なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「ぷるぷる、ぼくわるいスライムじゃないよ」
「この台詞で本当に悪くないことってあるんだな……」
「それは流石に穿ちすぎじゃない?」
基本的には文面通りであることの方が大半、みたいな?
まぁ、それを期待しすぎると罠を仕掛けてくるのが一定数いるというのもわからんでもないけど。
ともかく、バグが集まって巨大スライムに融合していたのを、ちょっとあれこれ弄って()普通のバブルスライムに変化させた……というのが今回の真相。
そういう意味では、彼の名前は『キングバブルスライム』とかにしておく方が正しいのかもしれない。
「……バブルスライムにキングっていたっけか?」
「私の記憶の範囲内だと多分いないね」
「いないもん作ってんじゃねぇよ!?」*1
いやまぁ、仮にいたとしても多分今目の前にいるタイプのじゃあないとは思うんだけども。*2
……うん、幾らなんでも横に広すぎるというか?
いやまぁ、基本的には集まったバグをそのまま変化させた感じだから、そもそもの質量が多すぎたってだけの話でもあるんだけども。
ともあれ、折角変化させたけどこのままじゃなにをするにしても問題まみれ、ってことになるのでー。
「こんな感じに縮めてガラスのビンに入って貰いました。差し詰め『ビン詰めスライム』ってとこかな?」
(・ヮ・)「いごこちがいいです」
「これに関しては本当に新種じゃないの……」
こんな感じに用意したビン(※ゼルダの伝説ではない)に魔法で縮小したスライムを投入。
結果、かたつむりみたいにビンを殻にして動くスライムという、世にも珍しい存在が生み出されることとなったのであった。
……え?ゆかりんが頭を抱えている?
新種ってことになると関係各所にどう説明したもんか、って悩ましいことになるからね仕方ないね()
「……ま、まぁ大きなバグが片付いたってんならそれでいいじゃねぇか。これで終わりでいいのか?」
「いいえ?」
「そうか終わりでいいのかよか……はい?」
とはいえ、大きなバグが一つ解消されたのだし、これで拠点(にしているプール)に戻っていいのか、という疑問が湧いてくるのも必然。
実際に銀ちゃんの口から放たれたその言葉に、私が返したのは──否、の言葉。
いやだってねぇ?
さっきも言ったけど、現状バグ達は私の影響を受けた状態。
そしてそれは私の言葉を聞いた個体単独に発生しているものではなく、既にバグ達の間で共有されている事実である。
となれば、だ。
他所の面々の見て回ってるところでも、今みたくバグ達が融合している可能性大、だとは思わない?
「ま、まさか……!?」
「そしてそのバグ達も迂闊には倒せない!っていうか仮に倒そうとしても普通に強くなってるから敗走する可能性の方が高いんだよ!」
「ぎゃーっ!?」
ウイルスコアを取るために倒す雑魚敵くらいなら、普通の『逆憑依』達ならそこまで苦労することもあるまい。
がしかし、今現在みんなの前に現れようとしている、なしいは既に現れているのは、それらのバグ達が融合した個体。
必然、数が集まっているのでその分力量も上がっているし、それに伴って討伐難易度も上がっている。
倒すのに難儀するレベルにまで強化されているうえ、それで実際に倒せてしまったら恐らくウイルスコアなんて出てこないだろう……となればほら、必然的に私が行って今みたいに変換するしかない、ってことになるでしょう?
「ええとせんぱい、コアが出ないだろうというのは……?」
「あ、そこはわかりにくかったか。普通の雑魚敵は倒せないっていうより、私の補助スキルで峰打ちするようになってるってのが今は正解なのよ。最初にバフの付与してたでしょ?」
「そういえばそんなこともしてたわね……」
と、そこでマシュから疑問の声が。
それは今現在他の面々も雑魚敵達を殴ってウイルスコアに変換しているわけだが、それは実質倒してしまっているのでは?……という旨のもの。
これに関しては、最初にみんなをバグ退治に行かせた時から継続して掛けているバフに秘密がある。
これは簡単に言うと『相手に与えるダメージの値を丸める処理をみんなに仕込んでいる』という形になる。
わかりやすく言うと、本来千与えるダメージが
なんでそんなことをしているかというと、一般的なバグの体力が千であること、および彼らバグの体力が一定以下になるとウイルスコアに変化するから、というところが大きい。
「……あれ?キーアちゃんがウイルスコアになるように仕込んでいるんじゃなくて?」
「いや、それだと私からバグに干渉してるってことになるじゃん……いやまぁ、私の言葉でウイルスコアになるようになった、ってのも間違いじゃないんだけど」
「話がややこしくなってきたな……」
「そんな大仰な話でもないわよ。さっきのバグが融合するようになった、ってのと同じで
「盛大なマッチポンプだった?!」
まぁそもそも?バグ達の体力が千くらいになっていることと、それから体力が一定以下になったらそれ以上ダメージを受けないように──
この辺はあくまで言葉を受けたことによる影響なので、【星の欠片】の作用でそうなったわけではない……というのが重要なところというか?
下手に【星の欠片】で触ると良くないというのは何度も言っている通り。
その辺弁えてずっと行動していた、というだけの話である。
……その辺はいいとして、だ。
この話の肝は、あくまで言葉によって与えられる影響はそこまで多くない、ということ。
もし仮に私の言葉がなんでも採用されるのなら、それこそ『今すぐこの場に集まって私の行動を受け入れるように』とかなんとか言えば終わる話。
それをしないということは、結果的にそれはできないということ。
で、これは別になにか規則性があってそうなっているのではなく、たまたまそうなっているというのが近いのである。
「はい?」
「あくまでバグ側が『これを採用しよう』って適当に決めてるだけだから、それをこっち側から誘導するのは難しいってこと。……まぁ、だから迂闊なことを口走った……なんて言い訳をするつもりはないけど」
元々がバグなので、自分に有利か不利かとかを一々気にしてない……みたいなのがわかりやすいだろうか?
体力制限は不利、一定以下の体力時にコアに変化するのは……自己の保持の面では(素材にされることを無視すれば)メリット寄り?
「で、今回の融合は明確にメリット、と。……結果として、本来なら千程度の体力なのが、融合した分上がってるってわけ」
「……ええと、まさか」
「わかったみたいだけどそのまま続けるわね。今現在みんなに掛けているのは手加減用のバフ。とはいえこれはポケモンの『みねうち』*3みたいな感じじゃなくて、あくまでダメージの最大値を丸めるって効果。……それより細かく調整するとよくないからっていうだけの話なんだけど、それが悪さをするってことになるわけでね……」
変に【虚無】としての要素が出てしまうと問題になるので、処理が軽いモノを選んだ結果というか。
……まぁ、そのせいで起きることはまさに傍迷惑の極みなのだけれど。
「最大値を丸めるってことは、つまり大ダメージを与えようとしても一定のダメージしか与えられないってこと、今現在バグ達は融合してるから、必然みんな大ダメージを与えようと大技を使うわけだけど……」
「そうならないようにバフが掛かってるから、結果として一回じゃ倒しきれない。雑魚敵なら一発でコアになるまで体力を削れるけど、融合してる相手の場合三割とか四割とか、その辺りのダメージになる……」
「そのまま攻撃を繰り返すと六から八割、さらに繰り返せば九から十二割……前者はともかく、後者は倒しきっちゃうわね……(白目)」
「なんなら前者の方もコアに変化する体力の基準に達してないね」
「 」
……うん、ざっくりいうとウイルスがコアになるのは体力一パーセント以下の時。
みねうち方式じゃないのでこれを満たそうとすると、三十三パーセントのダメージを三回与える……みたいな、知ってないとまずできないような調整を加える必要がある、ってことになるわけでして。
で、もし仮に倒してしまったらどうなるのかというと、バグが消滅する際の影響が世界に『無』を与え、結果としてゴールが口寄せされてみんな画面外にぶっ飛びます(比喩)。
「意味わかんないんだけど!?画面外ってなに!?」
「画面外は画面外だよ、一応ゆかりんは戻ってこれると思うけど他の人にはとても荷が重いよ」
ね、私が行かないとヤバイ、ってよくわかるでしょ?
なお、他の面々に同行している素材交換用の私に関しては、本体と違って【虚無】の使用ができない≒融合したバグを今みたいに変身させることができないため、役に立たないことをここに記しておきます()