なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
──ボウリング。
一つの玉と十のピンを使って行う真剣勝負、そこに命を賭ける者達を、人々は
「いや呼ばねぇけど?」
「っていうかファイブディーズってなに!?」
「ボールは拾った」<キリッ
「設置されているものを持ってくることを拾ったとは言わないのでは……?」
細かいことはいーのいーの。
……ってなわけで、束の間のDホイーラーごっこをしたのち*1、改めてボウリングで対決……対決?の流れである。
まぁつっても、別にボウリング得意ってわけでもないんだけどね、私。
「そうなんですか?なんというか意外と言いますか……」
「いやまぁ、なに使ってもいいなら負ける気はない……いや
「なんかしれっと変なこと言ってる件」
「いやまぁ事実ですしおすし」
なに使ってもいいってことは、すなわち【星の欠片】をぶっ込んでいいということ。
いや、【虚無】をボウリングにどう活かすつもりだ、ってツッコミもあるかもしれないが……それに関してはこう答えよう、【虚無】として意識しない【星の欠片】としての基礎運用だけでもやりようはあるよ、と。
「比較的わかりやすいのだと試合結果に私の敗けを
「随分と概念的な話が出てきたな……」
「あとはボウリングの玉に【星の欠片】を込めまくって極小のブラックホールを作って試合をうやむやにするとか」
「なんで悉く試合そのものをどうにかしようという方向に行くんだ貴様は?」
いやだって、何度か言ってるけどそもそも【星の欠片】って勝つためのモノじゃないし……。
使い方を工夫すると勝ちに行くというか、勝ちを狙いにも行けたりするけど……その場合、一回勝つのに無限回負ける、みたいなのがデフォになるし。
もしくは今そこで私が勝つと、近い将来それによって相手が得た負債より遥かに大きな利益が見込める時とか?
……まぁともかく、なんでも使っていいと言われて【星の欠片】を使うのは色々面倒臭い、というのが真実であることは間違いないだろう。
無論、【偽界包括】とかを使うっていう裏技もなくはないのだけれど。
あれ相手に勝ちも負けも与えないことを目的としたものだけれど、【偽界包括】本人以外が使う分にはそうでもないし。
「……まさかとは思うが、対戦相手そのものが味方としてプラスされるからそれにプラス自分だから総戦力的には勝っている、とかそういう話か?」
「そういう話だよ?」
こちらの言葉に怪訝そうな視線を向けてくるデルセンに、それで間違ってないと返す私であった。
……いやまぁ、だとしても今回みたいな話だとあんまり意味ないんだけどね?
「ボウリングなんて本人が投げてなんぼ、って話だし」
「まぁ、本人がやらないと意味ないもんねー」
「それに関しても憑依経験*2みたいなことできるけどね」
「……もー!!貴方は謙遜したいのか傲慢に振る舞いたいのかどっちなのー!?」
「あえて言うなら周囲を引っ掻き回したい。私は魔王なので」
「……よく考えたらアリスの反対だ!?」*3
……あー、そういえば(原作の)モモイの知り合いに居たね、勇者を自称する子。
個人的にはあれがニトちゃんと同じ声、ってことがびっくりだけど。……ん?白シーツで姿を隠したアリス……?
「さながら『はい!アリスはメジェドになります!』ってところか……」
「洒落になってないような気がするのは何故でしょうか……」
「……その辺はまた後で話すとして、今は素直にボウリングを楽しむべきではないか?」
「はっ!そうでした、今回は皆さんの歓迎会なのですから、難しいことは後回しにしないと!」
ってなわけで脱線はこの辺にして。
迂闊に【虚無】なんて使うと負けるしかなくなるのでその辺は封印して、普通にボウリングに興じる私および他のみんなである。
……まぁ案の定?普通に私のスコアは悪いんですけどね()
「いや……それにしたって悪すぎやしねぇか?」
「しゃーないでしょー、能力無しだと見た目通り非力な少女でしかないわよ私なんて」
「非力な……」
「少女……?」
「おう、トラブル起こして欲しいんならそう言え貴様ら(^ω^#)」
「せ、せんぱい落ち着いて……」
まぁうん、
生憎能力とか抜いたら私のスペックなんてそこらの小学生とどっこいなんだわ、別にヘイローも生えてねーし。
いやまぁ、ヘイローの強化って防御面の方が強いから、仮に今の私に生えててもへなちょこ具合にはなんの補正もなさそうだけど。
「そういう意味では、モモイが普通に運動得意なのは意外と言えば意外なのかな?まぁデスだからかもだけど」
「デスを強調するの止めてね?!……いやうん、元のモモイより荒事が得意なのは認めるけど!」
そういう意味では、ゲーム部なんて運動下手そうな肩書きなのに警戒にスペアとかストライクとか取っていくモモイがすごいというか。
まぁデスがくっついてる分スペック高いのかもしれないが。
……なお、他の面々だがそこまで突出した点数の人間はいない、って感じである。
三匹で纏まって一投している瓶スラ君達が辛うじて低いかなーって感じで、それ以外はほぼ横並びというか。
「私はぁ~低いのがぁ~当たり前のぉ~キーア様と同じ区分なのでぇ~考慮外ですねぇ~」
「そうだねぇ。……ところでその『様』っての止めない?」
「すみません私まだ死にたくないです」
「間延びした声がハキハキするくらい嫌なの!?」
「気持ちはわかる。俺も色々学んだ結果、迂闊なことは口にできなくなった感じだ」
そういう意味では、あからさまに低いのは他にささらさんくらいのもの、ってことになるのだろうか?
ジーク君は【星融体】なので微妙だけど、ささらさんに関しては露骨に【星の欠片】、しかも微妙な強さのタイプのやつだし。
「微妙な強さ?」
「ああ、【星の欠片】は弱い方が偉い、みたいな感じなんだけど、ささらさんの場合中途半端に強い感じなんだよね。だから【星の欠片】特有の無限投入勝敗破壊とかもできないし、中途半端な強さゆえに変に勝っちゃったりして反動で酷いことになったりするし」
「……よ、よくわかんないけど大変そうだね……」
率直に言うと評価が『雑魚』(※どの角度から見ても間違いなく)*4になる辺りが彼女の背負った哀しみというか。
まぁ理解ある彼氏君をゲットしてる時点で勝ち組ではあるのかもだけれど()
……どっかで誰かが血反吐を吐いた感覚を覚えつつ、自分の手番が回ってきたのでボールを持ってレーンの前に立つ私である。
投げる時のフォームとかはおかしくないと思うんだけど、単純に威力が足りてないんだよなぁ、というか?
投げられるボールの重さが足りてないし、重さが足りてないから速度も出ないし。
それゆえにピンにたどり着いてもろくに倒せないで終わる、という。
「裏を返せば威力と速度が足りればなんとかなる、ということ!こうなったら最後の手段、トルネード投法を、」
「お客様」
「はい」
「止めてくださいね?」
「はい……」
なので、その辺を自身の身体能力で賄うべく、遠心力を利用した特殊な投法を試そうかと思ったのだけれど……はい、笑顔の店員さんに止められましたね、っていうか笑顔だけどまったく笑ってませんでしたねあれ()
そんなわけで、素直に普通に投げることにした私であります。……結果?そんなの先頭の一ピンだけ倒れたに決まってるじゃんね?
「せ、せんぱい元気を出してください……」
「いやー、それお前さんが言っちゃダメなやつじゃねぇか?」
「はい?」
「……盾の娘、お前のスコアはそいつとトリプルスコアだ」
「あっ」
「いいよねマシュはスペック高いほうだからさー」
「あ、ああせんぱいがのの字を地面に!?」
「ほれ見ろー」
なお、我らが後輩であるマシュは勿論トッププレイヤーである。
いやまぁ、デミサーヴァントなんだから当たり前なんだけどね?
とはいえ期せずして煽られたようなもんであることも確かなので、すっかりいじけて地面にのの字を書く羽目になる私なのでしたとさ。
……え?そっからどうなったのかって?
最終的にボウリング勝負は(試合には手を抜けないと言った真面目な)マシュが一位、それからモモイが二位って感じ。
デルセンと私、それからささらさんがドベ争いをしていて、他は大体横並びって感じの終わりであった。
「げ、元気を出してくださいせんぱい……」
「えーどうしようっかなー」
「せ~ん~ぱ~い~ぃ……」
「滅茶苦茶ご機嫌とりしてるな……」
「それでいいのか星の娘……」
なお、本格的に拗ねた私を宥めるのにマシュが付きっきりになったというのは、まさに余談である。
……今日の主役お前じゃないのになにやってんだ、というツッコミは受け付けないよー!!