なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、唐突なわさドラ襲来、それから彼に【星の欠片】について教えることの恐ろしさなど、あれこれ考えてきた私なんだけども。
(……ぶっちゃけると教えないって選択肢が選べないんだよね!)
……と、内心苦笑していたのであった。
いやだってねぇ、ことここまで来てもこのわさドラがもしもボックスの刺客なのかわからんのよ。
そしてもしもボックス云々の話はみんなは知らない、となるとこのドラえもんが普通に『逆憑依』もしくは【顕象】である、という結論しか(周囲からは)出てこないというか。
辛うじて『ひっくり返した絵本入り込みぐつの効果で出てきたドラえもん』という解釈が許されるかなー、みたいな感じ?*1
……つまり、ぶっちゃけるとこっちが【星の欠片】についての説明を拒否するための(もっともらしい)理由がないのである。
寧ろ、ここで説明しない方が不義理を疑われたり周囲からの非難を浴びかねなかったりするというか。
かといって周囲に説明して断ればいいのでは、と言うには相手の背景が見えてこないのが問題過ぎるし。
もし仮に彼がひみつ道具の使者だった場合、ここで断ったが最後二度と尻尾を掴むことは叶わないだろう。
そのままこちらが近付いている際は一切姿を見せず、企みすらろくに進めないので止めることもままならない……なんて硬直状態にされるのが関の山である。
硬直状態ならいいんじゃないか、と思う人もいるかもしれないがとんでもない。
問題の解決の糸口が見えないまま延々と時間だけを浪費する結果になって満足、などと誰が言えようか?
一応、最終手段としてなんとかする手立てはなくもないけど……その場合、このゲームそのものをスクラップにするのと大して変わらない対処になってしまうわけで。
それってつまり琥珀さんに『ああ、やっぱりダメだったよ。君の作るものは大抵問題を抱えているからな』*2って言うのと、ほぼほぼ同じってことになるわけで。
……それ、琥珀さんに発狂しろって言ってるようなもんやでって話になるのだから、そりゃまぁ極力選びたくないのは当たり前というわけでして。
(とはいえ、この場で伝えないでいられる理屈もない。……詰んだな、出直して参れ)
とまぁ、そんな感じで乾いた笑いしか出てこない私なのでありましたとさ。
あれこれ言ってもどうしようもないので、仕方なく説明することを決めた私である。
普段なら多少ごまかしなり嘘なりを交えて説明するところなんだけど、生憎他の(知ってる)面々がいる時点で(彼女達が違和感を覚えるようなことになった時点で連鎖的に相手にも気付かれるので)不可能なのは先述の通り。
うーん胃が痛い、と思いながらさらっと概要に触れた私である。
……なおここまで脳内であれこれ語ったけど現実時間では一分も経過してません。素晴らしきかな脳内加速()
「なるほどなるほど。定義はどうあれ『すごい科学』なんだねぇ~」
「そうなるね。まぁ数百年後か数千年後か、どれくらい先の未来の科学ってことになるのかは私にもよくわからんのだけど」
で、その脳内加速の結果現状できそうな対処として弾き出されたのが、【星の欠片】が科学の一種であること・および
……なんでそんなことになったのかというと、その理由は
普段のアニメにおいて、単純な勝ち負けみたいなものは発生しないが。
これがこと映画の話になると、ドラえもんが負ける・もしくは実質的な敗北状態に追い込まれるなんて例も、少ないながら存在しているのだ。
そして、その際彼らが負けに至る理由となっているのが、主に二つ。
一つは単純に彼らが子供だからこそどうしようもないパターン。
例えひみつ道具というとんでもない道具を持っていようが、それを使う彼らは単なる一般人であるという点。
わかりやすく言えば、相手がプロフェッショナルでありかつ相手の得意なフィールドなら負けることも普通にある、というもの。
この例でわかりやすいのは『宇宙小戦争』のドラコルルだろうか。
彼は作中における敵役であるが、情報機関の長官としての頭のキレが特によい相手としてファンから知られている人物だ。
ドラえもん達の策を読み・対処し一時は完全な詰みにまで追い込んだその手腕は、この物語が『のび太達がスモールライトで小さくなっている』ことを前提としていなければ、その時点で話が終わっていたと結論付けても問題のない強敵である。*3
そういう意味では、例えどれほどの力を持とうとそれを扱う人間自体に隙があればなんとでもなる、ということの証左になるだろうか?
で、二つ目の方はもっと身も蓋もない話で、こちらは
この強かった、というのは一応さっきのドラコルルも当てはまるのだが……こっちはもっと単純で
例えばギガゾンビ。
日本誕生に登場するメインの敵であり、ドラえもんより未来の世界の技術を持つがゆえに基本的にドラえもん側の対処が効かないという、わかりやすいまでのパワーイズパワーな結論でドラえもんを追い詰めた強敵だ。
リメイク版ではドラえもんが一矢報いる形で勝利を修めたものの、旧版においては更に強い相手であるタイムパトロールによって制圧するしかなかったというのだから、その脅威は一入と言うものだろう。
他にも圧倒的な数と技術力によりドラえもん達を追い詰めた鉄人兵団なんかも、ドラえもん達より遥かに強かったので負ける余地がなかった、というパターンになるのかもしれない。
……地球破壊爆弾を相手の本星に叩き込めば勝てただろうとか言っちゃいけない。*4
まぁともかくだ、質なり量なりでドラえもんの対処能力を上回れば彼に勝つことはできる、というのは間違いあるまい。
その前提の上で、今回の状況に転用できるのは恐らくギガゾンビのパターンだろう。
そう、【星の欠片】は未来の技術だが、それがどれほど先の技術なのかということについては未明・ないしは未定である。
数百年とかからずに追い付く可能性もあるし、数千年経ってもまだまだ取っ掛かりすら見えてこない、なんて可能性もあるそれは、見ようによってはギガゾンビ以上に対処の不可能な技能である、と解釈することも可能であろう。
……いやまぁ、この辺相手がもしもボックスだと詭弁にもならんのだけど、相手としてもその辺の事情は隠したいだろうから、少なくともこの邂逅中に試してみよう、なんてことにはならないはずだ。
(その辺どう考えてるのかその顔からはまったく読み取れないけど……こっちとしてはやることは一つ。この邂逅中に尻尾を掴んで確実に捕まえる、それだけなのよ!)
「……なんだかずっと見詰められてるんだけど、この人どうしたのかなぁ?」
「すみません、あとでよく言っておきますので……」
……ドラえもん本人から不思議そうな顔を向けられたんだけど、これ私が対処間違えてるとかじゃないよね?
と、何故か私の保護者かのように謝るマシュを横目に見ながら、少し挫けそうになる私なのでありました……。