ハイスクールD×D 精霊と龍神と   作:きよい

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21話

 パーティー会場につくなり、イッセーは部長とともにあいさつまわりに行ってしまった。

 なんでも、悪魔側に赤龍帝がついたことは結構有名な話らしく、あいさつしたい上級悪魔も多いらしい。

 そんなわけで、会場内では互いに分かれての行動になった。

 俺は静かに隅っこで終わるのを待ってればそれでよかったんだが、まあ目立つ目立つ。

 周りが静かに待たせてはくれないのだ。

 それもそのはず。

 なんせ俺の右隣にいるのは四大セラフの一人、ガブリエルさんなのだから……。

 あいさつもそこそこに隅っこで待つ俺に料理を持ってきて横で食してたらそれは目立つ。そしてなんの対抗心か、そのガブリエルさんの反対側――俺の左隣には朱乃さんが待機してらっしゃるじゃねえか……。

 なんなの、怖い怖い。

「……カイト、カイト」

 そんな空気の中、無邪気な声がかかる。

「――エストか。どうした?」

 いつのまに出てきたのか、目の前ではエスト目を輝かせていた。

「あの料理の中にオトーフはありますか?」

 あー……。そういうことか。オトーフ大好きなエストは探してきたいのね。

「転生悪魔のことも考えてるだろうし、探せばあるかもな。見てくるか」

「はい、カイト」

 両隣(主に左側)からの脅威を避けるために立ち上がると、エストがうれしそうにぎゅっと右腕に抱きついてくる。駒王学園の制服姿とはいえ、その姿はかわいいものだ。

 だけど、こうすると十中八九……。

 

「一人だけ抜け駆けはダメよ」

 こうなるんだよなぁ。

「レスティアもか。本当におまえらは片方出てくるともう片方も釣られるよな。仲いいのは悪いことじゃないけど」

「カイトはなにか勘違いをしてるわね」

「は?」

「なんでもないわ」

 少し拗ねるようにそっぽを向きながら、左腕に抱きついてくる。

 なんでもいいけど、両腕ロックされると歩きづらいよね。

 

 

 エストとレスティアには美味しそうな料理を見てもらっといて、俺は一人、会場内を見回っていた。

 もちろん、理由もなく歩いているわけじゃない。

 と、いたいた。

「イヅナ、どうだ? 魔王さまと会った感想は」

「カイト! うん、いい人だよ。……人? いい悪魔?」

 日に当たると輝くように綺麗な金色の髪を跳ねさせながら俺へと駆けて来る。

「やあカイトくん。はやくも一人目の仲間が見つかったんだね」

 その後に続くようにサーゼクスさんがやってくる。

 そう、先ほどまでサーゼクスさんにイヅナを会わせ、敵意が無いこと、俺の仲間であることと、多少の手続きをしてもらう話を進めてもらっていたんだ。

「はい。多分、サーゼクスさんとの話がフラグだったんですよ」

「それはいいことだね。それで、例の話だけど、簡単に通ると思うよ。イヅナくんのことは任せてほしい」

「ありがとうございます。それで、眷属にしたいとかいう悪魔の方はいませんよね?」

「だいじょうぶだよ。イヅナくんの能力は公表しないし、約束通り、安全は保障する。もしも害する者がいれば、私たちが対処しよう」

 この人、本当にいい魔王さまだよ。ただの協力関係の俺たちにまでこうも優しいとは。

「なんか、いろいろとすいません」

「気にしなくていいさ。そのかわり、妹と、眷属のみんなを頼むよ。できることなら、ソーナのこともね」

 駒王町のことは任せたっていう意味で受け取っていいのかな、これ。

 まあ言われなくても当然がんばりますよ。

「任せてください。できる限りのことはやってみます。部長たちみんなのことも必要があればなんとかしますよ」

「そうか。ありがとう。じゃあ私はこれで。今度は私用回線で話でもしようか」

 それだけ言い残し、サーゼクスさんは去っていった。といっても会場内にはいるので、他のお偉いさんと話でもしにいったのだろう。

「カイト……」

 これまで黙っていたイヅナに引っ張られる。

「なんだ?」

 この流れ、さっきもどこかで。

「油揚げ、あるかな」

 あ、ああー……。エストか! 

 よく考えれば戦闘中じゃないイヅナの雰囲気はエストに近いものがある。それでもまさか行動パターンまで同じとは。

「さすがに油揚げはどうかな? いまエストとレスティアがオトーフ探してるけど」

「なら、二人と探してくる」

「そうか。がんばれよ」

 なら俺はまた他のところでも見に行くか。

「待って」

 適当にどこか行こうとしたら止められた。

「なんだ?」

「一人、やだ。エストたちのところまで連れてって」

 ……。こういうところ、変わらないんだよな。

「わかったよ。じゃあ行くか」

「うん」

 イヅナが帰ってきてから、なにを話しただろう。

 あまりに久々の再開をはたした俺たちは、まだどこか、ぎこちない。

 それがなんでかはわからないけど、昔と違って、一線退いて接してる感じだ。

 まだ、俺たちの仲が本当の意味で元通りになるのは、時間が必要なのだろ

 

「カイト。カイトはわりと、さびしがりやだよ。話し相手がいないといつか死んじゃうし、周りに人がいないと不安でしょ」

「それはおまえだろ」

「カイトもだよ」

 即答されました。いや、確かにオカ研入る以前に話相手いないと死んじゃうみたいなことあったかもしれないけど。

「それ言ったらおまえだって一人だと不安すぎてあたふたしていろいろ失敗するじゃねえか」

「うっ……。でもカイトは周りに人がいないと――」

「おまえもだろ」

 よし、即答で返してやったぞ。

「そういう意味じゃなくて……。すぐ無理するから、止める役目の人が必要。だからちゃんと、これからは側にいる」

「え? わるい。いま最後なんて言ったんだ?」

 最後の方、かすれてて聞こえなかったんだけど……。

「なんでもない!」

「え? お、おい!」

 ……まあいいか。聞こえてなくても、なんとなくわかる気がした。

 イヅナが俺の手を握ってくることで、全部わかる気がするんだ。

 ああ、そうだ。いまは側にいてくれるだけでいいじゃないか。

 それだけで、いまはいいんだ。

 だから、

「帰ったら。家に帰ったら、いろいろ話そうな。昔のこと、これからのこと。楽しいこと、たくさん話そう。いままで話せなかったぶん、全部」

「――うん」

 これからまた、改めて始めればいいか。

 

 

 その後イヅナをエストとレスティアに引き継いでもらい、祐斗と話したり、ガブリエルさんと朱乃さんにいろいろ食わされたり。

 他の悪魔の方々に「魔王さまと対等に話していた人間だぞ」「あいさつしておくか?」「なんで人間がいるんだ?」などと好奇の目に晒されていたが、スルースキルを存分に発揮させてもらった。

 あと、エストとイヅナが本当にオトーフと油揚げを発見してきたのには驚いた。あったことよりも、持ってきた量に……。

 最後の方でなんかフェニックス家のレイヴェル・フェニックスにあいさつをされたな。

 なんでもライザーは絶賛引きこもり中らしい。

 そういえば今度お茶でも、と誘われたのでやぶれかぶれのうちにオッケーしてしまった。

 あの子もよくわからない子だ。

 

 

 っと、もうすぐこのパーティーも終わりかな? じゃあ最後はみんなと過ごすか。

 部長たちとも合流し、最後はオカ研のみんなで楽しい時間を過ごした。

 

 




平和? なパーティー回になりました。
このパーティーの話は、今後番外編で部員のみんなとカイトがどのように過ごしたのか一人一人取り上げていくかもしれません。
誰を取り上げるかは活動報告の方でアンケートとるかもです。
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