なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「繧ゅ≧縺薙≧縺ェ縺」縺溘i縺。繝ァ縺上○縺、!」
「!これは……私1!」
「ええ、行きますよ私2!」
「えっちょっ、どうするつもりよビジュー!?」
「引き付けます!このままだと普通に大地がヤババのバです!」
「ヤババのバ!?」
戦闘を続けることはや数分、どうやら向こうの我慢の限界が来たようで、発射していたプリニー達の雨霰はピタリと止み、代わりに月の巨体そのものが震え始める。
──攻撃に回していたエネルギーを自身の移動のために回す際の前兆、というわけだ。
予め予想していた動きが実際に始まったことを理解し、二人の私は互いに顔を見合せそのまま空へと飛び上がる。
片方がフライ(的なもの)を使いもう片方を抱えて飛ぶ、という形のそれは相手の攻撃目標を誘導するための囮。
今まで散々月に煽りを仕掛けていたため、ヘイトとしては結構なものになっているはず。
となれば、まず間違いなくあの月は
ゆえにそのままハルケギニアごと直撃コースとなる地上に残ることは避け、現在月がある位置より上を目指して飛ぶわけだ。
……と、ここで現在月と呼んでいる物の大きさについて語るとしよう。
まず、地球の衛星である月と同じ大きさ……
それはなぜかと言われれば、単にそんなものが地表に浮いてたらこんな悠長なことはしていないから、である。
月の
地球の四分の一、日本列島の最北端と最南端の直線距離より少し長いくらいである。
仮にその大きさの星が地表にあれば、そもそも霧やらなにやらがなくとも地表は影に覆われているだろうし、単純な物理法則下ならそもそも衝突を回避できまい。
なので、私達の目の前の月は見た目が月であるというだけで、その大きさは遥かに小さいものということになる。
具体的には、直径五百メートルくらいということになるだろうか?
本来の月からすると遥かに小さいが、とはいえこれが現実的な高度に浮いているとなればその圧迫感は普通に強いものとなる。
ついでにいうと、例え五百メートルほどしかなくてもそれが十分な速度で地表にぶつかれば、起きる被害は相当のモノだろう。
そういう面もあって、私達はこの月に対処してきたわけだが……その巨体が動くとなれば、対処に必要な高さは最低でも五百メートル以上。
実際には地表からある程度浮いているため、攻撃を安全な方向に誘導するなら高さは一キロほど欲しいところ。
そんなわけで、結構な速度で空へと向かい飛び上がっている……もとい、飛び上がらせているわけなんだけど。
(……あれ、おかしいな?)
(どうしたのよ?)
(気のせいじゃないなら、月が見てるの向こうじゃないような……?)
(はい?……いや、普通に目で追ってない?)
その様子を地表から見ていた
確かに、ゆかりんの言う通り月についている顔は上を──上空に向かって飛んでいく
ただなんと言えばいいのか、実際には私達に注目していないような気がしたのだ。
あれだ、目線は余所を向いているけど、意識している先は視線の端の方、みたいな感じというか。
(わかりやすくいうと、目の前のものを見ているように見せて視界の端を気にしてる感じというか)
(視線を読まれてるからそれを前提に動いているってこと?……いや待ちなさい、だとすると)
(……あーうん、ごめんゆかりんとりあえず補助するから、)
「スキマで呑み込めって?!無茶言うわねホント!」
「うわっ、やっぱりこっち来た!?」
そう言葉にした途端、月は
どう言い繕ってもあきらかにこちらを狙っている動きに思わず困惑し、慌ててゆかりんに補助を掛ける私。
呼び戻した囮達も間に合いそうにないため、向かってきた月はこっちで対処せねばなるまい。
「……なるほど、そういうことね!」
「なに?!なにに気付いたのよ一体?!」
「あれ朱い月混じってるでしょ?ってことは端から向こうが囮だって気付いてたのよ!」
「な、なんですってー!?」
そこまで状況が動いたことで、向こうの月が狙っていたのがなんなのかを理解した私。
……そう、月は今の今まで
囮達が本体ではないことに気付き、潰すべき本体をずっと探していたのだ。
それを可能にしたのが、朱い月の種族──真祖としての特性。
自然の具現である彼女はそれを使って周囲を探っていたのだ、今の今まで。
そしてついに目的の存在を──私という敵対者を発見し、ついに攻撃に移ったと。
現状を維持しているのは結局のところ私、ゆえにそれさえ潰せばあとはなんとでもなるというわけだ。
「間違ってないけど、いざ明言されるとなんかこう……ね?」
「言ってる場合かー!?はやくはやく!『エスコート・ステート』プリーズ!!流石に五百メートルは無理!スキマの方が割れるぅ!!ってぎゃー!?」
「ユカリィー!?」
エネルギーを全て推力に回した月は意外と早く、流石に『エスコート・ステート』による補助は間に合わない。
となれば月がこちらに接近する方が遥かに早く、ゆえに私達はなにもできないまま月に衝突され──。
「──なるほど、月との雪辱戦。もしくは遭遇戦ということかしら?」
「……!?」
衝突の際、巻き上がった土煙に覆われ周囲はなにも見えない状態に陥っていた。
その中で一瞬の気絶から意識を取り戻したキュルケは、周囲に響く一人の女性の声に思わず視線を向ける。
土煙の中に浮かぶシルエット、それは巨大な月と。
「どうして、という顔ですわね?ですがそれはこちらが問い掛け返すべき言の葉。──何故、通じると思ったのでしょう?この、」
その月を、右手の扇子一つで押し留める──あまりに優雅な女性の姿。
それを認識すると同時土煙はさぁと晴れ、現れたるはシルエットから予想できるままの、気だるげな笑みを浮かべた──されど優雅なまま宙に腰掛ける一人の女性。
彼女は嘲るように、蔑むように、憐れむように笑みながら。
目の前の月の愚行を責め立てるように、その視線を向ける。
「境界の賢者、八雲紫に対して牙を剥くだなんて。──愚かすぎて欠伸も出ませんわよ?」
女性──八雲紫は、先程までの慌てぶりが嘘であったように、そのカリスマを遺憾なく発揮していたのであった。
……なお、視界の隅っこで「いやキャラ違くない!?そういうんじゃなくない?!」などと喚くおぜうさまはスルーされた。仕方ないね()
(……『エスコート・ステート』が間に合わないなら『過剰黎明』すればいいよね!)
(ま、真面目に死ぬかと思った……)
はてさて、ゆかりんに融合した私でございます()
いや、正確に言うと融合ってよりは後付け強化パーツ、グレート合体の類いなんだけどね?*1
そもそもの話、ゆかりんの出力が足りないからこそスキマに月を呑み込むことができないわけだから、その出力部分を私が補えばいい、というわけだ。
……え?だったら最初からやっとけ?生憎『過剰黎明』するなら囮の方消さなきゃならんので……。
今は衝突のどさくさに紛れて二人を消したことでなんとかなってるけど、後々居なくなってることに気付かれたらいい感じのタイミングで呼び戻す……もとい再精製する必要があるんですよ()
これに関しては『過剰黎明』の性質上、他のやり方でごまかすこともできないので仕方ない。
多人数に『過剰黎明』するのは問題ないんだけどねー。
……まぁともかく、月がこっちを狙ってくるのならもう仕方ない。
このまま直接、パワーアップしたゆかりんで相手を打ち砕くのみである。
丁度ダンブルドア氏も追い付いてきたし、おぜうさまも気を取り直したみたいだし。
「では。──この異邦の星から美しく残酷に往ね、過去の亡霊・月の王!」
「隱ー縺御コ。髴翫h隱ー繧ャ!!」
「……とまぁ、これが戦闘の経緯なわけだが。この時のお前達はどちらが主体だったんだ?あくまで今後の参考として聞いておきたいんだが」
「そりゃもちろん、グレート合体を標榜してるんですから見た目の基本であるゆかりんの方ですよ?合体してちょっと気が大きくなってるというか」
「ちょっ、止めてキーアちゃん!違うからそういうんじゃないからぁ!!」
……なお、対月戦闘はそのあと特に問題もなく終わりました。
そりゃまぁ、幾ら色んな月が混じった強化月だったとしても、フルパワーと化したゆかりん相手じゃ出力差がありすぎるからね、仕方ないね。
なんなら相手をスキマの中に呑み込むことにも成功したため、『星解』で行うはずだった相手と地脈の切断もスムーズに終わったし。
その状況下で他のみんなの総攻撃も交えつつ、ほぼ原作と同等状態のゆかりんの攻撃を受けたらそりゃ負けるよというか?
で、現在は戦闘終わりに学院長室へみんなで雪崩れ込み、さっきの戦闘の反省回中。
その中でアンデルセン氏が気になったのはゆかりんのテンションだったようで、こうして黒歴史を突っつかれる人みたいに赤面するゆかりんの姿が生まれることになったのでしたとさ。
……え?お前は恥ずかしくないのかって?
そりゃ合体してたのはキーアの方であってビジューちゃんじゃないので……()
はい、ごまかしのためキーアとビジューちゃんに分裂してる私なのでしたとさ。……余計な苦労背負ってるような気がするね?