なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……いや待ちなさい、もしかしてだけどそのスライムみたいなのが増えるってこと?」
「まぁ、消滅させるのがよくないんだから必然的にそうなるね?」
「ああああああああああああああああ」
「八雲のが壊れた!?」
「これはひどい」
はてさて、みんなのところにも融合バグが発生している可能性が高いわけだけど。
無論、さっきから言っているように彼らを倒すのはご法度。
……となれば必然、さっきのもといそこのバブルスライム君みたいに、他の大バグ達も安全な別存在へと変化させる必要がある、ということになるわけで。
それが意味するのは当然、スライム君みたいなのがこれからいっぱい増えるってことになるわけで。
……うん、そりゃまぁゆかりんも絶望したように叫び出すよねというか?
とはいえそうでもしないと事態の収拾どころか事態の深刻化を招くんだから仕方ない、と納得(?)して貰って、改めて他の面々のところに向かう私達である。
「で、最初はどこに行くんだ?」
「一番大変そうなおぜうさま達のところかなー」
「ええとそこは確か……パチュリーちゃんにレミリア、それから桃香ちゃんとモモちゃんのメンバーでいいんだったかしら?」
「それから私のコピーだねー。まぁ
「せんぱいの人形……羨ましい」
「マシュ?」
で、最初に向かうのはおぜうさま達のパーティ。
構成メンバー的には一番火力が低そうな面子、ということになるのだろうか?
まずパチュリーだが、本来の彼女と違って健康優良児ではあるものの、別に戦闘力が特段秀でているというわけではない。
そもそもがハルケギニア出身なこともあり、近接戦闘とかもそこまで得意ではないだろう。
続いてモモちゃんだが、生憎今回の彼女は水着姿。
……わかりやすく言うとベルトを持ってきてない(更衣室に置いてきてる)のでほぼ普通の少女程度のスペックしか出せないだろう。
まぁ、恥やら外聞やら投げ捨てて
で、次は桃香さんなんだけど。
実のところ彼女はエミヤんの要素を加えられた劉備なんていう胡乱存在なので、丸腰でもそこから投影魔術で武器を揃える……なんてことができてしまうので普通に戦力カウントされるべき人……。
なのだけれど、エミヤんの要素より遥かに強く彼女を構成している千里眼EXにより、この場で迂闊にバグを倒すことの危険性についてすでに知っているはず。
なので、この状況では恐らく適当にはぐらかしながらのらりくらりと立ち回っているだろうと思われる。
……え?知ってるならその辺他の人たちに教えてあげろよって?
未来視能力者は基本情報を出し渋るものなのでその辺は無理だね()*1
「そうなると……一番の問題はレミリアってこと?」
「そうだね。そもそも『運命を操る程度の能力』の効果で変なこと起きやすくなってるだろうし」
「じゃあ余計のこと桃香は未来について知らせねぇだろうな……」
「回避するために未来を見てるのに、下手に知らせて回避できなくなったら元も子もないからね……」
そうなると、このメンバーの中で一番問題になるのは……前回でもそうだったが、奇異な未来を引き寄せやすいおぜうさま……ということになるのだろう。
なんなら桃香さんが居るので余計に変なことになりやすいかも、なんて懸念すらあるというか?
……え?じゃあ最初から二人を一緒にしなきゃよかったんじゃないかって?
そうは問屋が卸さないんだよなぁ……(遠い目)
「他の方──特に【星の欠片】の方々と一緒にするのは特に憚られる、ということですね?」
「うむ。オルタちゃん達のとこには混ぜられないし、同じ理由で私と一緒なのも可能な限り避けたいね」
あれだ、変な【星の欠片】呼び寄せかねないというか。
……その辺も踏まえて彼女達は私を含まない四人一組にしたわけだから、そりゃ今が一番マシなんだよと言うしかないというか。
あとついでに、仮に変な未来を引き寄せてもそれを常に見ながら修正を図れる桃香さんなら、組ませた時の評価はギリギリプラスだから……みたいな面もなくはない。
「そんなわけなので、とりあえずおぜうさま達のところへレッツゴー!」
「……はいいんだけど、どうやってそこまで行くつもり?このバグ世界無駄に広いから、探すの大変そうだけど」
「え?」<スキマパカー
「色々言いたいことはあるけどそれ私のぉ!!」
ってなわけで、早速おぜうさま達の元へ向かおうと、スキマをパカッと開いた私である。
……いやまぁ、正確にはスキマじゃなくてワープゲート、かつあくまで人形の私の元に繋いだ・かつそこにしか繋げないタイプの奴だが。
あれだ、これに関しても下手に【虚無】ると良くないんでね、あくまで本人同士の繋がりを利用したもの、ってやつである。
釈然としない様子のゆかりんを宥めつつ、ワープゲートをくぐって目的地へと向かう私たち。そこで見たのは、
「うおーっ!?誰か助けてくれーっ!?」
「まさか巨大イカとはね!つまりこれはあれね、たまに夏場とかにあるサービス回……!」
「レミィはなにを言ってるの?」
「あはは……なにを言ってるんでしょうね、まったく」
「(唖然)」
モモちゃんをその巨大な腕で捕まえ、さらに他の面々にもその触手を伸ばし続けている巨大な影……。
ぶっちゃけると巨大ゲッソーとそれに立ち向かう美少女達という、確かにおぜうさまの言うような絵面を想像する光景なのであった。
……あかんさっきの相乗効果とか特定の運命を引き寄せるとかのせいでこの作品がR-18になってしまう!!()*2
「え、ええと……とりあえず、巨大軟体生物戦、開始します!」
「おっとマシュ迂闊に近寄るんじゃない!こういう時は本来避けられる攻撃も引っかかりやすくなるから距離を取るんだ!」
「は、はい。せんぱいがそう仰るのであれば……」
「それはいいけど、これ状況的にはよくないんじゃないの?」
「……ああなるほど、夏のサービスシーンのノリが過分にあるのでしたら、性別:女性というだけでマイナス補正増し増しの可能性大ですね」
はてさて、そのままなし崩し的に巨大ゲッソー戦が始まったわけなのだけれど。
これが彼女達の言う通り、中々の難題と化していたのであった。
本来、巨大なイカと対峙することなんて早々ないし、それが地上ならこちらが捕まることもそうないだろう。
……そう、確率が低いということは、おぜうさまの能力の影響を受けるということ。
ゆえにこの状況、よくあるサービスシーンのように
まぁ、その場合も本来そんなことになったら酷い怪我になる……みたいな話もスルーした結果になるんだろうとは思うのだが、とはいえはいそうですか、と捕まっても問題ないかと言えばノー。
特に私の場合、このゲッソーを無害なものに変化させる場合は
「ええと、捕まる云々はともかくとして、なんでキーアから触れないとダメなんだ?」
「そりゃ単純さ、捕まってから触ると
「……ん?カウンター判定……?」
そんな私の言葉に、銀ちゃんが首を捻りながら聞き返してくる。
確かに、単に触れるだけなら後も先もないだろう、と思ってしまうのは無理もない。
なので、ここで考えるべきは
こっちから触れるのと相手に捕まってから触れるの、それがどういう違いを持つのかという話である。
「アンデッドアンラックって漫画に『
「それがこの話とどういう関係が?……いや待った、もしかして……?」
「お察しの通り。『不治』は能力者を倒せば解除されるけど、
何度も言うように、バグに対して直接的・積極的に【星の欠片】を使うことは推奨されていない。
そしてこの積極的にというのは、
要するに、強弁であれ『相手に対して使ったわけじゃない、使った先に相手がたまたまいたんだ』と言えないと不味い、ってわけなのだ。
それを先ほどの話にあてはめると、捕まってから触れるのはすなわち『相手に捕まってしまったのでそれから脱するために行った行為』──すなわち故意の行為である、という扱いになってしまう。
故意ではないと釈明ができなくなるとなれば、必然一度相手から逃げたのち十分な時間を置いてから改めて『わざと触ったんじゃありません』と言い張る必要がある、ということになるわけだ。
……そりゃまぁ、面倒というか大変というか、そういう感想が口から出てくるのも仕方のない話というか?
「え、滅茶苦茶面倒くさくねこれ?だってあれだろ、
「そだね、でその場合私もその流れに逆らうのは難しいね。だって迂闊に【虚無】使えないんだもの」
「……詰んでね!?」
「詰んではないけど大変なのは確かだねぇ」
思わず叫んだ銀ちゃんに、苦笑を返す私なのでありましたとさ。
え、笑ってる場合じゃないだろうって?