なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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トップは一人、このエリだ!(?)

 はてさて、ハロウィンをテーマとして設立祭の出し物を考えることにした私達。

 基本的にはハロウィンの権化・エリちゃんを中心にしたあれこれを考えることになるんだけど……。

 

 

「別にどんな感じのやつでもいいわよ?今年のハロウィンゲージはそこまでのパワーでもないし、そもそも公式のやることに被るとかもないでしょうし」

「……まぁうん、本家本元(あそこ)のトンチキパワーにたかがファンの妄想が叶うわきゃない、ってのは確かだけども」

 

 

 プリテンダーエリちゃんとかなに食ってれば考え付くんだ、っていう論理の飛躍だったからね。

 まぁ、冷静になって考えてみると『役を羽織る者』という説明に一番見合ってたのもエリちゃん、っていう不思議なことになってたんだけども。*1

 

 ……ともかく、去年みたいにとんでもないことになる余地はほぼなく、また公式の挙動を気にして縮こまる必要もないというのは間違いあるまい。……ないんだけども。

 

 

「同時にエリちゃんのハロウィンに求められているのって、奇想天外奇抜奇天列な展開だろうからさー。生半可なものにはしたくないというかできないよねー」

「ですね」

「……ちょっと待って子ネコ?実は今までのあれこれで大層恨みを買ってるとかないわよね私??その思考の先に見えるのは大々的な破滅のような気が滅茶苦茶にするんだけど!!??」

 

 

 気付けばFGOも早九年、思えば遠いところまで来たものである。

 そしてそこに至るまでに積み上げられて来たものというのもまた、とても遠いところまで行ってしまった。

 

 ……言い換えると、それに伴った期待感というものもまた、相応に積み重なってしまっているのである。

 結果、二次創作であれ生半可なものは端から淘汰される羽目になっている、というか。……それは昔っからそう?せやな。

 

 まぁともかく、やるんなら派手にやらないと納得されないし見ても貰えない、というのはある意味間違ってないだろう。

 それを踏まえると、中途半端に縮こまったエリウィンとか誰も望んではいないということになるわけだ。

 

 

「つまり、我々はエリちゃんを旗印とし、意気軒昂と世界に殴り込みをかけなければならんのだ!オールハイールエリー!!」

「「「オールハイールエリー!!」」」

「ねぇ!!?私が悪かったのよね!?多分私またなにかやらかしたのよね!?!?謝るから止めて!!なんかもう色々と酷いことになる予感しかしないからマジで止めて!!?」

「───って感じのノリで行こうかと思うんだけどどうかな?」

どうかなじゃないわよ温度差どうにかしなさいよ子ネコォーっ!!?

 

 

 ……はい、もちろん単なる悪ノリです()

 いやー、ここのエリちゃんってば弄り甲斐があるからついつい……。

 でも、やることの方向性としてはそう間違ってもいなかったり。

 

 

「───はい?」

「エリちゃんのエリちゃんによるエリちゃんのためのハロウィン、ってコンセプトになるのは間違ってないってこと。みんなで仲良く愚民になろうよって感じのノリ?」

「…………はい???」

 

 

 よくわかってない、とばかりに困惑するエリちゃんに対し、私達は今回の出し物の要項を説明したのであった。その結果、

 

 

「……ええ、ありなのこれ。私が言うのもなんだけどありなのこれ?」

「まぁ、普通なら無しだよね、コンプラとか色々言われそうだし。……でもここはなりきり郷。なんでもありの混沌を受け入れる坩堝。面白みと楽しさのためなら自身のことすら投げ捨てる狂人達の集う場所……」

「いや、流石にそこまで極まったような人はそんなにいないんじゃ……」

「いいややるね!なにせここにいるのは一般人ではなく『逆憑依』!本人の尊厳ではなくキャラクターとしての矜持が関わるのなら、多少の恥は掻き捨てってもんよ!」

「な、なるほど?」

(完全に勢いでごまかす方向に行ってるわねキーアってば)

(エリザベートさんは普段の言動でごまかされがちですが、その実知識や経験はしっかりと持ち合わせたご令嬢ですから。一旦冷静になられてしまうと問題点にもあっさり気付かれてしまう恐れがありますので)

(端から勢いで押しきる方がよい、というやつだの。……普段は相手側が勢いで押しきってくるからわからぬ話だが)

 

 

 ……なんか外野が後ろでひそひそ言ってる気がするがスルー。

 こちらとしてはこのままエリちゃんを丸め込み、今回のコンセプトを認めさせるのが大前提なのだ!

 

 ってなわけでそこからも押せ押せで持論を展開し、私は見事エリちゃんに今回の提案のほぼ全てを呑ませることに成功したのであった。

 ……悪い人のやり方とかいう抗議は聞こえませーん。

 

 

 

 

 

 

 はてさて、やることすることほぼ決まった以上、他に手を付けるべきことと言ったらそのための準備……ということになる。

 なので、各種準備を他の面々に振り分けた私は、そのまま今回の企画書をゆかりんに提出するため外へ出たわけなのだけれど。

 

 

「ふむ、他の人達も元気に準備してるみたいだねぇ」

「それはいいんだけど、私の気のせいじゃなければなんか単純なお祭り以外の準備も進んでる感じじゃない?」

「お、目の付け所がシャープだねモモイ」

(……シャープ?)

「不思議そうに首を傾げないで頂戴、ジェネギャで悲しくなるわ。……それはともかく、みんながみんな単純に設立祭の準備だけを進めてるわけじゃない、って見抜いたのは中々の観察力だと褒めておこうかしらね」

「え、えへへへ……」

 

 

 照れたように頭を掻いているモモイが指摘したように、周囲の人々は設立祭の準備だけをしているのではない。

 よく見るとリースや正月の飾り付けなども一緒に置いてあるというか、祭の準備の後ろに()()()()()()()()()を隠しているのが確認できるはずだというか。

 

 

「海外のこの時期って祝い事が連続するからまとめて祝ってたりする、って話を聞いたことはある?」

「え?えーと、確かクリスマスと新年を祝うのが一緒になってるんだよね?」

「そうそう。だからなりきり郷でもその辺りまとめて祝ってみようっていう提案が出たのよ」

「なんか今すっごくとんでもないこと言われたような気がするんだけど?」

 

 

 それはなんのためなのか。

 答えは迅速に祭の形式を切り換えるため。

 設立祭の終了と同時にクリスマスムードに速攻で切り換えよう、なんならそれが終わったらさらに正月の準備に速攻で切り換えよう──という人々のリクエストに答えるための策の一つなのである。

 

 元々、十月の前後はイベントらしきイベントが少ないという話をしたと思う。

 秋と言えば色々思い付くものの、そのどれもが『秋という季節』に基づくものであり、十月の固定行事ではない……ということを根幹としたこの話は、裏返すと()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という風に解釈できてしまう。

 

 これが中々に難しい話なのだ。

 本来ならそんなこと気にするのは物書きくらいのものなのだが、ことなりきりという遊びに関してはそうでもない。

 私達は物書きではないものの、()()()使()()()()()()()という遊びを行っている存在。

 それゆえに、話題の提供力と言うのは活動の上での死活問題となるのである。

 

 以前から何度か『日常ものは難しい』みたいな話をしていたと思うが、それはなりきりにとっても同じこと。

 質問に対して答えるという質雑形式ならまだなんとかなるが、チャットタイプのものだともう大変。

 キャラクターになりきらずとも日々の話題なんて会話し続けてれば枯渇しかねないのに、なりきりだと余計のこと枯渇してしまいかねないのだ。

 

 まぁ一応、リアルの話を色々とぼかしながら使うことで幾らかごまかすこともできるが、それも一時しのぎのもの。

 単なる雑談ならともかく、なりきりとしての雑談は延々とやり続けるのは難しい・不可能に近いものなわけだ。

 

 ゆえに、リアルの出来事をキャラクターとしてどう思うか、みたいな形で話題を引っ張るというやり方がある。

 こっちはリアルはリアルでも中身にとってのリアルではなく、現在の季節とそれに関する事柄のことを指しているわけだが……。

 例えば正月なら初詣に行ったていで話すとか、はたまた七草粥を食べたていで話すとか。

 

 要するに、そのキャラクターが実際にその行事に関わった時にどういう反応をするか、というところを話題の提供として使うやり方……ということになるだろう。

 

 

「……普通のことじゃない?」

「とんでもないとんでもない、自分が体験したことを書くんじゃなく、そのキャラクターが体験したという仮定で書かなきゃいけないんだ。演じる人の想像力一本勝負になるからまさに言うは易し行うは難し、なんだよ」

「ほへー」

 

 

 なまじ自分の感覚前提で書いてしまうと、本来そのキャラが取りうる反応と変わってしまいそこから周囲が違和感を覚えるきっかけになってしまう……みたいな?

 

 まぁその辺の悲喜こもごもはともかく、なりきりとして話題提供の糧となる『行事』というのはとても重要だ、ってのは間違いあるまい。

 なので、その『行事』というものを可能な限り増やしていくのがなりきりを・ひいては物を書くコツである──とも言い換えられるわけだ。

 ……正確には物語を長く続けるコツ、というべきだが。

 

 

「とまれ、これが()()()()()()()()()という姿勢を肯定するものであることだけは間違いないね。──刺激がなくなった娯楽は飽きられるのが常、例えそれが自分が娯楽を提供する側であったとしても変わるものではない……って話?」

「……ええと、その話がこの状況とどう繋がるの?」

「単純なことだ友よ、十月いっぱいは設立祭で話題を稼ぎ、十一月になった途端にクリスマスムードにしてさらに年末まで伸ばし、年末になったら元旦気分で一月末まで乗りきるって寸法よ!」

「なんかすさまじく雑な計画が飛び出してきたんだけど?!」

 

 

 なにが雑なもんですかこれこそ正解の道だよ!

 ……とまぁ、ある意味ずぼらにも聞こえる準備のやり方についての講釈を垂れながら、モモイ達と道を歩く私なのでありましたとさ。

 

 

*1
ヴォーティガーンをやってるオベロンを筆頭に、プリテンダーは何かしらの別要素を持つ存在である。……のだが、大抵のプリテンダーが真っ当に理解しようとすると込み入った話を必要とするのに対し、プリテンダーエリちゃんはかなり素直な設定であり存在の奇抜さからすると優等生、みたいなことになってしまっているのであった。なんでさ

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