なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「…………」
「あ、ビッグビワこんにちわ……ええとなになに、私みたいな巨大な存在まで迎えてくれて感謝してるんのす……?」
「中身が漏れ出てるような台詞だな」
うーんけるぬんのす……()
見渡すかぎりのもふもふの山、確かにこれはカワイスギクライシスである。そりゃリザさんも現れるわ()
……みたいな感想を抱きつつ、ドーム?内を歩いて回る私達である。
先述した通り、医師団の今回の出し物はアニマルセラピーを期待してのペットカフェ……なんだけども。
正味なところ、カフェ部分がまーったく見えてこない有り様なのでありました。
なんでかって?どう考えても飲み食いに適してないからだよ!!
「単一の動物でやってるカフェでも色々大変なのに、こんな多種多様な動物集めといて普通にカフェがやれるわけないじゃんね?」
「まず間違いなく動物の体毛を食事と一緒に接種する可能性が高まります。キチンと消毒され清潔に保たれた動物の体毛であれば、さほど危険性もないかもしれませんが……それを期待して対処を疎かにすることは許されません」
「フロー女史の言う通りだ。その辺りの対処は密に行わせて貰っている」
「具体的には俺の『ROOM』で細かいチリやゴミは全て排除されるようにしてる」
「うーん考えられる上で最上級の空気清浄システム……それでもやっぱり飲食の提供は難しいんでしょ?」
「そうだな……特に鳥は難しいからな」*1
いやまぁ、軽食とコーヒーが出せる時点でわりとすごいんだけどね?
でも犬単体、猫単体みたいなお店と比べると制限が多いのも間違いではないだろう、みたいな。
……ともかく、これだけ動物が闊歩しているにも関わらず、表面上普通の喫茶店っぽい顔をできているのは、偏にここに集まっているのが最高峰の医者達だからこそ。
ある意味では彼等がいるからこそできたこと、ということになるわけで……ふむ、そう考えると実に医者らしい出し物、ってことになるのかも?
……とかなんとか胡乱なことを呟きつつ、なにやら高いところにいらっしゃるミラルーツ……もといあさひさんを死んだ目で眺めている私である。
いや、なんでいるの貴方???
「うーんこっちの問いに答えるように尻尾をびったんびったんしてるけど、決して起きようとはしない……」
「最初は怒ってるのかと思ったのですが、どうにもあの状態でリラックスしているみたいですね」
「どういうことなの……」
まーったくわかんね()
丸まって目を閉じている彼女からは、なにを考えているのかは読み取れない。
読み取れないが、別にこの場を邪魔する気ではない、ということも伝わってくる。
……あれかな?ビッグビワが参加してるんだから一応参加しとこう、みたいなやつだったりするのかな?
どっちもなりきり郷が誇るでっかい生き物類だし。
「……ん?いや待った、その論理が正解だとすると……」
「ご想像の通り、あっちには
「ええ……」
そこまで考えたところで、そういえばトンでも動物類は別にあさひさんだけに限ったことではなかったな、と思い至る私。
それを察したかの如く案内された相手は、なにやら呑気にお茶してる荼毘君なのであった。
……うん、相変わらず真っ赤に燃えてるもんだからわかりやすいね!(やけくそ)
それと同じ席に何故かオルタとアクアもいたんですけどどういう繋が……ああそういえばこの二人グラードンとカイオーガ要素あるんだっけ……(白目)
「……動物カフェとは?(哲学)」
「気持ちが彼等なら彼等でよいのだよ」
「それ大分暴論じゃないですかね!?」
なんかいつの間にかトキさんの格好が初めて会った時と同じトキ(フレンズの姿)になってるし!ごついし怖いよ!
……みたいなツッコミをしつつ、やってくるお客さんを迎えたことをここに記しておきます。
「それを聞いた俺にどういう反応を求めているのだ……」
「そりゃ勿論、みんな安直に飲食店を出し物にしやがって、という愚痴ですがなにか?まぁこういう時にやるものとしてポピュラーなのはわかってるけど」
「それに関しては……俺達も他人を悪く言えないな」
動物達側が協力的なので意外と楽だった動物カフェの手伝いの次の日。
今日は手伝いではなくあくまで視察の類いだが……私はまたもとある飲食店系の出し物に顔を出していた。
その名もずばり『デュエリスト喫茶』。
遊☆戯☆王を主としたカードバトラー達が凌ぎを削る(?)出し物である。
……お察しの通り、なりきり郷ってデュエリスト多いから店の規模も大きいんだよね。
赤城さんやハーミーズは言うに及ばず、束さんとかココアちゃんとかマシュとかの他作品組も普通にいる辺り、その規模感も理解しやすい方だろう。
その上で普通に本編のデュエリスト達もいるってんだから、そりゃまぁ盛況にもなろうというものだ。
「ほらよ、『もっと腕シルクッキー』だ!味わって食べな!」
「ガッチャ!いい飲みっぷりだったゼ!」
「まぁ、居る人大抵主人公ばっかりなんだけど。……一応海馬さんもいるんだっけ?」
「ほぼほぼカイバーマンで通しているがな。……おい、なんだその目は。俺にも似たようなことをしろとでもいうのか?生憎だが今の俺にやれることなぞ新撰組の真似事くらいだぞ」
「それはそれでファンが湧きそうだけど……甲高い声で接客するだけでも結構いけるんじゃない?」
「……ハハッ」
「やめろジャック!それはヤバイ!キーアも面白がってやらせないでくれ!!」*2
……なんか別方向に話題になってる気がするって?気のせいじゃないかな()
冗談はともかくとして、だ。
このデュエリスト喫茶、その名前に反して店内でデュエルをしている人、というのは見当たらない。
それもそのはず、ここはあくまでも飲食専門の場所で、名前の由来でもあるデュエルに関してはというと──、
『レディース・エーンド・ジェントルメーン!!此度もこの時がやって来ました、デュエリスト・ショー!!今回は一体どんなデュエリストがその熱き魂を魅せてくれるのか!』
『期待に胸が高鳴っているだろう観客のみんなぁ!ミルクでも飲みながら待っててくれよぉ!それでは赤コーナー、挑戦者はこの人だぁー!!』
「……あ、今日は榊君とMCさんのコールなんだね」
丁度今しがた、店内に備え付けられたモニターに写ったのは、マイク片手にアナウンスをする二人の人間──榊君とMCさんの姿。
この店の地下に増設されたデュエルリングにて行われるデュエルを中継で見る……というのが、この飲食店での楽しみ方の一つでもある。
まぁ、なんか普段と違って変な方向にはっちゃけているため、ノリノリで電撃デュエルとかやり始めたりするんだけど。……地下デュエルかな?
「ある意味プロレスのようなもの、ということだな。遊矢も時々ズァークの憂さ晴らしにヒール役をしていたりするみたいだぞ」
「ふーん……ジャックさんはダーク☆キングとかやらないの?」
「やらんが!?」
あえて悪役になりきる、というのは意外と楽しいため、そっち方面の需要もあるとかないとか。
特に王様の『出口に向かってはしれー!』とか『覇王十代』とか、そういうのが人気になってるとかなんとか。
まぁ、覇王の方は最近新しいカードが発表されたこともあってタイムリーな面もあるんだろうけど。
「いやー、俺もビックリしたぜ。まさかネオスが覇王化するとはなー」
「私としては股間部分の覚悟が決まりすぎている、と話題になっていることにビックリしたがな」
「……そ、それは言わない約束だぜ」*3
全体的なイメージ元は完全に覇王になった十代なんだろうけど、下半身部分がね……。
そこ気にしなければ普通にカッコいいんだけどね、と思いながら画面を眺めていた私達はというと。
『まさかこの人がやって来てくれるとは思わなかったぞー!噂の女神様、『星女神』様のエントリーだー!!』
──よしなに──
「ぶふーっ!!?」
画面内に出てきた挑戦者に、思わず飲んでいたミルクを吹き出す羽目になったのでした。
……いやなんで居るの貴方!?