なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、色々不安な中始まった『星女神』様の案内だけど、今のところは特に大きな問題もなく進んでいるのであった。
……まぁ、ささらさんは相も変わらず固まっているんだけども。
案内してるのも今のところはジーク君の方というか。
でもまぁ、それも仕方のない話。
そもそもささらさんの認識だと『星女神』様はそれこそ社長に相当する相手だけど、そんな彼女に対しての接待を教えると声を掛けてくれたのもまた別の
そりゃまぁ、緊張するのを止めようと言われても止める余裕が捻出できないだろうなー、というか。
雑に言ってしまうと、両サイドから問題に挟まれているようなもの、ってことになるわけだし?
とはいえ、個人的に言わせて貰うと、私が間に入ってない状態で『星女神』様とほぼ一対一で対面する羽目になっている……みたいは状況よりかは現状が恵まれていることも事実。
そのマシじゃない状況は、これから十数日後に確実にやってくる未来でもあるわけなので、どうにか今回のあれこれで相手に慣れて貰いたい……と思わざるを得ない私である。
前回も言ってたけど、『星女神』様の相手に関してはほぼほぼささらさんに任せるしか選択肢がないわけなのだし。
「……そういえば、今回のキーアは色々と忙しいんだったか」
「まぁ、忙しいってのは今回に限った話しでもないんだけど……それ以上に
「むっ」
前回私はその理由を『私自身が今回あれこれと忙しいから』という風に説明したが、実のところそれよりももっと大きな理由、とでもいうべきものが存在していたりする。
それが【星の欠片】に関わる人間の中で、ハロウィン中の用事が一番少ないのがささらさん(次点でジーク君)だから──というものなのであった。
今回の設立祭、基本的には参加者当人の交遊関係の広さが、そのまま参加者としての忙しさに結び付いている……というのは今まで述べた通り。
それを前提とすると、今回一番忙しいのはあちこち顔の知れ渡っている私ってことになるんだろうけど……同時に、ささらさん達の交遊関係の狭さが浮き彫りになる、というか。
いやまぁ、普段のご近所付き合いとかはやってるとは思うけどね?
ただそれはそれとして、特定のコミュニティに所属している……みたいな方向性だと範囲が狭い方に区分される、ってのもまた事実。
それは何故かと言うと、彼女達が基本的には自身の領地に引きこもっている……というと言い方は悪いが、ともかく単一のコミュニティ以外に所属していない、もしくはその気がないように見えるから、というところがとても大きい。
「まぁ、【星の欠片】としてはその反応が正しい、ってのも間違いじゃないんだけどね?今がどうあれ本来【星の欠片】は世界を滅ぼすモノ、その使命を避けたいのであれば関わる相手を絞るべき、ってのは寧ろ正しい反応ってやつに区分されるわけだし」
あれだ、【星の欠片】としてはあまり
言い換えると『それができない方が問題』なので、そのつもりがないのなら火種になりそうなことは避けた方がいい、っていうのは当たり前というか、最低限の心構えに近いところがあるというか。
……だからまぁ、彼女が普段ジーク君と一緒に元の世界で暮らしている、というのは他の人と共生しようという【星の欠片】としては褒められて然るべき行動、みたいなことになるわけである。
「あるんだけども、そのお陰で今回の設立祭だと唯一レベルで暇な人になっているというか……」
「ああなるほど。この祭では
「単に知り合いってだけだと出し物一緒にやろう、なんて誘われるわけがないからね」
どっこい、今回の設立祭だとその美徳が反転?する。
ここでの出し物というのは、いわば同好の士とか関わりの深い相手と共同で出すもの。
ゆえに、こちらの人間と精々ご近所さんレベルでの付き合いしかしてこなかったささらさん達は、それらの話に誘われる理由がまっったくないのである。
辛うじて私とかオルタとかがその対象になるかもしれないが……その場合、今回の私みたいに
なんでかって?お前、一人だけ親しい相手に連れられて顔見せするサークルとか気まずさの塊でしかないでしょ……。
その一人以外全員見知らぬ人、貴方と私は友達の友達……みたいな関係性で話が弾むのはよっぽどの陽キャだけなんですわ()*1
そんなわけなので、彼女が設立祭に参加する場合はほぼ確実に彼女達自身でなにかしらの出し物を出す、という形に落ち着くはず。
その結果次回以降知り合いなどが増え、そこから交遊関係が広がって来年の今ごろには他の人の出し物の手伝いをするようになっている可能性もあるだろうけど……。
「少なくとも今年その余地はなかった、と。……そうだな、確かに俺達は今回単なる観客側だ」
「そうそう。そして観客のみでいられるってことはこの場で誰よりも暇、ってことになるわけだよね」
まぁ、この理論で行くと一番暇なのって実はそこでニコニコしているお方、ってことになるんだろうけど……。
うん、それを指摘したところでなにか事態が好転するわけでもなく、寧ろささらさん側が更なる精神負担を強いられるだけなので言う意味がない、というか。
──おや、参加するつもりなら私もできることはありますよ?──
「おっと触れなかったのにそっちから触れるのは止めて欲しいですね。……ところで、仮に参加するとしてなにをやられるおつもりで?」
──ほら、一度やったでしょう、お悩み相談──
「……そういえばそんなこともしてたわこの人」
「ぎゃふんっ!!?」
「そして『星女神』様ですら意外と交遊関係広そうなのに自分は狭っ、って感じにささらさんが血を吐いたわ」
──まぁ酷い。ささらったら私のことそんな風に思っていたのね?悲しいわ──
「ぎゃあっ!?思ってません思ってません!そんな失礼なこと思っていませんからぁ~!!」
「……あ、ようやく口を開いた」
ここまで聞いて出てきた感想がそれ、って辺りジーク君って色々とマイペースだよね、と思わざるを得ない私である。キーアさんなのでした。
「ふむふむ、なるほどなるほど。そんなことがあったとは大変だったねぇ。……ところで、何故その流れでうちに来ることになるのかな君は???」
「川´_ゝ`)なに、気にすることはない」
川´_ゝ`)「それは私の台詞なのだが……」
はい、そんなわけで(?)やって来ましたのはラットハウス。
カウンター越しになんで来たテメェ、みたいな顔をしているライネスに対してはこう返しておこう。
「私以外だと一番問題の駆け込み寺になってるから、って言えばわかる?」
「……fack」
「そんなお義兄さんみたいなこと言わんでも」*2
いや、真面目にお義兄さんを笑えないレベルの渋面だったんだが?
とはいえその顔をする羽目になったのは、そこらで働いている上条君とかのせい……すなわち彼等を雇い入れた君自身のせいなので、精々一緒に苦しんでくれたまえ。()
「自爆覚悟で飛び込んでくる相手とか対処のしようがなくねーか……」
──あら、貴方ならそれくらいなんとかなるのではなくって?──
「上条さんにそんな変な期待を持たれても困るんですが?!」
──まぁ謙虚──
「不幸だー!?」
なお、背後では久しぶり?に再会した『星女神』様と上条君がコント染みたやり取りを交わしているけど、私としては下手に触って変なことになっても困るので放置の姿勢でございます。
……え?面白がってるだけだろって?知らんな。
あと、自身が弄りのターゲットから外れたことでささらさんが露骨にほっとした表情をしているけど、束の間の休息でしかないことを理解しているのかは不明である……()