なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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もしもなんて考えるべきじゃない

 もしもボックスとか面倒臭いもの出してくるの止めない?……って愚痴りたくなるRTA、はーじまーるよー。

 そんなわけで前回から引き続き、こっからどうするかを脳内でシミュレートしていきます。

 

 はい、そもそもドラえもんの道具があやふやな理論に科学というもっともらしいガワを被せて体裁を整えている……ってのは前回説明した通りですね。

 これの面倒臭いところは、それが主人公側の使うアイテムであるならば大して問題じゃない、ってところにあります。*1

 端的に言うと、敵……もとい使われる側からするとその効能を回避し辛いことこの上ないのです。

 

 

(根本的なところからして『そうだったらいいな』を叶えるためのものだから、本質的に回避するのが不可能なのよねー)

 

 

 別に『もしもボックス』に限った話ではなく、ドラえもんのひみつ道具は基本的に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であるため、周囲がそれを叶えさないように動くという選択肢自体が存在しない・もしくはそういう風に動くのが難しいというか。

 

 わかりやすいところでは、精神修行のため百の苦難が絶え間なく襲い掛かってくる『百苦タイマー』*2とか、なにをしても最終的に善行になる『よいこバンド』とか*3

 原理がわからんもの・辛うじてわかるものも含め、どちらにせよ『道具に定められた挙動を外れないような』結果が現実に出力される、というか。

 対抗しようとすること自体が間違いのレベルであるため、基本的に対処法は『端から効力を発揮させない』方向に絞られるというか?*4

 ……いやまぁ、【星の欠片】はその原理上なんとかなる*5けども、それってあくまでも私単体がなんとかなるって話であって、さらに言えばそれをやった結果どうなるか、みたいなのはさっき(脳内で)説明したばかりなので……。

 

 ともかく、相手に気付かれないようにことをなさなければならない、というのは事実。

 ゆえに、建前上の結論を振りかざしつつ、さりげなーく探知も重ねて相手を探しているのだけれど……。

 

 

「……見当たらないねぇ」

「そうですね……」

 

 

 思わずぼやくも、これに関しては表も裏もないので問題なし。

 ……いやね、やっぱり相手が『もしもボックス』なのは大変宜しくないわ。

 建前上の『絵本入り込みぐつ』も大概だけど……あれだ、何処に隠れてるのかまったくわかんねーでやんの。

 

 

「道具に意志が芽生えたわけではない以上、そこらのあらゆるものに相手が隠れている可能性がある……という話だったか?」

「まぁそうなるね。それゆえに隅々まで探し続ける必要があるというか」

 

 

 いやまぁ、実際にはこっちの様子を見て隠れる場所を変え続けているから見つからない、ってのが正解なわけだけども。*6

 それを踏まえたとしても、相手がなにに隠れているのか?……というのを絞りきれないのは同じなわけで。

 

 うん、正直八方塞がりなんじゃないかなこれって?

 

 

「そこまで言っちゃいますか?」

「言っちゃいまーす。だってほら、体裁的に私達遊んでるわけじゃん?この形式を崩すくらいじゃないと見付けらんないけど、流石にそんなことしたら反応されるというか、こっちがそうやって行動したことが相手に反映されちゃうって」

 

 

 私の言葉にジェイドさん(ムチムチ魔法使い)が反応してくるが……。

 うん、これに関しても表も裏もない。

 相手がひみつ道具である以上、下手に思考をすると()()()()()()()()()()方向で道具が起動する可能性は否定できない。

 この場合を正確に言うのであれば『余計に見付からなくなる』というべきか。

 今の状況自体、ある意味では探し物をしている──探し物を続けることを()()()()()、なんて歪んだ解釈をされかねないわけだし。

 

 

「そんなバカな」

「いやいや、そうでもない。ここはゲーム機、私達は遊んでる。それからかくれんぼは遊びの一つ。……ね?」

「なんにも『ね?』じゃないのですが!?」

 

 

 いやいや、絵本入り込みぐつの方は若干怪しいけど、もしもボックス想定だとこれが正解なんだわ。

 

 ……一応、靴の方でも道理は通る。

 自然と世界に溶けた(そうなった)のだから、この世界が望まれていることを叶えようとするのはおかしな話ではないと。

 ただ、もしもボックス想定だとそこに『向こうの勝手な解釈で』という条件が継ぎ足されるだけの話で。

 ……うん、なんか次第にもしもボックスが不倶戴天の悪役みたいなことになってきたなこれ?

 そんなわけないので一応軌道修正しておくと、これは恐らく組み込んだ時の琥珀さんがやらかした……というのは正直言い過ぎだが、まぁ彼女の言動が問題の一端になっていることはほぼ間違いあるまい。

 

 

「え、琥珀の?」

「まぁ、それこそ独り言のようなやつだったんだろうなー、とは思うんだけどね?例えばうまく行って欲しいなーとか、目的があったんならそれが叶うまでは稼働を続けたいなーとか?」

「……目的?」

「流石に『できるからやりましたー』なんてマッドサイエンティスト全開の理由なんて今さら掲げないでしょ」

 

 

 根本的には善人なのだし。

 ……いやまぁ、善意でやらかすタイプの方がヤバいのも事実だけども。

 

 ともかく、彼女がなにかしらの目的で『ブレイジング・デュエル』を作り上げたのはほぼ確定だろう。

 となれば、そうして完成させる際──ひみつ道具を組み込む際に些細な()()()を口にした可能性は少なくない。

 そして先述通り、ひみつ道具は原則願いを叶えるもの。

 その願いが自身の運用法とは離れていても、可能な限りは叶えようとするものである。

 

 

「ゆえに、その『願い』とやらが叶うまではひたすらに見付からないよう気配を可能な限り消している……なんてパターンも考えられるってわけ」

「その場合問題なのは……」

「その願いがなんなのか、ってことだね」

 

 

 変なことは願ってはないと思うけど……。

 本人に聞かなければわからない以上、私達が筐体内にいる間に解決できるかは未知数、なんて結論を出さざるを得ないと私は述べたのでした。

 ……実質詰みじゃないかって?そうねぇ……。

 

 

*1
「そうはならんやろ」「なっとるやろがい!」の心(?)。特にギャグ漫画であるならば「そういうものか」で流される、とも。被害を受ける方からしてみれば堪ったものではない

*2
作動させてから百分間の間、総計百にのぼる苦難が次々と押し寄せてくるようになるタイマー。修行僧のような人物が自身を鍛える為に使うモノだが、精神修行を主としている為なのか途中で止める事ができない(いわゆる『魔の誘い』として途中で修行を止めてしまうことを懸念している?)。その癖襲い掛かってくる困難が徐々に過激になっていくおまけ(?)付きで、ドラえもん達の言によれば『弱い人は十回目の苦難で死に至ることもある』とかいう、幾ら苦難とはいえ程度があるだろう、と思わざるをえない道具。基本的にはこの道具を中心にして周囲に干渉を行っているらしく、機械自体が未来に飛ばされたりすると、対象者がその時代に到達するまで苦難の発生が先伸ばしにされるようだ。因みに、一度作動すると破壊するのは不可能で単純な逃走なら地の果てまで追い掛けてくるとのこと。……もしかすると、死を超越した仏のような存在の為の道具なのかもしれない()。タイムふろしきが利くかは不明

*3
どんな悪行を行っても最終的に善行に辿り着く道具。……ではなく、使用者の無意識に働きかけ『他者を助ける結果に繋がる行為しかできなくする』という道具。よりわかりやすく言うと『一見悪い行為に見えても、その実最終的な結果が善行に繋がるようなことしかできなくなる』というもの。なので、例えばこの道具の影響下で誰かの背を突き飛ばした(()()()()()())場合、『上から花瓶が落ちてくるのでそれを回避させる為』にやった(やれた)、みたいな感じになる。やったことに対して現実が善行になるように辻褄合わせされるのではなく、現実を鑑みて行える行動が定められる、という形。なので好き勝手やっても褒め称えられる道具、というわけではない

*4
因果操作を基本動作に含めているような道具が大半である、という意味。未来の科学力の高さを思わせると同時、そんなものが大量にある世界は果たして理想の未来なのか?……という疑問も生じさせる

*5
『~した結果、受けた私は死にました』という形で結果を上書きする為。単一の死では意味がないこと・及びあらゆる物事において最下位に当たるがゆえに()()()()()()()という【星の欠片】の性質あってこその対処法。死が何より重いという前提があるからこそ、という面もある

*6
かくれんぼの(実行できない)必勝法として語られる『常に相手の後ろにいる』を実践しているようなもの。本来であればその内気付かれるのが関の山だが、今回の相手はこちらの認識に干渉しながら背後に回っているようなモノなので気付けない、ということ。キーア本人に干渉しているわけでもないので、【星の欠片】の探知にも引っ掛からない

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