なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はい、明らかにこっちを舐め腐ってるひみつ道具に一泡吹かせるための戦い、はっじまっるよー。
……いやまぁ、そうして舐め腐ってくれてないとわりとキツイ相手なんですけどね、初見さん。
(なにがあれってねー想定される相手がねー)
「……?なんか難しい顔してない?大丈夫?」
「んー怪しいかも。概念的に近い場所ってのがねー」
「ええー!?」
こちらの様子がおかしいことに気が付いたモモイが声を掛けてきたので、予め想定しておいた答えを投げておく私である。
いやまぁ、概念的に近い場所ってのを考えるのが意外と難しい、ってのも事実なんだけどね?
──そう、概念的に近い場所。
この言葉を聞いて、どういう場所を思い浮かべるのが正解だろうか?
高いところが好きなラスボスみたいな話だと解釈するか、地下深くに封印された邪神とかの類いを思い出すべきか。
……答えとしてはわからない、が正解となる。
なんだそれ、と思われそうだがこれには深……くはないか、わかりやすい事情があるのであった。
「ひみつ道具が意識に目覚めたわけじゃない、ってさっき言ったじゃない?つまり、なにかを考えて場所を決めてるわけじゃないから予測が難しいのよ」
「あーなるほど。ランダムに場所を選んで決めてるようなものだから、相手の動きを予想して隠れ場所を求める……みたいなのが難しいんだ」
モモイの言葉にうむ、と頷く私である。
……さっきから脳内で説明している通り、現在私が口から述べているのは出任せ。
ゆえにここでの本当の理由は
もっとわかりやすく言うと、こっちの思考を読んでそこから離れるように移動している可能性が高い、となるか。
……いやまぁ、私の予測が間違ってないなら、思考を読もうと思って読んでるんじゃなく、
どちらにせよ、闇雲に探そうがじっくり予測して探そうが共に意味がない、というのは間違いない。
ぶっちゃけてしまうと、私がこの世界に溶け込んでしまったひみつ道具として予測しているのは『もしもボックス』だったりする。
──『もしもボックス』。
数あるドラえもんのひみつ道具の中でもとびきりの厄物の一つであるこれは、その名前の通り『
主題歌にもある『あんなこといいな』をそのまま叶えてしまう、いわゆる聖杯系の道具の極致と呼ぶべきアイテムになるわけだが……得てしてその系統のアイテムが危険物として扱われることからわかる通り、このひみつ道具も相当の危険物と言う他あるまい。
それが何故かと言うと、ドラえもんの道具にありがちな『原理がいまいちわからない』というところがとても大きい。
一応、『もしもボックス』はある種の実験室であり、『もしも』を一時的に有効化するものである、ということになっている。
わかりやすく言うと、その『もしも』が成立しているパラレルワールドに移動する、というものだ。
例えば魔法が科学に変わって発達している世界。
いわゆる映画『魔界大冒険』のシナリオ上に出てくる世界だが、これは作中明確にパラレルワールドであることが語られている例である。*1
何気にタイムマシンの利便性が補強された作品だったりも?*2
……まぁともかく、『もしもボックス』に願った世界に行ける道具、という扱いであることはほぼ間違いあるまい。
え?話によっては明らかに現実を改変してる時がある?
そもそもその『魔界大冒険』にしたって、単純に並行世界を見付けてきたというには微妙?*3
まぁ、シナリオ担当の解釈次第、としておくのが一番わかりやすいのかもだが……それこそ本当の問題点というか。
そう、ドラえもんの道具は本来『あんなこといいな』を叶えるもの。
そしてそのための原理として──
……と、言うことはだ。
そもそもの話、『もしもボックス』に並行世界移動だのなんだのの説明は必要ない。
あくまでも『もしも』が叶う道具でしかない、というのが本質になるはずなのだ。
もっともらしく並行世界を解説に使っているだけで、極論並行世界だろうが現実改変だろうがどっちでも問題はない・もといどちらかに決めてしまう方が本来の『あんなこといいな』を叶えるものである、という機能に反してしまう結果になるというか。
それを言葉にすると『原理がいまいちわからない』、となるわけだ。
正確に言えば、本来の『もしもボックス』は原理とか気にするものじゃあない、というか。
ある意味では解釈の幅であり、様々な見方を許容するものということになるというか。……ライターによって見せ方が変わってもよい、という風に言い換えてもいいかも?
まぁともかく、ここで重要なのは『もしもボックス』相手に『原作ではこうだったのだからこう』みたいなイメージの押し付けをしても意味はない、ということ。
……いやまぁ、その辺は別に『もしもボックス』に限らないひみつ道具全体への注意なんだけどそれは置いといて。
例えば並行世界に移動する道具であると解釈した場合、逆に言うと並行世界を認知できる存在には『もしもボックス』による変化を察知できるはず、ということになるが。
もしこれが『現実を改変するもの』である場合、並行世界を認知できるだけでは自身がその改変に巻き込まれているかを確認することができない、ということになる。
後者は一種の洗脳に当たるため、どちらかといえば洗脳耐性の方が重要になるわけだ。
なので、洗脳に対する備えが無いものが『もしもボックス』に巻き込まれた場合、その変化に対してなにもできない、ということになる。
……わかりにくいと思うのでもっと簡潔に言うと、現状役立たずになる可能性大というか?
正直現実改変になると【星の欠片】でもないと対応は難しいだろう。
特に並行世界移動に見紛うレベルの操作となると、それを認知するために別種の才能を必要とするというか。
……なにより今私たちがいるのはひみつ道具の中のようなもの。
となれば、余計のこと操作された事実に気付くのは難しくなる。
今はまだ、向こうが自身の正体を知られていないと思っているからいいものの、もし仮に気付かれたと知られたら周囲のみんなは一瞬で役立たずと化すだろう。
それだけならまだマシで、私にその辺利かないと理解されたら二度と内部に入れない……みたいなことになりかねない。
いやまぁ、そんなんされても回避できるのが私だけど、その場合周囲への被害が嵩み続けるのも目に見えてるし……。
なので現状のベストな展開は、相手に気付かれない内にどうにか相手への干渉手段を得て、他のみんなに被害を出さずになんとかする……ということになるのでありました。
……これ、解決のための道筋ってだけで、今から起きるトラブルに関してはなーんも考慮してないんだよね。ウケる(白目)