なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、二つの巨大デザートをなんとか後にした銀ちゃん一行。
すっかりげっそりしてしまった銀ちゃんを慰めつつ、次なるプールへとたどり着いたわけなのですが……。
「……これはいじめか?俺に対する挑戦状なのか???」
「まぁまぁ、落ち着いて銀ちゃん」
「これが落ち着いていられるかぁ!!ふふふ、ふざけやがってぇ……!!」
ともすれば「俺は野菜人の王子なんだどー!」とでも言い出しそうな空気の銀ちゃん。*1
それもそのはず、三度彼の目の前に現れたのはまたしても巨大デザートにシリーズ、プール杏仁豆腐*2だったのだから。
「なんなんだよ!なんか俺に恨みでもあんのか!!やんのかチクショーやってやんぞゴルァーッ!!」
「まぁまぁ、抑えて抑えて」
「ふざけんなーっ!!」
うーん、すっかりぶちギレモードである。
まぁ、大の甘党が目の前に食べられないデザートをひたすら積み上げられて行っているようなものなのだから、そりゃまぁキレ散らかすのも仕方のない話ではあるのだが。
とはいえやっぱり食べられない・食べちゃいけないのは今までと同じ。
大量のライチが横に山積みにしてあるけど、それも含めて触っちゃメッ、である。
「なんでだよぉ!?プールの中はともかく、プールサイドの籠に積んであるライチに問題はねーだろうがよぉー!?」
「まぁうん、ライチ単体なら問題ないね。プールの中に目を向けないのであれば、単にプールサイドに用意してあるフルーツ類って方向性でうけとることもできなくはないし」
「だろー!?」
「確かにそうなんだけど──銀ちゃん、ライチだけで我慢できる?」
「…………」
その沈黙が答えなんだよなぁ……。
確かに、プールに詰まったデザート達を食べるのは行儀が悪い、という方向性ならば単に籠に積まれているだけのライチに罪はないのは間違いないだろう。
だがそれは、
ちょっと泳いで喉が乾いた結果、それを癒すために数個の果物を摘まむ……みたいな、若干のセレブ感溢れる行動が取れる人間限定のお話なのである。
「もっと単純に言うと、水分補給目的で食べる人なら問題ない、って方向性だね」
「俺だって糖分補給したいだけなんだが!?」
「その結果食い尽くすし満足しないでしょ。まず間違いなく横の杏仁豆腐に飛び付くのを抑えられないでしょ」
「………………」
だからその沈黙が(ry。
っていうかその辺みんなから(負の)信頼があるから、そりゃまぁみんなダメだよって言うというか。
とはいえ、流石に可哀想になってきたので、迂遠な方向性ではあるがダメな理由についても述べていくとしましょうかね。
極力私に飛び火しない方向性で。
「あん?」
「つい先日、このなりきり郷に新たなお仲間が加わったわけだけど。その内訳について知っていて?」
「お、このタイミングということは私達のことだな!」
「お、おう?」
そんなわけで、話題にあげるのはおぜうさま達のこと。
ゆえにここで言う先日とは無論前回の隔離塔の探索・およびそれに付随する前提状態を含むもののことを指す。
そのタイミングで郷に参加することになったのは、ここにいるおぜうさまやパチュリー・それからここにいないデルセンなどが含まれるのだけど。
「その中に一匹、ここには付いてきてないのが居るんだけどー」
「うむ、我が従者のゲンガー君だな!」
「はぁ、ゲンガーって……ポケモンの?」
「まぁ、単純なゲンガーなのかって言われるとちょっと……いや大分疑問なんだけどね?」
その内の一匹……一人?であるゲンガー君を話題にあげることにしよう。
彼はかの有名なゲーム・ポケットモンスターを原作に持つキャラクターだが、しかして純粋なゲンガーなのかと言われると少々疑問に思われないでもない存在である。
それはなぜかといえば、彼が
具体的にはポケモン内に登場するあらゆるゴーストタイプ・ならびにそれに準ずるものなどが起こす現象までをも複合した存在というのが正解なのだ。
「……それが、今回の話とどう関係あるってんだよ」
「まぁまぁ、話は最後まで聞く。……ゲンガー君がゴーストの要素を纏めまくってるのは事実、なんだけど。それだとちょっと強力すぎるというか、概念的には【兆し】がブラックホールになる可能性すらあるんだよね」
「……はい?ブラックホール?」
そこに着目されても困るんだが、単なる例え話なんだし……。
そんな感じで、唐突に出てきた『ブラックホール』の単語に目を白黒させる銀ちゃんに苦笑しつつ、改めて続きを語る私。
ゲンガー君が自分の存在に纏めていた『あらゆるゴーストタイプの要素』。
とはいえそれ、その時も言った通り個人に注ぎ込まれるには量が多すぎるのも事実。
結果、その時の彼は
「……良いとこと悪いとこ?」
「そうそう。ゴーストタイプっていわゆる幽霊を元ネタにしたポケモン達なわけだけど。単純に幽霊っていっても守護霊みたいに良いものとか、悪霊みたいに悪いものとかあるわけじゃない?」
「まぁ、そうだな。人間に対して良くも悪くも影響を与えるタイプ、というか」
ゴーストタイプの図鑑説明が色々恐ろしい、というのは前回も触れた通り。
コミカルな描写もあれど、俗に言う『ポケモンは怖い生き物です!』*3の類いというか?
まぁともかく、見た目の可愛さからは想像できないくらい恐ろしい部分も持っているのがゴーストタイプ、ということは間違いない。
で、件のゲンガー君はそれが成立した際にその強大すぎるパワーをどうにか制御できるようにするため、自身を光と闇に分ける形になっていたのだ。
「は?」
「本来の姿だと余計な問題を引き起こしてしまうから、ってな感じで光と闇に別れるキャラとかいるでしょ?ゲンガー君もそんな感じだったってわけ。まぁそのままだと色々問題だから、キリアとかにも頼んで一つになっても問題ないように、って感じに調整したんだけども……」
「だけども?」
「……こう、気を抜くと光と闇に別れやすくなってるらしくってね?」
「おいィ?」
「いやこれは私のせいじゃないわよ!?」
あれだ、物事の二面性を完全に分けるのは不可能に近いから、それを一つに纏めるとひょんなことで再び分解してしまうこともあるというか。
まぁ、別れても直ぐに戻れる分、闇側が問題を起こす可能性を極力減らせるようになったのも確かな話なんだけども。
……ともかく、ゲンガー君が気軽にドッペル()*4してしまうようになったことは事実。
その結果、彼は
「……ん?今回も?」
「──ところでポケモンには食べ物の見た目をしているものも多いわよね?マホイップとかカジッチュ・オリーヴァとかね」*5
「はぁ、まぁいるな?」
「その中にゴーストタイプに該当するのが居るのも知ってる?」
「あ?」
「あ、知ってる知ってる!あれでしょ、チャデスとかヤバチャとか!」
さて、ここで話題を変えて触れたのは、いわゆる人がなにかしら食べられる部位を持つポケモン達。
古くはラッキーの卵、新しければノノクラゲの剥離したキクラゲのような部位。
それらは人が食べられるものだが……ゴーストタイプにも、食べるのではなく飲むという形ではあるが、人に食用として扱われることもあるものが存在する。
それが、紅茶タイプのヤバチャ・それから抹茶タイプのチャデス達。
彼らは自身の体液……?的なものを人に飲ませることで、その生気を吸おうとしてくるタイプの危険生物である。*6
「……ま、まさか」
「そのまさか。ここまで設置されてたプールデザート達は、全部悪霊の作ったデスデザートだったんだよ!」
「な、なんだってー!?」
それを前提に、今までのプール達を解説すると。
率直に言おう、お前はあれを食べてたら死んでた、である。
……実のところ、プールの内容物が原因じゃないのは内緒である。
そこを誤認させとかないと