なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「お、追い付けない……そもそも速いっていうかなんかおかしい……」
「そりゃまぁ、
「どういうことー!?」
「ああええと、せんぱいは色々とアレですので……」
「チートだー!!」*1
はっはっはっ、そうだよチートだよ()
正直なところ持ってる本人からすると「いらねぇ……」としかならんのですけどどうにかならんのですかねこれ。
まぁならないんですけどね初見さん……。
「な、なんか聞いたこっちが申し訳なくなってくるほどに凹んでるんだけど……」
「力というのはなにも望まれるものだけではない、ということですね……深いです」
「そんな話だったのこれ???」
おお、デスモモイが困惑している。
こうして普通に喋ってる分には普通のモモイなのになーなんで一部過激なのかなー。
……とまぁ、そこに触れても再び話題がループするだけなのでその辺はスルーするとして。
「とりあえず体に異常がないか、調べるためにもちょっと動いて貰ったんだけど……いやーすごいねキヴォトス人。スペックが常人とはまるでちげーや」*2
「これで作中トップ層とは実力が離れている……というのですから、まさに神秘というものを感じざるを得ませんね」
「褒められてるってことでいいのかなこれ……」
急に手足が生えた形になるのだから、どこか具合がおかしくなってる場所があるかも?
……って感じに、急遽彼女の動きを確認することになった私達である。
まぁその結果、キヴォトスの人って身体能力高いなー、というまったく別種の感想を抱くことになったのだが。
外から来た人達──主に先生だが──と比較した時、彼女達の身体能力というのはとても高い。
単純なスペックとして見てもそうだが、なにより防御力の高さが尋常ではない。
「マシンガンやらスナイパーライフルやらが直撃しても無傷、みたいなのがいる辺りがすごいよね」
「ホローポイント弾を痛いで済ますくらいですからね……」*3
「それ一応一部の人達の話だからね?!一部の!」
死ななきゃ安い、が世界中を支配する法則になっているとでもいうべきか。
そんなわけなので、歴としたキヴォトス住人であるデスモモイもまた、尋常ならざる防御力を誇っていたのだった。
具体的には飛んできた野球ボールを素手で打ち返せる()
「ヤキュウ?のことよく知らない私でも流石にわかるよ!これ多分やり方完全に間違ってるよね!?」
「いや、間違ってるのは確かだけど勘違いしたのはそっちだよね?」
「どれくらいの身体能力なのか確かめよう、ということでバットをお渡ししてバッティングボックスに立って頂いたのですが……飛んできたボールを銃弾と勘違いされた感じでしたね……」
いやまぁ、勘違いした結果手刀でボールを弾き返したりしたのはあくまで君のやったことというか。
っていうか確かキヴォトスって野球普通にあったよね?*4
……その辺り、やっぱりモモイ本人と言うよりはデスモモイなのだろうなー、と改めて再認識する私である。
え?そもそも野球ボールの速度が早すぎる?明らかに百六十オーバーだった?
そりゃまぁ魔球出るとこに立ったらそうなるわ、と唖然としている
話を戻して、デスモモイのスペックの話。
手刀で百六十オーバーの野球ボールを弾き返せる動体視力、ならびにそれをして腕を痛めない耐久力からして、しっかりスペックがキヴォトス人基準なのは間違いあるまい。
となると、他の確認はそこまでやる必要性はないかもしれない。多分普通に耐えるだろうし。
「……へ、兵器の試験みたいなこと言ってる……!」
「キヴォトスでは普通のことじゃ?」
「流石にそんな扱いは異常だよー!!」
まぁ、ご覧の通りデスモモイ本人からは不満の声が返ってきたんだけども。
ともかく、である。
体を動かすのが問題ないのであれば、なにができるのかの確認はそこまでしなくてもいいだろう。
「そうなると急にすることなくなるね、なにせ本番まだ先だし」
「あくまでも今日は下見ですからね……」
「えーと、特にすることないなら今日は遊ぶ、ってことでいいんじゃないの?」
「……うーん、そうするか!」
「せんぱいが色々投げました!」
そんなわけで、とりあえずその日は普通に遊ぶだけに留めたのであった。
無論、当日に影響ないように、ある程度内容を選んで……だけど。
「はいそんなわけでその週の土曜日です」
「皆さんお休みの日、というわけですね」
はてさて、デスモモイと遊んだ日(?)からはや数日、いよいよやって来た歓迎会当日である。
あまり大掛かりなことはしない・やらないとはいえ、それでも歓迎会は歓迎会。
参加した面々が楽しめるよう精一杯努めていく所存である。……とかなんとかお堅い話はともかくとして。
「とりあえず、おはよーございまーす皆さん。キチンと眠れましたかー?」
「ふん、つまらないことを聞くんじゃないわよキーア。勿論寝れてないわ!」<キリッ
「はいマシュー」
「はいわかりましたー」
「え、ちょっ、なんで盾持って笑顔で迫ってき……ぎゃー!?」
まず真っ先に、ちゃんと寝ないと大変だから前日は早く寝ておけ、と通達していたにも関わらず徹夜してた不届きもの……もといレミリアに健やかな睡眠()をお届けする次第である。
体を動かすことも多いんだから、寝ぼけて落ちたりしたらどうするんだって話だ。
「……落ちることがあるようなモノの予定があるのか、その口ぶりだと」
「モモイちゃん基準の遊びも用意しておいた方がいいかなーと。心配しなくてもデルセンは見学でいいよ?」
「それは配慮が行き届いているというべきか、だったら端からそんなモノを考慮に入れるな、と怒鳴るべきかどっちだ?」
「まぁまぁ……ともかく、今日はよろしくお願いしますね」
そんな彼女の様子を見て、思わず嫌そうな顔をすることを隠さないデルセンと、そんな彼を嗜めるジェイドさんである。
……彼らを筆頭に、今日の主役達が続々と集まってくるわけだが、そんな彼らをどこに連れていこうとしているのか、その答えがこれだ!
「○ウンド○ンです」
「まさかの!?」
「なんならなりきり郷出張店舗です」
「まさかのコラボ店舗?!」
はい、先日デスモモイと一緒に遊んでた複合エンターテイメント空間ですね()
多分郷内の学生が誘致を頑張ったんじゃないかな(適当)*5
まぁ実際、一店舗で色々やれる、というのは結構ありがたいのは確か。
今回みたいに、派手になにかやるってわけじゃないんなら特に、ってやつである。
「別のことをする、となっても建物内を動き回るだけで済みますからね。ですがいいんですか?」
「いいんですかって、なにが?」
そんな中、思案するように声をあげるジェイドさん。
なにか気になることがある素振りだったため、なにを気にしているのかと声をかけたのだけれど……数秒後、聞かなきゃ良かったと後悔する私である。
「いえ、私達との時にしろ、その次にあなた方だけで訪れた場所にしろ。どちらにせよ、建物の中で発生したトラブルに巻き込まれた形となっていたのに、その辺はお気になさらないのかなぁと思いましてね?」
「……フラグ立てやがったこいつ!?」
いやまぁ、デスモモイの発生タイミングが相変わらずわかってないって時点で、問題が起きることは最早確定事項ではあったんだけども!
でもほら、明言しなきゃある程度無視できる可能性も……え?そうして触れないでいても結局巻き込まれてるやろがいって?
……はい、仰る通りです……。
「なんだなんだ、またぞろトラブルか?まったくお前の人生と来たら、飽きることないジェットコースター展開の連続、というやつだな!」
「好き勝手いいやがる……っていうかそのジェットコースター展開に巻き込まれるんだけどいいのかい君?」
「いいもなにも、ここにいる以上そんなものは日常茶飯事だろうに」
「うーんこの」
まったくへこたれてくれない減らず口である。
いやまぁ、こういうときはそうしてあれこれ言ってくれる方が気が楽、って面もあるけど。
そんなわけで、である。
始まったばかりのささやかな歓迎会、されどこのままなにも起きずに終わるわけもなし。
なにが起きるのか、起きたとしてどこまでの規模に膨れ上がるのか。
未来視達すら見通せぬこの暗雲、渡りきってみせてこその【星の欠片】でしょう、と見栄を切らせていただく次第。
「そんなわけなので、皆様ご協力のほどをお願いしまーす」
「……なぁ、歓迎会取り止めて帰るってのはダメなのか?」
「生憎ですけど歓迎会そのものはやらない方がダメっぽいって
「マジでかー……」
「わかりきっていた話だろう、諦めよ」
シュガーティアさんの付き添いでやって来た銀ちゃんに慰めの声を掛けつつ、改めて店内へと突撃していく私達なのでありました。
……あ、最初はボーリングからねー。