なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「まずこのバグ世界、頻繁に雷が落ちてくるけど当たってはいけない」
「そりゃまたなんで?」
「端的に言うとフリーズするから。そうなったらリセット以外手はない」
「思ってたのとは別方向から殴られた気分なんだけど?」*1
まぁうん、このバグ世界自体なんかリスペクトっぽいからね……。
そんなわけで、TASさんからこれからの諸注意を受ける銀ちゃんを、ちょっと離れた位置から見ている私である。
……なんで離れてるのかって?TASさんに私が近付き過ぎるのはよくないからかなー()
「次に、二段ジャンプはわりと必須になるから、とりあえずこれを覚えるところから始める」
「いや待って?真顔でおかしいこと言うのやめて???」
「?そこの盾の子とか、バックジャンプしたあと前転ジャンプとかしてたと思うんだけど」
「いえその、それは
「そうそう。パーマの人もテイルズとか出てるんだからなんとかなるなる」
「そろそろ終わるゲームの話は止めてくんねー!?」*2
なお、現在行っていることは、主に銀ちゃんの身体能力面の補強。
そもそも『白夜叉』として名を馳せた過去もある彼のこと、ともすれば基礎スペックは普通に高めの方に分類されるわけで。
となれば、多少無理な動きでも詰め込めばやれる、みたいに判断されるのも宜なるかな。
……ってなわけで、早々に無理難題を投げ付けられ続けている銀ちゃんなのであった。
「無理難題だって思ってんなら止めてくんねー!?この人俺のことなんだと思ってんのかよくわかんねーけど、とりあえず人体は逆には曲がらねぇって教えておいて
「坂田さん最低です」
「なんで今俺罵られたぁ?!」*3
「……収拾付かないんじゃないのこれ?」
「はははは」
横のゆかりんがすっごく怪訝そうに見てるけど……まぁ仕方ないね()
ともあれ、TASさんが銀ちゃん改造計画に着手している間、手の空いている面々は他のことをしなければならない。
なので、その辺を踏まえて人員を召集する私である。
「他にすることがあるって言うけど……具体的にはなにをするのよ?」
「それに関しては単純明快、ここいら一帯の捜索と食事の用意だね」
「……意外とまともな仕事がでてきたわね」
「レミリアさん?貴方私のことなんだと思ってるんで?」
「そりゃもう、そこの胡散臭い賢者と同列の変なやついひゃいいひゃいひょうふぁわはらほほひっはふほやへへ」
なお
「でもその吸血鬼の言うことにも一理あると思うのですけど?」
「あ゛ぁ?」
「こっわ!?いや喧嘩売ってるわけじゃないっての!単純に食糧調達とかどうすんの、って話よ!」
「ああ、なるほどそっちね」
そんな哀れなおぜうさまはさておいて、こちらに声を掛けてくるのはオルタである。
……なるほど、こんなバグ世界で食糧なんて調達できるのか、という心配だったか。
しかし、その辺は問題ない。なんでかって?
「とりあえず、あれを見て欲しい」
「あれ?……って、ゲッソー*4じゃないなんで居んのよ」
「バグ面と言えばゲッソーじゃろ?」
「……そんな適当な繋がりで?いやでも【兆し】関連ならそこまで変でもないのかしら……?」
周囲を見渡して、一番始めに目についたのは大気中を優雅に(?)泳ぐイカ・ゲッソーの姿であった。
特に恨みはないが、説明のためにもわかりやすいので彼をターゲットにさせて頂こうかと思う。どうせ『逆憑依』ではないだろうし()
「ってなわけで、食らえハンマーナゲール!」*5
「どっから出したそのハンマー!?……ってあれ、見事に粉砕されたゲッソーからなんか出てきたんだけど」
「ああこれはウイルスコアでね」
「ウイルスコア!?」*6
粉砕されたゲッソーから出てきたのは、黒いもやの掛かった謎の球体。
仮称ウイルスコアと呼ばれるこれは、言うなればこの世界がバグっているからこそ発生するデータ因子、とでも呼ぶべきものである。
「もしくはリソース・資源って言うべきかな?で、これをこうしてこうすると……」
「……米ね」
「そうだね、炊いてない生米だね。……まぁこんな感じで、ここにいる敵を倒して出てきたウイルスコアを私に渡して貰えれば、今みたいに食糧に変換できるって方式よ」
「ええ……なんか微妙に食欲の薄れる方式……」
「なにを言うやら、君らもよくやってるやつなんだぞこれ?」
「……まさかとは思うけど、素材収集イベントとでも言うつもりなの!?」
そのまさかですが?
ウイルスコアという収集品を私に渡して、代わりに素材……もとい食材を得る。
ほら、冷静に考えてみると素材収集イベントだなー、ってなるでしょ?ソシャゲでみんながやってるやつ。
まぁ、生憎ドロップアップの補助アイテムとかはないので、地道に敵キャラを狩り続けて貰わなきゃいけないのはマイナス点かもしれないけれど。
「なーなー、これってあのイカを直接食べる、とかはダメなのか?」
「お、いいとこに目を付けたねレミリア。それに関してだけど、ここにいる敵キャラは全部バグの影響を受けたもの。それを直接飲食する、っていうことはつまり自らバグを体内に取り込む、ってこと。バグスタイル*7になりたいんでもなければ、基本的にはおすすめしないね」
「あーなるほど。端的に言うと毒持ちってことね」
「で、それを解毒するのがキーアの役割だと」
「そーいうことー」
なお、途中でおぜうさまから質問が飛んできたが……答えとしてはこの通り。
一応組成的には普通にゲッソー……もといイカであるため、調理すれば食べられないこともないだろう。
だがしかし、バグ世界に発生しているゲッソーでもあるので、さっきから説明しているように『バグの影響を受けている』ことを忘れてはいけない。
……要するに、なんの対処もなしにこのゲッソーを食べると、もれなく顔面がゲーミングしたり言語がみさくら語*8に固定されたりなど、かなり嫌なバッドステータスに罹患する可能性大なのだ。
で、それを解除しようとするとそれこそ『星解』がいるので……うん、少なくともここから脱出するまでそのまんま、ってことになるわけでして。
そりゃまぁ、一回倒して加工し直した方がいい、ってなるのは当たり前というか?
「せんせー」
「誰が先生じゃい。……はい桃香さん、なんとなくなにを言いたいのかはわかりますがどうぞ?」
「じゃあお言葉に甘えまして。……あの方達はいいんです?」
「いいんです。ありゃTASさんだからできることだしTASさんならやるだろうっていう(悪い)信頼がありますので」
「うーん、未来視仲間として見習うところがあるかと思いましたけど……絶対真似しちゃダメなやつですね、あれ」
そこまで話して、さっきまで静かに聞いていた桃香さんが挙手をする。
……視線が一方に向いているため、なにを聞きたいのかはわかっていたが他のみんなにも共有するため敢えて彼女の疑問を聞く私。
そうしてみんなの視線が向いた先にあったのは、
「さぁパーマの人、これを食べて」
「……あの、付かぬことをお伺いするんですけど、これは一体……?」
「バグスター。食べるとバグに感染する」
「エグゼイド!?……いやちげぇ、どっちかというとマリオだこれ?!黒いスターだこれ!?つーか人をバグに感染させようとしないで欲しいんですけどぉぉぉぉっ?!?」
「バグと言っても悪いことばかりじゃない。いいバグだけ引いてれば寧ろ有益」
「そりゃ完璧な作戦っスねーっ常人には不可能だって点に目をつぶればよぉーっ!!」
「?できるまでやるよ?」
「オーマイガー!?」
バグを積極利用しようとする、TASさん達の姿なのであった。
……うん、ツッコまないからね?