なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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幕間・まさかのマスコット

「うにょーん」

「……そういえば、スライムくん最初の方は喋ってた気がするんだけど、すっかり無口になっちゃったわね」

「ああ、あれも実際は鳴き声みたいなものらしいわよ?」

「あれが?!」

 

 

 はい、トラブルも無事?解決してプールはもうこりごりだよー、みたいな感じの私です。

 

 今日は家でクーラーをガンガンに効かせて涼んでいるんだけど、そこに同乗していたゆかりんがテーブルの上をうにょうにょ進むスライムくんを見てポツリと呟いた、というわけなのでした。

 

 ……バグ世界でお供となった三匹の愉快な仲間達、瓶詰めスライムくんの『スラリン』。

 巨大なイカが何故こうなった、な『コブロン』君。

 それから、白鯨とかいう明らかな厄物から変化した可愛い生き物『ゴマちゃん』の三匹は、特に先住している他の子達と喧嘩することもなく、呑気に暮らしているのでありましたとさ。

 

 

「わけがわからないよ。久しぶりの出番だと思ったらすぐこれだ、きゅっぷい」

「はいはいごめんてCP君」

 

 

 なお、微妙に不満そうなCP君()

 ……実のところ、他の居候達の中でも最古参になる彼女は気難し……くはないのだけれど、基本部屋に引きこもってるのであんまり周囲に顔を見せる機会がないのであった。

 その結果、他の居候ともそんなに仲が良くない、みたいな感じになっているというか?

 

 

「悪い訳じゃなくて、積極的に関わりに行く機会がないだけ、って話だけどね」

「まぁ、服飾関連弄れればなんでもいい、って感じだもんね君」

「おっと、基本的には魔女っ子系統しか認めないよボクは、きゅっぷい」

「変な拘りね……」

 

 

 まぁそもそもの話として、【複合憑依】という珍しい存在ゆえにあんまり自由に外出することを認められてない、みたいなのも理由の一つだとは思うのだが。

 ……え?アクアとオルタ?あの二人はうちの管理じゃないし、そもそも単なる【複合憑依】ですらないから正直下手に手を出す方が危ないやろがい、というか。

 

 あとはまぁ、これは別方向の話になるけど……。

 

 

「居候増えすぎて室内広くなりすぎなのよね、今の(ウチ)ってば」

「今回めでたく三十人?を越えたんだっけ?色々抱え込んでるね君」

 

 

 純粋に家の中の拡張が行き過ぎて、結果として自身の行動範囲によってはまったく顔を見ることのない相手が生まれてしまったのが問題、というか。

 だって三十人ですよ奥さん、一昔前の学校で一クラス分埋まる人数ですよ?

 いやまぁ、子供がいっぱい居た頃の人数であって、現在だと一クラス分の人数はもう少し多くなってるみたいだけども。*1

 

 ともかく、だ。

 それだけの人数が集まった上で、各々のプライベートを侵害しないくらいの居住スペースを確保するとなると、必然家の中の広さはどんどん拡大されて行くわけで。

 ……特に、本来なら雪山で飛び跳ねて遊ぶ、なんて言われるパオジアンのフレンズであるパオちゃんなど、必要とするスペースがとかく広大な相手もいるのだからなおのことだろう。

 

 

「まぁ、パオちゃんに関してはあんまり狭いとこ渡すと勝手に拡大改築しかねないのが問題なんだけどね!」

「あーうん、そういえばボク以外の【複合憑依】の一人だっけ彼女。そりゃやりたい放題なわけだ」

「……そうなんだけど、それを君が言うのはどうなのよ」

 

 

 いやまぁ傍若無人っぷりなら双方いいレベルなのは確かだけども。

 ……まぁそんな感じで、各々が必要とするスペースが多い関係上、結果として時間やタイミングが合わずに延々と出会わない人、なんて相手も出てきてしまうわけで。

 CP君の場合は長期間製作のために引きこもることもあいまって、余計のこと他人との接触が少なくなってしまっているのであった。

 

 

「個人的にはそれでもいいというか、そっちの方がいいのかも、って気分もなくはないんだけどね。主に被害者を増やさないようにするという意味で」

「あっはっはっ酷い言われようだ。まぁ否定できないけど」

「そこは一応ふりでも否定しておきなよ……」

 

 

 ……ただまぁ、実際それでもいいのでは?

 みたいな空気が蔓延っていたのも事実。なんでかと言えば、彼女も大概トラブルメイカーだから、というところがとても大きい。

 

 いやだってねぇ?

 キャタピー成分はともかく、残り二つキュゥべぇに浸父よこの人。

 他人に対して悪徳勧誘仕掛けてくる要素×2なのよ?そりゃ他の人には早々会わせられないっての。

 特に魔法少女コス似合いそうな低年齢層組とか、鼻息荒くして服を作り出すのが目に見えてるからノーだわ。

 いやまぁ、かようちゃん辺りと組み合わせたら変な化学変化起こした結果、しばらくまともになりそうな気もするけど。主にロリおかん的魅力ゆえに。

 

 

「それ『母ちゃんごめん俺まともな人間にはなれなかったよ……』的な懺悔ってやつじゃない?」

「そうですがなにか?」

「うわぁ絶対会いたくないなー」

 

 

 ……と、差し入れされる料理が全て彼女製であることを知らずに宣う間抜けなCP君である()

 

 まぁとにかく、他の人との会話の機会がないから仲良くない……もとい仲良くなれないという話っぽいので、その辺改善すればなんとかなるんじゃないかなー、って気もするのだけれど……。

 

 

「いやー、別にそこまで困ってもないからねー、とか言われたわけなんですよどうすればいいと思う?」

「……いや、なんでそれを俺に聞かせるんだよ?」

「そりゃ勿論、うちと同じくペットが増えた仲間だから」

「ふっ、よりによってペット扱いか。とはいえこうもなってしまえば仕方のない話しか」

「いやカッコ付けてるところ悪いけど、今のお前がゆるキャラみたいなことになってるのは隠せてないからね?」

 

 

 ……ってなわけで、お隣さんであるよろず屋に相談を持ち込んだ、というわけなのである。

 

 そうして私を出迎えた銀ちゃんはというと、ストローぶっ刺した紙パックからいちごミルクをだらだらと吸いながら、傍らでなにやら主張を続けるミニキャラ?みたいな存在にぞんざいなツッコミを投げ掛けていた、と。

 ……はい、お察しかと思いますがこのミニキャラ、つい先日彼が倒したビースト擬き・シュガーティアさんの成れの果てだったり。

 

 見た目としては、魔神王ゲーティアを白くした感じの見た目であったシュガーティアさんを、作画を簡単にしつつデフォルメした感じ。

 ブレイブルーがわかるなら、あれに出てくる『パクメン』みたいなノリだと言えばわかるだろうか?*2

 ……うん、まさかのマスコット化というね?

 

 とはいえこれは半ば必然的な流れの結果だったりもする。

 何故かというと、確かにあの時銀ちゃんはシュガーティアさんに勝ったものの、同時にそれはあくまで()()()()()()()()()()()()()()というだけに過ぎなかったのである。

 

 

「まぁ、その辺気付いてなかったそこのマスコットさんは、桃香さん相手にアーチャーさんのパロディしてたんだけど」

「ふふふ星の姫が我らをいじめることに愉悦を感じている……これが敗者の末路というわけか」

「止めてくんねー!?これが俺の一部だって言われたあとだからこの発言も俺が思ってるみたいな扱いになるの本当に理不尽だと思うんだけどー!?」

「ふぅん、嫌よ嫌よも好きの内、ということか」

「違うがー!?」

 

 

 ……わかりやすく言うと、あの場で勝ってもシュガーティアさんそのものは消えない、というか?

 いやまぁ、勝手に暴走して勝手に顕現しようとするのは阻止されたけど、とはいえ銀ちゃんの中から幾つかの要素を集めた結果が彼である、という事実も変化はしないわけで。

 

 そのせいというと変なのだけれど、倒したあと部屋が崩壊したのちに銀ちゃん達あやふや存在ズが本体?であるよろず屋に残ってた面々に統合?されたあと、自然とこのマスコット状態のシュガーティアさんが出現(ポップ)していたのだそうな。

 ……下手にぞんざいな扱いもできず、結果よろず屋のマスコットという微妙なポジションに落ち着いたシュガーティアさん。

 既に存在していた定春ポジションのゴジハム君からはなにも言われなかったのか、という感じだが……。

 

 

「銀ちゃん相手なら仕方ないのだ。方向性が違うからキャラ被りもないし、好きにすればいいと思うのだ」

「やだ大人の対応」

 

 

 みたいな感じで、比較的穏便に話し合いは終了したとのことである。

 

 そんなわけ(?)で、新たによろず屋のメンバーとなったシュガーティアさん。

 これから彼はマスコットと眼鏡枠を担いつつ、よろず屋にツッコミと緊張感を与え続けて行くことだろう……。

 

 

「いや待て、マスコットはまぁ五百億歩譲って認めるとして、眼鏡枠ってなんだよ?」

「そりゃ勿論ツッコミ眼鏡こと新八君枠ですが?」

「俺から発生したものなのに!?」

「わかってないようだから伝えておこう。我らは貴様の要素をちまちまと集めて別個の存在になったもの。結果、お前が()()()()と求めているものの要素を獲得するに至ったのだ」

「こいつ下克上を欠片も諦めてねぇ!?」

 

 

 なお、その緊張感というのはプレッシャー……。

 わかりやすく言うとレギュラー枠にいつまでも立っていられるなよ、という警告みたいなものであることも、合わせてここに置いておくことにする。

 ……ある種銀魂における金時みたいな扱い、というか?

 

 

*1
昭和から平成の中期頃ぐらいまでは一クラス三十人前後、かつ四から五クラスくらいが普通だったが、現在は一クラス最大三十五人の二から四クラスくらいに振り分けるのが一般的。クラスを分ける場合は人数比が同じくらいになるように分けるのが基本なので、クラスが多いということは子供達が多かった、ということを如実に指しているとも言える

*2
『BLAZBLUE』シリーズに登場する『ハクメン』というキャラクターが、同作のキャラクターの一人『アマネ=ニシキ』のアストラルヒート(要するに一撃必殺技)、【若得命華(じゃくとくめいか)業破抱擁(ごうはほうよう)』】を受けた際に変化する姿。本来の彼は作画コストがバリバリに必要なタイプの見た目だが、この際に変化する姿は作画コスト十分の一以下の超省エネな見た目である。なお余談だが、アマネの技は全て特撮の戦隊ものの名前をネーミングの由来に持ち、上記のアストラルヒートは『特命戦隊ゴーバスターズ』がその由来になっているのだとか

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