なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「はい、二日酔いもなく元気元気、皆様ご存知キーアでございます」
「……いや、誰に向かって話してるんだお前……?」
はい、祭開始後二日目の朝でございます。
あのあとまだまだ飲みに行くというミサトと侑子と別れて一旦家に戻った私は、マシュ達への挨拶もそこそこにベッドに飛び込み就寝。
それから朝優しく起こされてはご飯を食べ、暫くみんなと談笑したのち今日の仕事場へと向かった次第なのでございます。
で、今日のお仕事仲間であるロー君はというと、暫くの間こっちに怪訝そうな眼差しを向けていたものの『いつものことか』とばかりにおもむろに視線を外したのでありました。
……なんか知らんけど甘く見られてる気がするな?
「そんなわけなのでここに呼んでもいい?」
「呼ぶって、誰をだ?」
「うちのとこのウイルスさん」
「お前それこの前言ってたやつだろ!?止めろよふりじゃないぞ絶対呼ぶなよ!?」
ふはは愉快愉快。
恐れ戦くがよいわ誰にも解決できぬウイルスの強さに!
……はい、不謹慎過ぎる気がするのでこの話題はこの辺にしときますね。
そんなじゃれあいはともかく、今日の参加先はロー君を筆頭とした医師達の所属する『見境なき医師団』*1である。
医師団と言っても、別になにか医療的行為を行うわけではない。
単に医師達が集まってなにかやる際にどんな名前がいいか?……ってなって出てきた案がこれだっただけである()
「なので、別に医師でもなんでもない私が混じってても問題はないのだ!」
「……?君は私と同じタイプだろう、なにを言っているんだ?」
「気功とかツボとか秘孔とかによる治療を含むんであれば、まぁそりゃそうとしか言い様がないんですけどね……?」
なお今回の私、実のところ医者ではないけど医療行為ができる人扱いでの参加だったりする。
いやまぁ『神断流』による治療とか【星の欠片】による治療とか、単なる医療行為より遥かに治療効果の高い技術を持っていることは認めるけどね?
でもそれって戦士がホイミ覚えてるとかケアル覚えてるとか、要するに応急処置的な手段として一応覚えてるだけなんだよなぁ……みたいな気分にならないわけでもない。
……その上で、たまーにトキさんとかに教えを請われたりするもんだからこの誘いを断りきれなかった、みたいなところがあることも事実だったりする。
治療の仕方なんて一つだけだと副作用やら治療そのものの困難さとかから苦労する羽目になるのは目に見えてるんだから、他の手段を模索するのは寧ろ医者なら当たり前の行動だろう、みたいな?
「特に『神断流』は自身が人間であるならば誰にでも覚えられるという。その中に他者への治療に使えるものがあるとなれば、それはもう教えを請うのが礼儀のようなものではないかと私は考えているのだがどうだろう?」
「あーはいはい、トキさんにそう言われると断りきれないのでほどほどにお願いしまーす」
……うん、個人的にも『醒気』とかはチート臭いと思っている。
考えた本人でさえそうなのだ、初めてその存在を聞いた人間ならその驚きは一入というものだろう。
……え?『醒気』ってどんな技なんだって?
相手をぶん殴って直す技ですがなにか?*2
まぁその話は置いとくとして、だ。
今日は彼らと一緒に行動することになるわけだけど、このメンツで一体なにをするつもりなのか?……という疑問が湧いてくるのが普通だと思われる。
なにせ医師の集まりなのだ、なにか治療に関する発表とかでもするの?……とか思われるのが関の山だろう。
それに関しては軽快なスクラッチ音と共にこう答えます、違います。*3
「祭にまで仕事を持ち込むつもりはないさ」
「気分転換も立派な医療行為として扱うべきでしょう。つまり私達が今回やるべきことはそちら、患者の心に寄り添うことというわけですね」
「……ナイチンゲールはいつも通りだな」
はい、今しがたトキさん達が述べました通り、今回このメンツでやることは気分転換。
……つまりアニマルセラピーですね(?)
そりゃナイチンゲールさんもどことなく受かれているというもの。だってこの人史実で大の猫好きだし。
ついでに言うと私も猫好きです。いやまぁ猫以外も大抵好きだけどさ。
「一番は猫だよねぇ~」
「そう!猫こそ至高!特にうちのよぞらはとっても可愛いぞぉー……」
「誰だ今の」
「最近うちに来たばかりの宇宙人」
「ええ……」
あまりに唐突な登場に反応しきれなかったんだが?
……ま、まぁあの濃さならそのうちほっといても出番をゲットしてるだろう、と襟首捕まれてドナドナされていく宇宙人、もといリザさんを見送る私達である。*4
気を取り直して、だ。
今回見境なき医師団がやる出し物はペットカフェ。
それもここでしか見られない珍しい相手をたくさん詰め込んだ特別仕様である。
「正直同じ『逆憑依』にそういうことさせるのはどうかと思ったんだが……」
「メイド喫茶みたいなもの、ってことで案外すんなり人?が集まったのよね」
「まぁ、【顕象】も普通に混じるからその辺気にするあれがない、ってことなのかもね」
あれだ、単なる『逆憑依』だと中の人がほんのり動物扱いを忌避させてくるけど、【顕象】は中身が無い分外見そのまんまのキャラとなるから、動物扱いされても特に気分を害する要素がないというか。
(´´^`)「だってたぬきはたぬきだし……」
(´・ヮ・)「そのへんぎもんをさしこむよちもないですからなー」
「ぴっか、ぴかっちゅ」*5
「げーん、げんげん」*6
「うにょーん」
「きゅー」
「ほわー」
……はい、そんなわけでここに集った動物メンバーなんだけども。
ちらっと見ただけでわかるように、うちのメンツが普通に多いんですよね……()
今は話してなかったけどパオちゃんとかCP君、カブト君にハクさんなんかもメンツに含まれてるし。
「……いやおかしくないかこれ?我悪鬼羅刹の白面の者ぞ?幾らなんでも気安すぎではないか?」
「そんなことよりMO☆FU☆RU」
「ぬわぁ止めぬかバカモノォ!?」
「あっはっはっ。いいぞーやれやれー」
「お主もここぞとばかりに煽るでないわ!?」
うん、なんだろうねこれ?()
というか人間型の人が混ざるなら医師組いらなくね、感も湧いてくるんだけど。
「それに関しては規模が大きくなった弊害ですね」
「あなたはミネさん!」
「……あなたにさん付けされると色々と変な気分になるのですが……まぁいいでしょう。本来であれば我々が動物型の方々の補助をする、という形で運用されるはずでしたが、今回このように半獣型の方も参加される形となり、結果として私達は最低限の救護のために待機する、という形に落ち着きました。……私としては、見知った生徒達と同じような姿形をしている彼女達がここに参加されることに幾ばくかの困惑を覚えないでもありませんが……」*7
「アライさんはこういうの楽しいから好きなのだ!」
「……とまぁ、このように相手側が許容してのるものを拒否するのも、ということになったのです」
「あーなるほど、アライさんが巻き込んだ形かこれ」
そりゃフレンズは楽しそうなこと大好きだから、積極的にイベント参加するよなーというか。
雰囲気的にそんなイメージあんまりないけど、そもそもバリバリの戦闘員だから多少の危険も気にしないし。
「なるほど、参加理由はよーくわかった。それはいいんだけど……」
「いいんだけど?」
「……いや、幾らなんでも規模が大きすぎるわ!なんだこの東京ドームレベルの広さ!?」
「上手いこと場所が借りられたからな。集まった動物達も多かったし、なんなら日頃の運動不足とかも一緒に解消して貰おうってことになったんだよ」
「それにしたって規模感おかしすぎるわぁ!!」
なお、現在私達がいる場所、借りてきたドームの中。
……いや、大型の動物もいるし、所属メンツ的にうちが一番多いと言っても数パーセント程度だから仕方ないけどさぁ!?
なんかこれ『ふれあいパーク』的な名前から想像できないような、半ば動物園の規模になってないかなぁ!?
……なんて風に叫んだ私は悪くない、はずだ。