なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「うーん、こうして実際に見てみてわかったんだけど……」
「ふんふん」
「正直、今のって科学の区分でいいのかい?」
「いや、それを君が言うのはどうなん?」
君らのひみつ道具っていかにも科学の極致ですって面してるけど、正直それって現行科学の延長にあるものじゃあ絶対にないよね?
……ってなわけで、実際に【星の欠片】関連のものを見てみた感想をドラちゃん達から聞いてる最中の私である。
個人的にはお互い様というか、どっちも相手を悪く言うのは不可能じゃぁねぇかなー、というか。
原理こそ違えど多分他の人からの反応は同じやで?『科学面してんじゃねー!』というか。
まぁ、ドラちゃん本人からこの反応を引き出せた分、向こうが迂闊に【星の欠片】を真似する確率を減らせた、ってことにもなるのでこちら的には成功の部類ななのだけれど。
……え?ドラミちゃんの方があれだった場合どうすんのかって?キーアんその辺知らなーい。
……いや別に適当言ってるわけじゃなくてね?
唐突に現れたドラちゃんよりも、さらに唐突感溢れる現れ方をしたとしか言い様のないドラミちゃんとか、そりゃこっちにまともな対処をする余裕なんてあるわけないでしょというしかないというか。
寧ろドラちゃんの反応に同調してるのを見て、とりあえず今のところは問題無さそう……と判断するくらいしかないというか。
……いや、本当に大丈夫かどうかってのは別として、あくまでこの状況で察せられる範囲ではって話ね?
ただまぁその辺疑いだすとキリがないし、そもそも疑っていることを相手側に悟られる方が面倒だしこの辺で止めとくかー、みたいな。
まぁともかく、表面上は【星の欠片】についての解説を無事に終えられた、と解釈しても問題はないだろう。
つまり扱い的には大成功、勝ったなこれはガハハ。
「僕に労いとかくれてもいいと思うんだけど……」
「ほう労いが欲しいと、その場合私からできることは君がもっと強くなれるようにスパルタする、ってことくらいしかないんだけど……」
「なんでさ!?もっと僕に優しくしてくれてもよくない?!」
「その発言を許してる時点で最大限優しくしてますが?」
「……ドラえもぉ~ん!?」
「ああはいはいのび太君よしよし。……うーん、まるでしごきロボットみたいな厳しさだ*1」
「のび太君にはこれくらいで丁度いいと思います」
少し気を許すと途端に悪知恵働かせてズルしようとするタイプだから余計のこと、というか。*2
……うん、ひみつ道具の意外な使い方みたいなのをパッと思い付くだけのことはある、というべきなんじゃないかね?
そんなわけで、(個人的な恨みも含みつつ)私の基本態度としては厳しめで行くことを決めているので、手加減とかに関しては期待しないで貰えるとありがたいです、と告げておく私なのでありました。
……というか、だね?
なんだかんだと文句を言いつつ『神断流』使用のスパルタコースに最後まで付き合える辺り、本人が言うほどできないわけでも能力がないわけでもないんだから、そりゃこっちも厳しい方がのび太君には丁度いいんだなーって気分になるのが適切というか。
本人の素質を伸ばすなら日本刀を作るように丁寧丁寧に叩く方が良いんじゃないかな、って結論になるのはある種当たり前というか。
っていうかあれだかんね、この方式五条さんも泣き言言ってたんだから
「え゛」
「うーん、のび太君が意外と根性あるのは前々から知ってたけど、それって他所の世界の公式最強キャラと比べられるくらいのものだったのか。それは確かに、普段の態度もとい本人のやる気の無さが百パーセント悪い、みたいな扱いになるのもやむなしだ」
「ドラえもぉんっ?!もしかして僕を見捨てる気ぃっ!?」
「見捨てるだなんてそんな……ただこう、君の将来のためには心を鬼にして付き合う必要があるのかもって思って……ごめん冗談だから、本気で泣くのは止めて貰える?」
「君ってやつぁどうしてこうそんな笑えない冗談を簡単に積み上げちゃうのか!そんなんだから無くなるまで耳齧られたりするんだぞ!!」
「あ、そこに触れたら戦争だぞ!?」
「おーい、イチャイチャしてんなそこー」
「「そんなことしてないけど?!」」
「……そういうとこだぞー」
「お兄ちゃんとのび太さんは相変わらずね」
うーん、なんだこの収拾しきれない状況。
そういえばドラえもんに限らずあの作品のキャラって意外と口悪いよなぁ、なんて思いながらああだこうだと言い争う二人が落ち着くのを待つ私達なのでありましたとさ。*4
「はてさて、二人が落ち着いたところでこれからの話をしようかと思うんだけど……」
「このゲームに、ひみつ道具が使われてるかもしれないんだっけ?」
「それだけではなく、場合によっては甚大な被害をもたらす可能性も懸念されているのです。それが単なる杞憂なのか、はたまた切迫する危険なのか……そこを見定めるためにも、私達は隠れているひみつ道具を見つけなければならないのですが……」
「相手が無意識に隠れてるから、それを見つけるのは困難どころの話じゃない、ってことだね。……うーん、ボクもポケットの中身がちゃんと存在してるなら手伝うんだけどなぁ」
「ひみつ道具のないドラえもんとか完璧に映画だよね」
「差し詰め『ドラえもんのび太のなりきり郷漫遊記』みたいな感じかしらねぇ」
言い争う二人がようやく静まったころ。
このまま先の話をしないのもおかしい……みたいな様子を相手には見せず、自然な流れで話を変えたかのようにして彼らにこれからの行動について軽く説明した私である。
その甲斐あってか違和感を持たれることはなかったようで、順当にひみつ道具云々の話について触れることができたわけだけど……ふむ、どうにもドラえもんはひみつ道具を持ち合わせていない様子。
その辺りはシュウさんとかで予め示唆されていた通り、『本人が機械である場合・もしくはキャラクター性に関して特定の機械が重要となる場合はともかく、付随物としての機械の再現は原則行われないのがデフォ』である、という話から推測できた話ではあるが、こうして本人の口から明言されるとそれはそれで反応が違うというか。
……なお、同じ問題を抱えているはずのドラミちゃんの様子も、ドラちゃんの方とさほど変わりはない。
私もお兄ちゃんと同じでひみつ道具はほとんどないのよね、と言われてしまえばそれで納得するくらいの反応であった。
まぁ、何度も言うようにひみつ道具ってある種の願望器だから、ぽんぽん出されても困るしこれでいいのだが。
ただまぁ、豊富な失せ物探し系ひみつ道具が使えたら楽だったろうな、という気持ちもなくはない。
なんなら『取り寄せバッグ』とかで何もかも無視した解決策を提示する、なんてこともできる辺り無茶苦茶だよなぁとも思うのだけれど。
「やっぱり考えれば考えるほどあの世界の未来、よく秩序を失わずにいられるものよねぇって不思議になるのよね」
「最近でた新しいゲームだと、確か未来デパートで使える専用のコインがあるのよね。円の価値とか暴落してそうだし、特に違和感はなかったけど」*5
「あのゲームはそれ以外に話題になるとこ多すぎでは?」*6
……しまった、タイミングがタイミングだけにゲームの話題が広がりやすいわこれ。
そんなわけで話題の軌道修正をしつつ、改めてひみつ道具探しを続ける意向を示したんだけど……。
うん、正直ドラえもんドラミのコンビをこのまま連れ回すのは正解なのか、って部分には答えが出ないままであったことも間違いないのでありましたとさ。
……いや、本当にどうしようっていうか、どうなってるんだろうねこの二人?