なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……ふ、普通に負けたな、あの人」
「まぁ、ズルとか一切してなかったし……あの人方向性的にはダークネスとかあの辺りと同じだから……」
「ああなるほど、デュエルそのものが強いわけじゃない、ってことか……」*1
あれかな、十代が話の中心になってたから話題を振りにきた、とかなんだろうか?
……などと、大仰に出てきたわりにあっさり負けて帰っていった『星女神』様を見ながら呟く私である。いやホントになにしに来たんだあの人()
というか外に出てくるの初日と月半ば、それから最終日だけって話じゃなかったっけ?
……などと思いながら帰っていく『星女神』様を眺めていた私だが、なんとなーく違和感を覚えたためじっ、と彼女の動きを注視。
「……あの人わざわざホログラム使ってやがる……」
「はい?」
「ほら、足元」
「えっと……うわっ、よく見たらデュエルディスクの影しかないぞ!?」
「なんだその無駄に高度な無駄な行動は!?」
その結果、『星女神』様本人はあくまでホログラム──実体のない映像であり、それに合わせるようにしてカードやデュエルディスクを浮かしている、という無駄に器用な仕様であることが判明したのであった。
わかりやすく言うと、本人は自分の家……もとい領域に残ったままで、テレビとかで現地の状態を見ながら遠隔で超能力とかを使ってデュエルしてた、という……。
デュエル中にその違和感に気付かなかった辺り、無駄に高度で無駄な行動だというジャックさんの指摘に頷く他ない私達である。
そもそもそれをした理由が『今日は外にいないはず』って事実を嘘にしないというためだけのもの、ってのが特に頭の痛くなる話というか……。
「そこ気にするところなのか?」
「まぁ、嘘を吐いたと後から詰られるよりは……?まぁ、そこまでしてデュエルしに出てきた意味がまっったくわかんないんだけど」
「遊びたかったんじゃねーの?」
「いやー……どっかのタイミングでデュエリストとして立ち塞がる機会があるからその予行演習でした、とでも言われた方が納得できるというか」
「なるほどなー。……ん、いやちょっと待ってくれ。それってもしかして俺達があの人と戦う可能性がある、ってことか?」
「さぁ?正直どのルートを想定しての行動なのかわからんのでなんとも」
「ええ……」
なお、なんでそんな面倒な真似までしてあの人が地下デュエルに参加していたのかは不明である。
考えられるのはなにかしらのタイミングでデュエルする機会があるのでその予行演習か、はたまたあの場に『月の君』様でもいらっしゃったか、くらいのものというか。
ともあれ相手が全く本気じゃなかったこともあり、不完全燃焼感溢れる表情で手前を見つめているカイザー君のメンタルケアの方が大事じゃないかな、と返してこの話は終わりとなった。
……今も昔も変わらずサイバーエンドでドカンなのね、君。
「いやおかしいでしょ、なんであの人わざわざ出てきてんのよ」
「さぁねぇ……意味があったって前提で語ってるけど、もしかしたら単に遊びたかっただけ……なんて可能性も決してゼロじゃあないし」
「それはそれで、なんというか……困り者としか言いようがありませんね」
「ぴっかちゅ」*2
はてさて、さらに日付は進んで次の日。
今日はポケモン関係のメンツが集まっての出し物に参加しに来た私である。
……無論、私にポケモン要素は欠片もないので、あくまでも観客としての参加……だと思っていたのか!
普通にそのままお出しすると色々ヤバい奴らの調整役としての参加だよ!主に荼毘君とか荼毘君とか!
「やー、ごめんねごめんねー。基本的に常に燃えてるのと溶岩垂れ流しだからさー」
「なりきり郷のシステム上、それで死ぬやつこそいないみたいだけど……周囲のオブジェクトに関しては話が別ってやつよね。……あとこう、こいつが近くにいると無性になにかを燃やしたくなるんだけどこれもいわゆる共鳴、みたいなものになるのかしら?」
「私はこの場を大海で埋め尽くしたいと思っていますよ?」
「アンタのそれは別にこいつがいなくてもいつものことでしょうが……」
荼毘君がヒードランとして参加していることもあってか、どうにもオルタの中のグラードン成分も刺激されている様子。
そのため気を抜くと周囲が
……アクアの方はいつでも
まぁ要するに、今回の私はレックウザポジションなんですよ、はい。
ゲームと違って後出ししたポケモンの特性が優先される、とかもないので常に無効化してないといけないというか?
そんな中でいつも通りの
「ぴっかぴっかちゅー」*3
「かみなり必中だもんねー(?)、にしても……うーん、この間の動物ふれあいパークとは微妙にメンツが違うねぇ」
「ボクもいるよー」
「おおっとCP君、朝ぶりー」
「朝ぶりー」
バタフリー。
……そういえば『逆憑依』のポケモンって進化するのかね?
などと言いつつ周囲を見渡す私。
揃っているメンツで見覚えがあるのは先ほどのメンバーに加え、カブトくんやパオちゃんなどが該当するだろうか?
それ以外にもここで初めて見るようなのも何人か居るというか。
「げぇん、げんげん」*4
「そりゃまぁ、長年続いているシリーズだからねぇ。誰それをやりたい、なんて人は探せば幾らでも居るでしょうよ」
「その分『逆憑依』の対象も増えやすい、ってわけね。……そういう意味では、私達は珍しい方ってことになるのかしら?」
「まぁ、人+ポケモン、ってなると悪いイメージしかないって人も多いだろうし、そうなると純然たるポケモンの方が割合的には多くなるのが普通だよねぇ」
それこそ『なれたのね……』を思い出す人もいるかもだし……。
なんのことかわからない人はそのままの君で居てね()
ともかく、である。
今日の出し物はポケモン達によるもの、そしてそれがなんなのかってことになるんだけど……なんと飲食店ではない。
ではなんなのかというと、だ。
「ポケモンむかしばなし~モモワロウと鬼の島~、はじまりはじまりー」
文化祭でよくあるものの一つ、演劇なのであった。
で、今回の題材は桃太郎……もとい、それを元にしたポケモンであるモモワロウの話。
とはいっても、なりきり郷にモモワロウはいないため、そこら辺のポジションは代役となっている。
「……ふぇ、ふぇいたりてぃー……」
「モモイも今さらあの姿に戻されるとは思ってなかっただろうね……」
「というかあの姿に変身できるってことの方が驚きなんだけど?」
「本人も驚いていらっしゃいましたね……。一通り驚いたあと『そういえば私どっちかというとデスモモイだったや!』と納得していらっしゃいましたが」
モモってついて意外と危ない生き物……つまりモモワロウとデスモモイは近似種だった……?()
とまぁ、そんな感じ?でモモワロウの代役として呼ばれてきたモモイである。
どっちも不思議な生物なんだから似たようなもんやろ、という暴言が罷り通ったのかは不明だが、ともかく引っ張られてきたモモイは頑張ってモモワロウをしている最中なのであった。
……え?お供の三匹はどうなってるのかって?それはねー、
「ん、今の私はイイネイヌ。なんにでもいいねと主張していく次第」
「キチキギス役っす。鳥タイプが意外と少ないせいで飛行タイプ?繋がりで呼び出された感じってことでいいんっすかね?」
「マシマシラでーす。正直暇だから呼ばれたって感じで猿要素なんてほぼゼロでーす」
「……ほんのり悪タイプを感じる人繋がり、ってことなのかなこれ」
「とりあえず今までも居たよみたいな顔で混ざってるあのスーツの女をどうにかすることから考えた方がいいんじゃないかしら」
いやまぁ、あくまで見た目だけだからその人……。
ってなわけで、順に解説するとイイネイヌ役として呼ばれたシロコちゃん、キチキギス役で呼ばれたあさひさん、それからマシマシラ役で呼ばれたマ
……正直マ
というか、主役側の桃太郎とそのお共が全員ポケモンじゃなくて普通に人なのはいいのかこれ?
この分だと鬼さまもオーガポンじゃなくて誰か他のになりそうだなぁ……。
一応、モモイ以外の三人は顔の書かれた被り物を被っているため、何役なのかはわかりやすいんだけどねー。
「おじいさんとおばあさんに見送られて旅立ったモモワロウ。彼は友達を探してあっちにうろうろ、こっちにうろうろしていたのでした。その中で出会った三匹の仲間達は、はたしてどのような結末に至るのでしょうか?」
「これでいて内容はオリジナルなんだから堪らないね」
「桃太郎でもモモワロウの話でもない感じよね。まぁポケモン世界だとあんまり血生臭いのもどうなの、ってことなのかもだけど」
「今度出るレジェンズシリーズが前と同じノリなら、公式でもポケモンの危険な面を押し出す気になったってことになるんでしょうけどねー」
今のところ続報もないし、どうなることやら。*6
そんなわけで、主役四人以外の出番を準備するためにも、他のポケモン達の用意を手伝いに行くマネージャー役の私なのでしたとさ。
……うん、普通に重労働だなこれ?