ハイスクールD×D 精霊と龍神と   作:きよい

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いろいろ忙しい時期で更新ができませんでした。
ツイッターにあげるハロウィン絵を描いてたりもしましたしね。
今度イヅナでも描いてみようかしら。


8話

 正面にダワーエ。

 邪神の中空間では、大魔が俺を待っていた。

「おまえ、邪神の額にいたんじゃないのか?」

「そいつは抜け殻だ。元俺とでも言うべきかな。貴様はそいつと戦っていろ。その間にこの世界は闇に包まれる」

「それはこの空間ってことか? それとも、日本……いや、世界そのものを?」

 空間だけならまだマシなんだが。

「世界をだ。この空間から抜け出し、そうだな。まずはさきほどロキがいた場所に出向き、ロキから食らうか。そうしてあの場の者たちを殺した後、俺は世界へと闇を進出させる。きっと楽しいぞ」

 そうかよ。

 楽しいとか、そんな気持ちわかんねぇよ。でも、わかった。こいつは放っておけばイッセーたちのところにいく。最後には、イヅナたちのいる場所も闇の手にかける気だ。

 まだ見つかってない仲間にも被害が出るかもしれない。

「だったら、ここで消すのが得策だと思わないか?」

「なんの話だ?」

「おまえのこれからだ」

 正直、体内に取り込まれたのは予想外だった。でも、中であろうと外であろうとやることは大して変わらない。どのみち光全てを使って消し去ることしか考えていなかったからな。

 どこにいようと、最後にやることはひとつだってことだ。

「普段、俺が<魔王殺しの聖剣>に対して行使できる力は本来の一割程度」

 両手に握る剣がひとつになっていく。

「でも、いまの俺なら。二人が寄り添ってくれるなら」

 一本となった剣を両手で構える。

 二撃。それで終わらせる。それが限界だ。

「本来の五割程度は、出せると思うんだよな」

 邪神の体内にいるダワーエがとうとう動き出す。俺に狙いを定め、一直線に向かってくる。

「さあ、そろそろ終幕といこうぜ」

 ひとつになった剣から金色の光がもれ出す。なんでだろう、一度として使ったことのない技なのに、技名も、扱い方も、全部わかる。

 剣の切っ先をダワーエへと向ける。

「――ゼペリオン!」

 剣からもれ出していた光が剣先へと集中し、金色の超高熱光線を撃ち出す。その一撃がダワーエの身体を瞬時に消し飛ばし、邪神そのものへと命中する。

 邪神が暴れているのがわかる。苦しんでいるんだ!

 あと一撃。

 これで全部終わりだ。

 体に纏っていた光が活性化していく。

 両腕を胸の前で交差させる。

「ゼラデス――」

 光が熱を帯び、そして。

 超破壊光線へとなり、邪神の体内で発射される。

 闇に覆われた空間ごと、全てを破壊の波が呑み込んだ。音は無く、ただ空間だけが捻じ曲がっていく。

 俺の視界は、一面白に覆われた。

 いま、すべてが終わった――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 ロキとの戦闘を繰り広げる俺――イッセーとグレモリー眷属、ヴァーリチームの戦況はあまりよくない。

 ロキの連れてきたフェンリルと子フェンリルの相手をよぎなくされ、ヴァーリはフェンリルとともに別の地点に転移していった。

 その直後、地面が激しく揺れるのがわかった。

 それに続いて暴風が吹き荒れた。

「うおっ……」

「な、なんなのこれは!」

 部長も驚いている。そしてロキを睨み、

「これもあなたの仕業かしら? 次はなにを企んでいるの?」

「悪いがこれは我が戦術とまったく関係のないことだ。大方、さきほど乱入してきた悪神どのと人間の戦闘の余波だろう。どこでやりあってるのか知らないが、凄まじい威力だ。一度戦ってみたいものだな、フハハハハッ!」

 カイトとダワーエの戦闘の余波!? どうやったら俺たちのところに余波が届くんだよ!

 あいつらなにやってるかさっぱり検討もつかないぞ!

「カイトが、ここまでの力を……?」

 部長がさきほどより驚きの表情を濃くする。

 いや本当に俺もビックリだけどさ。

「こうも強い相手となると譲ったのがもったいなく思えるな。こちらで楽しみたかったものだ。まあいい。オーディンの会談を邪魔するにはまだ時間がある。こいつらをさっさと殺してあちらに出向いてからでも遅くはあるまい」

 なに? 俺たちにはもう興味ないってことか!? っていうかすぐにでも殺せるみたいな発言は流石に俺たちも怒るぜ!

「カイトがまだ戦っているのね。私たちも負けてられないわ! みんな、行くわよ!」

 ところどころから「はい!」「おう!」などと聞こえてくる。

 消耗していた俺たちだが、ここで士気が上がった。

「フッ……。それでなにが変わるというのだ。少しばかり声を出したところで勝てるほど甘くないぞ」

 ロキがそう言った矢先、子フェンリルがいきなり動き出した。

 く、来るか? 

 だが、子フェンリルは俺を無視し、まったく別の方向へと駆ける。

 どこに――。

「朱乃!」

 部長の悲鳴だ。

 まさか! 視線を向けると、いままさに子フェンリルに噛まれようとしている朱乃さんの姿が!

「ふざけるなっ!」

 俺の大事なお姉さまをやらせるかよ! 俺の仲間は誰一人として! 大事な先輩を!

 俺はロキを一瞥し、朱乃さんへと向け加速する。

 このまま加速し続ければ間に合うか? いや、間に合わない! 違う! 間に合わせるんだ!

「こうすれば隙ができるとわかっていた」

 背後からロキが魔術を放とうとしてくる。

 クソッ、退路がなければ進む先も最悪な光景が飛び込んできた。

 あとわずかというところで、子フェンリルの牙が朱乃さんに襲い掛かる――瞬間だった。

 そして、俺も。

 今回協力してくれていたタンニーンのおっさんとロスヴァイセさんがロキを足止めしてくれようとしていたが、間に合わず、俺に魔術が放たれた。

 クソ、俺はなにも守れないのか!

「そんなことないぜ。さあ、ここから先は、俺も混ぜてもらおうか!」

 その声が響いた瞬間、ふたつの出来事が同時に起きた。

 ギャオォォォォンッ!

「ぬっ……」

 子フェンリルの叫びと、ロキの苦しげな声が重なる。

「一度に二箇所への干渉。まあ、いまならギリギリできるってものか」

 何したかわからないけど、助かった!

 朱乃さんに迫っていた子フェンリルは悲鳴を上げながら転げまわっているうえ、ロキから放たれた魔術はすべてそのまま放った本人へと戻っていった。

 俺も、朱乃さんも無事だ。いつの間にか朱乃さんを庇うような位置に立っていたバラキエルさんも、何が起きたのか不思議に思っているのだろう。表情に出ている。

 あたりを見回すと、空間の一部に亀裂が入っていた。

 ロキがじっとそこを見続けている。

 一体、なにが起きているんだ!? 

 

 

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