なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「んー、なんだかよくわかんないけど……よし!それなら私に任せてよ!」
「おっと
はてさて、どうしようかなーと悩む私と大人しくこちらを待ってくれているエー君。
二者の対峙は既にその始まりから数分程度の経過を見ようとしており、そろそろ運営からの指導とか催促とか入りそうだしいい加減腹を括るかぁ……なんて思っていたのだけれど、その決心を遮るかの如く前へと出る影が一つ。
はたしてそれはモモイ……もとい天馬君だったわけなんだけど、いきなりの立候補に思いっきり反応が遅れた私は彼の……もとい彼女のそんな挙動を許してしまったわけである。
……具体的に言うと私の前に
どこまでエー君が現状を理解しているかは不明だが、このままだと特に捻りもなくその圧倒的な
そうなったら(色々な意味で)終わりなんだけど、その辺の詳しい事情を周囲は知らないし知らせることもできない。
……となるとだ、今私の前に立つ
なんなら、本来の彼女は
そうなったら本気で色々と終わるので、どういうつもりで私の前に立ったのか確かめようと声を掛ける私なのであった。
「ちょっと天馬君、どうするつもり!?」
「そんなの決まってるよ!──サッカー、やろうぜ!」*1
「……ぇぇ?」
……あかん、思わずMAD動画のパラガスみたいな声が出てしまった。*2
とはいえそれも仕方のない話、だって『サッカーやろうぜ!』ですもの。
それはデュエリストにおける『デュエル』と同じく、サッカーに染まりきったサッカー星人達に対しての魔法の言葉。
ゆえにこそある種の万能性を持ち合わせているわけだが、同時にそれは超次元サッカーの存在する世界においての話。
今現在、この状況下ではなんの効力も持たない戯れ言でしかなく……、
「サッカー?それって面白いのかなぁ?」
「うん、とっても面白いよ!一対一でドリブル勝負するのもいいけど、みんな巻き込んで対決するのも楽しいと思うな!」
「みんなで?それはとても素敵かしら」
「……あれぇ?」
……あ、あれ?思ったより好感触?
もしかしてあれだろうか、戦うゲームと聞いてきたから戦闘に積極的だっただけで、他の選択肢を提示しておけば早々に方向性を操作できたとかそういう……?
思わず目が点となる私の前で、話はあれよあれよという内に纏まっていく。
結果、向こう四人こっち四人の、いわゆる簡易フットサル形式の試合が決定していたのであった。*3
「まぁうん、それ自体はまぁ穏便な形になったわけだし別にいいんだけどさ。……なんで天馬君そっち側にいるのさ!?」
「え、だって人数足りてないし……」
「いや確かにそうだけどぉ!」
……なお、向こうは三人しかおらず、チームとして人数が足りてないのでどうするのかと思っていたら。
いつの間にか、サッカーやろうぜと言い出した
……いやね?
これが普段の話なら、とりあえずマシュをゴールキーパーに、その他は適当に……くらいの緩いノリでやってもいいと思うのよ。
なにせ
なんなら『ザ・マウンテン』とか『ザ・タワー』とかがマシュ仕様になってそうだし。*4
……はい、お察しの通り今回『ブレイジング・デュエル』内なのでマシュがマシュじゃないですね、鉄壁の守りじゃないですね。
なんならキャラ的にはフォワード向きになってしまってるので、後ろに置いとく方が問題ですね?
……みたいな感じで、メンバー選出に大いに時間が掛かってしまったのである。
それもそのはず、私達にとっては『これが超次元サッカーだ!』みたいな感じで流せる話も、ひみつ道具の側からしてみれば一つも笑えない状況であることは、なにも変わっていない。
要するに、下手なことをするとさっきよりもヤバいことになる可能性大なのである。
例えば、『ガニメデプロトン』という技がある。
これはボールを謎の力で浮かせたのち、両手から気功波的なものを放ちボールを飛ばすという、色んな意味でおかしい技なのだが。*5
浮かせる、という部分がなんとかできるのなら、悟空さ辺りが使っていても不思議ではない技……というのは、誰でも思い浮かべる感想であることだろう。
……まぁ、絵面的にはかめはめ波の先端にサッカーボールが引っ掛かってる……みたいな、それは攻撃行動となにが違うの?……という別の疑問を引き起こしそうでもあるわけだが。
とはいえ、私達がそんな感じで流せるからといって、機械であるひみつ道具にとっても同じ様に流せる……とはなるまい。
ボールの有無で攻撃か
というか、イナイレ内の描写で普通に相手を(ボールを使って)ボコボコにする、みたいなこともあるのだから余計のこと。
そうなると、だ。
個々の戦闘力に対しての警戒をするのではなく、『超次元サッカー』という概念そのものに対して警戒を始め、最終的にはこの世界を『もしもサッカーがなかったら』というイフに染め上げてしまう……なんて可能性もあるのかもしれない。
……なんかイナズマイレブン本編っぽくなった*6のでいまいち危機感が湧いてこないが。
ともかくひみつ道具が好き勝手するのは避けたいこちらとしては、可能な限りサッカーが危険なものだと判断されないように努めなければならない、ということになるんだけども。
(……ダメだ、超次元サッカーという言葉が免罪符にもならねぇ!)
ともかく、みんなが遠慮する要素が『超次元サッカー』の一言で全て吹っ飛んでしまうため、手加減を期待できる余地が欠片もなくなっているというか。
寧ろ悲惨な未来へレッツゴー、みたいな感じにしか見えないというか?……いやまぁ、あくまで私にとっては……というか、事情を知っていればの話になるわけだが。
「うーむ……」
「どしたの?サッカー嫌だった?」
「いや嫌ではないんだけど……うーん」
「???」
うーん、ここまで話が進んだ状況下でいきなり止める、というのはよろしくないだろう。
変な反発を受ける可能性もあるし、仮に止めたとして代案がない。
その行為を無下にするのは嫌だし、気持ちの面を除いてもデメリットが大きすぎる。
じゃあこのままサッカーをするのかというと、自動的に超次元サッカーになるのはどうかなー、と思わないでもない。
ただ、ある程度派手なモノが代わりに来たからこそエー君の気を引けた、みたいなところもなくはないだろうし……うーん、考えれば考えるだけ超次元サッカーするしかねぇ、って話になってくるんだが詰みか?
「……よし」
「ん?」
よくわかった、こうなりゃ自棄である。
私達がサッカーするとヤベーことになる、これはもう変えられない。
そして今さらサッカー以外を選ぶことも不可能。
……っていうか、この流れだとサッカーの代替案もテニヌとかバヌケとかになる可能性大であり、結果として対して被害規模が変わらねぇ……なんてことになるパターンだろう。
「だったら精々
「は、はい?」
「答えよ天馬君!戦いの殿堂に集いしストライカー達が!」
「あえ?……ええと、仲間と共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る?」
「見よ!これぞ、サッカーバトルの最強進化形!」
「「ブレイジング・サッカー、アクセラレーション!!」」
「色々混じってますねぇ」
「わわわ、いきなり始まったよ?!」
ってなわけで、
皆のものであえであえー!!