なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
なりきり板。それは、一種の魔境。
キャラクターになりきって、名無しからの質問を受け答える遊び。
地の文は使えず、自身の会話文のみで話を進める関係上、皆が己なりの工夫を積み上げながら、どうにかして相手を楽しませ、自分を楽しませようとしている。
……まぁ、初心者は自分だけが楽しいモノをやりすぎて大体酷い目に合うのだが。
今回は、そんななりきりスレの一つ。
キャラハンが一人、来なくなってしまったスレを覗いてみよう───。
【まだまだ私と】ラビットハウスへようこそ!【踊ってもらうよ!】
1:保登心愛◇M9msJ7CC[sage] 2020/5/2 18:00
はーい、いらっしゃいませー!
ラビットハウスに来るのは初めて?じゃあ、自己紹介!
私、ここラビットハウスで働いてる保登心愛!気軽にココア、って呼んでね?
それとね、今はちょっとお出かけ中なんだけど、ラビットハウスには素敵な仲間がいっぱい居るんだよー!
早く戻ってきてくれると嬉しいな~♪
……あ、そうだ!はい、これ!(>>2)
これはね、ラビットハウスの中で守って欲しいことをチラシにしたの!
みんなを待つあいだ、読んでくれると嬉しいな?
じゃ、張り切って行ってみよー!
2:◇M9msJ7CC[sage] 2020/5/2 18:01
☆ラビットハウスでのお約束
①:店内で大騒ぎするのはダメだよ!(荒らし厳禁!)
②:お話をするのは、私とかチノちゃん達だけだよ!(キャラハンはごちうさキャラだけ!)
③:でも、お客さんを無視はしないよ!(掛け合いは極力控えるよ!)
④:エッチなのはダメー!(セク質はダメ!)
3:[age] 2020/5/2 18:03
まずはブルーマウンテンでも貰おうか……
4:[age] 2020/5/2 18:04
O☆KA☆WA☆RI☆DA!
5:保登心愛◇M9msJ7CC[sage] 2020/5/2 18:10
わ、わわわ!?チノちゃん居ないのにお客さん来ちゃった!?
は、はいはーい!いらっしゃいませ!ラビットハウスへようこそ、お客様?
>>3
はーい、承りましたー!
えっと、ブルーマウンテンブルーマウンテン……って、どんなコーヒーだっけ?
……あれ?そう言えば、青山さんと同じ名前だ?
……!
私、わかっちゃったかも!
つまり、青山さんにコーヒーを淹れて貰ったらいいんだよね?りょうかい、急いで青山さんを探してくるねー!
>>4
うわーん!青山さんどこにも居ないよー!
うう、こんなんじゃまたチノちゃんに嫌われちゃう……。
>>4<O☆KA☆WA☆RI☆DA!
わわっ!?新しいお客さん!?
えっとえっと、おかわり?
え、もしかして、チノちゃんもうコーヒー出してたの?!
わ、私いらない子だぁーっ!!
うわーん!!
750:[age] 2021/6/1 20:47
最近ココアちゃん来ないね
751:[age] 2021/6/1 20:49
飽きたんじゃない?
752:[age] 2021/6/1 20:56
なりきりにはよくあるよくある
753:[age] 2021/6/1 21:00
バトミントンやろうぜ!
754:天々座理世◇gt35bptm[sage] 2021/6/1 21:06
リゼだ、今日も粛々とこなしていこう。
>>750->>752
あーその、なんだ?
心配なのはわかるが、店の中で相談されると出てくるものも出てこないんじゃないか、と私は思うわけでだな?
……ほら、時には信じて静かに待つ、というのも必要なことだろう?
だから、そら。
コーヒーを飲みながら、静かに待とうじゃないか。
>>753
バドミントンか、そう言えばチノのやつにコーチをしてやったこともあったな。
横で千夜とココアがバレーの練習をしていたが……実はあれ、軍隊式の訓練だった、とかはないだろうか?……ない?そっかー……。
755:[age] 2021/6/1 21:07
チノちゃん!お祖父さんを下さい!
756:[age] 2021/6/1 21:08
なんの!リゼさん!お父さんを下さい!
757:[age] 2021/6/1 21:09
なにこの流れ……あ、俺にはティッピーください()
758:[sage] 2021/6/1 21:11
何故誰一人として女性陣に向かって行かないのか……あ、コーヒー下さい
759:[age] 2021/6/1 21:12
ここまでタカヒロさんなし
「……ふふっ、そっか。リゼちゃん達、頑張ってるんだな……」
「おや、勤務中に携帯弄りとは、随分と余裕があるみたいじゃないかココア?」
「はっわわわわわっ!!?ららららライネスちゃん?!いつから後ろに!?」
「ついさっきだよ。まぁ、今は暇な時間だから別に構わないがね」
「うー、ごめんねライネスちゃん。ちょっと気になっちゃって……」
「なに、古巣が気になるだなんて可愛いものさ。……寧ろ、確認できる方が珍しいわけだしね」
「え?何か言ったライネスちゃん?」
「いいやなにも?」
「ふーん……?……あ、もうそろそろマシュちゃん来るんじゃないかな?」
「ん?……ほう、確かにそんな時間だね。じゃあトリムマウ、定位置に来たまえ」
「ぴーか、ぴっぴかちゅう」*1
──あの時せんぱいに言った、自分はマシュであるけれど、マシュではないという言葉。
自己の不一致、認識の齟齬。
……様々な言葉で言い表せるであろうそれは、けれど、どれもが現状の説明には足りていませんでした。
どちらでもない、どれでもない、どれにもなれない。
それは私の内を焼き付くし、壊し尽くす呪いだったのです。
何故なら、マシュ・キリエライトとは。
何も持たぬ無垢な少女が色彩
──それを被り、被らせた今の私は、紛い物以外の何者でもなく。
あの時の私は必死で、
身勝手で、どうしようもないワガママな理由で。──ただ、安心させて欲しいという、それだけの為に。
後から八雲さんに確認してわかったのですが、元の人物と憑依者のズレがそこまで酷くなることは珍しく、確認できた症例では基本的に「レベル5」判定となり、他の方々からは隔離されてしまうのだとか。
それを、持ち直したのは。
紛れもなく、せんぱいのおかげであり。
同時に、せんぱいの
───そんなことを思ってしまう自分が、どうしようもなく恐ろしい。
「……それはまた、なんと言うか。マシュちゃんってばホント生真面目だねぇ」
「そ、そうでしょうか……?」
店内に入って早々に、堂々と「冷やかしに来た」と仰った五条さんは、テーブルに置かれたカプチーノを一飲みして、小さく笑うのです。
「どう足掻いても、ここに居る俺達は
「……はい、それはわかっています。
「ああ違う違う、そうじゃなくて」
悩むような資格がないのではないか、そう言おうとしたのですが、五条さんに発言を阻まれてしまいます。
彼は、浮かべていた笑みを苦笑に変えて、こちらに話しかけて下さいました。
「そもそもの話として、
「そ、それはあまりにも乱暴な論理ではありませんか?!
「うーん、「レベル5」級にもなると割り切りもちょっと難しいのかなー。……ああいや、
五条さんは何かを納得したように苦笑していますが、私としては何も納得できません。
ですが彼は、「俺の考えと君の考えは恐らく永遠に交差しないよ」と仰るのです。……それは、どういうことなのでしょうか?
「君に取ってその悩みは、決して切り離せないものだ、ってことだよ。──
「悩み、続けるから……?」
「そういうこと。……俺なんかは
違うことを認めるか、認めないか。
恐らくは、そこに差を生むものがあるのだと、彼は言います。
私は、違うことを認められないからこそ、『マシュ』としてここに居ることができるのだと。
……ですが、それは──。
「苦しい、って言いたいんでしょ?でも、そこで苦しいって思う君だから、ここに居る他の誰よりも『
「それは……」
苦しいと喘ぎながら、それでも前を向き続ける。
──それは。なんて……恐ろしくて、それで。
「ある種の再誕とでも言うか。……
「……それは、どういう?」
一瞬思考の淵に沈んでいた私に、彼が告げるのは決定的な一言。私が、変わり始めていることの証左。
「少なくとも、ここで働くって決断をしたのは
「!そ、それは……そうすべきだと、思ったからで……」
「そう思ったのはここに居る君でしょ?じゃあそれは君のものだ、君だけの、責任」
「……私だけの、責任」
思わず、小さく苦笑が漏れてしまいました。こんなにも苦しんで、こんなにも悔やんでいるのに。──それでも、私は知らず知らずの内に前を向いている。
それが私が
それでも──私は、この責任から逃げることだけはしたくないと、そう思ったのです。
「……ん、まぁ俺も話を聞いた甲斐があったかな。マシュちゃんが沈んでると、あの人もテンション下がってるし」
「え、せんぱいが、ですか?」
私が意気を新たにしていると、五条さんがぽつりと呟きました。内容は、せんぱいについて。
「そうそう。君が思ってるより彼女、君を気にしてるみたいだから。まぁ、笑顔で迎えてあげるのがいいんじゃない?」
「……そういえば、せんぱいからお聞きしたのですが、五条さんは先生もされていたのだとか。生徒のメンタルケアはお手の物、ということでしょうか?」
よく皆さんを見ていらっしゃるのですね、という思いで言葉を紡いだのですが、何故か五条さんは苦い顔。
……あ、あれ?私、変なことを言ってしまったのでしょうか……?
「見たことない、というのはある種の罪だねぇ、五条?」
「ライネスちゃん、からかうの止めてくれる?」
「ははは、いつも余裕ぶってる相手が弱り目ならば、全力で弄るのが私という人間だよ?恨むのなら、コーヒーだけ頼んで軽食の一つも注文しない、君自身のケチ臭さを恨むといい」
「……ランチ一つ」
「はいはいただいまー♪」
私が困惑する前で、苦い顔をしていた五条さんの周りを、いつの間にかこちらに来ていたライネスさんがくるくると回り、やがて根負けしたように呻きのような注文を一つ仰っていたのですが。……その、これは、どういうことなのでしょうか?
「まぁ、人には誰しも触れて欲しくないものがある、ということさ。さ、マシュ。いい加減仕事の再開だ」
「あ、はい!マシュ・キリエライト、張り切って注文を取ってきます!」
「あ、私も私も!保登心愛、いきまーす!」
隣を駆けていくココアさんを追って、私もお客様達の元に向かいます。
──このラットハウスでの勤務も、はや一週間。
私の新しい色彩を求める旅は、まだまだ始まったばかりなのでした。