なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「まさかそんなご迷惑になっていたとは……くっ!こうなっては腹を切って御詫びするしか!!」
「いやそこまでしなくていいから!?」
なんでそんな思い切りがいいのかこの子(困惑)
……そんなわけで、唐突に腹切りしようとし始めるアクアをみんなで宥めつつも、この話を深掘りするのは止めようと取り決めた私達なのであった。
んで、一先ず気分を変えるために施設そのものの話へと移行していったわけなのだけれど。
「そもそもここ、どういう経緯で作ろうと思ったわけ?」
「それは勿論、私はお姉ちゃんですので!」
「全く答えになってねぇ」
いや、こんなところでまで周囲に恐怖をばら蒔かなくていいから……。
真面目な話、変に姉名乗るものとして精を出されても困るんだわ、最悪そういう【星の欠片】を引き寄せかねないし。
「なんか今すっごい聞き捨てならないこと言わなかった???」
「おっと口が滑った。いや気のせい気のせい、そもそもジャンヌが姉発言してから結構経ってるから、そこから私がこうなる前に姉属性の【星の欠片】を考え付いたとかそんなことはナイナイ」*1
「答えを全部言っちゃってるじゃないのよおバカー!?」
いやー、ははは。
……アクアにくっつく【星の欠片】がそれじゃなかったことに、密かに驚いていたことは秘密だ()
まぁ、実のところ姉どころか兄とか娘とか母とか父とか、色々血縁関係を名乗るタイプの【星の欠片】がいることは事実なのでなんとも言えないのだが。
なんなら【星の欠片】の性質上、名乗ったら
「なにそれ怖っ!?」
「逆にいきなり血縁になる以外の効果ないから、【星の欠片】としては大分残念なタイプなんだけどね」
「別の意味で怖くない?」
あれだ、【星の欠片】としての性能の全てを『血縁関係になること』に割り振っているため、色んな意味で残念としか言いようがないというか。
……まぁその分ホラー感は増し増しなわけだが。
突然真横に兄とか姉とか増えてたりするしそれに気付けないなんてことが発生しかねないわけだし。
え?キリア?あれは単に義理の娘成分が不足して暴走してるだけなので『母名乗るもの』とはまた別枠ですよ?()
……いい加減話をこの施設に戻すと。
恐らくだが、水着ジャンヌとしての性質が暴走した結果が今の惨状、ということを彼女は主張したいのだと思われる。
オルタが遠い目をしているのは……なにか言った結果そっち方面に暴走させるきっかけを作ってしまった、とかだろうか?
「ははは、はぁー!?んんんんなわけないでしょそんなへましないわよ!!?」
「やだ大根役者過ぎるわこの子」
そんな動揺しまくりでなにをごまかせると思ったのかこの子。
……あれだ、例の場面でおろおろし始めたアヴェんぬ思い出したわ今の動き。
「え?あの時の私ヒロインとしてのパワーが限界突破してた?」
「限界突破しすぎて成層圏の彼方を突き抜け戻ってこなかったんですがそれは」
「……うん、この話止めにしましょう」
……いやまぁ、記憶に新しいためどうしても連想してしまうのが悪い、ってだけの話なのだが。
ただあんまり語るとまたマシュの方にまで暗い空気が伝播するので、雑に打ち切って軌道修正。
とりあえず、オルタがなにか迂闊なことを言った結果、アクアが姉として張り切り始めたのはほぼ間違いあるまい。
だからといって彼女が悪い、ともならないことを理解して貰えればそれでいいというか?
「……あれ?怒んないの?」
「それで怒ると連鎖的に私も反省しないといけないので……」
「ああ……」
さっきの話を蒸し返す気もないし、みたいな?
……これからの話として必要なのは、この施設をどうにかすることではなくここを楽しむことだろう。
そんな感じで無理矢理軌道修正し、施設内の設備を楽しむことにした私達なのでありましたとさ。……現実逃避?うるせー。
「とりあえず、アクアの能力を基底にしてるからそこらのプールは全部しょっぱいわけだけど……これ、外に出る時の水道とかどうしてるの?」
「はい?それは勿論、私の能力でですね……」
「……それ、シャワーも塩水じゃね?」
「あっ」
……先にそっちをどうにかしようか。
ってなわけで、この施設を去る前に立ち寄るであろうシャワールームに先に向かった私達。
海水を流さないと後々酷いことになるから、ということで備え付けられているのがシャワールームだが、どうにも姉気分に舞い上がっていたアクアはその辺失念していた様子。
なので、後付けで海水を真水にするシステムをくっ付け、応急処置を済ませることに。
ここを怠ると乾いた海水が塩を吹くことになるため、念入りにチェックしておく。
「……そういえば、いつの間にか目を洗う水道って無くなってたわよね」
「あれ勢いが強すぎて普通に目を痛めるって理由で廃止になったからねぇ」
「そうなの!?」
いや、いつ頃の話しとるんや君達。*2
そもそもこの海水、名義上海水なだけでアクアが一から作ってるモノに近いからしょっぱい以外の問題はほぼないし。
「……ああ、そういえば【星の欠片】が染み込んでるから他のモノが溶け込まない、一種の絶縁体になってるんだっけ?」
「それはあの時の雨の話……なんだけど、まぁ塩が含まれてるだけで大して組成が変わらないってのは本当だね」
「なるほど、安全面はどうしてるのかと思ったけど……【星の欠片】由来の海ならそもそも気にする必要なかったのね」
あれだ、仮に危険な微生物が混じっても海水自体が殺菌消毒するんで問題ない、みたいな?
……なんかそこだけ聞くと危険生物・水もどきを思い出すな?*3
まぁ、水もどきと違って人への危害を加えることはまずあり得ないけど。
「なんならドクターフィッシュみたいなこともできるんじゃない?」*4
「浸かっている相手の表皮上の老廃物を分解する、みたいな話ですか?まぁやれなくはないと思いますけど……んー、レパートリーに加えておきましょうかね、喜ばれそうですし」<ドーン!
「……私の発言でプールが一つ増えた件について」
「迂闊に発言するの止めなさいよ……」
というか、その方向性はいわゆるスーパー銭湯の類いではないだろうか?
……止めとこう、そのうち本家の方でも温泉主体の水着イベとかやり始めかねないし。
え?休憩施設に関する話はもうやってる?*5
とまぁ、そんな感じにFGO九年の歴史に思いを馳せつつ、シャワーの改修工事を完了した私である。
ノズルの部分にちょちょいっと細工するだけでいいから、簡単に終わっていいね、みたいな?
そのまま外に出て、さっき増えたプールを確認しに行けば、なるほどドクターフィッシュを例に出したことで水中に魚っぽいなにかが泳いでいるのが確認できる。
……ジャンヌの方由来の海洋生物とはまた別枠のようで、水もどきの話も聞いていたからか『魚の形をした水』みたいなものになっているようだ。
「試しに足突っ込んでみたけど……中々気持ちいいわねこれ」
「いや、躊躇もなしに足突っ込んでるんじゃないわよ?!」
「発言の責任を取らんといかんでな、私が確かめずにどないするというか?」
「ええ……」
試しにプールの縁に腰掛け、足を突っ込んでみると……見る間に群がってくる水魚達。
正直私の手足って古い角質とか出てるんだろうか、とちょっと心配になったが……なるほど、正確には生き物じゃないので餌が無ければ単にマッサージに移行するのか、なるほどなるほど。
……なお、そうして私が率先して具合を確かめている姿を見て、オルタがドン引きしていたが……ほら、これ以上問題を山積みにした上で放置すると後でなに言われるかわかったもんじゃないし、多少はね?
だからほら、『また軽率に自分を犠牲にしてる……』みたいな顔をしてるマシュの宥めるの手伝って欲しいなー、とか思ってしまう私なのでありましたとさ。
……誰か助けて()