なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……またなんか暗いしせめーしって感じのところだな?」
「まぁ、別に隠れてなにかするなら広いスペースなんて必要ないからねぇ」
はてさて、いよいよ首謀者のいる場所へとやってきた私達である。
個人的にはさっと退治してさっと撤退したいところなのだが、正直そうはならんやろなー、と思わんでもない私である。
なんでか、って言うのはこれから起こることを見てればわかると思うよ(適当)
……いやまぁ、実のところ桃香さんは知ってるはずなんだけどね、千里眼持ちだから。
それでも黒幕がしっかり黒幕するのを止めなかったのは、偏に
あとあれだ、
「……なんか、含みしかねぇ言葉がどんどん飛んでくるんだけどなにが待ち構えているんです?」
「正味なところ、私も気付いたのは途中からでね。……と言っても具体的には次々現れるデザート系プールに出会してから、だけど」
「えっ?そっから?」
ええ、そっからです。
……というわけで、黒幕が出てくるのを待つ間に……というよりは、
「まず、話の起点となったのはアクアの思い付き。カイオーガ要素の発散のためプールを作った、ってところからだね」
「ててーいと、いきなり範囲を広げたりもしてたわね」
「そう、それよ」
「ひょっ?」
まず、私たちはアクアの作ったテーマパーク的なプールに遊びに来たわけなのだが。
その際、張り切った彼女が施設の範囲を広げる、という一幕があったと思う。
……実のところ、その時点で今回の問題は発生していた、と言えるのだった。
「あの時問題ないって言ってたじゃないのヤダー!!」
「ええ勿論
「ウワーッ!!?」
あ、ゆかりんがバターンって感じに倒れた。お労しやゆか上……。
なお、これに関しては黙ってた方が後々最終的な結果がいいものになるので黙ってた、という面が大きい。
あれだ、
まぁ、これによって報酬を貰えるのは正確には私達ではなく、
「……はい?俺?」
「うんそう、銀ちゃん。……ってか、何度も言ってるけど今回の一件は原因も銀ちゃんだし解決するのも銀ちゃん、ついでに言うなら報酬を貰えるのも銀ちゃんという完全銀ちゃん尽くしですよ?」
「どういうことなの……」
より正確に言えば、この話の結果銀ちゃんが報酬を手に入れれば、結果として私達も利益を得られるということになるのだろうか。
……え?やっぱり意味がよくわからない?んじゃまぁ、詳細に一から解説していくとしよう。
「まずいきなりぶっちゃけますと、この銀ちゃん達偽物です」
「「「えーっ!!?」」」
「より正確にいうと、真実と虚構が半分半分な感じです」
「「「えー……?」」」
あ、わかんねぇって顔してるわこれ。
……もう少し突っ込んで説明すると、今の彼らは『これからの行動次第で本当になるかどうかが決まる』状態、ということになる。
きっかけはさっきも触れた、施設の拡張工事。
あれ、あの時『電源切らずにメモリを増設するようなもの』と述べたけど、まさにそれを現実に当てはめたような状態に彼らは陥っているのである。
まぁ、そうなった起因は先ほどちょっと触れた通り、アクアが施設を増やした際の歪み、ということになるんだけども。
「と、言いますと?」
「ソフトの半差し……だとわかりにくいか。素直にシュレディンガーの猫状態、って言っておくべきかな?」
「波動関数が収束しきっていない、と?」
「難しく言うとね」
いわば確率論の存在になってしまっている、というか。
現状の彼らはデータの呼び出しにミスった形になっていて、実はうちの隣・ネオよろず屋達の居住区であるそこには今も銀ちゃん達が居るはず・もしくは居るかもというか。
無論、現状それを確認する術はない。
下手に覗こうとするとそれこそ世界がヤバい()ので、感覚として『銀ちゃん達は今ここにいる可能性もあるし、家で寝ている可能性もある』と無理矢理納得するしかないわけである。
そういう意味でも、波動関数が収束しきってないというのが現状の説明にもっとも適しているというか……。
わかり辛かったらあれだ、どっちも幽霊みたいになってると思って貰えれば。
「まぁ、幽霊みたいっつっても普通に触れるし自意識もちゃんとあるし能力も使えるんだけど」
「それってもはや幽霊でもなんでもないのだ?」
「わかりやすさを優先するとそう呼ぶしかないのよ」
なお、ゴジハム君から至極まっとうな指摘が飛んできたことに関して、色々思うことがあるかもしれないが飲み込んで頂きたい。
……幽霊みたいなものと言いつつ、滅茶苦茶普通に会話してるやんけ!……みたいなツッコミには上手い言い回しが思い付かんのでな。
ともかく、この場にいる彼らが少々特殊な状態である、というのは間違いない。
「さて、そうなってくると一つ問題が出てくるんだけど……なんだと思う?」
「え?えーとですね……元々彼らに来ていたという依頼について、ですか?」
「ん、マシュ大正解」
で、そうなると決して無視できない問題が一つ、湧いてくることになる。
──そう、夜な夜などこかのプールで啜り泣く誰かの声がする、というあれ。
銀ちゃん達一行はその噂を解決するためにこのプールにやって来た、とのことだったが……。
「ここにいる彼らが確率論の産物だとすると、必然それは
「……あーもしかしてだけど、コイツらが発生したのはこのプールが拡張されてからのこと。……つまり、噂自体も出所が不明ってことになる感じ?」
「その通りだよお嬢様。噂を聞き付けやって来る、という可能性は存在する。……するんだけど、同時にその噂を銀ちゃん達に伝える
彼らが不安定な存在だということは、必然彼らがここに来る切っ掛けとなった噂自体があやふやなものである、ということになってしまう。
具体的に言うと、彼らにその噂を聞かせた人物──恐らくは依頼人であるはずの
「彼らの認知の上では『誰かに頼まれた』はずなんだけど、外野からみると勝手になにやら奇行を始めた、としか判定されないってわけ」
「それは……俄に恐ろしい話ですね」
サンプルデータで話を進めているようなもの、というか?
まぁ、そうなった理由の根源をたどると『アクアが無茶苦茶した』から、となるのはなんとも言えないところだが。
結局私のせいなんですか!?……と半分涙目なアクアはスルーするとして。
ともかく、ここにいる銀ちゃん達が大分あやふやな存在だと言うことは、言い換えると彼らが動いたことによって起きることもまたあやふやだということ。
そこに紐付くあらゆる要素に確たる証拠が存在しなくなるともいえ、結果として噂の出所・依頼人に関しても不明になってしまっている……と。
「とはいえ、それだけだとあやふやだってだけだから、なにが悪いのかわからんよね?」
「まぁ……そうねぇ。感覚的な話だけれど、あやふやだったらそのまま放置すれば問題ない、って風にも聞こえるし」
ただこれ、状態だけ聞いてると「それのなにが問題なの?」ってなる不具合ががが。
特に、状況があやふやなら適当に放置しといても解決……もとい霧散して終わりなんじゃないの、って
「勘違い?」
「そ。……どこぞの両儀さんも言ってたけど、物事というのはあやふやな方が強いもの。下手に凝り固まったものは寧ろ切り崩しやすい、とも言えるわけよ」
まぁ、
……とはいえ、あやふやだとヤバい、ということを一目で知らせてくれる相手を私たちは知っているはずなので、そこから考えれば現状の危険性も見えてくるんじゃないかな、と思う私です。
「あやふやだとヤバいもの……って、あ」
「そうですTASさんですね。きっちりかっちり固まってない乱数とかあの人からすれば弄り放題ですねあははは」
……はい、何度か登場していらっしゃるTASさんがその証人ですね()
あやふやなものを放置しておくとなにが起きるかわからない、という点において彼女以上に説得力のある者もいまい。
まぁ、今回に関しては下手に数値を固定するのも宜しくなかったんだけども。
「固定できるのが【星の欠片】だけだから、ってことよね」
「さっきの手段があるなら云々の手段になりうるのが、現状それしかないって話だね。……まぁ、今回の場合
いや寧ろ、相手のやろうとしていること的には【星の欠片】は出張るの厳禁、くらいのレベルというか?
そういう意味では私結構頑張ってたんだけど、その辺り理解して貰えなかったらしく個人的には「あっそうしーらね」って投げたいくらいだったんだけども。
仮にそんなことしたらゆかりんが本気で(過労で)死ぬので止めておいた優しい私である。
「ワーキーアチャンッテバヤサシー」
「考えるのを止めた顔をしている……」
「なんにせよ面倒ごとであることを察したからね、仕方ないね」
はいまぁ、話を戻して。
根本的なお話として、【星の欠片】は
そんな私達が相手のやることを引き継ぐ、ということはだ。
「……今回の黒幕も世界を滅ぼそうとしている?」
「結果として、だけどね。──じゃあ本題に移ろうか。今回の一件は全て銀ちゃんのせいであり、銀ちゃんのためであり、銀ちゃんが主人公であるもの。ということは、だ」
「……我が大願を阻むものは誰か」
「……気のせいかなーなんかすっごく聞いたことのある……具体的には毎日一番身近で聞いているはずの声が聞こえてきた気がするんだけど?」
「いんや、気のせいじゃないよ。──今回のボスはね、魔神王ゲーティア……と見せ掛けた、坂田銀時から生まれた別個の生命体。あやふやな世界だからこそ結実した有り得ざる存在──
「なにそれぇっ!!?」
……はい、そんなわけでここまで言及できなかった──言及すると本当にゲーティアになりかねなかった──銀ちゃんを原因とする生命体。
彼が原因となって発生した砂糖の王、シュガーティアさんの登場です。
頑張って倒してね☆(他人事)