なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
梅雨なので室内プールのお時間です(?)
「いやー、すっかり梅雨だねぇ」
「梅雨というと去年の騒動を思い出すわね……」
「……今年はなにごともなく終わればいいね……」
はい、そんなわけですっかり梅雨でございます。
外の天候と基本同期されるなりきり郷内においては、無論雨の降り続く季節ということになるわけでして。
となれば、基本的に外に出るのが億劫になるもの。
結果、こうして居間でだらけているというわけなのです。
……え?自分ちの居間なのになんか家族じゃない人が居るって?()
「意地悪言わないで頂戴……最近色々あったから休みたいのよ……」
「休むんなら自分の家で休むべきでは?」
「そんなにガッツリ休みたいわけじゃないのよ……」
「なるほど……」
休むって言ってるのに疲れた顔してるのは如何に()
いやまぁ、言いたいことはわかる。
ゆかりんと言えばわりとオーバーワーク気味の人物、となればその身に溜まっている疲労と言うのはとても多いはず。
一日や二日休んだ程度では回復しきれないほど疲れている、と思われるのが普通だろう。
その結果、自分の家で休むとなると優秀な従者達に
……お偉いさん方との諸々の調整は基本彼女でないとできないため、休めば休んだだけ予定がずれることになる。
ゆえに、休むにしてもガッツリではなく小分けで休むのが基本、という考え方になるのだろう。
どっこい、従者達が優先するのはあくまで主人の安全、国の偉い人のことなんて二の次である。
結果、二人に任せられねぇとなって余所に休みに行く、というなんだか本末転倒感溢れる結果に陥ってしまったわけなのであります。
……うん、言いたいことはわかるけど素直に休みなさいよ?
「仕方がないでしょー、パチュリーちゃんとかもう色々とこっちに来ちゃダメな類いだったんだから……」
「あー」
とはいえ、そうも行かないのがこのなりきり郷。
特に新しいメンバーが増えた後というのは、その調整のためにあちこち走り回らなければならないのが常のこと。
今回増えたのはデルセン、ジェイドさん、おぜうさま、パチュリー、ゲンガー君の五名。
そのうち、存在として色々ヤバイのがなにを隠そうパチュリーなのである。
……うん、ハルケギニア住民、かつ純正民となると……ねぇ?
以前アカリちゃんが検査のためにこっちに来たこともあったけど、それに関しては期間限定・検査が終われば向こうに帰る存在だったわけでして。
「それと比べてあのパチュリーちゃんの傍若無人さよ!なにあれ好奇心に手足が生えた存在かなにか!?」
「むぅ、我が
それに対してあのパチュリー、前回の騒動に巻き込まれたことからこっちにいることを嫌がって帰ったりするんじゃないのかなー、って思ってたんだけど。
「貴方の家のクローゼットを通ればいつでも戻れるんでしょう?それにレミィの実家?はこっちの方らしいし、だったら私もこっちに居を構えることにするわ」
「は?」
……なんてやり取りが発生する始末。
いやなに言うとんじゃいとツッコミが多発したものの、彼女はその反発を端から予期していたのか、それらを封殺する手札を大量に開示してきたのであった。
「家の人が心配するんじゃないの?」
「生憎天涯孤独の身よ」
「oh……」
まず始め、両親などが心配するんじゃないかというその疑問に関して、返ってきたのは意外とシリアスな返答。
いや、絶対こんな軽い流れで話していいやつじゃないよねこれ???
まぁ、本人はあっけらかんとしていたわけなのだが。
ついで訪ねられたのは、授業をどうするのかというものだけど……。
「こういう日のために用意しておいたのよね……映像転送魔法」
「なんかしれっとすごいの作ってる!?」
それに関して返ってきた答えは、『授業に出られないならテレワークすればいいじゃない』*1というもの。
よもやハルケギニアとこっちを映像で繋ぐ、なんて荒業を繰り出してくるとは……。
というかこれ、どこの技術なんですかね?少なくともハルケギニア由来じゃないよね???
なお、『テレワークなんて向こうに無い概念が受け入れられるのか?』みたいな懸念も無いではなかったけど、
「うむ、面白そうじゃしありじゃと思うぞい」
「ええ……」
……ってな感じで、ダンブルドア氏の鶴の一声によって承認されたそうな。
それでええんかトリステイン魔法学院。
まぁともかく、授業に関しては遠隔参加するので問題ない、というのが彼女の答えになるらしい。
それ以降もあれこれ問題点を挙げていったのだけれど、その悉くに対処と対策を提示してくるパチュリーの姿に少々恐怖を覚えつつ、こりゃダメだと降参したわけなのでした。
……うん、キリア達以来久しぶりの異世界出身者、ということになるんだろうか?
いやまぁ、完全に異世界の人と言い張るには少々問題もあるわけだけど。
「……見た目と能力が、ねぇ」
「完全に同じってわけじゃないみたいだけど、原作を彷彿とさせるのは間違いないよねぇ」
それが、彼女の持つ能力。
……さっきの映像転送魔法もそうだが、彼女の使う魔法がなんとなくハルケギニアのそれとは違うのである。
いや、一応向こうの基準となるものも使えるんだけどね?
じゃないと下手すりゃ異端扱いされかねないわけだし。
とはいえ、明らかにおかしな魔法が使えるのは事実。
ゆえに、その事実だけ聞いたら色々と勘違いしてしまうのも仕方がない話だろう。
そのため、お偉いさんへの説明がややこしくなったわけなんだけど……。
「もっとややこしいのは、どうにも原作のパチュリーとも違うっぽい、ってところよねぇ」
「色んな魔法を使える、って性質だけ引き継がれた形なのかしらね?」
これまたややこしいことに、本来のパチュリーの能力──魔法を使う程度の能力、その説明として語られる『属性系の魔法』のそれとは別系統っぽいものが彼女の能力になっているのだ。*2
わかりやすく言えば、属性関連の文面が抜けて『魔法を使う程度の能力』という言葉通りの能力になっている感じ、というか。
仮に本当に言葉通りの能力になっていたとすると、ともすれば東方にありがちな拡大解釈マシマシなものになっている可能性もあるため、なんとも頭の痛い話である。
下手すると【誂えよ、凱旋の外套を】を使えるようになってるなんてパターンも?
「流石にそれはないと思いたいけど……またどこかで確認しないとねぇ」
「うーん問題しかない」
その辺はまぁ、おいおい確認するとして……。
ともかく、パチュリーに関する調整が一番難産だった、ということは間違いあるまい。
その上で、他の面々が簡単だったか、と言われるとそうじゃないってのが面倒な話。
ゲンガー君は言わずもがな、そうじゃなくてもデルセンやジェイドさんは向こうからの出向組ってんで色々と難しい立場だし。
「……そう考えると、レミリアが一番大したことない、ってことになるんだよね」
「あれ?もしかしてディスられてる?」
そうして纏めて見ると、種族的には一番ハデなはずのおぜうさまが一番地味、なんて逆転現象が発生したりするわけなのです。……ギャグかな?
ってなわけで、微妙にスルーしてたけど何故か居るおぜうさまである。
ゆかりんと揃えると途端に東方空間感が強くなるなお前な(適当)
「そうか?寧ろわりとアウェーな気がするんだが」
「?」(視線を向けられたのでどうしましたか?……と首を傾げているアルトリア)
「?」(視線を向けられたのでなんでしょう、と不思議そうにしているマシュ)
「?」(何故か居るライネス)
「?」(何故か居るX1.5)
「……うん、まごうことなき型月空間ですねこれは」
これで全員じゃないってんだから驚きだね()
……はい、多少東方キャラが増えたところで、この場の型月キャラ占有率は対して変わらんでしょ、というおぜうさまのツッコミに確かに、と頷きつつ。
あらためて、ゆかりんの休暇についての話に戻る私たちである。
「結局ガッツリじゃなくてほどほどに休みたい、ってことなんだよね?」
「まぁ、そうねぇ。ほぼ確実に数日寝たきりになるみたいなのは困るというか」
「じゃあ、丁度いいし遊びにでも行く?」
「ん、遊びに?というか丁度いい?」
「うむ、丁度いいんだ」
彼女の主張を纏めると、変にガッツリ休む方が後々疲れる(意訳)のが目に見えているため、ほどほどに休暇を楽しみたいとのこと。
……そうなると一つ、私の側に宛がないこともないので提案してみることにした、というわけだ。
というのも、
「アクアがプールを作ったってんで、招待の手紙が来たんだよねー」
「気のせいかしら、なんだか休む休まないの話じゃなくなりそうな予感がひしひしとしてきたんだけど?」
「というか、アクアって誰?」
ジャンヌ・アクアがつい先日、屋内レジャー型プール施設を開設したとのことで、遊びに来ないかと誘いを受けていたのだ。
どうせ外は大雨でろくに出掛けられないのだし、だったら屋内プールで涼を得るのも選択肢の一つに上がるんじゃないか、ということで提案したのだけれど……。
はっはっはっ、やだなぁゆかりん。
いつでもどこでもトラブルがやって来るとは限らないでしょう?
まぁ個人的にも一人ではちょっと、とは思わなくもなかったんだけども。
そんなわけで、嫌がるゆかりんと「あくあってだれ?」と首を傾げるおぜうさまを連れて、アクアの作った屋内プールへとへと向かうことに決定したのでしたとさ。