なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「唐突で悪いんだがウマ娘部に入らないか?」
「はい?!」
「いやいや、ここは私の妹になるっていうのはどうかな?」
「はい???!」
「止めんか貴様ら、声だけで勧誘するのは」
っていうか、突然近寄ってそういうこと言うのは率直に言って不審者でしかないのよ……。
……そんなわけで、唐突に近寄ってきたオグリとココアちゃん(どっから出てきた?)を追っ払う私である。*1
っていうか本格的な歓迎会的なのは十月にやるんだからその時またやんなさいっていうか?
「それじゃあ後過ぎるよー!」
「すまんね、っていうかココアちゃんとモモイって口調被ってるんだ、ここだと区別し辛いんだ」
「なんかすっごいメタい事情で断られてる!?」
「まぁ仕方ないな。今日は変えるとしようココア」
「もー!こんなことじゃ諦めないからねー!」
「……あ、嵐みたいな人達だったね……?」
「あんなんちょっとした突風みたいなもんやで」
「あれで!?」
トラブルとして実害発生してないんだから序の口序の口。
ってなわけで、改めて彼女達を捌けさせたのち、ボウリングコーナーからの移動を開始した私達である。
で、次にどこに行ったのかというと……。
「……どうせだし、歌ってみる?うまぴょい伝説」*2
「私、歌詞知らないよ?!」
「こんなもん画面の下に流れてる音程とか見てればある程度はなんとかなるって」
「大分無茶苦茶言ってるよねそれ!?」
そう、カラオケである。
体を動かしたあとは少し休憩、というわけだ。……え?体は休めても喉を酷使するだろうって?そうだね!(炉心融解を歌いながら)*3
最早金切り声!……となんとも言えないお褒めの言葉?をモモイを筆頭に頂きつつ、マイクをマシュに渡す私である。
はて、彼女が選ぶ楽曲は……?
「これは……イヤホンズ!」
「まひろちゃんとかメグさんとか居ないのが悔やまれますねぇ」
なるほど中の人……。*4
っていうか普通に売れ筋の声優さんが中の人だから、歌える曲も多めって感じなのかねこれ?
まぁその辺気にするとどうなの、ってのが居るんですけどね初見さん。
「言っておくが俺に歌など期待するなよ」
「え?イボンコペッタンコって合いの手打てばいい?」
「やめんか!上からどやされるやつだろうがそれ!」*5
どやされても受けるんなら有りなんだよなぁ……。
実際予告編とは言え、久しぶりの新作でもそのノリは変わってなかったしネ!*6
……え?声なら同じやつが横にいるんだからそっちでやれ?いやだってジェイドさん嫌がらなさそうだし……。
「偉そうに嫌がらせであることを主張するのはこの口か?」
「ひゃめへふははひふふふひひはひへふ」
……ええ、ガッツリ怒られましたね、はい。
そんなわけで、素直にデルセンの歌を聞くことにした私達なのでした。え、内容?無難でしたね。
ともあれ、そんな感じにカラオケを楽しんだのち、今度はそこから出てまた別のフロアへ。
「ここに十円クレーンゲーム競争大会開催を宣言する!」
「なるほど?」
そこで、お菓子掬い的なクレーンゲームに興じることになったのであった。
この十円クレーンゲーム、中に入っているのはサラミやチーズ、チョコや飴などの個別梱包された菓子類がほとんどなのだが、基本的な構造は百円で他の店に置いてあるようなクレーンと同じ系統になっている。
「中でゆっくり回る部分と、掬ったものを乗せる動く台……ってやつだね」
「台の部分に積み上げていく感じだよね」
一回十円だからと言ってチープだったりするわけでもなく、寧ろ十円だからこそ利益を得ようとするとなんだかんだ難しいのがこのクレーンゲーム。
なんでかというと、原価……はまぁその辺気にしてもあれなので置いとくとして*7、そもそもこのお菓子キャッチャー形式のクレーンゲームが基本的に
「直接排出口に落とすわけじゃなくて、動く台によって押し出して貰う形だから場合によっては全然落ちない、なんてこともあるからねー」
「その排出口もいつまでも空いてるわけじゃないから、落ちそうって時にしまっちゃった、なんてことになる場合もあるんだねー」
「……おい、言いたいことがあるならはっきりと言え」
「「別にー?」」
「誰かそのバカ二人を捕まえろ!!」
「「きゃー♪」」
……実際のデルセンがどうかはともかく、ここのデルセンはクレーンゲーム得意ではない様子。
その様子を隣のモモイと一緒にからかいつつ、改めて自分の方でもクレーンに興じるのであった。
「ってな感じで遊んでたんだけど、早々にモモイが飽きちゃったんだよね」
「いやだってさー、流石にクレーンゲームだけじゃ間が持たないよー!そもそも他のゲームだってあるんだから触らない方が損じゃない?」
「だからって真っ先にVSに行こうとするのはよくない、本当によくない」
「VS?」
「ガンダムVSシリーズのことよ、ガンダム動物園でも可」
「あぁ~……」*8
……まぁ、ゲーセンコーナーに居てモモイが他のゲームに視線を向けちゃうのを我慢できるか、って話でもあったのだけれど。
そんなわけで案の定、他のゲームに目移りしてふらふらと移動し始めたモモイを追ってみれば、彼女が向かおうとしていたのはなんとガンダムVSシリーズの筐体。
……初心者が触るべきじゃないシリーズな上、そもそも
そりゃまぁ、そんなものに触れようとしてたら止めるよね、というか?
「もー、じゃあ何をしたらいいのー!?」
「とりあえずガンダムは止めてもろて……って言いたかったんだけど、なんかこう……人が少なくない?」
「え?……あれ、本当だ。なんかこう、やってる人が少ない?」
ただ、そうして止めた後で気付いたんだけど……気のせいじゃなく、明らかに筐体の前に座ってる人が少ないような?
というかよくよくみれば、他のアーケード筐体も人の数が少ないような……?
どういうこっちゃ、と気になった私達は互いに顔を見合わせたあと、近くにいたお兄さんに何故こんなに人がいないのか、と尋ねてみることにしたのだった。
そうして返ってきた答えと言うのが──、
「どうもこうもないよ、今日から新稼働のゲームにみんな夢中ってやつだよ。筐体数がそこまで多くないから順番待ちになってるし、そこまでして遊ぼうと思ってないのはいつものところに戻ってきてる、ってやつ」
「今日から新稼働のゲーム……?」
新しく入ったゲームにみんな集まっている、というある意味よくある話──されどなにか匂うような、そんな言葉だったのであった。