なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
正確なところを言うと、幕間と本編ではなく小規模と大規模の狭間をゆらゆらしているのが今の状況なわけだけど。
そこまで明言するともう逃げられないため、微妙に茶化す私である。
じゃないと銀ちゃんが酷い目に遭うからね。
まぁ今のままでもフラグ足りてないので酷いことになるのだが。
とはいえ、それらは一口に酷さと言っても程度が違う。
フラグが足りないー、とか笑っているうちは花。
もし仮に、もっと重要なものを取り逃せば……待っているのは
まぁ、その辺明言すると本当に逃げられなくなるので、こうして遠回しに煽り続けているわけなのだが。
具体的にはこのまま夜を待つのだけは止めろ、みたいな?()
「ええ……なんなんだよマジで怖ぇんだけど……このなんの変哲もない依頼にどんなホラーが待ち受けてるってんだよ……」
「私からはなんにも言えないですね。仮に一つだけ忠告するなら、『月夜ばかりと思うなよ』というか」
「なに!?刺されんの俺!?誰かに刺されんのォォォォッ!?」
はっはっはっ、答えを持たぬ()*1
ともあれ、ここからは銀ちゃんが主役のお話。
私達はバックアップとして、彼の行動を支えていこうじゃあないかっ()
頻りに困惑した様子を見せる銀ちゃんの背を押して、早速聞き込みに出掛ける私達である。
そうして現金風呂(?)を後にした
「……なんだこれ?なんか波打ってもねぇし底も見えねぇけど」
「珍しく銀ちゃんの察しが悪いのだ」
「あぁ?」
「よく見ればわかるのだ」
「…………え、マジで言ってる??」
ぴくりとも波打たない水面を見て、怪訝そうに声をあげる銀ちゃん。
そんな彼の様子に、隣のゴジハム君が不思議そうに首を傾げていたが……そこまで言われれば、流石の銀ちゃんも気付こうと言うもの。
……そう、この黄色いの、なんと……。
「まさかのプールプリン……!?」
「え、ありなんだそれ」
「ええと、噂を集めて作ったプールに関してましては、こんな感じに泳ぐのには向いてないものも時々発生してしまうわけでして……」
「無差別に集めすぎなのよ、そりゃ変な願望も混ざるに決まってるっての」
プールそのものを器として作られた、超特大プリンなのである。
……あくまで【星の欠片】及びそれによる現象補正によって無から作り出されたものなので、材料とか器の状態とかについては気にしてはいけない。
とりあえず普通に食べても問題ないやつ、とだけ覚えておけばいいと思うよ()*2
「こ、これは突っ込むべきか……?いやだがしかし、流石にこれに突っ込むのはちょっと……」
「おおすごい、銀ちゃんが甘味を前にして暴走してない」
「直前まで散々選択肢を間違えちゃダメ、って言ったのが効いたんだねぇ」
「クソッ!その言い方だとやっぱりダメなやつじゃねぇかこれ!!」
なお、こんなあからさまなモノを見せられているにも関わらず、銀ちゃんはプールプリンに突っ込むこともないままに苦悩していた。
……いやまぁ苦悩してる時点で大概アレなんだけど、本能に従って生きてたら確実に突撃してるのが銀ちゃんなので、こうして苦悩してるだけでも前以て忠告しておいた甲斐があったというか?
はい、この発言でわかったかと思いますが、ここでこのプールプリンに脇目も降らず突撃してたらバッドエンドです。
正確には周囲のよろず屋ガールズに滅茶苦茶白い目で見られる、という結果が発生する選択肢だったりします。
「ああ、なるほど。甘いものにつられるにしても程度があるでしょう、と私たちの愛想が尽きるってやつですね」
「そうだね、まず間違いなく尽きるだろうねー」
「……なんか含みのある言い方だな」
無論、白い目で見られるだけならまぁ、わりといつものことなんだけども。
今回の場合、その裏でごにょごにょ……がひそひそ……するのでちょめちょめ……する危険があるため、実質絶対やっちゃいけない選択だったりします()
なお、これに関しても明言するとよくないので含ませるだけに留める私です。頑張って気付いてね銀ちゃん()
「なんかこう、変な空気を感じるというか……」
「その空気を感じる直感を信じるといいのだよ……頑張るといいことあるよ……」
「ここでプリンに突撃するより?」
「ここでプリンに突撃するより!」
「そっかー」
そうなった。……どういう会話なんだろうねこれ?
ともあれ、巨大なプールプリンを名残惜しそうに見返しながら離れていく銀ちゃんの背を追って、みんなで次のプールへと向かう私達。
ついで現れたのは、透き通るような真紅のなにかが詰まったプール。
「……もしかしてなんだけどさぁ」
「ええそうです。こっちはプールゼリーイチゴ味ですね」
「プールサイドにあるあのふわふわしたものは」
「ホイップクリームですね。これを乗せて食べよう、みたいなノリなんだと思います」
「ねぇー!?もしかして今回このノリ続く感じー!?銀さんいじめが連鎖する感じぃーっ!!?」
「はっはっはっ」
「笑ってんじゃねー!!」
……はい、プリンの次ってことでとてもわかりやすいですね。
透き通るような真っ赤なゼリー、味はイチゴ味でございます。()
ご丁寧にプールサイドにはふわっふわのホイップクリームがこんもりと固まっており、これをプールの上に放れば喫茶店とかでよく見るゼリーの完成である。
……え?大きさが違いすぎる?知らんな。コ○ダかなんかなんでしょ(適当)*3
なお、今回も勿論銀ちゃんが突っ込むのは厳禁である。
まぁ、他の面々は別に突っ込んでもいいのだけれど、流石にこの量に突っ込めるほど無謀な人はいないので結局誰も突っ込んでは行かなかったり。
「行かねーのかよっ!」
「行かないわよ、流石にこの量は普通に引くだけで終わるわよ」
「なんでだよ夢だろ大きなプリンとかゼリーとか!!」
「程度があるわよ幾らなんでも……」
なお、流石に二度目ともなるとちょっと心が揺れるのか、銀ちゃんは血涙でも流しそうな剣幕になっていたり()
いやどんだけよ、って感じでもあるのだが……まぁうん、大きなプリンとかゼリーとか、そうでなくとも本来そんなに大きくないものが巨大になってるとロマンがある、という主張そのものはわからんでもない。
わからんでもないけど、幾らなんでも限度があるでしょというゆかりんの主張もわからんでもない()
あれだ、あのレベルを喜べるのは精々小学生まででしょ、みたいな感じ?
もしくは動画投稿者がウケ狙いでやらかすか?
……そもそもどう足掻いても食べきれないのが目に見えてるし、昨今の無駄にうるさい世間様なら絶対炎上するしでよくないこと山積みでしょこれ、となるのも宜なるかな。
一応、【星の欠片】によって作り出されたものなので、食べきらなくても腐らないし虫も寄ってこないだろうけども。
「ただまぁ、だからって絵面の悪さまで払拭されるかというと違うよね、みたいな?」
「おかしーなー!?普通女子って甘いものは別腹なんじゃねーのかなー!?」
「だから限度があるってば。食べきらなくてもいいっていってもそれはあくまで食材側の問題、こっちからしてみれば明らかに余るものに手を付けるのは普通に憚られるっての」
「ぐぬぬああ言えばこう言いやがって……!」
……あれかなー、そろそろ禁断症状出てきた、みたいな話かなー?
甘いものを目の前にして、それを食べるのはダメとお預け食らいすぎている、みたいな状態?
まぁ、こっちと銀ちゃんとで危機感の違いが如実に出た結果、って部分もあるんだけど。
なにせもし仮に彼がここで欲に負けてゼリーに突っ込んだら、ごにょごにょがひそひその以下略。
ついでにこの辺りを明確に相手に気付かせ警戒させるのはNGなのも同じなので以下略である()
「……ええとせんぱい、それって口に出してしまうことだけがNG、ということで合っていますか?」
「私が明言するのがNGだね。他の人が口にするのも気付くのも特に制限はないよ。──まぁ、口にした時点で私の耳にも入るから、自動的に
「……それってつまり、自動的に私達も坂田さんに注意しすぎるのはよくない、ということですよね?」
「そだね?」
まぁ、銀ちゃんが勝手に気付いて勝手に口にするならまだどうにかなるんだけど。
ただその場合もまず間違いなく『○○って○○ってことか!?』ってこっちに尋ねてくるはずなので、結果正確な部分を伝えるのは厳禁……みたいなことになってくるのですが。
いやよ私、幾ら銀ちゃんが……とはいえ、私が裁きを下す()ことになるの。
そんなわけで、これからも事件解決まで迂遠な物言い前回で過ごす所存なキーアさんなのでしたとさ。
うーん、降って湧いたようなトラブルの音~。