒せずにはいられない。ハンター云々は別として、戦いにおける索敵は基本である。

 しかし、この音の小ささだと、おそらくは小型モンスターだろう。シェルレウスが物音一つ立てないくらい静かだとは思えないしね。

 さて、鬼が出るか、蛇が出るか……答えは?

 

『キキィィイイッ!』

『蜘蛛だぁああっ!』

 

 現れたのは、妃蜘蛛ヤツカダキの幼虫、ツケヒバキ。子犬大の蜘蛛型モンスターに糸の塊を乗っけた、若干可愛くも見えるデザインが本来の姿なのだが、コイツは亜種なのか、身体が更に大きくなり、糸が紫色に染まっていて、普通に気持ち悪い。

 

『キィ!』『ケェッ!』『ピキャーッ!』『キチキチキチ!』『ピキキキッ!』『ピィピィ!』『キャアッ!』

「ちょ……多過ぎぃ!?」

 

 さらに、これが1匹や2匹ではなく、鍾乳石の陰から、壁の穴や隙間から、そこら中のありとあらゆる場所から、次から次へと這い出て来た。キモイ!

 そして、流石にこの数はヤバい。ライズで「百虫夜行」なんてクエストがあったけど、そんなの非にならないくらいの数だった。本当に100匹現れるとか、冗談じゃないわよ!

 

『ケァアアアッ!』

『うへぇ、ヤツカダキまで!?』

『スキャアアッ!』

『こっちにはネルスキュラまでいるんですけど!?』

 

 その上、ヤツカダキ本人や懐かしのネルスキュラまで現れた。

 ヤツカダキは先の通り、ツケヒバキの成体――――――というか女王個体に当たる存在で、こちらは糸を白無垢のように纏っているのが特徴。蜘蛛形綱をモチーフとした鋏角種らしい姿をしているが、実は折り畳み式の長い首を持っていたり、もう1つのモチーフである絡新婦の如く火を吐く、恐ろしいモンスターだ。ただ、コイツは亜種なのか、ツケヒバキと同じく紫色をしているが。

 一方のネルスキュラは馬鹿デカい蜘蛛そのものなのだが、こちらもこちらで“狩った獲物の皮を背中に張り付ける”という嫌な設定を持っていて、それにより自身の弱点を補う悪知恵も有している。背中の糸膜を見る限り、ヤツカダキの糸を利用しているのだろう。ヤツカダキは火に強いが雷には弱いから、絶縁体としては不向きな筈だが、亜種だと耐性が変動しているんだろうか?

 そもそも、コイツらは何でこんな所にいるのかしら。確か鍾乳岩窟はバサルモスやイソネミクニが主な生息モンスターだった気がするんだけど。観測班のミスか、もしくは何処かから移動して来たのかしら?

 どちらにしろ、この馬鹿みたいな数と真面に戦う意味は無い。さっさと撤退しましょう。

 

『食らえ、こやし玉!』

 

 という訳で、モンスターを散らせるこやし玉を使ったのだが、

 

「……逃げないわよ!?」『嘘でしょ!?』

 

 何とコイツら、逃げるどころか興奮して襲い掛かって来た。臭い物には蓋だと言わんばかりに、一斉攻撃を仕掛けて来る。

 

『仕方ないわね、戦うわよ! 作戦名は「島津の退き口」!』

「強行突破しろってか!?」

『他に方法が無いでしょ! 活路はワタシたちが開くから、アナタたちは援護して!』『お供するよ、ベア子ちゃん!』

「分かったわよ! 姑獲鳥!」『はいはいはいはい!』

 

 そんな感じで、ワタシたちは“強行突破”を敢行した。ワタシの「狐刀カカルクモナキⅡ」(太刀)とヴィクターの「タイタンアームズ」(チャージアックス)が敵を切り、零余子の「王弩ライカンⅡ」(ライトボウガン)と姑獲鳥の「ブレイクフォールンⅢ」(狩猟笛)の援護攻撃で道を開く。

 むろん、全員を蹴散らすのは不可能だが、活路だけは開ける。今はそれでいい。生きて帰る事こそ、ハンターに最も必要な目標なのだから。

 幸い、不意打ち同然の行為だったので相手は面喰い、その間に無理矢理突破する事は出来た。

 だが、足は止めない。追い付かれて取り囲まれたら、今度こそヤバいからね。オトモンを使うという手もあるが、どの子も狭い場所では真価を発揮出来ない。ここは素直に逃げるが勝ちだろう。

 そうして走り続ける事、しばらく。

 

「ここは……」

『どうやら、知らぬ間に最下層へ辿り着いてしまったみたいね……』

 

 ワタシたちは、駄々っ広い空間に出た。

 

「ここもまた凄いわね」

『確かに。ドワーフが造ったって言ったら、素直に信じられるわ』

 

 そこは、巨大な地下都市だった。

 東京ドームを鼻で笑いそうなくらい広大な空間に、西洋式かつ石造りの廻廊が組まれ、それらと一体化した家々が所狭しと戸口を開けている。全てに七色の鉱石が使われている為、造形美と合わせて、とても奇麗だわ。洞窟の奥底に、こんな遺跡があるとは。

 たぶん、滅ぶ前は立派な鉱山都市として栄えていたんでしょうけど、今は誰も居ないからか、ちょっとした虚しさも感じる。盛者必衰とは、こういう事を言うんでしょうね。奥州藤原氏の中尊寺金色堂を見た後の気分に似ているわ。凄いけど儚い、みたいな。

 

「……ただね、私は今、凄く嫌な予感がしてるのよ」

『奇遇ね、ワタシもよ』

 

 今は廃墟と化した地下都市。その割に埃や汚れが少なく、あまりに奇麗過ぎる。

 まるで、今でも誰かが(・・・・・・)使っている(・・・・・)みたいに。

 いえ、違うわね。誰かじゃなくて――――――ナニカ、よね?

 

『キキィィッ!』『キキャアッ!』

 

 噂をすれば何とやら。撒いた筈のツケヒバキの群れやヤツカダキたちがゾロゾロと現れた。それも、さっき以上の数で。

 どうやら、ここが本拠地だったようね。あっと言う間に囲まれてしまったわ、まったく……。

 さーて、ここからどうした物か。ちょっと勿体ない気もするけど、この広さならオトモンを展開しても問題なさそうだし、四の五の言っていたらマジで殺られそうだから、ここは遠慮なく――――――、

 

『グヴォルルルル……!』

 

 と、しばし逡巡していたら、何処からともなく低い唸り声が聞こえて来た。

 

『ピギィッ!』『ギャギャギャッ!』『キャォオオッ!』

 

 さらに、さっきまであれだけ殺意に満ちていたヤツカダキたちが急に怯えだして、文字通り蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。残されるは、ワタシたちハンターのみ。

 

「お次は何だ?」

『分かってて聞いてるでしょ?』

「モチのロン」

 

 そして、遺跡の奥に見える、燃え上がる炎。これは、言うまでもないでしょう。

 

『ジェラァアアアアアッ!』

 

 お目当てのモンスターである、シェルレウスの登場だ。

 噴き上がるマグマのような火炎が1本通ったかと思うと、辺り一面が火の海となり、その炎の中からシェルレウスが飛翔するかの如く現れたのである。何それ、カッコいい。

 だが、これはマズいかもね。前回は落ち着いていたようだけど、今回は最初から怒り状態のようだ。

 魔戒騎士の烈火炎装を思わせる炎を纏った姿は、何処までも少年心を燃え上がらせ、少女であるワタシでさえ魅了させる程に雄々しいが、その状態から繰り出される攻撃は、まさに烈火の如しだろう。

 結論:さっきよりヤバい。誰か助けて。

 

『ヴォオオオオオッ!』

「『うわっ!?』」

 

 すると、さっそくシェルレウスが攻撃を仕掛けて来た。マガイマガドばりの跳躍から繰り出される、ジンオウガのような「お手」三連撃である。

 

「ぐへっ!?」

 

 どちらも同じタイミングで躱したのだが、避ける方向が悪かったのか、零余子だけに直撃した。ジンオウガと同様のノリで真横に回避しようとしたのだろうが、シェルレウスにはナルガクルガを思わせるブレード状の翼があるので、ちょっと怖かろうと飛び込むように斜め前に避けるのが正しい。

 ――――――って、言ってる場合じゃないか。

 

『ヴィクター!』『分かってる!』

『ギャヴォオオッ!?』

 

 既に即死コンボの態勢に入っていたシェルレウスの横面を、ヴィクターのタイタンアームズが捉える。魔戒騎士と違って、炎を纏っている部分は肉質が柔らかくなるみたいね。その分、攻撃力は増してるんでしょうけど。

 

『はぁっ!』『シッ! シッ! タァッ!』

『グルルル……!』

 

 さらに、ワタシのカカルクモナキと姑獲鳥のライカンのコンボ攻撃が決まる。ゲージを溜めてしまえばこっちの物だ。そこにオトモたちの攻撃も加わり、シェルレウスへ瞬く間にダメージを蓄積させる。

 余談だけど、ワタシのオトモは空飛ぶ海月お化けのアズレーンで、ヴィクターは性悪系の化け猫であるムコニャルね。水と毒を同時に叩き込めるから、手数の少なさを補ってくれる良いメンバーよ。

 

『ジャラヴォオオオオオッ!』

 

 しかし、シェルレウスは全く疲れた様子を見せず、更に怒りを増して、ラー最終形態(ゴッドフェニックス)を思わせる大炎上した姿となった。

 

『グヴヴウウウッ!』

『がっ!?』

 

 そして、両腕に炎の鞭を形成したかと思うと、全フィールドを一周する薙ぎ払いを繰り出して来た。これは効くぅーッ!

 一応、その場に伏せるか上空に逃げれば良いんだけど、予備動作からの展開が速過ぎて、初見じゃ避けるのはまず無理ね。

 というか、マジでこの一撃はヤバかった。たった一発で、もう瀕死寸前なんですけど。

 

『ジェラォオオオッ!』

 

 さらに、間髪入れず「お手」を繰り出すシェルレウス。本当に攻撃が苛烈だな、キミは!

 

『ハッ!』『グヴォオオッ!?』

 

 だが、そこで入る閃光玉による助け船。こういう所よね、マルチの良い所って。というか、これは確かにソロじゃ無理だわ……。

 

「てりゃあっ!」

 

 続いて零余子の爆弾投下が入り、

 

『大丈夫?』『……どうも』

 

 その間に姑獲鳥が旋律で回復してくれて、ワタシも戦線に復帰した。

 よし、ここまで来たら、遠慮はいらない。行け、オトモンたちッ!

 

『ギャォオオッ!』『キギャアアッ!』『レギャヴォオオッ!』

 

 いよいよ以て投入されたリオレウス、リオレイア、セルレギオスによるリンチが始まる。通常形態ならまだしも、自分の炎で肉質が軟くなったシェルレウスでは受け切る事は不可能であり、ようやくのた打ち回る状態となった。

 今がチャンス。これ以上引き延ばしたら、こっちが押し負けるわ。一気に畳み掛ける!

 

『『「『はぁあああああっ!』」』』

『ジェラァアアアアアアアアアア!』

 

 そして、一斉攻撃を叩き込んだ後に痺れ罠で拘束し、捕獲用麻酔玉を食らわせた所で、遂にシェルレウスは沈黙した。

 

「オラァ、リベンジだこの野郎ぉおおおっ!」

 

 さらに、零余子のレベルボールが当たり、無事にゲット出来た。

 これにて一件落着――――――になれば良かったんだけどねぇ。

 

「あ、信号弾だ」『ゑ?』

 

 疲れた身体に鞭打って、どうにかこうにか鍾乳岩窟を抜け出したワタシたちの目に飛び込んで来る、打ち上げられた信号弾。通常に使われる物とは違う、特別かつ危急のクエストを告げる合図。これはつまり、

 

「百竜夜行が発生したみたいね」

『そうみたいね。早く戻りましょう』

 

 コムリの里存亡の危機が、たった今始まったのである。




◆ヤツカダキ(亜種)

 古龍の血を取り込み変異したヤツカダキの亜種。炎に加えて毒を扱うようになり、糸の攻撃の全てに毒属性が付与されている。耐性も変化しており、水に殊更弱くなったが、その代わりに雷属性に対して強い抵抗力を持ち、麻痺にならないという特性もある。
 糸で絡めて毒状態にした上で拘束する→火炎放射を食らわせるという即死コンボを頻発してくる、かなり面倒な奴である。素直に防具や耐性を強化して挑もう。攻撃モーション事態は大して変わりないので、覚えてしまえば対処は楽。
 ただし、多くの場合「炎も雷もお断り」なネルスキュラと共生している為、油断していると背後から狩られる可能性もある。ついでに亜種のツケヒバキがバンバン毒と炎を撒き散らして来るので、ネルスキュラやヤツカダキが居なくても普通に殺されてしまう事すらある。下手な大型モンスターよりよっぽと厄介な敵だと言える。
 ちなみに、シェルレウスとは“獲物を追い込む猟犬とその主人”と言った関係で、忠実な犬となる事で捕食を免除して貰っている(シェルレウスには炎も毒も殆ど通じない上に刃がそもそも通らない)。それでも何時までも留まっているとついでに殺されてしまうので、役目が終わるとさっさと逃げ出してしまう。
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