なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
神断流・飛び道具の型。
とある世界の誰かが自身の持てる全てを賭けて作り上げたギミック拳銃。
コンセプトからして破綻しているそれを成り立たせるのが
具体的には二丁の拳銃・およびそのアタッチメントパーツが合体・変形する。
ゲテモノ揃いのハロウィンにぴったりの逸品。
「ああああああああああああ」
「うわぁ……」
流石に口で説明する元気がなかったので、解析結果を紙に書いたんだけど……案の定みんながドン引きしてる。
というか、明らかにライフルにしか見えなかったのに手元で組み換えたら二丁拳銃になった辺りで既に引いてたというか。
どういう構造してんねんこいつ、みたいな?
……はい、説明文にある通り【星の欠片】としての性質で無理矢理成り立たせている厄物EXですね、こいつを作ったのは誰だ(白目)
「ええと……色々ツッコミたいんだけど、どこからツッコんでいいやら……」
「あーうん一から十まで徹頭徹尾わからんってやつでしょ、顔を見ればわかるよ。……説明するのはいいんだけど長くなるからなにか頼むといいよ……」
「え、やった!じゃあパフェとか頼んでもいーい?」
「結構しっかり食う気だこの子」
はい、現在の私達はとある店に飾られていたライフルを買い取ったその足で、近くの喫茶店に入店した状態。
このまま長時間場所を独占する形になるのは目に見えているため、迷惑料代わりにいくつか注文をするようみんなに告げた私である。
……まぁ、それを聞いた途端颯爽と一番高いジャンボパフェに食い付くモモイはどうなっとるんじゃ、って気分にもなったわけだけど。
ともあれ、高いものを頼んだ方が店のためになるだろうってのも確かな話。
それゆえ呆れるだけに留めて視線を机の上のライフル……もとい二丁拳銃に向けたわけなんだけど。
「ええと……まずその『飛鷹』ってのは?」
「この子達の名前……って部分が聞きたいわけじゃないよね?」
「まぁそうね、どっちかというとその後に続く部分の方が気になるというか」
まず疑問の一つ目、『飛鷹』という名前について。
これはこの二丁拳銃の名前であると同時に、その後に続く説明文の通り『神断流』に関わる名前でもある。
「飛び道具の型って書いてあるでしょ?そもそもの話として、『神断流』っていうのは武術の流派なんだけど……取り扱う武器種によって派閥?みたいなものが別れてるのよね。分かりやすい例えにすると……新陰流にもいっぱい流派がある、みたいな感じというか。VR新陰流とか?」*1
「わかりやすいけどそこでそれを出すのは色々と違くない?」
「わかりやすさ優先だからそれでいいのよ」
ざっくり言うと、『神断流』の中で飛び道具──射撃武器を扱う流派のことを『飛鷹式』と呼ぶのである。
この間使ってた『鷹狩』なんかも、正式名称にすると『神断流飛鷹式・鷹狩』みたいな名前になるわけだ。
……もうこの時点で嫌な予感がしてくるかもしれないが話は終わらない。
飛び道具全般を扱う流派である『飛鷹式』は、曲がりなりにも【星の欠片】の一つである『神断流』に属するため、その性質を幾らか持ち合わせている。
具体的には、特性を活かしての再現技法としての成立、ということになるだろうか。
「前にも一度説明したことがあるかもしれないけど、『神断流』ってのは
「……なるほど、つまりこの銃は?」
「ええまぁはい、撃った弾が曲がる『鷹狩』とか使える感じになりますね」
「うわぁ」
今さっき、『神断流』は頑張れば誰でも覚えられると述べた。
それは言葉通りの話であり、ゆえにこそ鍛練が嘘をつかないということになる……のだけど。
それは裏を返すと、
伝説の武器を入手したら同時に特殊な技を覚える、みたいなことにはならないと言うわけだ。
……うん、普通はならないんだけどね?
この『飛鷹』に関しては話が別。
これは『飛鷹式』という概念そのものを武器化したようなものであり、先ほどの例における『伝説の武器』に見事該当してしまうのである。
それだけだとまぁ、今しがた述べた通り曲がる弾とかが撃てるようになる、ってくらいのものにしかならなさそうだけど……。
「そうだけど?」
「弾が曲がる技しか存在しない、なんて話でもない限りまったく安心できないでしょってことよ!頭が痛いわマジで、こいつ持ってたら自動的に隕石の雨霰を降らせることができるようになる、って言ってるようなものなんだから!」
「ひぇっ」
なんだっけ、確かブルアカには隕石を降らせるスキルを持つ子がいるんだっけ?*3
これを持つとみんなそれができるようになる、といえばなんとなく恐ろしさがわかるだろうか?
……まぁ、『飛鷹式』のそれはいわゆる大魔法とかのそれになるので、破壊規模は比べ物にならんだろうけど。*4
「え、どういう原理なのそれ」
「知らん!」
「ええ……」
「さっきも言った通り、『神断流』の技はどこかの誰かがそれを為して見せたこと、それそのものを誉れとして刻み再現するもの。だからやった本人ならともかく、それを使わせて貰ってる側の私達に詳しい原理とかわかるわきゃないのです」
というか、不明な原理を代替してくれているのが【星の欠片】としての性質なので、真面目に考えるだけ無駄だというか。
……そもそもの話、奇跡的な偶然が重なって起こせたような現象であれ、『神断流』の技として登録されたら誰でも使えるようになるんだからそんなもん、としか言いようがないってんですよ。
「そもそもステラ相当の技とかあるんだぞ、真面目に考えるのがバカでしょ」
「えっ」
「ステラって……まさかとは思うけど、あの?」
「そう、あの。五体爆散と引き換えに国境を作った伝説的な弓兵・アーラシュの宝具だよ」
ほら、真面目に取り合うだけ頭が痛くなる、ってのもわかるでしょ?*5
……なにがあれって、ある程度のダメージを術者も受けるけど普通に誰にでも使える技になってる、ってことだよ。
爆発四散しないだけでも十分な気がするけど、その辺出力が下がっているからフィードバックも少なくなっている、ってだけの話なのでなんなら本来の用途通り自身の命と引き換えの超攻撃、みたいな瞬間強化もできるってんだから堪らないね。
……因みにだけど、徒手空拳系の『神断流』に自身へのダメージを減らす技と再生力を増やす技とかがあるので、それが併用できる人間は連射することも(色々キツいけど)可能だったりする。ガッツ付与式ステラかな?
今しがた話題にあげたのはアーラシュさんだったけど、他にも有名な弓矢使いの逸話は『飛鷹式』の技として登録されていたりする。太陽を射ち落とすとか。*6
本来、その辺のとんでも技は『神断流』の中でも奥義に区分され、相応の鍛練をしないと覚えられないようになってるんだけど……。
「ま、まさか……」
「はいその通り、こやつを持ってるとその辺の技も即座に解禁されますねぇ!デメリットそのままだから迂闊に使うと死ぬほど酷い目に遭うけど!」
ほら、この拳銃の厄さが見えてきただろう?
……この時点でお腹いっぱいなのに話はまだ続くとかなんの嫌がらせなんだろうね?(白目)