なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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祭を指折り待ちながら

(´^`)「なんだか大変そうなんだし」

「いやー大変は大変だけどなんとかなってるし?」

(´・ヮ・)「うまくいってればそれでいいです?」

「今んとこはそれでいいかなー……」

 

 

 トラブルの芽を潰すことばかり考えてると良くない傾向になりそうだし?

 ……ってなわけで、ルドルフとビワと共にゆっくりしている私である。

 まぁ、ゆっくりしていると言ってもなにもせずぐだぐだしているわけではなく、祭の準備のための東奔西走の中で、束の間に現れた短い休憩を精一杯満喫している……みたいな方向性なのだが。

 

 なんでそんなことになったのかって?

 そりゃ勿論、休まなきゃやってられないからですよ……(白目)

 

 というのも、だ。

 そもそもなりきり郷における設立祭というのはそれこそ学校の文化祭と近い様相のもの。

 自身の属する集団と力を合わせ、一つの出し物を提供するという陰キャには凄まじーく噛み合わない仕様の……ああいや、陰キャ云々はここでは関係ないか。

 まぁともかく、所属人員が全員協力することを前提としたものである、という風に考えておけば間違いないだろう。

 

 この『所属人員全員で協力』というのが曲者なのである。

 学校の文化祭を例に挙げたが、そこから問題点も想起できるはず、とも付け足しておけばわかりやすいだろうか?

 ……はいそうです、文化祭って自分のクラスの出し物だけじゃなく、委員会とか部活とかの出し物も手伝わなきゃいけないですよね。

 

 それは設立祭にしても同じこと。

 例えばマシュならラットハウスの手伝いがあるし、ルドルフ達たぬきな面子も大本の存在であるビッグビワ(ケルヌンノス)の出し物の手伝いがあるわけだ。

 

 それだけではない、ここからさらにマシュの場合だとアルトリアを含むFGO出身キャラクター達の出し物への参加も含まれていたりするし。

 ルドルフ達の方もウマ娘──タマモとかオグリのやってる出し物への手伝いなんかも作業内容に含まれているのだ。

 

 そんな感じに、一つの集団だけに属している……みたいな面子はほとんど居ないため、大抵の人間が仕事の掛け持ち状態に陥っているのである。……過労死でもするつもりかな?

 

 まぁ一応、作業の負担云々はどこの集団にも絡んでくる話なので、メインの出し物以外の手伝いは最低限に収まるように……みたいな配慮がされてるみたいだけど。

 例えばマシュなら前年から引き続きラットハウスでのあれこれがメインだし、ルドルフとビワはたぬき関連がメインとなっており、それ以外の手伝いは比較的簡易なものが回されているとかなんとか。

 

 ……はい、そんな当たり前のことなんで今さら言い出したのか、ってのは今年と去年の違いを例示する方が早いから、なんですね。

 そう、今年は去年と違ってうちの集団が出し物出すところとして認識されているんですよ。

 実際言い出したのはこっちだけど、そもそも一学級作れるくらい居候が増えてる方がおかしいというか。

 ……まぁ、ちょっと前にも触れたけど前回の祭から一年そこらで居候が倍になったせい、って部分もなくはないんだけども。

 

 

(´´^`)「流石にこれだけ増えるとなにもやらない方があれなんだし?」

「まぁうん、そうなるねぇ……うちの所属じゃないルドルフにはわかんないかもだけど、朝食の時とかかなり騒がしくなってるんだよ今」

(・ヮ・)「ひといっぱいでたのしいですなー」

 

 

 ……うん、ゆかりんから『流石にその人数になるとたまたま共同生活してる、って風に他の人達から認識されるのは無理じゃないかしら。そもそも隣のよろず屋は貴方達より人数少ないのに一団体扱いだから余計のこと……みたいな?』とか言われちゃったからね、流石に今年もなにもなし、ってのはあり得ない話なんだ(遠い目)

 まぁ、別に彼女に言われずとも親睦を兼ねてなにかやろう、みたいなことを言い出す可能性は高かったんだけども。

 少なくともうちの居候は一人でいたい、みたいな主張をしてくる人もいないし。

 

 ともかく、そんな感じで去年と比べて明らかに仕事が増えたわけなんだけども。

 ……うん、さっきから言ってる通り、所属集団が多ければ必然準備のために駆り出される時間は長くなる。

 長く時間を独占されるようになればなるほど、他の作業への参加率は下がっていく……。

 要するに、人手が足りなくなるのである。

 

 

「お陰さまで私ゃ分身フル稼働だよ。ついこの間電脳世界に一人置いて来たばっかりなのにさらに複数人追加だよ」

(´^`)「お疲れさまだし……」

(・ヮ・)「てつだいにふえるです?」

「その気遣いはご遠慮しておきますです」

 

 

 フェアリー率挙げて余計なことになられても困るんでね。

 ただでさえハロウィンがあるのにそこに妖精さんなんて突っ込んだらとんでもないことにしかならんわ。

 ……ってわけで、ビワの提案は丁寧に断った私なのであった。

 まぁ、若干以上に断腸の思い*1であったことも確かなんだけど。人手が足りてないのは本当のことだし。

 

 ……いやね?

 うちの居候達って意外と交遊関係が広いのよ。

 普段あんまり外に出るイメージのないかようちゃんですら料理関係のネットワークを独自に気付いていたりするし、本気で外に出てない・出られないCP君ですら似たようなもの。

 要するに、うちが出し物のメインの人ってのが居ないんですよ。……まぁ、今年唐突に増えた区分なんだから仕方のない話でもあるんだけど。

 

 なんなら今年増えた組ですらいつの間にか所属集団が増えてる辺り、どいつもこいつもコミュ強だなって気分になるというか。

 ……え?お前はどうなのかって?意外と手伝いに行かないといけないとこ多くて困ってますが?()

 

 

(´^`)「具体的にはどこを手伝ってるんだし?」

「ルリアちゃんとかがメインにしてる『tri-qualia被害者の会』とかはかなり関わってるね。まぁあそこはうちの居候じゃないってだけで、ほぼほぼうちの関係者だってのも大きいけど。あとはゆかりんと侑子とミサトと一緒に『酒飲みの会』とかもやってるし……ああそうそう、シュウさんに誘われて前回のハロウィンでボスにされてた人達の反省会?みたいなのの手伝いもしてるかな」

(´´^`)「なんか思った以上に引っ張りだこだし……」

 

 

 なお前回のハロウィンの反省会、って話だとスカジとかキリアちゃん達とかも含まれてますので意外と規模が大きいです()

 何故かあの時限定のはずのエリザベート達も普通に含まれてたし。メカエリちゃんとか。

 

 ……まぁともかく、交遊関係というか顔の広さって面だと私が一番大概な話、身一つで足りるはずもなく分身大稼働ってわけなのですよ、はい。

 お陰さまで各分身から送られてくる情報やら経験の処理やらで常に休み続ける私が一人必要になるレベルというか……。

 

 

「……はっ!?これってまさかここにいる私がキーア達の中の裏切り者になるフラグ……?!」

「いやそれはない。そもそも君が主人格だろうに」

「……わざわざリアルルドルフになってまでツッコむ必要なくない?」

 

 

 確かに私は天竜人なんぞに興味はないけどさぁ……。*2

 ついでに言うと私は精神的に大変だけど、他の分身は肉体的に大変なのでその辺を思うと文句を言う意味も理由もないというか?

 

 ……そんなわけなので、素直に休憩を満喫している私なのであります。

 ついでに言うと他の面々が忙しそうなのもあって、家の留守も自動的に預かる形になってたり。

 普段なら誰かしら他にも人が居るんだけど、この時期というか今回はみんな忙しそうだからねぇ……。

 

 

(´^`)「なるほどなんだし……あっ、そろそろ私たちも出掛けるんだし」

(・ヮ・)「いってきますですなー」

「おおっといってらっしゃい。準備頑張ってねー」

「「はーい」」

 

 

 そんなことを言っているうちに、二人の休憩時間も終わってしまったようで。

 こちらの膝から飛び降りていったビワと、それから隣でミカンとか食べてたルドルフがうちを出ていくのを見送り、改めてこたつに入り直す私。

 ……秋になったこともあってほんのり肌寒くなり引っ張り出してきたこたつだけど、やっぱり抜け出しにくい魔力があるなぁ、と適当なことを考えつつ。

 

 

「……うーん、どこもかしこも忙しい……」

 

 

 再び、分身達から送られてくる情報を処理する仕事に戻る私であった。

 うーん、情報の濁流に揉まれる今日は地獄の如く……。

 あと数日で祭開始とはいえ、それまでずっと続くのは疲れるなぁ……どうせなら情報処理用にもう一人分身用意するかぁ……?

 それこそ反逆フラグ?そっかー(てきとう)

 

 

*1
はらわたが千切れてしまうほどに辛くて苦しい思いを指す言葉。世説新語(せせつしんご)と呼ばれる中国の逸話集の中でも『黜免(ちゅつめん)』第二十八の話にあたるものがその由来。そこでは『桓温(かんおん)』という武将の部下が小猿を捕まえて連れてきてしまう。結果その母に当たる猿が、必死に河を船で下る彼らを追い掛けて来たのだが、船に飛び乗って来た際にそのまま力尽きて死んでしまった。なぜ事切れたのか不思議に思い母猿の腹を裂いてみると、なんと小猿と引き裂かれた悲しみに腸がねじ切れてしまっていた……という話。なお、それを聞いた桓温は小猿を捕まえた部下を首にしたとのことである。なおストレスによって腸がダメージを負う、というのは実際に人間にも起こり得ることであり、そこから考えると腸がねじ切れるほどのストレスとは如何ほどのものか、と考えざるを得なかったり

*2
『ONE PIECE』より、世紀の大天才『ドクター・ベガパンク』の作った(サテライト)の一人、『(ヨーク)』のこと、及び彼女がやったことから。本来の彼女は三大欲求を他のサテライト達に代わりに処理することを目的としていたので、それを『ストレスの解消』と解釈した際に現状のキーアに見立てられる……という意味合いでの選出。そのあとの裏切り云々は作中での彼女のやったことを参照。三大欲求だけを切り分けたつもりが、『欲』の名前通り大きな欲をも受け持ってしまったからこその悲劇、とでもいうべきか

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