なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「なにも難しい話じゃないのよ。要するに、インフルエンサーみたいなことをやれ……って感じの話でしかないんだから」
「インフルエンサー?……ってなに?」
「影響や勢力・効果という意味を持つ英単語『
「……な、なるほど?」
詳しい説明はマシュがしてくれたので、こっちは雑に解説すると。
要するに、今私達がやっていることは単純に『ブレイジング・デュエル』の宣伝になるわけである。
それもステマじゃなくて、ダイマ方面のやつ。*1
とはいえ、別に配信とかやってるわけでもないのにダイマになるのか、みたいな疑問はなくはないと思う。
「そこで、私のネームバリューが効果的なのさ(死んだ目)」
「ネームバリュー?……って、あ」
「あー……郷内きっての実力者、キーアと仮想空間とはいえ対決できるとなれば……」
「小さな噂が周囲に広がっただけでも、その宣伝効果は普通の広告の比じゃないの。下手すると火の海なの」
「まぁそれだと色々困るから、ここでのネームバリューはどっちかというと『誰も勝てない隠しボスみたいなのがいる』って方向性でゲーマーのプライドとかを擽る系のやつだけどね」
悟空さみたいなバトルジャンキーに群がられても困るからね、仕方ないからね。
……型月民的には『エクストラの式』と言えばなんとなくわかるだろうか?*2
異様に強い相手がいるとなれば、ゲーマー達は『俺が倒してやる』と奮起するだろうってわけだ。
……まぁ、あんまりやり過ぎると普通のバトルジャンキー達も集まりかねないわけだが、その辺はたかがゲームとでも思って貰う方向性で……。
「実際、海里の姿なのもその辺の伝播を遅らせるというか歪める方向性だし」
「……遅らせる?防ぐんじゃなくて?」
「この姿な時点で遅かれ早かれ『星女神』様が顔を突っ込んでくるのは決まってるので……」
「ああ……」
じゃあその姿止めときゃよかったじゃん、というツッコミは聞きません。
なんでかって?他のキャラはとてもじゃないけどやれる気がしなかったんだよ!!
……その辺はこのゲームに潜むひみつ道具の話と関連するので、ここでは触れないけど……。
ともかく、このゲームをするに当たって私が使える姿は実質キーアかその派生、もしくは今の姿くらいしかなかったと……いうことはここではっきりと主張しておきたいところである。
前述通り周囲のみんなには言えないので、あくまで遠くで見ている誰かへの主張だけども。
「……なに唸ってるのキーア?」
「目立ちたくないのに目立たなきゃいけないジレンマに魘されてる」
「なんか地味にお労しいこと言ってない?」
まぁともかく、である。
今現在私達……もとい私がするべきことは一つ。
ひたすらに周囲の敵ゲーマーを撃破して、テッペンを取ることである。
「即ち、男と生まれたからには、誰でも一生の内一度は夢見る『地上最強の男』──。グラップラーとは、『地上最強の男』を目指す格闘士のことである!」
「神イントロッッッ!?」*3
ってなわけで、以下ダイジェストでお送りします。
「最近噂になってるのって貴方ね?この金星の女神を他所に最強を名乗るなんて不届き千万!私が直々に裁いてあげるわ!」
「……その姿気に入ったんですキリトちゃん」
「いや違、たまには他のキャラもやりたくなっただけ……って、その言い種はまさか!?」
「まぁいつかは来ると思ったけど早くね君???」
まず最初は金星の女神・イシュタル……の姿をした、推定キリトちゃん。
なんやかんやと繋がりの多い彼女だったが、こうして他の姿として選ぶくらいにはいつの間にか気に入ってたんだなー、と。
最初のうちは嫌がってた気もするんだけどねー。
なお、彼女のイシュタルは半ば【継ぎ接ぎ】に近いこともあって『ブレイジング・デュエル』内においては反則に当たる、ってことで運営直々に退場判定受けてました()
「というか、そのキャラの声はどっちかと言うと運営側なの」
「いや私居るけど?!いやあんな姿恥ずかしくて死ぬけど!!」
「あ、どうも依り代さん」
「いやそうだけど!そうじゃないわよ!!」
なんかその時凛ちゃんと一悶着あったみたいだけど私は知りません()*4
「で、キリトちゃんがいるなら当然ハセヲ君も来てるだろうなーって思ったんだけど、思ったんだけど……」
「なにかな?言いたいことがあるなら是非聞かせてほしい」(さわやかボイス)
「喋りがアーサーなのに見た目はチョコレートの人なのどういうことよ?」
「たまには私も奇を
で、キリトちゃんが運営権限による退場を食らったため、一緒にいた面々も退場する羽目になったんだけど……。
そこにいたのは案の定のアスナさん(まさかの蒼崎青子だった)*5と、それからハセヲ君だったんだけど……その姿はまさかのマクギリス・ファリドなのであった。
いやまぁ、喋り方は今しがた述べた通りアーサー王の方だったんだけどね?*6
どちらにせよ変な組み合わせであることは間違いなく、そしてそんな変な組み合わせの人達がなにもしないまま退場していくのは愉快でしかなく。
結果、なんとも言えない気分で彼らを見送ることになったのでありました。
……とまぁ、初回からして変なことになったけど、それ以降は変な客もそうそう出てこず、普通にタコ殴りにする場面が続くわけで。
「建物に隠れた程度で安心かね?随分と舐められたものだ。──『神断流』・白鷹狩!」*7
「放った弓がまるで生きてるかのように障害物を避けてくよー?!」<ヌワーッ!
「……今遠くで撃墜された人の声が聞こえましたねぇ」
「というか、ゲーム内でも使えるのはどういう原理なんです、『神断流』」
「なにを今さら、こちとら【星の欠片】やぞ」
「わぁ、まるで一切の説明を省ける魔法のワードみたいだぁ……」
実際それで間違ってないから困る、いや困らない。
……基本的には弓矢による『神断流』を使った補助に努めているけど、どうにもこれだと口調がエミヤんに寄ってしまうのは仕方ないというか。
なにせ義理とはいえ妹だった話もあるからねぇ、海里には。……義兄をからかう気持ちが自然と湧いて来てしまうというか。
こっちのエミヤんが聞いたら思わず『なんでさ』とか言い出しそうなことを脳裏に浮かべつつ、改めて矢を取り出す私である。
……と言っても、この矢も実際の矢を取り出しているわけではない。
魔力とかではなく、
これが覚えれば誰でもできること、というのだから『神断流』って意味不明だよねー。
とかなんとか宣いながら、再びのヘッドショット。点数稼ぎかな?
「……この分だと普通の挑戦者よりシューティングゲーム系の挑戦者の方が増えそうですね」
「かもねー」
前方であれこれ言ってる面々をスルーしつつ、私は援護を黙々()と続けるのであった──。