なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、一人ほど変な同行者がいるものの、することとしてはいつもと大差ない。
準備をして当日を待ってイベントやって終わり、である。
「fatality?」
「そうですね、ここではよくあることですから」
「ハハハハソウダネー」
……終わりなんだけども。
なんというかこう、すっごく先行き不安な気がするのは私の気のせいなのだろうか、とマシュと仲良く話してるデスモモイを見ながら思う私である。
ネットミームから生まれた存在、デスモモイ。
その姿は珍妙に他ならず、更には常にぶちギレた顔のままという付き合い辛さMAXの見た目まで兼ね備えている。
にも関わらず、隣のマシュは実に親しげに彼女……彼女?と話しているわけで。
いやまぁ、顔こそキレてるけど声色はそうでもない、ってところから問題ないと判断しろ、ってことなのかもしれないけれども。
(……鳴き声がひたすらに物騒なんだよなぁ)
「せんぱい?こちらを見てどうされましたか?」
「ああいやうん、歓迎会っつってもなにをするかなー、と考えてただけだよ」
「ふぇいたりてぃ?」
「そうですね……可能であれば参加して頂ける方が楽しんで貰えるモノにしたいですね」
……うん、今明らかに発音がひらがなだったけど、だからって単語の物騒さは隠れないんだわ。
って言うか『
そんなわけで、会話の内容とは裏腹に、微妙に警戒させられ続けている私なのであった。
……いやまぁ、なんにも起きないとは思うんだけどね?でもほら、夏場と言えばホラー、ホラーと言えば死体……みたいなところあるじゃん?
(……仮にここでそういうホラー的な話が展開される場合、死体役になるのまず間違いなく私なんだよなぁ)
主に死んでもなんとかなりそうなやつ、的な意味で。
……思わず近くに金田一とかコナン君とか居ないか確認してしまった私は悪くない、はずだ。
「うーむ、無難にカラオケとかにしておくべきかねー、あんまり大規模にするわけにもいかないし」
「とはいえ、初めて顔合わせする方もいらっしゃいますから、ある程度親交を深めるための時間も設けるべきかとも思いますが……」
「あーうん、カラオケボックスだとそういうことする暇はあんまりなさそうに思えるねー」
「ふぇいたりてぃー」
はてさて、歓迎会の場所決めとして色んなところを回ってるわけなんだけど。
ゆかりんからもあんまり規模を大きくしすぎないように……と言われている以上、選べるものはそう多くはない。
というかぶっちゃけそのメンバーで遊べと言われてるようなもんなので、だったらカラオケとかそういうのがいいのかなー、なんて思いながら選んでいるのだけれど……これが中々。
「うーん……最近の人って自分の時間重視だから可能なら軽いものの方がいい……のよね?」
「そうですね、参加を義務付けられてしまったのなら、恐らくは面倒にならないものを好まれるのではないかと」
「……そもそも歓迎会が不要、とか言われたりしないそれ?」
「かもしれませんね。ただ、今回のメンバーに関しては、そういうことを仰る方はいないのではないかと」
「うーむ……」
「ふぇーたりてー?」
「いや流石にそれはどうなん?」
「ふぇっ!?」
「え、今デスモモイさんおかしなこと仰いましたか?」
「いやそうじゃな……ああもうっ」
いや幾らなんでも声色崩れすぎやろがいというか!
あれか、そんな見た目で実はマスコットなのか貴様!
……などと言うわけにも行かず、頭を掻く私である。
ええい、こうなれば仕方ない。本当はやりたくなかったんだけど、このままだと色々と(私の精神衛生的にも)よろしくないので、最終手段である。
「とりゃー!!」
「ふぇふぇふぇふぇふぇっ!!?」
「デスモモイさーん!?せんぱい一体なにを!?」
「いんやちょっとお手伝いをね?……もとい」
そうと決まれば善は急げ、ガシッとデスモモイの顔を両手で鷲掴みにした私は、そのままエネルギーを彼女に注入。
電撃を受けたかのようにガタガタ震えた彼女はその勢いのまま小爆発。
結果、隣のマシュが目を剥いたが知ったこっちゃねぇ。
爆発によって覆い隠されたデスモモイ。
煙の向こうのシルエットが段々と見えてきた時、その姿は大きく変じていたのだった。
「……お?あ、あーあーあー。……うおおすごい!普通に喋れる!」
「……あ、あれ?デスモモイさんではなくモモイさんに?」
「違うよー!私はデスモモイだよー!いずれ変わらず!」<ドヤッ
「……あれー?」
そう、普通の人型のシルエットに!
……いやもう、とりあえずその珍妙な姿をどうにかしてくれ、って思いからちょっとズルをして彼女を普通の才羽モモイに変身させた……つもりだったんだけど。
うん、言動こそ私にも聞こえるような普通のものになったけど、本人の認識変わってないんだけどこれ如何に?
思わずマシュと顔を合わせてしまうものの、向こうも向こうで今しがたなにをしたのかわかってないのか、困惑だけじゃなく説明を求めるような色まで混じっていたのでちょっと後ずさってしまったのは内緒。
……改めて、さっきまでのあれこれを説明したところ、マシュはなるほど、と頷きながらデスモモイの方に視線を向けたのであった。
「……言われてみれば確かに、程度の認識でしたが。思えば、さっきまでデスモモイさんの台詞を認識できていたのはおかしい、と言えるのかも知れません」
「そうなんだ?」
「ええ……ニュアンス程度ではありましたが、しっかりと意志疎通できていましたので。……思えば、ほぼ声色以外の変化がないのになんでだろう、と思ってしまうと言いますか……」
「ふぅん」
「本人からの反応が軽すぎる件について」
なるほどやっぱり精神干渉……。
いやまぁ、あくまで会話に関して問題なく成立する、みたいなそこまで害のないモノであったみたいだが、それでも干渉は干渉。
マシュとしてはいつの間にか干渉されてた、ということになるのでちょっと反省案件ということになるらしい。
……で、それに対してのデスモモイの反応も、これまたなんというかツッコミ処満載というか。
いや、今の話からすると精神干渉してたの君ってことになるからね?なんなら私の方の認識なら君どっか虚空から突然生えてきたキャラだからね?
……と述べてみたものの、そっちに関しては相変わらず私の方が怪訝な目で見られる始末なのであった。……マシュの方は干渉解けたはずなんだけどねぇ?
「そうは言われましても……寧ろなんでせんぱいは覚えていらっしゃらないんです?もしかしてせんぱいの方こそ干渉を受けているのでは……?」
「いやないない、【星の欠片】相手に干渉できる相手なんてほとんどいないし、仮にできても結果が過剰に増幅されるからすぐに気付くし」
「もし仮に、その干渉を行っているのが『星女神』さんのような方でも?」
「はっはっはっ、的確に私の不安を撃ち抜くの止めないマシュ?」
流石にそこを出されると私も不安にならざるを得ないんだが??
……いやまぁ確かにね?普通の干渉なら問題なくそれが
その辺を無視できる・できてしまう相手を例に出されると、流石に私も黙るしかないんだわ。
ってなわけで、唐突に今回の案件が『星女神』様、もしくは『月の君』様からの干渉の結果であることが可能性の一つとして示されたわけですが、皆様如何お過ごしでしょうか?
私としましては、急に今回の話が滅亡案件であることを知らされたようなもんなので完全に寝耳に水でございます()
「いや真面目にどうしろと……」
「なんだか大変そうだねー?」
「いやそんな他人事じゃあ困るんですが?」
「え?」
「え、じゃないよえ、じゃ!少なくとも今回の話は君が中心なの分かりきってるんだから、まず間違いなく君が原因なんだぞぅ!?」
「ええ!?……じゃあ仕方ないね、あなた達を○すよー!!」
「ぎゃあー!?やっぱりただのモモイじゃなくてデスモモイのまんまだこの子!?ナンデ!?」
「あの……お二人とも、遊んでなくて宜しいのでちゃんと話をしてください」
「「はい」」
……とりあえず、やっぱりこの子がデスモモイのままであることは間違いなさそう。
ってことはだ、逆に考えると才羽モモイだとダメで、デスモモイならなんとかなるような話が転がってくる可能性大、ということだ。
……いや、デスモモイじゃないと解決できない話ってなんだよ?
「わからん……今回の話はなーんもわからん……」
「大変そうだねー。命じてくれれば私がなんとかするよ、どうすればいい?オルガ」
「遠回しに私に死ねと仰ってる!?」*2
あれかな?人間の姿してても発言が物騒なのがデフォ、みたいなことなのかな?
いやまぁ、両手じゃなくて頭の両サイドに包丁がくくりつけられてる辺りから察せよ、という話ではあるのだが。
……ともかく、今この場は『デスモモイが会話できるようになった』ということを喜ぶだけに留め、さっさとなにをするのかとどこでやるのかを決めよう、と話を先送りにした私達なのであった。
現実逃避とか言ったやつは後で俺がお前を撃つ!トゥートゥーヘァー!!*3