なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「よっし腹拵えも済んだし、サクサク進んで行くかぁ」
「お、やる気だね銀ちゃん。それじゃあ銀ちゃんは桃香さん達と同じチームね」
「つーことは食糧調達か?……もう飯食ったのに?」
「ご飯にも変換できるってだけの話で、基本的にウイルスコアは素材の類いだから集めすぎなんてことはないのよ」
「なるほど?」
そんなわけで、ここからは銀ちゃんも攻略班に参入である。
……とは言っても、まだ準備が終わってないので地盤固め……もとい素材集めが主な仕事になるわけだが。
確かにTASさんのブートキャンプ*1をクリアした?今の銀ちゃんは戦力的にも結構頼りになるわけだが、とはいえ
……という話だ。
「変数やら乱数やらなに言ってんだというか、やけにデジタルに話が偏ってんなぁと言うか……」
「その辺はまぁ、【星の欠片】の影響で発生した空間だから仕方ないというか……」
「あん?」
「
そんな現状を見て、ゲームとかデジタルな世界を連想してしまうことに銀ちゃんが愚痴っていたが……その辺はある意味必然な話なので仕方がないというか……と、声を返す私である。
……『星女神』様が司る【星の欠片】はその正式名を【零弌概念】というが、その基礎原理となるものは二進数──ゼロとイチのそれが近いのだ。
デジタルの世界において、そこにある全ては究極的には
言い換えると、デジタルの世界にあるものは
その考え方を【星の欠片】に合わせると、結果として現実世界をも
「まぁ、『星女神』様のそれは二進数って扱い自体も
「……長々語ってっけど、つまりはどういうことだ?」
「見立てが成り立つってこと。【星の欠片】によって世界を解体すると二進数で構成された
そのため、特に意識をせず【星の欠片】をフィルター・ないし変数として代入したりすると、結果世界の出力がデジタルの世界っぽくなるのだ。
デジタルの世界と『逆憑依』の親和性については語ったことがあるけど、それと同じくらい【星の欠片】もデジタルの世界との親和性が高い、みたいな話になるだろうか?
まぁ、この場においては世界のフィルターの書き換えによる本来侵入できない場所への侵入経路が空いた、ってことの方に重きを置くべきだろうとも思っているわけなんだけど。
「デジタルの世界と、ねぇ」
「まぁ、だからこそTASさんがやって来る理由というかきっかけになったとも言えるんだけどね」
「……まぁうん、TASっつったらそっちが主戦場だよな……」
なお、【星の欠片】でバグったからこそTASさんがこっちに顔を出すきっかけにもなったのだ、みたいなことを告げたところ、銀ちゃんがとても渋い顔をしていたけど私は謝らない、いいね?
「まぁうだうだ言っててもあれだし、行ってくるわ」
「あ、銀さん待ってくださいー」
「へいへーい行ってらっしゃーい」
食後の雑談?も終わり、みんなが再び作業へと戻っていく。
私もアイテム交換用の売り子……インフォメーション?用の分身を一人置いて、ゆかりん達の方についていくことに。
……え?さっきはお前自身が残ってその辺対応してたのにどういう風の吹き回しだって?
「いやねぇ、まさかキリア状態だと通れない場所があるとは思わんじゃんね……」
「見えない壁?みたいなものに阻まれていましたね!」
この通り、なんか壁の判定がバグってたのか進めないところがあったからだよ!!
この世界が色んなゲームのバグが集まったっぽい挙動をしているのは、ああしてTASさんの到来があったことからなんとなく把握していたけど……うん、認識がまだまだ甘かったというか。
「いやまぁ、そもそもキリアだけ通れないってのが意味不明なんだけどね?!ゆかりんもXちゃんも通れてたわけだし!?」
「身長が悪いのなら私も引っかかるはずだし、」
「仮に秩序とか善属性だとダメ、みたいな話ですと私も引っ掛かるはずですからね!」
とはいえ流石にキリアだけピンポイントに引っ掛かる、ってのは納得行かんのだけどね!
現状有力なのが【星の欠片】だから、みたいな話になりかねない辺りが実にあれというか。
……え?じゃあお前が変わっても変わらんのじゃないかって?
「キリアは見た目が前から変化してないことからわかるように、スペック的には今の私とは比べられるようなもんじゃないからねー」
「その辺はよくわかんないけど……とりあえず、仮に【星の欠片】であることが足止め理由だとしても無理矢理通れるんでしょ?」
「失礼な、無理矢理じゃないよその場でデータを最低限修復しながら進むだけだよ」
「それはそれでおかしいような?」
生憎、キリアの方は【星の欠片】としてのスペックを一割も発揮できてないので、私に交代することによる状況の変化は普通に大きいのだ。
というか、トップスリーにまで登り詰め(てしまっ)た今の私だと、バグを直しながら進むなんて無法なこともできるし。
……まぁ、直しながら進むのは最終手段だけどね?
その辺下手に触って他のバグが重篤化したりしたら目も当てられないし。
「最悪唐突におぜうさまの顔がバグる、とか起きかねないからね……」
「内容はともかく、なんでレミリア?」
「
「わかるようなわからないような理由ですね……」
比較的新しいデータの方が読み込みのタイミングが早い、みたいな?
……いやまぁ、仮にバグった場合も単に顔にモザイクがかかるとかそういう軽微なもんだとは思うけどね?
でもそれはそれで「私の顔は猥褻物だとでも!?」とか言われると困るので、できるなら発生させたくはないというか。
「それにモザイクになったことをおかしいって思えるならいいけど、価値観部分に影響するバグだったりしたらそれこそ手に負えないからねぇ」
「価値観部分に影響するバグ???」
「なんだか思ったより大事になってきましたね……」
おかしいと思えないおかしさほど手に負えないモノもない、というか?
まぁそんなわけなので、無理矢理押し通るのは最終手段。
基本的には隙間を探すために細分化したり液状化したりするための
「……そういえば変形したりしてたわね貴方」
「概念的に通れないんならあれだけど、何処かに隙間が空いてるなら最悪そこから滲み出せばいいからね」
「うーん、聞いてるとパニックホラーの原因生物としか思えない生態ですね!」*2
まぁ、私がバグってるのは今さらなので……。
なんて話をしているうちに、先ほどキリアが足止めを食らった場所にたどり着く私たち。
見た目としては特に変なところもない、普通の狭い道……といった感じの見た目の場所。
一応バグった床がせり上がって壁になっている、なんて明確な異常もなくはないけど……逆に言うと壁とは言っても側壁・前進を邪魔するようなものではないのでこれで進むのを止められる、というのは意味がわからないというか。
実際、先に進ませた二人は特になにも起きないまま壁の先に進んでいったし。
「んー、やっぱり私たちにはなにもありませんでしたね!ではキーア、お次は貴方が通る番ですよ!」
「はいはい、今行きますよ……って言いたいところなんだけど、ちょっと待って貰える?」
「おや、早速なにか異常を見付けたので?」
ならば必然、次は私の番になるのだけれど……困ったな、これは中々骨が折れそうである。
なんでかって?この場所に設置されている壁の──見えない壁の性質が早々に判明したためである。
いやまぁ、確かにこれだとキリアは通れないし、なんなら私だって通れないだろう。
これを通ろうとするのは難しい、と断言する他ないだろう。
「そこまで言うだなんて……ここには一体どういう仕掛けが……」
「いやー、まさか巨乳防御が使える・使えた人じゃないと通れないとはねー」
「……なんて?」
「貧乳回避使いは通れない、ってだけの話ですけど?正確にはそれしか使えない人はダメ、って感じだけど」*3
「微妙に言ってることが違う!?」
いやまさか、大人のプロポーションをしている・ないししていたことがある人じゃないと通れない仕組みだとはねー。*4
……喧嘩売ってるのかこいつぅ!!!