なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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無理を通すには道理を殴るしかない

「げげん?」*1

「んー、なんていえばいいのか……キャパオーバー、ってことになるのかな?」

「げぇん???」*2

 

 

 はてさて、これまでの話をちゃぶ台返しするような三つ目の理由。

 それは彼らが元に戻るのは恐らく不可能、というものなのだけれど。

 その理由を構成する一番の情報は、恐らく彼らが『無数のゴーストポケモンの集合体である』という部分になるのだろう。

 

 

「ぶっちゃけると、再現度の上限に思いっきり引っ掛かってるんだよね」

「むきゅん、再現度。……それ、そんなに重要なものなの?」

「重要だよー?少なくとも『逆憑依』だと扱えないレベル、【顕象】でもちょっとあれかもなラインというか」

「……『逆憑依』だの【顕象】だのがどういうものなのか私にはいまいちわからないけど、ややこしそうなことは察したわ」

 

 

 むきゅん、と唸るパチュリーにさもありなん、と頷く私である。

 ……あれだ、分裂した理由にゴーストタイプの持つ悪性が関わっていると言ったが、それと同じくらい存在としての総量・()()()()が関わっている部分もあった……みたいな話というか。

 

 そもそもの話、再現度というのは元の人物が対象の存在とどれほど近似しているか、ないし()()()()()()()()()()()()()()()()というのを数値化したもの、というようなニュアンスの概念である。

 その総量が多ければ大本となった存在に近いことができるようになるし、逆に少なければ本人と名乗るのも烏滸がましいような状態に陥る……みたいな。

 

 そして到達点が『原作の本人』である以上、単一の存在に対して割り振られる再現度というのはそう多くはない。

 パーセンテージで言うなら百が最高、それ以上にはならない……みたいな?

 

 

「まぁ、その百パーセント自体滅多にというか基本でない数字なんだけど。うちで一番高い数値を弾き出す子でも、多分八割いってるかいないか、くらいだから」

「なるほど。基本的に低い数値で安定するものってわけね」

「そうだね。……ただまぁ他者と比べる場合そのせいでややこしいことになる、みたいな面もあるんだけど」

「うん?」

 

 

 ただまぁ、それだけならそこまで難しい話でもないのだけれど。

 ここに他者との比較を持ち出してくると、途端にややこしいことになるのだ。

 

 ……わかりやすく他者と言ったが、より正確に言うのであれば『戦闘力』ということになるか。

 いや、それだと戦闘にしか反映できないので『力量』とかに変えた方がわかりやすいかもしれない。

 

 

「わかりやすいのはモンスターとか神霊系とか、いわゆる人以外の存在ね。再現度は本人を完全に再現した状態を百として、そこから要素が欠けていくごとに数値が下がるって方式の概念なんだけど……」

「……ああなるほど、元々の強さを基準にしてみると、再現度上では勝っていても戦闘力的には負けている、なんてパターンもあり得るわけか」

「そういうことー」

 

 

 今までも何度か触れていたことがあったように、元々強い存在の場合、再現度が低くても個体の強さとしては上位に当たる……みたいな存在が現れうるのも『逆憑依』の特徴である。

 わかりやすいところでは『本質はミラルーツ』なあさひさんとかになるか。

 あの人は再現度としては下手すると一桁台になるものの、その存在としての格ゆえに戦闘力は普通に上位の方に当たる存在である。

 

 無論、再現度的にはまっったくお話にならないラインなので、本物(げんさく)のミラルーツと比べると月とスッポンどころの話ではないのだが……。

 ともかく、再現度の概念的に力量との違和感が生じる例である、というのは変わるまい。

 

 ……この、『再現度をパーセントとして扱う時、実際の力量と違和感が生じる』という問題。

 なにを隠そう、それを一番強く感じるであろう相手というのは【継ぎ接ぎ】ないし【複合憑依】なのである。

 

 

「……んん?ぱっちわーく?とらいあど?」

「前者は(まるきゅー)繋がりでセラフってたりするチルノとか、後者はいわゆるところの多人数参加型に見せた一人芝居の類いだね」

「わかるようなわからんような……」

 

 

 おぜうさまは初めて聞く単語なので、少々困惑していたが……他の人には改めて説明する必要もないだろう。

 

 これら二つは一つのキャラクターのみを対象としたモノではなく、複数のキャラを対象とした概念である。

 そしてそれゆえに、そのどちらもが()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 

「んん?」

「まぁ、単純に合計になってるのは【複合憑依】だけで、【継ぎ接ぎ】の場合は付け加えられた要素の強度にもよるんだけど……ともかく、再現度の合計が百を越える可能性があるってのは変わらないね」

 

 

 アルトリアがわかりやすいだろうか?

 あの子はアンリエッタという存在の上に()()()()()()()()様々なアルトリアの要素を上乗せされた存在になるわけだが、それゆえに『アンリエッタ単体で見た時の再現度』というのはそれほど高くない。

 ……だがしかし、彼女はこのなりきり郷において、紛れもなく強者の側にカテゴライズされる存在である。

 

 その理由というのが、大量に追加されたアルトリア達の要素。

 都合二桁以上存在するそれは、明確に彼女の力量を底上げする結果になっているのである。

 

 

「まぁ、それだけだと個人の再現度云々とは関係ないように思えるけど……実のところ、【継ぎ接ぎ】とかにおける再現度っていうのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って扱いになるんだよね」

「は?」

 

 

 とはいえ、それだけだと力量の合計が上がる理由はわかっても、再現度そのものが総計されてしまう理由については理解できないだろう。

 そこを理解するには、『逆憑依』という現象において【継ぎ接ぎ】がどういうものなのか、ということを理解する必要がある。

 ……ぶっちゃけてしまうと、方向性としてはイメチェンの類い、という扱いになっているのだ。

 

 例えば、ゆっくりというキャラクターがいる。

 東方projectのキャラクター達が首から上だけになったような存在だが、それゆえに大本の彼女達とは別人であったり、はたまたなにかしらの要因によってその姿にされてしまった……など、作品によってその扱われ方は様々である。

 

 ──【継ぎ接ぎ】による変化というのは、大体その感覚に近い。

 この作品ではこういう設定なのだ、をもっと範囲を拡大したようなものというか?

 

 

「霊夢がおしとやかだったら病気を疑うけど、そういう二次創作自体はあってもおかしくないわけでしょ?……【継ぎ接ぎ】も似たようなもので、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()として再現度が計算されるってわけ」

「……意味がわからんぞ!」

 

 

 公式では否定されているが二次創作では活発なCPみたいなもの、というか?()

 ……まぁともかく、二次創作は基本自由であるからこそ、どんな荒唐無稽な設定であれ一応主張すること自体はできる。

 

 そう、できてしまう。【継ぎ接ぎ】における再現度というのはまさにそれであり、最早言ったもん勝ちの類いに当たってしまうのだ。

 

 先のアルトリア……もといアンリエッタで言うのであれば、『セイバーさんみたいに凛々しいアンリエッタ王女』を主張することは不可能ではないが、公式的には微妙なところだろう。

 しかし、再現度の考え方としては『セイバーみたいなアンリエッタ』は存在しうるし、その場合の判定は『セイバー要素』『アンリエッタ要素』その双方から行われる。

 

 結果、『セイバーの再現度は五パーセント』『アンリエッタの再現度は十一パーセント』『合わせてセイバーみたいなアンリエッタの再現度は十六パーセント』……。

 みたいな、明らかに無理のある計算すら罷り通る有り様となってしまうわけである。

 

 ……今は低めの数値で例えたが、実のところ【継ぎ接ぎ】の総数が増える度に同じような計算をすると考えると、この数値でも大概おかしなことになるのは否定できなかったりする。

 仮に混ざったアルトリア要素が十人程度だったとして、それでもそれぞれの再現度が同じだけあれば、最終的に加算される再現度は五十パーセント……と、それだけで最大値の半数を加算できてしまう始末。

 

 そりゃまぁ、【継ぎ接ぎ】がヤベーもんだという評価も宜なるかな、というか?

 なお【複合憑依】はもっとワケわからん模様。……三人分をまとめて百パーセント扱いするんじゃないってどういうことじゃい。

 

 

「まぁともかく、その話に当てはめて考えると。このゲンガー君って()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、つまりゲンガーに【継ぎ接ぎ】をした存在ってことにかるわけでね?」

「……あーなるほど。確か現状のゴーストタイプは六十種程度。それら全てが付け加えられているのだとすれば、仮に一パーセントの再現度でも合計は六十。もしもっと再現度が多いのであれば、加算される数値はさらに大きくなるわけだ」

「そういうことー」

 

 

 ……うん、一般的に再現度が六割(60%)を越えるとなにかしらの異常を来す、とされているわけで。

 無論そうならないこともあるが、そういう相手は大抵【顕象】であることが大多数。

 そうでない場合はいわゆるレベル4だの5だのの区分に当たり、異常を解消しない限りまともに行動できなくなったりするわけでして。

 

 まぁ、【継ぎ接ぎ】による再現度上昇は大抵の場合、八割付近にまで行っても問題は起き辛いのだけれども……。

 

 

「恐らく、本来のゲンガー君の再現度は三百近く。二つに割った上でかつ黒いのが多めに受け持っていると考えても、今のゲンガー君の再現度は低く見積もって百前後。……うん、普通にギリギリだよねっていうか?」

「げぇん……」*3

 

 

 流石に一人に対しての最大値、百付近だと話はちげぇよ?

 ……としか言い様のない私なのでありましたとさ。

 

 

*1
えーと、なんで?元に戻るだけだよ?

*2
きゃぱおーばー???

*3
あらやだヤバい数値

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