なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「そんなわけで、例えば【偽界包括】でさっきのバロンとか連れてきても、反抗される確率なんて零にしかならないってわけ」
「尊厳破壊の極みでは?」
「だから使いたくないって言ってるんじゃん……」
というか、そうでなくとも呼んできた人のオリジナル……って言い方はおかしいけど、ともかく同一存在である相手から滅茶苦茶キレられる可能性大なんだから、そりゃ使わなくていいなら使わないのを選ぶのが普通だよ。
特に、世界を憎んでる……みたいなタイプのキャラクター達。例えば死柄木弔とか柊聖十郎とか……まぁ、そんな感じの少なくとも神様とかには靡かないだろう人物であっても、変わらず言うことは聞いてくれるってんだからそりゃ地雷以外の何物でもないというか。*1
……いやまぁ、そういうタイプの相手って普通にこっちにも攻撃してくるんだけどね?
まったく攻撃性がないってわけじゃあないんだけどね?
でもまぁ、見方によっては『甘えている』とも言えるような態度でもあるため、やっぱりオリジナル達にとっては地雷以外の何物でもなさそうというか……。
「まぁ、仮に地雷だったとしても実力で排除するのは不可能なんだけども。根本的には同一存在だし、仮にその場で成長する、なんて手段を持ち出しても互いに反映されるからまったく無意味だし」
「……いやがらせにもほどがねぇか?」
「そりゃまぁいやがらせだからね。【偽界包括】のデフォでの使い方はまさしく
「うわぁ」
そしてそもそもの話として、なんでそんなに性格の悪そうな仕様になっているのかというと。
その実、向かってきた相手を確実に押し止めるためのものだから、というところが大きい。
言い換えると、地雷であるのは寧ろ想定内であるというべきか。
単に相手をコピーしても敵対するとは限らない、と先ほど述べたが。
本人をもう一人用意する、というやり方で相手を確実に押し止めようとする場合、確実性を求めるなら
協調を避けさせる、迂回を避けさせる、無視を避けさせる……。
それらを一纏めに解決するために有効だったのが、相手にとって不倶戴天の敵を作り出す、というもの。
そしてそのために使われたのが、本人と同じであるのに決定的な部分で違うもの──本人なら絶対にやらないようなことをする、相手の神経を逆撫でするような存在だった、と。
それをクリアしようとして【星の欠片】が動くとこんな感じになる、というだけの話なのである。
……まぁ一応?相手の神経を
「そうなのか?」
「敵対者に対して使う場合は逆撫でする、って感じかな。だから、例えばこの場で銀ちゃんを私の中から引っ張り出した場合、『
「いやそれ多分意気投合できねーわ……」
「えー?」
いやまぁ、言いたいことはわかるけどね……。
でも敵対の意思がなければ無害、というのは事実。
なんなら由来が【星の欠片】からなので、一時的に本人に憑依して能力を強化、とかもできるのでいやがらせ特化ってわけでもないのは確かなのでありましたとさ。
「私の使う技の一つである『過剰黎明』も、原理的には【偽界包括】からの派生だしね」
「そうなのか?」
「本人の追加パーツみたいなことになるのが『過剰黎明』の効果だけど、普通他人の強化に自分が引っ付く……なんてやっても拒絶反応とか出るのが普通だからね」
幾らグレート合体方式とはいえ、相手との規格が合わないならそれすら不可能でしょ……みたいな話というか?
その辺の規格を合わせるために【偽界包括】内の相手のデータを参考にさせて貰ってる部分があるというか。
あるいは、【偽界包括】にまで至らない程度の──単なるデータとして記されている自分の中の相手の記憶を参照しているとも。
……そんなわけなので、実写版の方のキリアちゃんも多分このあやふやな方の【偽界包括】は持っているのだと思われる。
扱いとしては魔法少女の不思議パワー、みたいなことになっているだろうけど。
「……あの子、意外とヤバイ?」
「色んな意味でね、そのうち『星女神』様のところに連れていかなきゃなー、って感じだよ……」
「おーい、いい加減話を戻さないかーい?」
「おおっと」
とまぁ、【偽界包括】にまつわる話についてはそのくらいにするとして。
改めて話を戻すと、このCP君は私の中(という世界)からやってきた人物。
それゆえこの世界にいるCP君本人ではないけど、その実(狂信者的性質を除けば)本人そのものと言っても過言ではない。
ゆえに、彼女に話を聞けば大体解決する、ということになるんだけども……。
「……なんか歯切れが悪ぃな?」
「いやそのだね。今回の場合除いた部分が思いっきりノイズになるというか……」
「は?」
「極論好みの話、ってことでしょ?」
「ああ、そうだな……って、ん?」
「……ええまぁはい、そういうことです……」
「趣味かい?キーアを着せ替えることだね!」(曇りなき眼)
……元々の本人が、罪悪感に漬け込める都合のよい相手として着せ替えの相手に私を選んでいるのだとすると。
こっちの本人は
いやまぁ、そうなった経緯はほぼ元々の彼女と同じであるとは思うのだけれども。
「そこの遠慮とかをぶっちぎって弄りに来てる、ってことになるわけでね……言い換えるとさっきの話、『彼女の好み』云々の部分を彼女から探るのは不可能に近いんだよ」
「なんだそりゃ!?」
その上で余計な感情抜きに
……意外な好みの部分しか探れない、と言えばわかるだろうか?
これには流石の銀ちゃんも困惑。
じゃあなんのために呼んだんだよ、とでも言わんばかりにこっちを見てくるわけなのだが……。
「私言ってたじゃん!使いたくないけどもうこれしか手段はないって!好みなんて本人に聞いても今わかってること以外はぐらかすに決まってるんだから、そりゃもう意外な好み──本人の理解してない隠された好みの方を探るしかないって!!」
「そしてそれは本人の反応を見るより他ない。……なるほど、ほとんど意味なくても彼女を呼ぶ以外の有効手段もないのですね」
「そういうことですー!!」
そんなの、もうこれしか手段が残ってないから、としか言いようがないじゃんね?
……真面目に追い詰められてたんだからそりゃ藁だって掴むよ、という単純な話でしかないのでしたとさ。
「……あー、まぁ理由は把握したけど。これからどうやってこいつの好みを探るんだ?」
「とにかく色々連れてくるのが一番なんだけど……流石に他所から人を連れてきてたら目立つでしょ?」
「まぁ、そうだな。そもそもうちってお前んちの横だし」
「なので、その辺の人員確保も【偽界包括】を使おうかと……」
「なぁ大丈夫か?なんというか恥とか色んなもんの上塗りにしかならなさそうな予感が既にひしひしとしてるんだが???」
うるせーわかっとるわいそんなこと。
とはいえ、実際あんまり目立つべきでないのは事実。
本人に知られると驚きが薄れるし、そうして驚きが薄れれば作戦の成功率も下がる。
となれば、この辺の作戦は周囲に漏れないように──このよろず屋内で完結するように、内密に行わなければならないということになるわけで。
……というかだね、【偽界包括】使ってる時に絶対会いたくない人がいるから、少なくともこの作戦を決行するならよろず屋から出ることはできないんだよ。
「……会いたくない相手?」
「さっき
「ふむ?」
確かに私に──世界に対して好意的になるのは間違いない。
だがしかし、私に好意的だからといって他者に対して敵対的になる、というわけではない。
地雷みたいな存在なら敵対することもあるかもしれないが、大半の場合は同じ方向を向く相手なので友好的な接し方になるのが普通だろう。
……ということは、だ。
「……端から私に対して好感度が高い相手を【偽界包括】で呼んだ場合どうなると思う?──そうだね狂信者を越えたスーパー狂信者の誕生だね!なんならそのノリで本人同士同調するから、互いに気持ちを高めあってスーパー狂信者2とかスーパー狂信者ゴッドとかになる可能性大だよね!!」
「うわぁ」
一部の人間──マシュとかマシュとかマシュとかがまかり間違って【偽界包括】内から出てきた場合、まさにこの世の終わり()になる可能性大なのである。
……なにがあれって、【偽界包括】を使ってる間はマシュに近寄られると中にいるマシュまで共鳴して勝手に出てきかねないというのが……。
そんなわけで、見えてる地雷を踏むつもりはないので、CP君相手の検証が終わるまで外に──具体的にはマシュとかBBちゃんに出会わないようにしなきゃいけない、という話になるのでありましたとさ。
……いや、やっぱり【偽界包括】ってデメリットしかなくねー?