なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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わからせ?私からはもっとも遠くもっとも近い言葉ですね()

「「ほらほらバフは途切れませんよー!?そのままだとじり貧ですけどどうなされるおつもりですかー!?」」

「やだ、ビジューが相手を滅茶苦茶煽ってる……」

繧ゅ≧縺ゅ◆縺セ縺阪◆繧薙□縺九i!!

「煽られた月の方もなんだかわかりやすく憤慨してる気がするわね……」

「なに言ってるかはわからない、けど凄く怒ってるのはなんとなく伝わる」

 

 

 はてさて、わんこそば式バフ追加法によって相手の余裕を削ぎとる、という今回の作戦。

 それは思っていたより遥かに効果的だったようで、月の攻撃は基本こちらに向くように変化していた。

 

 

「つれないな。私とも踊ってくれないのか?」

(……ダンブルドアさんノリノリねぇ)

(普段がおじいさんだから、若い姿で動き回れるのが楽しいのかも?)

 

 

 で、そんな状況下なら前線組も自由に動けるというもの。

 板野サーカスばりに飛んでくるプリニーミサイルを、横合いから切り落としたり叩き落としたり、とにかく好き勝手しているダンブルドア氏とおぜうさまに月が意識を向ければ。

 

 

「はいそれ隙です!こっちの切り札の準備も進むというもの!」

「いやー、二人いると流石に楽ですねー。切り札の方の詠唱も互いに相手から引き継ぐことができますし」

「普通なら不可能なんですけど、何せ今の私二人居ますからね!」

「……え、そんなのありなの?」

「いや、私に振られても知らないわよ?タバサは?噂に聞くペンタゴンだかオクタゴンだかのスペルがあんな感じ、なんて話は?」*1

「生憎私も聞いたことはない。……というか、お父様と伯父様は『四と零、合わせれば四十倍だー!!』とかなんとか、無茶苦茶な原理で魔法を使うし」

「なるほど……それがありならビジューのなんて全然普通ね!」

「そうかしら……?」

 

 

 そうして意識がそれたことを確認して、手の空いてる方の私が『星解』(簡易版)の準備を進める。

 ふっ、まさに完璧な作戦だな!

 

 ……わかっていると思うが、本当に二人で順番に呪文を唱えているわけではない。

 そもそもこの分身自体周囲へのごまかしのために急遽持ち出したものなので、そこまで大掛かりなことはできない。

 じゃあどうなっているのかと言うと、見えないところに三人目の私がいて、それが全部の詠唱を受け持っているだけなのだ。

 ……まぁ、その三人目は月に見つからないように、ほぼ誰にも見つけられないほどの小ささとなっているのだが。

 具体的にはゆかりんの肩に積もってる埃の一つが私です()

 

 

(現在ああしてみんなに見えてる二人は完全なダミー!そのダミーを通して魔法を使うことでみんなに誤認させてるけど、最悪その場で消し飛ばされてもここにいる私から再度増やせばまるで相手の攻撃を華麗に躱したように見せることも可能!ふふふ、このコンビネーションを見抜けると言うのなら見抜いて見せるがよいわ!)

(……見た目単なる埃が滅茶苦茶イキってるこの状況、一体どう反応すればいいのかしらね?)

 

 

 飴玉みたいなもの、って思っておけばいいんじゃないかな?(適当)*2

 

 ゆかりんはスキマを使って全体を補助しているが、同時に相手に狙われてもすぐに回避できるようにスキマの縁に腰掛けている。

 それに同乗させて貰う形で、今の私は戦場を俯瞰しているわけだ。

 

 ……え?なんであの二人を完全なダミーとして運用してるのかがわからない?

 それはいざとなればあの二人を移動させて月の攻撃を誘導するため……わかりやすくいうと囮として運用することも想定しているからですが?

 

 現状月は直接突撃するのではなく、その表面からプリニーを生み出して攻撃するという形で攻撃しているが……本当に追い詰められたら、その巨体を生かしての攻撃に切り換えるだろう。

 今現在それを相手が選んでいないのは、偏になにか目的があるからということになるわけだが……その目的、というのを察するのは難しい。

 

 なにせあの月、誰かが直接召喚したものではなく、場の空気が生み出したもの──気質が集まって【兆し】が姿を持った、いわゆるところの【鏡像】でしかない。

 これが誰かの召喚したモノであるならば、その召喚者の意思を読み取って動いていると予測することもできるが……単なる【鏡像】であるならばその目的というのは【兆し】に集められた気質によるとしか言いようがない。

 

 月に関わるものが多く混ざっている辺り、月に関するなにかだということは辛うじて推測できるが……それだけだ。

 そこからなにがしたくてこちらと敵対しているのか、みたいなことまで考察するには情報が足りなさすぎる。

 

 となれば、こっちができることはそう多くはない。

 ムジュラの仮面の月が混ざっている以上、まともに地表にぶつかればハルケギニアが滅ぶのは避けられないだろう。

 そしてそれは、あの月が自身の大質量を使っての攻撃に舵を切れば、あっさりと訪れる未来でもある……。

 

 

(ゆえに、必要以上にヘイトを稼いで質量攻撃に踏み切った時に私に向かってくるように誘導する必要がある、ってわけ。こっちに向かってくるなら最悪空の方に攻撃を逸らせるし、そうして轢かれた私を確認したあと反転した月に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()最高のタイミングでカウンターを仕掛けられるってわけ)

(……言いたいことはわかるしそれが効果的なのもわかるけど、それ絶対後々色んなところから怒られるやつよね?特に私の目の前でやるべきじゃないやつよね?)

(……緊急時なので見逃して貰えたりは)

(ダメです。そうしなきゃダメだと判断したら許可はするけど、あとでやったこと全部マシュちゃんに伝えます)

(世知辛いぜ……)

 

 

 なので、いざ向こうが質量攻撃に踏み切った際、その攻撃をなにもない空に誘導するためにも、とにかく相手を煽って攻撃されやすいように、()()()()()()()()()()()()()()()振る舞う必要があったのだ。

 ……あったんだけど、ゆかりんからは白い目が飛んできたのであった。

 仕方ないけどあとで怖いわよ、という彼女の言葉に思わず閉口する私である()

 

 まぁ、現状いい手も思い浮かばないのもあって、頑なに止めろとは言われなかったんだけども。

 仮にゆかりんのスキマがもっと大口になるんなら、そこに突っ込ませてスキマの中でみんなでボコる、みたいな案も無くはなかったんだけど……。

 

 

(まさかこっちだと開ける量に限りがあるとは、ねぇ)

(開くこと自体に制限はないというか、寧ろ開きやすくすらあるけど代わりに上限が向こうより少ない……って認識であってる?)

(そうね。なんでそんなことになってるのかは、まったくわからないけど)

 

 

 ハルケギニアに来てからのゆかりんの様子からして、それは難しそうなのであった。

 ……決して調子が悪いのではなく、全体的に見ると寧ろいい方に区分されるみたいだが、一部原因不明の不具合が発生しているらしい、というか?

 

 具体的には、スキマを開く際の労力は寧ろ軽くなっているが、それを維持し続けるための労力や開ける総量、及びスキマの大きさなどが向こうに居た時よりも弱くなっている、みたいな?

 例えば、向こうのゆかりんは滞空回線擬きみたいな感じでスキマの予兆とでもいうべきものを周囲に張り巡らせ、該当の条件に反応して即座に開く……みたいなことができたりするんだけど。

 

 

(予兆として待機させるのは問題ないわね。寧ろ範囲は広がってるレベル。……ただ、向こうだと範囲内ならほぼ制限無く開けるスキマが、こっちだと明らかに減っているわね。具体的にどれくらいか、と言われると困るけど)

 

 

 ……とまぁ、こんな感じ。

 本来ならスキマを無数に開いて飽和攻撃、みたいなこともできなくはないけど、こっちだと開けて精々一方向に向けたものを背後に並べるだけ、みたいな感じだろうか?

 あれだ、例外(fake)原典(stay_night)におけるギルガメッシュの『王の財宝』の展開数の差、みたいな?*3

 あんな感じでガクッと量が減っているのが目に見えるレベル、とでもいうか。

 

 言い換えると総出力が下がったということになるわけで、その結果星を一つ吸引できるような大きさのスキマを開くことも不可能だ、と。

 ……いや、向こうなら月一つ呑み込めるスキマを開けるのか、と言われるとちょっと疑問がないでもないけど。

 

 ともかく、ゆかりんによる簡単な解決策が使えない以上、こっちであの質量をなんとかしようとすると空に誘導したあと最大火力で吹き飛ばすしかない。

 無論その前に地脈との接続を切る必要もあり……なんというか、こっちの(私を除いた)面々だけを戦力としてあてにすると、普通に詰みそうな予感がしないでもないわけで。

 

 そりゃまぁ、手加減?してるとはいえ私が積極的に働かないと困るというか。

 

 

(なので見逃して欲しいんだけど……ダメ?)

(ダメです)

(ぬぅ、ゆかりんのいけずぅ)

(誰が意地悪おばさんか!)

(いやそこまでは言ってないよ?)

 

 

 そんなわけで、情状酌量の余地を求めたのだけれど……うん、取り付く島もないとはこの事だね()

 

 

*1
それぞれ五角形(ペンタゴン)八角形(オクタゴン)を意味する言葉。ゼロの使い魔においては、王家の人間が力を合わせることで既存の魔法よりも強い魔法を使うことができる、という設定があり、作中では水のトライアングルと風のトライアングルを重ね合わせた『六角形(ヘクサゴン)』・スペルと言われるものが使用された。そこから、同じ様に四と四の組み合わせで(オクタゴン)、三と二の組み合わせでの(ペンタゴン)などの呪文があるのでは、と考察されていた。余談だが、七角形はヘプタゴンという

*2
『ドラゴンボール』に登場する世界最強の飴玉。その正体は魔神ブウの魔法によって飴玉に変えられたベジット。変身しても戦闘力が変化しなかった為、結果として飴玉なのに遥かに強いという意味不明な存在と化した

*3
後になって設定が盛られた結果、とも。あくまで自身の背に無数の武器を浮かべる原典(SN)ギルガメッシュと、最早地上から見る星の如く無数の武器を射出してくる例外(fake)ギルガメッシュの差とも言えるか

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