なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「よくぞお越しくださいましたね、キーア。……ええと、そちらは?」
「ジャンヌじゃん!?真夏の聖女じゃん!?私かえるぅ!!」
「残念それは聞けない相談なんDA☆」
「ぬわぁぁぁぁぁっ!?」
「……?」
はい、そんなわけで善は急げとばかりにプールにやってきた私たちです。
アクアの姿を確認したおぜうさまが一時半狂乱状態になってたけど、そんなことは関係ないんDA☆
っていうか、そもそも吸血鬼ならばプールそのものに脅威を感じるべきな気もするけども。
「そこに関しては抜かりないわ!私が苦手なのはあくまでも流水に関してのみ!ゆえに流れるプールじゃないならなんとでもなるって寸法よ!ソシャゲでも水着着てる私に隙はないわ!」
「ほう、なるほどなるほど。ところでここのプール、アクアの性質を活かしたモノだから、流れるプールどころか波が立つタイプだけど大丈夫?」
「……神は死んだ!!」
「吸血鬼にそんなこと言われても向こうも困ると思うんだ()」
というのも、レミリアってばいわゆる特殊な吸血鬼ではない*1ため、一般的に知られる吸血鬼の弱点はほぼ網羅してしまっているのである。
……いやまぁ、心臓に杭を刺されて死なない生き物の方が珍しいだろうとか、色々反論はあるだろうけども。
そういう反論が一切付けられない弱点として、『流水を渡ることができない』というものがある。
正確には泳げない、とかになるみたいだけど……まぁともかく、流れる水が苦手だということに代わりはない。
まぁ、これもこれでいまいち程度が不明なんだけども。
泳いだことのある人ならわかるだろうが、流体の中を生き物が通る場合少なからず
もし仮にその程度の波なら大丈夫、というのなら『じゃあダメなのはどこから?』という疑問がでてきてしまう。
というか、波の程度で成否が変わるのなら弱点として明記するの微妙では?……となりかねなかったりするし。
これが元義──元ネタの一つであろう狂犬病患者みたく、水ならなんでもダメ……みたいなのならわかりやすいのだけれど。
中途半端に流れてなきゃ大丈夫、なんて言われると思わず気になってしまう私なのでしたとさ。
まぁその辺の話は正直蛇足なので割愛するとして。
改めて、現在のおぜうさまの姿を確認すると。
やってる人ならわかると思うが、その姿はロストワードにおける水着レミリアのそれと同一のものとなっている。*2
つば広の帽子とスカートタイプの水着は気品を感じさせるものだが、本人の気質が全くその辺を感じさせないためどっちかと言うと『背伸びした可愛い少女』のイメージが強い。
……まぁ、似合ってないわけじゃないのでいいんだろうなとは思うが。
要するに、端的に言うと遊ぶ気満々ってことになるのだけれど……流石にソシャゲみたいにコーティングはされていないため、わりと無謀なんじゃないかなーとか思わないでもない私である。
……え?お前がやってやればいいんじゃないのかって?
生憎私のイメージする吸血鬼って土地に縛られるタイプ──すなわち海を渡れない方だから、端からアクアのとこに行くってわかってれば無駄なことなんてしないっすよ、としか言いようがない。*3
まぁそんなわけで、ぶーぶー文句を言ってるおぜうさまと、それを見てキョトンとしているアクア……なんて不可思議な光景が生まれることになったのでしたとさ。
「というか、なんで用意されてるプール全部流れるやつなのよ!!」
「いや、理由はさっき言ったじゃん……。ただでさえ水着ジャンヌなのに、アクアに関してはそこにカイオーガと海の【星の欠片】まで混ざるんだもの、そりゃ水系の能力使ったら必然的に海になるわい」
「海要素しかない、って言ってるようなものだものねぇ……なんならクジラとかがそこらで泳いでない分、寧ろ自重できてる方なんじゃないかしら?」
「その通りよ」
「おっとオルタ」
泳げなかったのがよっぽど悔しかったのか、どこからか持ってきたパラソルを振り回しながら文句を垂れるレミリア(危ないから止めなさい、とゆかりんのお叱りが飛んでいた)。
そんな彼女の様子に苦笑を返しつつ、館内を歩いていると出会ったのはアクアの相方、オルタ。
相方は止めなさいよ、と文句を言いながら近付いて来た彼女は、ここにいる他の面々と同じく水着姿なのであった。
「自重できてる、というと?」
「言葉通りよ。気を抜くと色々湧いてきそうになるから抑えてんのよあの女」
「色々って……」
「色々よ、色々。特にイルカと鮫は止めなさいって強めに言っといたから、そこは特にね」
「あー……」
事前に姉フラグ折っててくれたのか、流石はオルタ。
……とはいえ意識してないと出てきそうになる、という辺りはまだまだ余談を許さない感もあるが。
ともあれ、潮の匂いが微かに薫ってくるのは勘違いでもなんでもなかったことを改めて実感しつつ、ふと脳裏を過ったモノゆえに、思わずオルタを凝視してしまう私であった。
「な、なによ」
「いや……公式に後ろから刺されるってこういうこと言うんだろうなって」
「……いや、私は消えないわよ?」
……イドは……みんなに酷いことしたよね……(白目)
まぁ、仮に原作の要素が『逆憑依』にも影響を与えるのだとしても、今の彼女は【星の欠片】混じりの【星融体】。
言ってしまえば見た目が同じなだけの別人に近いため、受ける影響もそう多くはないというのも間違いではないのだろうが。
あと、イドの話をしたせいでマシュがすっごい顔してるけど、どうかスルーしてあげてほしい。
本人的にもあの展開は衝撃的やったんや、仕方ないんや……。
「……?なんでいきなりお通夜みたいになったのこれ?」
「貴方は触れたことないから知らないのね。後でスマホ貸してあげるからググりなさい」
「う、うん?」
なお、最近のゲームには触れたことがないレミリアは、不思議そうに首を傾げていた。
……まぁ、内輪ネタにもほどがあるからね、仕方ないね。
で、その流れでおぜうさまにスマホを支給しよう、みたいな話になったのだけれど、それに強く興味を示したのが隣のパチュリーであった。
……うん、居るんですよね、パチュリー。
本人だとすると違和感が無いでもない状況、それもあくまで見た目だけ?本人だからということか。
本来のパチュリーといえば、原則自身のテリトリーである図書館から動くことのほぼない人物。
こうして外に出ることも勿論、水着を着て泳ごうだなんてノリとは無縁にも程があるはずなのだ。
っていうか、ハルケギニア出身者なんだから肌を見せるの嫌がりそう感もなくはないんだけど。
「……平気で水着着てるんだよなぁ、この人」
「どうしたのかしら?……ああ、水着?いつ頃からか向こうでも流行ってたのよね」
「……多分あの人達だろうなぁ」
当人はこんな感じ、全然余裕である。
……考えてみれば向こうにも『逆憑依』はいて、かつ彼らは要職であることが大半。
となれば、流行を作るのも彼らだったりするのだろう。そりゃ、本来の向こうの価値観とは微妙にずれるのも宜なるかな、というか。
ところで、ここまで明言を避けてきたけど。
気になる人が多いはずの、パチュリーのプロポーションについて触れておこうと思う。
何故かって?二次創作だと大体「持てる者」側として描写されていることが多いからですよ()*4
体のラインが出辛いだぼっとした服を着ていることが基本であるため、その下の体型がどうなっているのかは書き手の想像に委ねられている……みたいな?
まぁ、見えないからデカいのだろう、ってのはわりと傲慢かつ極端な論のような気もするわけだが。
「実際大きくないしね」
「……?なに、見方がなんだか嫌らしいわよ」
「誰もそんな見方してないんだが???」
そしてそれは実際に暴論である、というのは目の前の彼女を見ればわかることだろう。
うん、閉じ籠って動かないとかプロポーションが悪くなる要素しかないやんけ。
病弱っ娘が色々大きい、なんてのは夢でしかないんや。……え、その論で言うとこのパチュリーは健康優良児じゃんって?
まぁともかく。
このパチュリーに関しては、見た目はスレンダーであることは間違いない。
二次創作家達の夢は儚く散り、私たち持たざる者は変に僻まなくてハッピーハッピー、って寸法だ。
「まぁ、それはそれとしてちょっとエッチなのは認めるけど」
「いきなりなに言ってるのゆかりん???」
「無いからと言ってセクシーじゃなくなる、というわけでもないのですね……」
「マシュまでなに言ってるの???」
ただまぁ、それで本人の色気まで無くなるのか、と言われるとまた別の話。
胸は母性の象徴だが、それがなくともセクシーさは補填できる……みたいな?
いや、なに言ってるんだこいつらって感じなのだが、とはいえ実際目の前のパチュリーがエ駄死*5感溢れているのは間違いないわけで。
……いや、本当になに言ってるんだろうねこれ。頭が熱にやられたかな?
思わず唸りながら、流石に恥ずかしくなってきたのかほんのり顔を赤くしているパチュリーを眺める私たちなのでありました。
……なんだこれ???