なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「ここから先には行かせないぞーかさかさー」
「ふぇいたりてぃー!?」
「ん、すさまじく暑い。砂漠より遥かに暑いからこれはとても危険」
「気にするのそこなんっすか?というかカサカサしてるのはいいんっすかあれ?」
「さぁ?本人が納得してやってるんだったら別にいいんじゃないかな」
天井に捕まった荼毘君がカサカサしてるのを見て、困惑する主人公達である。
……ただまぁ、うちの荼毘君ってば基本燃える人型形態だから、端から見てるとキモいってより怖い、って感想の方が優先されるような気もするんだけど。
だってほら、人の形をした炎が天井を這い回ってるんですよ?……え?這い回ってるって感じの動きじゃないからやっぱり嫌悪感が先立つ?そっかー。
まぁ、本人が楽しそうにやってるんだから大丈夫なんだろう、多分。
それとこれは本人とは関係ないんだけど、雰囲気が出るからって周囲を炎ポケモンで固めるのどうかと思うよ私。
ポケモンの性質と『逆憑依』の効果の合わせ技である程度危険は減ってるみたいだけど、それでもマグカルゴとかが隣にいるのは怖いし。*1
っていうかうちマグカルゴやってる人いたんだね。いやまぁネット的に話題のキャラではあるから、物好きな人ならやってる可能性はあるだろうけど。
……なんて思ってたら次のシーンが海の中、かつそこに立ちはだかるアクアが隣にランターンを侍らせてたので思わず吹き出した私である()
この分だと他にも似たようなのがいそうだな……具体的にはネットのおもちゃ系(白目)
「ぴっかぴっかちゅうちゅ」*2
「何故その格好!?」
「うわー、わざわざ超伝導状態になって浮くという芸の細かさ……」
「パオジアンがいるからこその無茶苦茶ってことかなこれ?」
なお、そんな私を嘲笑うように出てきたのは、明らかに作り物であるジバコイルとその中に乗ってるピカチュウである。*3
……特性ふゆうを再現するためだけにパオちゃんが酷使されてるんだけどなにこれ?
物語的には佳境、ってところだろうか。
鬼の住む島に向かうに当たって、それがどこにあるのかを聞きに炎の山へと進んだのち、海の向こうにあるよと教わってそのまま浜辺まで歩き。
実際にたどり着いた浜辺ではカイオーガに邪魔をされ、仕方ないので海の渡り方を模索しに戻ってきた……みたいな?
「ふぇい、ふぇいたりてー」
「こいこいこいるー。ぴかぴかっちゅ」*4
「そっかー、流石に遠い鬼ヶ島まで浮いていく、ってのは難しいよねー」
「私がみんな抱えて飛んでいけたら良かったんっすけどねー。生憎そんなパワーは私にはとてもとても」
「……ん、賢い私は現実とお話の区別がついてるからツッコまない」
で、方法のあてとして話を聞きに来た相手であるジバコイルは、自分一人だけが島に行くのならまだしも、君達全員を連れていくのは無理だよ……と断った感じ。
代わりに、なんとかしてくれそうな相手を紹介してくれる、ということで今度は砂漠へ向かって移動を始めるようだ。
なので、背景は色々と駆使して都会のような風景から遮蔽物のない一面の砂場へと変化していく。
……シロコちゃんがどことなく懐かしそうな顔をしているが、今の話には関係ないのでスルーするとして。
「我が領域に侵入する汝等は何者か」
「ふぇっ!?ふぇええ!?」
「ん、もはや普通に喋ってるのと変わらない。私達は旅の一行、訳あって鬼ヶ島に行きたいの」
「でも、そこに行くまでにカイオーガが邪魔してくるんっす」
「通りたければ妹になれ、ってね」
「なるほどここでも変わんないのねあの姉……いやまぁその方がわかりやすく足止めできる、ってことなんでしょうけど……んん、おほんおほん。なるほど、汝等は我に片割れを止めよと願うのだな」
で、そこで現れたのはでっかいサンド……もといグラードン役のオルタ。*5
滅茶苦茶威厳のありそうな喋り方をしているが……うん、相手がアクアなこともあって若干口調が崩れていたりするけど大丈夫だろうか?
主に演劇のはずなのに本気で攻撃し始めないか、的な意味で。
なお、その危惧はすぐさま現実となり、アクアとオルタの迫真のぶつかり合いが暫し舞台の上を揺らすことになったのは言うまでもない。
「でもそこが一番人気だったんだよね」
「あー……見た目に派手なところが人気になるのはよくあることだわな」
「寧ろ最後にはちゃんと鬼ヶ島での話をやりきった、って時点で主役の方達の強さ?的なものを感じますよね」
「そうなのだ、凄いのだ。へけっ」
そんな演劇のあった日からさらに次の日。
今日も今日とて他所の手伝いやってる私ですが、昨日と違って移動距離はとても短かったです。
それもそのはず、今日の手伝い先はお隣さんであるよろず屋メンバーなのですから。
……ってなわけで、銀さん率いるよろず屋メンバーの出し物を手伝うため、本日限りの平社員として参加するキーアさんであります。
「いや悪ぃな、流石にこれは俺等だけだと捌ききれねぇっつーか……」
「なんだよぉ、俺に任せてくれればなんとかなるって言ってんだろー」
「そりゃ単純に艦隊戦闘?する時だけの話だろうが。今回はこれに客を乗せるんだからあんな無茶苦茶な動きしてたらキレられるどころの話じゃねーんだよ!」
「モモちゃんの操縦は乱暴ですからねー。宇宙警察としてぶいぶい言わせてた私ですらちょっと気持ち悪くなるんです、初めて乗った人はしばらく寝込むやつだと思いますよ?」
「んだよみんなしてよー」
なお、なんでメンバーが必要だったのかというと、今回のよろず屋の出し物が『デンライナーなりきり郷ツアー』だったから、だったりする。
……うん、単純に運転するだけならモモちゃんの言う通り彼女一人だけでも事足りるっていうか、そもそもそういうものなんだけどね?
どっこい、今回の場合それだと問題山積み、ってことでみんなで運用するスタイルに落ち着いたのだった。
その問題と言うのが幾つかあって、そのうちの一つは今しがた銀ちゃんが指摘したように『モモちゃんの運転が荒い』というもの。
……うん、かなり無茶苦茶な運転をするのがデフォだからさ、この子。
なんならファンサービス的なものとしてアクロバティックな運転をするのがいいんだろ……なんて風に思ってる節もあるので、平気でCGじゃないとやれないような運転を次々に繰り出し始めるのである。
具体的にはきりもみ回転とか一回転とか地面すれすれに上下逆で降りてくるとか。
……今回のお客さんは『逆憑依』じゃない人も混じっているので、最悪重症レベルの怪我を負う羽目になりかねない。
なので、彼女一人きりに任せるのは止めた、という話になったのであった。
「まぁ、こいつだけに任せられねぇ理由はもう一つあるが」
「モモちゃんってモモタロスですけど電王ではありませんからねぇ……」
「……んだよ、見せねぇぞ他のやつには」
「それが問題だっつってんだろーが」
なお、もう一つ問題点があって、それは彼女がモモタロスではあっても電王ではない、という点。
わかりやすく言うと特撮じゃなくて魔法少女ものに変化しているので、変身後の姿を見られることを極端に恥ずかしがるのである。
彼女がデンライナーを十全に扱うためには魔法少女への変身が必要。
ただ、彼女としてはその格好を他人に見られるのは嫌……。
だがしかし、デンライナーをモモタロスが運転している、という話だけを聞いて運転席を見たがらない人間がいるだろうか、って話。
結果、恥ずかしがった彼女は荒い運転がさらに荒くなり、同時に客が怪我をする可能性も高まる……と。
「見られなきゃいいって話だが、見ようとするのを咎められるかって言うと別のはなしだろ?……じゃあもう端からモモタロスの運転は諦めるべきだ、ってなったんだよ。何処ぞでロボットの見学させてる胡散臭い奴らも、コクピットを見たがらない客はいねぇってなってたからな」
「あー……確かにグランゾンのコクピットとそこに座ってるシュウさんとか見たくないはずがないわ」
他の例も出されると納得も早くなる、というか。
……そんなわけなので、モモちゃん単独で任せるのは不可能だからみんなで動かすしかない、って話になったのであったとさ。