なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「うぇ!?なにあれ恐っ!?」
「言いながらスムーズに
「流石はおぜうさま、全力ですな()」
うーん、頼りにならない。
……いやまぁ、さっきの短い間に話を聞いた限り、どうにもそんなに再現度の高いタイプじゃないっぽいから仕方ないんだけども。
でもその分吸血鬼としての特性・デメリットもあんまり再現されてないみたいだし、それはそれでいいんじゃないかなーと思わなくもない。
お日様の下でも平気みたいだし?*1
「でもそれって本来の私もそこまで……って感じじゃない?ほらよく言うでしょ、吸血鬼の大袈裟な弱点は本来の弱点を覆い隠すためのカモフラージュに過ぎない、って」
「悠長に語ってくれるのはいいけどそのガード崩さないの?」
「……こんなにも月が眩しいから、ちょっと本気で隠れるわね」*2
「名言を自分で汚しやがった!?」
ダメだこのかりすま()、早くなんとかしないと……。
いやまぁ、確かレミリアって真祖みたいな特別な吸血鬼ではない(というより、東方の世界観において吸血鬼は歴史の浅い存在であるため真祖という枠組み自体がないかもしれない)ので、真祖の顔した朱い月が突っ込んでくる、という状況そのものに恐れを成しても仕方のないところはあるのだが。
「は、はぁー!?それって私があの月にビビってるとでも言いたいわけー!?」
「いや、実際そうでしょ……というかあれだよね?ハルケギニアの吸血鬼って同じ名前の別種族みたいなもん*3だから、ここでなら普通に無双できるでしょーとか余裕ぶっこいてたところにこれ、みたいなやつなんじゃないの?」
「はぁー!?言うに事欠いてこのレミリア様を弱いものイジメしかできない雑魚狩り専門と申したかー!?」
「そこまで言ってないけど、そういうこと言うってことは薄々自分でも思ってたんじゃないのー?」
「キーッ!!そこまで言うならあの月くらい撃退してやるわよー!!」
「計 画 通 り」
「うわぁ」
なお、その辺のことをチクチク突っついたところ、こうしてカリスマガードを解除させることに成功したわけでございます。
やだおぜうさま、チョロすぎ……?
隣で悪鬼羅刹を見付けたような顔をしているゆかりんはスルーして下さい()
……ともかく、これで体のいい肉壁ゲットである()
彼女が『逆憑依』である以上、ある程度性質──吸血鬼としての能力は再現されていることだろう。
無論なんでもかんでも再現されてるわけじゃないが……最低限吸血鬼として振る舞うための不死性くらいは優先されてるはず。
なので、最悪あの月を押し止める役割くらいは果たして貰う予定である。
……え?お前は体を張らないのかって?
いやー、張りたいのは山々なんだけどね?
「……向こうだと髪色違うだけで気付かれなかったのに、こっちだと滅茶苦茶ビジューちゃんと同一視されてるから迂闊なことはできないんだよなぁ」
「そういえば、周囲のお貴族様達が微妙に騒がしいな……」
「なんでなのかしらって思ってたけど、これあれね?先輩がなんだかスーパーモードになってる、みたいな扱いされてるやつね?」
「……うん、虚無の魔法使いって肩書き普通に広まってるからね、ビジューちゃん」
ご覧なさい、周囲にいらっしゃるお貴族様達のご様子を。
他の面々は知らない人なのでともかく、私に関しては見た目が酷似していることもあってか大抵の人間が『なんだか髪の色が銀色になってるビジュー先輩が謎の月に対峙している』と認識してるみたいでね?
この状況下でいつもみたいに攻撃を全部カバーリングしてみなさいよ、ほぼ確実に『先輩が本気を出した!?』『あれこそ虚無の魔法の真髄……?』『我らが始祖ブリミルの再来だ!』とかなんとか、非常に面倒な風評が立つこと必至。
わかりやすく言うとビジューちゃんに滅茶苦茶迷惑が掛かることになるため、できればサポート役くらいに収まっておきたいのである、切実に。
そのサポートにしたって、あんまり変なことをすると彼らの印象に焼き付いてしまうだろう。
なので、精々
「そういうわけなので、申し訳ありませんが八雲様宜しくお願いしますね!私虚無を唱えるのに集中しますので!」
「(体よく私に押し付けて来たわね……)はいはい、わかりましたよーと。……んじゃまぁそこの幼い吸血鬼、全力で振り回すけどオーケー?」
「ふふん、誰に口を利いているのかしら?……いやちょっと待って、振り回すってな
そんなわけで方針が決まったところで、折よく喋りをビジューちゃん仕様に変更。
そのまま後ろに下がり、戦線をゆかりんに任せる私である。
任された側のゆかりんは最初、小さくため息を吐いていたけれど……諦めたように前を向き直し、張り切り出したレミリア嬢に声を掛けていたのであった。
で、色々あってやる気を出した当のおぜうさまはというと。
「ジブン達も大概扱いが雑っすけど、それがまだ甘く見えるくらいにあの人の扱いは雑っすねぇ」
「……貴方達も大概頑丈ですけど、それに輪を掛けて頑丈なのがあの方ですからね。そも貴方達をあんな扱い方していたら、色々と問題どころの話ではないかと思いますけど?」
「そっすねー。生憎この世界にベースパネルなんて便利なものはないっすから、ジブン達が自爆したらそのままその場に亡骸が残るだけっすからねー」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」
「これが魔チェンジ武器と専用技よ!」<ドヤユカリ
「ふざっ、ふざけるなぁあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」
ご覧の通り、スキマから伸びたスキマチェーン(?)によって体を縛られたあと、まるで
不死身の存在を有効活用するなら相手に直接ぶつけるのが効果的だからね!……えっ、ぶつけるって言ってもそういう意味じゃない?
とはいえ、実際現状のメンバー的には一番有効的な攻撃方法であることも確かだったりする。
何故かといえば、空に浮かぶ月に攻撃ができる存在がほとんどいない&仮に攻撃できても火力が足りてないからだ。
まずアンデルセン氏、問題外。
そもそも文化人系キャスターは戦闘力皆無なのが本来の設定なので、そりゃまぁ攻撃なんてできるわけもないというか。
初期の光弾すら出んぞ、と言われればもうやれることは補助くらいである。
そんな彼とは別の意味で問題外なのが、一般人であるはるかさん。
……はい、一般人には空中戦闘なんて不可能ですね、次。
ジェイドさんは比較的なんとかできる方の人物だけど、彼は彼で火力が足りてない。
魔術……もとい譜術が彼の使う技術だが、その違いが再現度の要求を高くしてしまう理由にもなってしまっている。
あれだ、彼と彼と同郷の存在にしか使えないモノ・もしくは彼らからしか覚えられないモノであるために個人の再現度を多く必要とする技術になってしまっているというか。
これが仮に魔法とか魔術とかなら、場所が場所なことも手伝って普通に火力要員だったんだろうけどね?
じゃあ周囲の人達に手伝って貰えばいいのでは、となりそうだけど。
そもそもそこにいる大半が単なる学生、戦闘力としてあてにできそうな人物がほぼいないのである。
せめてキュルケなりタバサなりルイズなりでも居るのなら話は別だが、そもそもその辺が揃っていても月相手だと火力不足でしかない。
そうしてあれこれ考えると、例え再現度が足りてなくても必要最低限吸血鬼の能力を発揮できている──人より遥かに強い力と不死性を持つレミリアを前線に送り込むのが一番確実。
さらにそれをゆかりんで補助すれば大抵の攻撃を回避することも可能となれば、なるほどこんなに噛み合ったタッグも早々ない、と言いきれてしまうような組み合わせになってしまうのである。
……え?おぜうさまの安全面?死ななきゃ大丈夫でしょ、さくやさんも笑って認めてくれるよ多分(適当)
「ふざけるなー!!あとで覚えとけよお前らー!?」
「はっはっはっ。後ろを気にしてる暇はないぞおぜうさま、目の前の月がちょっと本気になったっぽいからね」
『蟆代@譛ャ豌励□縺吶o』
「ぎゃー!?聞いてたらSAN値削れそうな声ー!!?」
とにもかくにも、そんな感じにお月様攻略戦は始まったのでしたとさ。