なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「因みにさっきは雑に言ったけど、
「……それを元に考えると、元のゲンガーが『ゴーストタイプのやれることならなんでもできる』みたいになっていてもおかしくはないな」
エクスカリバーとロンゴミニアド二刀流、みたいなことしてくるのがここのアルトリアですので……。
それと同程度の再現度と予想される(元)ゲンガー君、果たしてどれほどの力量となることやら?
同時に、んなもん『逆憑依』の範疇で収まるかい、ともなるわけなのだが。
そんなわけで、『逆憑依』がそもそも核となる人間を守るための殻のようなものであること。
及び、殻としての
「げぇん、げんげん?」*1
「んー……戯言遣いとおぜうさまの揃う場所という悪環境。それから、様々な制約における行動の制限。……となるとやっぱり、どうにかしてここから離れるしかない、ってことになるんだけど」
「それができれば苦労はしない、というわけだな」
ただ、それだと黒いのに拐われた人を回収する、という一番重要なことが解決できない。
恐らく拐われた人達も、すぐにすぐ死ぬなんてことはないはずではあるのだけれど……かといってこのまま放置でいい、なんてこともないわけで。
特にはるかさんが巻き込まれてるのが問題で、このまま放置するとココアちゃんが悲しむ上に他の面々から白い目で見られる可能性も大、という有り様である。
ゆえに、この案件は必ず解決しなければならないのだけれど……うーむ。
「どうにかする、というのならなるべく早くして欲しいのだけれど」
「おっとパチュリー、なにか問題でも?」
思わず唸る私に対し、優雅に紅茶を呑みながらパチュリーが声を掛けてくる。
その内容がこちらを僅かばかりにでも急かすものだったがゆえに、なにか個人的な今後の用事でも思い出したのかと受け取ったのだけれど……。
「……呑みすぎたからちょっとお花を摘みに行きたいのよ」*2
「いきなりなに言ってるのこの人???」
次いで語られたその理由に、思わず唖然としてしまった私である。
……いやトイレて。後先考えずに紅茶を飲み続けるのが悪いとしか言い様がないんだが?
なんて風に思っていたのだけれど。
「……呑むのを止めようとしたら、体が勝手にお茶を注いでしまうのよ」
「そんな馬鹿な……って、まさか?」
「……お手洗いに行こうと考えるのも、ある種の献策ってことになるんでしょうね……(遠い目)」
「うわぁ」
え、まさかの無為式のせい?そんな馬鹿な。
……とはいえ実際、そうとしか言い様のない事象が彼女を襲っていることは事実。
となれば、そんな些細なことでも無為式の影響が出てしまっている可能性は否定できない。
……いやもしかすると、おぜうさまの『珍しい可能性を引き寄せる』ってのが悪さをして、『パチュリーが粗相をする』なんて展開を引き寄せている可能性も……?
「凄まじく人聞きの悪いことを言うんじゃないわよ!?別に親友?の粗相を見て愉悦するような趣味なんて持ち合わせてないわよ!?」
「ボクもそういうのはノーセンキューかな。あれだ、アラクニド君なら喜ぶんじゃないかな?」
「阿武隈さんに対してとんでもない風評被害が飛んでいった件」*3
流石の彼も、お漏らしを見て喜んだりはしな……しないと思うよ、多分。
まぁともかく、パチュリーに個人的な急ぐ理由が出てきた、というのは間違いあるまい。
となると出来る限り早急に、この隔離塔内から脱出する必要が出てきた、ということになるわけだけど……。
「……こうなったら仕方がない。最終手段過ぎてあんまりやりたくはなかったけど、アレを使うしかないか」
「アレ?なにかいい手があるの?」
ことここに至っては、贅沢を言っている場合ではないと判断。
ゆえに、地味に切るのを渋っていた切り札を切ることを決断したわけである。
……え?そんなものあるなら最初から切っておけって?それができたら苦労はせんのですわ、はい。
「なにせ身内の恥をさらけ出すことになるわけだからね……」
「……うん?身内の恥?」
「いんやこっちの話。……後が憂鬱だなー」
私の言葉を聞いたデルセンは、不思議そうに首を捻っているが……その他過半数の面々も同じように首を捻っているのでその反応はほぼ総意と考えても良さそうというか?
例外なのは戯言遣い──この面々の中では唯一
そんな彼の反応はというと、「ああ確かにそれならなんとかなるかも」という納得と、「御愁傷様でーす」とでも言いたげな他人事感を交えたものなのであった。
……文字通りに他人事とはいえ、薄情にも程がある反応だなぁ。
いやまぁ、
「……つまりどういうことだ?」
「簡単なお話だよ。外部から『星解』して貰った上で、因果があやふやな内にここから脱出しようってだけの話だから」
「うん?『星解』?それは確か『星女神』とやらの能力じゃなかったか?」
ってなわけで、やろうとしていることを軽く解説すると。
外から『星解』を使って貰うことで無為式及びおぜうさまの影響を無力化。
それを確認したのち、必要な面々を伴ってここから離れよう……という、言葉で説明すると単純にもほどがある作戦である。
とはいえ、これだけ聞くと色々疑問が出てくるだろう、というのも確かな話。
特に
となれば、戯言遣いとの接触ならびに干渉を避けている彼女が、この場においてそれを行ってくれる保証は何処にもないわけで。
「とはいえ、その辺は考えればわかる人もいるでしょうけど」
「……そういえばキリアもシルファもここには居ないが、それを使ってと言うことか?」
「おっと惜しい。必要なのはそこじゃあないぞぅ」
「ううん……?」
ただ、おぜうさま達はともかくとして、デルセンなら答えにたどり着けるだろう情報を持っている、というのも事実だったりする。
そう、確かに『星解』は『星女神』様の技能ではあるものの、特定の条件下においてはそれを使うことができる存在が増えることもあるのだ。
そういう意味では、この場に居ないキリアやシルファのことを思い出すのは間違いではない。
……無いのだが、根本的な部分で私と同位体であるその二人がこの状況下で『星解』を使うのは無理がある、という前提があるため間違い、ということになるのであった。
「一応、【星の欠片】は無為式下でもあれこれできるタイプの存在だけど……それはどっちかと言えば
「なるほど?つまりこう言いたいのか。仮にその二人に『星解』を使わせたところで、お前がこうして戯言遣いの目の前に居る以上は向こうも影響を受ける、と」
「そういうこと。ついでにいうと、『星解』は使えてもここから逃げる、って行動まで付け加えるとうまく行かなくなる可能性大だね」
無理矢理突破するのが【星の欠片】における正攻法であるなら、同時にそれを完遂できるのが一つの物事についてだけ、というのはその条件となるか。
……端的に言うと、『星解』は使えてもその間に逃げるのは不可能、ということになる。
で、ここまで話せば事情を知っている人間は全てを察せる。
……生憎この場においてはそれに該当するのが、ここまで話す前から答えに気付いていた戯言遣いただ一人、という形になるわけだが……ともかく。
裏事情を知らずとも、ここまでに得られた情報から考察することは不可能ではない。
「……つまり、お前でも『星女神』でもない、三番目の人間に『星解』を使って貰おうとしている、ということか?」
「その通り~」
ゆえに、デルセンの出した答えに私は然り、と頷くことになったのであった。
「そういうわけで、
「問題から解放されたと思ったら別の問題に巻き込まれたんだけど!?」
そんなわけで、色々あって
母の日近かったし、丁度いいよね!()