なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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まさに後の祭り

「ふはははは飛ぶ斬撃を見たことはあるかー!!」*1

「ぎゃー!?通常攻撃の感覚で斬撃が飛んでくるー!?」

 

 

 炎緋と雷華は元々海里用に作られた武器。

 そして『神断流』もまた、本来は()()()()()()()()()()である。

 いやまぁ、上位者とかがよく言ってる『時間軸の軛なんてのは人間特有のもの』とかの流れの結果、『神断流』もまた彼女が生み出したものにも関わらず、既に存在した流派みたいなことになってるのであれなのだが……。

 

 ともかく、海里の使う『神断流』というものが特別なのは事実。

 結果、『ブレイジング・デュエル』内で海里の姿をしている私もまた、大概無法な存在と化していたのだった。

 

 

「つまり──私ったらサイキョーね!!」*2

「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!!?」

「敵対グループが、まるでボウリングのピンのように吹っ飛ばされています!?」

「いやいやおかしい、確かに即席の壁なんてそんなに強度ないでしょってなるのはわからなくもないけど、それにしたって即座に用意できる盾としては多分最上級だったよ今の!?」

「──嗚呼、私の敗北だ」*3

「絶対あの人エミヤだ!!?中の人が誰なのかはともかくエミヤモチーフなのは間違いないよあれ!?」

「ってことはロー・アイアスを吹っ飛ばしたのか今の……え?射撃にしか見えなかったけどなにあれ???」

 

 

 私自身が弾丸になっただけですがなにか?*4*5

 ほら、この世界がイメージ重視だとしても、元々のロー・アイアスが相手によっては抜かれることもあるのがこの状況の理由というか?

 

 ともかく、である。

 意外と元の姿(キーアとか)ではこういう蹂躙みたいな戦闘になることは早々ないので、新鮮な気持ちで対戦に向き合えるのはとてもいいことだと思います。

 ……え?一部から抗議のお言葉が上がってる?聞こえんなぁ()

 

 

「でも実際、この姿とキーアの時だとできることが全く違う、ってのは本当だよ?だってあっち(キーア)は魔法使い系統だけど、こっち(海里)は普通の戦士系統だからね!」

「とは言っても、貴方の言う魔法使いってうち(テイルズ)と同じく呪文も詠唱できる、の類いですよね?」

「はははは」

「誤魔化してるつもりなんでしょうかねこれ?」

「さぁなぁ……」

 

 

 いやね?本当に色々違うのよ?

 そもそもの話、キーアの方だと幼児体型だけど、海里の姿だとわりと普通の身長だし。

 それと、なんとなくだけど性格もいつもと違うような気がしてくるというか、余計なこと考えずパワーこそ全てー!……って感じで動けるというか。

 

 

「いやまぁ、本来の海里(月の君様)ともキャラ違うんだけどねこれ!どこ由来なんだろうねこれ!!あっはははは!」

「……え、ええと。殴ってでも止めるべきなのでしょうか……?」

「多分だけど、放っておいたらその内電池切れみたいに止まるんじゃないかなー」

「そんな子供みたいな……いやまぁ、普段のことを思えば子供みたいなもぎゃー!!?」

「仮定坂田さーん!?」

「おかしい人を亡くした……」

「死んでねーよ!?あくまでリスタートしただけだよ!?」

 

 

 いやーあれだね!蹂躙系サイコー!!()

 見よ、我が一撃でなにもかも吹き飛んでいくこの様を!

 ゲームとはまさにこの繰り返し、これこそが楽しいのだ!駆け引きなんぞくそ食らえ、お前もお前もお前も、私のために死ね!!*6

 

 

「……私達はなんのために集められたのか」<スンッ……

「うわぁ!?いきなり落ち着かないでください!?」

「冷静になったのにこの言われようである」

 

 

 酷くね?

 ……いやまぁ、端から見ると好き勝手に暴れまわっていたようにしか見えないんだろうけどさぁ。

 

 

「……違ぇのか?」

「ちーがーいーまーすぅー!!この姿になった影響がどんなもんか探ってたんですぅー!!」

 

 

 まぁ周囲の反応からわかってたことだけどね!

 ……でも実際、このゲームが額面通りのものなのか確認しようと思ったら、ああするより他なかったのも確かなのだけれど。

 

 

「そうなんですか?」

「そうなんです。……っていうか、そもそもの話『tri-qualia』以外のゲームでも『逆憑依』だとアバターが変になるって話があるのに、『ブレイジング・デュエル』だけその辺解消できるなんて言われてはいそうですか、って納得できるわけないでしょうに」

「い、言われてみれば……」

 

 

 その一番の理由が、『ブレイジング・デュエル』内だと『逆憑依』の影響を──こちらから相手に与える方も、向こうからこっちに起きるものも──全てシャットアウトできる、という売り文句。

 一応、『tri-qualia』内のその現象に関わるものを他のもので代替している……みたいな話があったけど、よくよく思い出して貰えばわかるが『逆憑依』のアバター問題って、そもそも『tri-qualia』に限った話ではないのだ。

 

 いやまぁね?

 確かに、『tri-qualia』以外でルリアちゃん達みたいな話があったか、と言われるとそうでもないから、『tri-qualia』による『逆憑依』の発生ってのは恐らく『tri-qualia』だけの現象なんだろうけども。

 

 

「裏を返せば、そうした大きな問題に注目が行って、細かい部分に対しての注意が散漫になってるんじゃないか、ってこと。……すっごくわかりやすく言うと、『ブレイジング・デュエル』内で『逆憑依』の問題が起きないのは、代わりに突っ込んだもの──ひみつ道具のおかげ(せい)なんじゃないか、ってことよ」

「……なるほど、ありえない話ではありませんね」

 

 

 そう、改良の結果起きなくなったことは間違っていないのだろうが、それが実は改善ではないのだとしたらどうか、というのが今回の懸念事項だったわけだ。

 

 いやだって、ねぇ?

 確かに『tri-qualia』は怪しいゲームだし、そこから派生?した『ブレイジング・デュエル』だって怪しいことは間違いないだろう。

 ……だけど、だからってイコール『ゲームを遊んだら世界が滅ぶ』みたいなことにはならんでしょうよ。

 仮にそうなるんだとしても、世界崩壊の原因は『ゲーム』という媒体ではなく、あくまでそのゲーム自体にあると見るのが普通でしょうというか。

 

 

「まぁ、特定の人間が特定のゲームに関わると良くない、みたいなパターンもあるけど……それでもやっぱり、ゲームという存在そのものが悪いとはならないじゃない?……ってことは、よ。仮にこのゲームに滅亡案件が潜んでいるんだとすれば、そこで一番怪しいのはひみつ道具。それも単にひみつ道具が悪いんじゃなくて、このゲームにおいて発揮している効果が悪いんじゃないか、って話になるわけ」

「な、なるほど。……お一つ宜しいでしょうか?」

「あーうん、多分マシュ、なにかな?」

「外から確認する、ということはできなかったのでしょうか……?そういうことであれば、なにもゲームを遊ばなくても外から探る、ということもせんぱいなら可能に思えますが……」

「かもしれんね。但しその場合、この筐体ぶっ壊す必要があるけど」

「なんでそうなるんです!?」

 

 

 なお、そこまでわかってるなら・もしくは怪しいと睨んでいるのなら、こうして筐体内にまで入らずとも調べる手段はあったのでは、とマシュ(らしき人)が問い掛けてくるが。

 それに関しては難しかっただろう、と答えを返す私である。

 なんでかって?そりゃ勿論、外部より内部の方がセキュリティは雑だろう、というか。

 

 ……この言い方だと誤解を招きそうなのでちゃんと説明すると、基本的に内蔵されているものを外部から探る、となると目的のモノを確かめるのに()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というところが大きい。

 

 

「外から問題の起きたところを直そうとするのに近い感じかな。超能力でも使えるんならともかく、基本的には患部が直接見えて触れないとなんにもできないでしょ?そういう意味では、内部に入るってのはそれこそ体内に入るのに近いんだよ」

 

 

 例え、本来なら物理的には到達できていなくても、である。

 ……その辺は【星の欠片】の面目躍如というか。

 

 

「そんなわけで、これからの私達の目標は件のひみつ道具にアクセスできる場所を探す、です!」

「内部ならどこでもいいというわけではないと?」

「概念的に近いところの方がいいね。できなくはないけど、その場合間に挟まった()ものについて保証しません、ってことになっちゃうし」

「うーんややこしい……」

 

 

 そういうわけなので、ここで私達がすべきなのは、内部からひみつ道具にアクセスし、本当に問題がなにもないのかを確認すること……ということなるのでありました。

 ……また長い話になりそうだ、と思った人は正解です()

 

 

*1
『ワンピース』において、一刀流『三十六煩悩鳳(ぽんどほう)』が初登場した際にゾロが述べた台詞から。そのあとの『通常攻撃の感覚で~』は、体力マックス時のリンク(ゼルダの伝説/lv.2以上の剣を装備時)等が該当。本来近距離しか攻撃できないはずの武器から遠距離攻撃が飛んでくる恐ろしさは言うまでもない

*2
『アタイったらサイキョーね!』は、『東方プロジェクト』のキャラクターであるチルノの台詞。実際妖精としては割りと強いのがチルノである。あくまで妖精の中では、だが(『東方』内の妖精はそこまで強い生物ではない)

*3
『fate/stay_night』のキャラクター、エミヤもといアーチャーのとある場面での台詞『ああ。そして、私の敗北だ』から。負けたけど清々しさすら感じさせるのは──

*4
『スーパーロボット大戦』シリーズのロボット、『ヴァングレイ』に搭乗した主人公が武装の一つ・かつアサルトコンバットパターンである『烈火』を使った際の台詞

*5
キーア(海里)の使った技は『神断流』の一つ・『無極・流星閃』。『流星閃』と呼ばれる技の派生系であり、わかりやすく言うと『牙突・壱式』(突進攻撃)。但し、その速度はその比ではない……どころの話ではない。それこそ弾丸に例えても足りないレベル

*6
『お前もお前も~』は『装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ』内に出てくる文言。戦場で生き残る為のあれこれ……のように見えて、その実誰かを犠牲にしては生きられないパターンもあるので一概に正しいとも言いきれなかったり。なお、この後の『私達はなんのために~』も元ネタは同じ

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