なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「ひぃーっ!?やってもやっても終わりが見えない!!?」
「おかしいねー【
「やってもやっても次から次へと仕事がー!仕事がー!!」
無間地獄かな?(白目)
いやね、折角ウイルスの宝石箱(誤解を招く表現)である彼がいらしゃるんだから、可能な限りワクチンとかお薬とか作っとくべき、って話になったんだよね。
本当はこの世界から検出されるであろう菌類だけ対策するはずだったんだけど、ジェイドさんが『彼がお帰りになる前に危ないものは全て対処して置くべきでは?』って言い出したものだからさぁ大変。
ついさっきも述べた通り、彼はその存在の影響力の高さ・およびある程度
──言い換えると、今だけなのだ。その豊富なウイルス資源を利用できるのは。
出会うこと自体が難しいうえ、彼からウイルス達の研究について許可が出ている今というタイミングは、まさに千載一遇のチャンス。
生きているうちにはもう出会えないであろう一番星ともなれば、可能な限り願い事を投げておきたいとなるのも宜なるかな。
……ってなわけで、なし崩し的に彼のリストアップしたヤバーいウイルス達への有効薬開発が始まったわけなのだけれど。
うん、甘く見てたね色々と(白目)
「過去・未来・並行世界に壁差世界……ありとあらゆる時代・場所にて現れうる全てのウイルス達を統べる王。言ってしまえばウイルス限定の『星女神』様みたいなもの……だから、危険度だけで区分けしてことを進めるのは無駄足になる可能性が高い、ってんでこれでも対象を減らしてるんだよねぇ……」
「
流石に、本気で全ての病原菌に対する薬を作ろうとしていたわけではない。
様々な要因から
問題は、そうして分けたうえでなお阿呆みたいに対象のウイルスが存在した、ということの方だろう。
……うん、ほぼ無制限に近い超・長期間設定の【誂えよ、凱旋の外套を】を以てしても終わりが見えない辺り、どんだけあるねんってツッコミたくなるというか?
まぁ、そんなことになった理由の一端は、【星の欠片】との縁ができたことによる異世界との境界の緩みによるものなわけだが(白目)
「本来この世界で起こり得るモノだけに的を絞れば、流石に今のような量にはならない……だったか?」
「繋がりうる世界が増えれば増えるだけ、そこで流行ってる病も流入する可能性が発生するってことですからね……」
基本的に、二つ以上の並行世界がその道を交える、などということはあり得ない。
遡れば同じ枝だったということはあれど、別れた枝が再度同じ枝になることは(基本)ないのと同じ。
ゆえに、本来であれば一つの世界において発生しうる病、などというものはそう多くはないのである(【星の欠片】的感覚の上では)。
どっこい、今のこの世界はすっかり他所の世界との境界が薄くなり、こうしてウイルスの元締め……なんてとんでもない存在が現れてしまう始末。
『というか わたし いると ふえますからね めいかくに』
「いやホント、こっちの世界で現れて下さったのは不幸中の幸いですよ……」
そもそもの話、彼という存在が劇物であることも事実。
私がよく『知ることは不可逆、真の意味で忘れることはできない』みたいなこと言ってるけど、それはなにも人に限った話ではない。
そう、彼というウイルスの元締めが存在することにより、今現在この世界において
彼は全てのウイルスを統べるため、彼が表に出ている限り
たった一度の奇跡が本当に
ともかく、一例でも見つかったのならそれが以降見付からないという保証はどこにもない。
ゆえに、彼が表に健在な内はあらゆる傷病の発生確率が
結果、通常の世界で彼が顕現してしまった場合、その世界はありとあらゆる傷病によって滅ぶのである。
……現在私たちがいるのは、ささらさんが作り出し現在はジーク君にその権限が譲渡された世界。
さほど大きな世界ではなく、なにより空気中に【星屑】が充満した、【星の欠片】の体内のような場所。
そのため、本来起こり得る『偶然、遠く離れた秘境で未知の病気が発見される』という、『生ならぬ星』において一番注意すべき事象を無視できてしまう。
そこら辺も含めての『こっちで良かった』発言なわけなのだが……少しわかりにくかったかもしれない。
「逆はわかるから別にいいんじゃない?……あれでしょ、事件が起きてるのは日本なのに、影響は裏側のブラジルで出る……みたいなことになるんでしょ、向こうだと」
「それならまだマシで、最悪のパターンだと地球でことを起こしたのにどこか遠く離れた知的生命体の生きる星でパンデミックが起こる、みたいなことも起こり得るんだよね……」
「……色んな意味でこっちの世界でよかったわね」
一つの星で事が収まってくれるのなら寧ろ良心的、場合によっては他の星
……【星の欠片】はスペースグローバル、世界が滅ぶんだから地球一つで満足するわけねぇよなぁ、みたいな?()
……まぁともかく、まかり間違っても向こうの世界に彼を連れていっちゃいけない、というのはこれでわかっただろう。
そうなると実は『星女神』様に会う、というのが彼女にこっちに御越しいただく必要があるということになり、必然的にささらさんが彼女による圧迫面接を受ける絵面が生まれることになるわけだが……その事に気付いた彼女は真っ白な灰になっていた。塩の柱かな?()*1
それはともかく。
結局のところ自分から仕事を増やして困ってるだけじゃん、とツッコミを受けそうなので一応弁明を。
この苦労、いわゆる『買ってでも体験すべき』*2ものに区分される、と私の直感が告げていたのだ。
「こういう時の私の直感は当たるからね。多分見たことも聞いたこともない病気が唐突に流行ってヤバい、みたいなことになる可能性があるんじゃないかと」
「それが仮に本当だとするならゾッとしないわね」
「ここでやっとかないと対処できない、ということですからねー。どうせならどういう病気が発生するのか、とかまでわかればよかったんですけど」
「そこまでわかっちゃうと逆に回避されるから……」
「うーん未来視ってめんどくさーい」
なお、特定の一つが起こると絞り込むと、逆にそれが流行らず別の病が流行する……みたいなパターンも予測されるため、結果『一つに絞って対策するのではなく、起こり得るもの全てに対処する』というやり方になっているのはご愛嬌。
……しゃーないねん、未来視にも色々あるけど私ができるのは測定じゃなく予測の方。*3
未来を視たこと自体が影響を与えるため、あまり細かく内容を
ちょうど近くにクリスがいるので彼女を使って説明すると、彼女の
「今回の場合、どんなウイルスでパンデミックが起きるのか、という子細を明らかにすると『パンデミックが起きる』部分は変わらずに『どんなウイルスで』の部分が変化するわけ。パンデミックが起きることは変わらない、ってのがミソね」
「どうせ変わるのならそこが変わればいいんですけどねぇ」
そう上手くは行かないのが人生、ということだろう。
……そんなわけで、ぐだぐだ言っている内に【誂えよ、凱旋の外套を】の効果時間が進み、みんなのスペックが跳ね上がったのでいい加減仕事に戻ることにした私たちである。
さーこっから徹夜で頑張るぞー()
……一体終わるまでに何徹する羽目になるんだろうね?
そんな風に、思わずため息を投げた私なのでしたとさ。