なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「やっと目的の乱数まで残り数分だよ……」
「結局、皆さん暇すぎてお休みになったりされてますね……」
「この環境でよく寝れるもんだぜぐぅ……」
「おら起きろ銀ちゃん、君は付き合って貰わんと困るんだよこっちは」
「後生だから寝させてくれぇ……」
はてさて、焚き火を囲みながらキャンプの要領(?)で目的の時間を待つこと数時間。
みんなに余計な行動を禁じた甲斐もあって、ようやくこの待ち時間も終了のお時間である。
……まぁうん、本当にすることなくてみんな大抵寝てるんだけどね?
さっき触れたように、今回行おうとしていることには無数の乱数が関わっている。
この『無数の』というのが曲者で、先述したようにウイルス達を倒すのはご法度だし、なんならここから離れるのも宜しくない。
ついでにいうと、この場でなにか適当な暇潰しを行うことも(その内容によっては)禁じられていたわけなのだから、そりゃまぁ寝るのが一番だともなるだろうよ……みたいな?
「適当になにかして遊ぶのも大体ダメ、数時間単位だから話すことも次第になくなる……っつーか、内容によっては話題に出すのもダメな場合あり。唯一個人で黙って本を読むくらいは許されるけど……」
「スキマで他所から持ってくるのはダメ、ってことで料理本くらいしかなかったのよね……」
「寧ろなんで料理本はあったんですか……」
「え、その……食材ならなんでもコアから錬成できるって話だったから、ちょっと前々から作ってみたかったものを作ってみようかと予め持ってきてたというか……」
「な、なるほど……」
具体的には『乱数が変動するような行動の大半が禁じられていた』、となるのだろうか?
例えば手遊びの類い。
これは相手と自分で
まぁなんでもかんでも禁止ってわけじゃなかったんだけど、それでもやれることが会話主体のものだったのであえなく却下された、というか。
……分かりやすく言うとTRPGとかは禁止、アルプス一万尺とかお喋りの類いは可、みたいな?
いやまぁ、一万尺は勝敗を決めるようなモノじゃないけど、そんな感じで『勝負にならない会話』が許されたものだった、って点では例えとして適切というか。
とはいえ、そうして許されたものであるお喋りの類いも、そう長時間続けられるモノではない。
……いや、話すことなんて幾らでも湧いてきそうなものだが、内容によっては乱数が回るってことでダメ、ってなった話題があるのだ。
具体的にどれ、と明言するのは長くなるので止めておくが……会話の最中私からの無言の抗議が飛んできて渋い顔をする他の面々、というのが何度も繰り返されたとなれば、そりゃまぁお喋りしようって気も段々なくなっていくだろう。
唯一、その行為によって発生する影響が自己の中で留まる……ということで読書は一切咎められない行為の筆頭だったが、こっちはこっちで読むものがないという至極当たり前の問題にぶち当たって頓挫していた。
……いやだってねぇ?まさかゆかりんがいつの間にか持ってきていた料理本しかないとは思わないじゃん?
マシュとか盾の収納スペースになにか仕込んでいてもおかしくない、って考えてたんだけども……。
「いえその……確かに今回私たちは泳ぐため、言い換えれば遊ぶためにやって来たわけですが、そういう場で本を読んでいるのは恐らく世間一般的には『空気が読めない』と揶揄される行動なのではないかと……」
「……そりゃそうだ」
ってな感じで、元々の目的的に持ってきているはずがない、と一蹴されたのだった。
……弁当を入れるだけの余裕があるらしいし、持っていこうと思えば持っていけそうなんだけどね、盾の収納スペース。*1
ともあれ、ろくな暇潰し手段もなく長時間待てと言われれば、そりゃ寝てしまうのが一番簡単だとなるのは当たり前の話。
結果として、他の面々はそこらで雑魚寝することになっていたのだった。
なお、私は現在の乱数がどうなっているのかを確認するためずっと焚き火を見つめていた*2し、他の起きてた面々は特に話すこともないまま、脳内で色々と思索を巡らせていたようである。
「銀ちゃんは例外だがね!」
「焚き火見つめてて眠くなっちゃうなら、始めから見つめなきゃいいのに」
「なんもねーんだからそりゃ目の前にあるもの見るに決まってんだろーがよ……」
「それで眠気を誘われてちゃ世話ないんだが?」
ゆらぎがどうちゃらで焚き火なんて子守唄の一種みたいなもんなんだから余計のことなんだが?*3
……実のところ、今回の話において銀ちゃんはキーマンの一人だったりする。
その理由は至極単純、彼がTASさんの薫陶を受けた人物であること。
言い換えると、この場では数少ないTAS技術の使える人物、ということになるわけで。
「そりゃまぁ私も多少は調整できるよ?でもかなり細かい調整となると実際に乱数が見えないと困るから、銀ちゃんには違和感があったら即座に指摘して貰わないといけないんだわ」
「いや……それこそお前さんが本気出せば見えるだろうよその辺……」
「それをしようとすると
「oh……」
まぁうん、実のところ本来ならば私も乱数見たり好きに弄ったりできるんだけどね?
どっこい、私のそれってTAS的に言うならチートの類いなわけで。
……うん、チーTAS*4すんならともかく、今回みたいにバグの影響を消しましょうって言ってる時に持ち出すのはまさしく阿呆としか言えんわけでね?
そんなわけで、現状ズルをせず自力で乱数とかの変動を見ることのできる銀ちゃんというのは、絶対に寝かせてはいけない人物の一人となっているのであった。
ぶっちゃけて言うと正直彼がちゃんと起きてるなら私も寝てていいレベルである。
「まぁ、実際にはこうして油断するとすぐ寝そうになるから、私も起きて補助要員的に動くしかないんだけどね!」
「私たちは」
「その付き添いみたいなもんでーす」
「ここでも俺いじめかよ……」
それも必要なことだから(以下略。
……TASもといRTAとしての熟練度を積む必要が彼にはあるのだけれど、この時点ではなに言ってもめんどくせー、としかならんだろうなーって思う私である。
いやまぁ、実際にその事態に直面することになったら、まず間違いなくこうして今現在いじめ抜かれてたことを感謝する羽目になるんですけどね()
「こえーよ、俺の未来に一体なにが待ち受けているっつーんだよ……」
「正確には今回の案件とは微妙に関係あるような無いような、って感じの話なんだけどね。あと話を合わせていじめてるって表現使ってるけど、こっちにはいじめてるって意識は全然ないよ、寧ろこの程度の苦労で
「なーっ!?マジでこえーんだけどぉ!!?この人ひたすらに恐怖心だけ煽ってくるんだけどマジで未来の俺なにに巻き込まれてんのぉーっ!!?」
はっはっはっ、かねて恐怖したまえ兄弟、その先に道はあるのだから()
……そんな感じで銀ちゃんをいじることで眠気を発散させ、彼が再び乱数に集中できるように整える私である。
無論、私自身も一応乱数を確認することは忘れない。何事も二重チェックは大事だからね。
「適当に『前任者がヨシッ!って言ったからヨシッ!』ってやったら死ぬほど痛い目を見るだけだからね……特に今回乱数とかなんとか言ってるから裏では酷いことになってるからね……」
「う、裏では酷いこと?」
「追記……」
「あっ」
……追記で察してくれるのはとても嬉しいよ私(白目)*5
ええまぁはい、今回裏では結構酷いことになってるんですよね……それこそ何度かTASさんを呼んでこよう、と決心しそうになるくらい……。
「その場合どうなるか、ってのは私の口からは言えんけど……そこを銀ちゃんが代用できるなら幾らでも私は銀ちゃんを酷使するよ!」
「俺の肩にいつの間にか世界が背負わされてた件」
「よくある話ね」
「よくある話ですね」
「そうかなぁ!?本当にそうかなぁ!?」
なお、銀ちゃん本人に待ち受ける試練はそれでもない、とは言わないでおく私である。()