なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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クリア報酬を求めて

「あー……なるほど。寧ろゲーム内の景品として設定されてる方が自然ってことか?」

「幾らなりきり郷が無茶苦茶な場所だからといって、ブルアカの舞台(キヴォトス)みたいに銃弾の自販機があったりするわけじゃないからね」*1

 

 

 こう、明らかに悪目立ちするのが確約されているというか?

 実際私の『飛鷹』はエグいレベルで悪目立ちしてたし。

 まぁ、悪目立ちしてただけで誰も買おうとかは思ってなかった辺り、その辺は治安がいいと言えなくも……。

 え?端から見ると単なる二丁拳銃でしかないから、『逆憑依』の前提としてなりきりである人達は買うきっかけがないし、そうじゃない一般の人はそもそも日本国内で拳銃なんて持ち歩こうと思わないって?そりゃそうだ。

 

 ……まぁその辺はともかく。

 今回の『特殊銃器事件』がハロウィン絡みのものである以上、必然的にそれを誰かに持たせようとする強制力?的なものが発生する可能性はとても高い。

 で、その際に洗脳じみた方法だと目的の相手にたどり着く前に私達に察知されて回収されるだけ、なんてことになりかねないのでやり方としてはほぼほぼ偶然を装うような形になるだろうなー、というか。

 

 ただ、偶然を装うとどうしても目的の相手にたどり着き辛くなる、というのも事実。

 例えば『飛鷹』と同じパターンを繰り返すとする場合、私がやべぇと思ったからこそこの子を手にするきっかけになったけど……。

 

 

「さっきも述べた通り、ここの人達が積極的に銃器に手を伸ばすか、って言われるとノーでしょ?」

「なるほど、店先に飾られた銃に興味を持って購入する……なんてのは、元からリアルで銃器を武器にしてるやつくらいのもの、ってことか」

 

 

 先に述べた通り、一般的な人が銃器に興味を示すことは──特に日本ではないことだろう。

 ゆえに、ショーウィンドウに銃が飾られていたとして、それが目的の人物に届くための策になりうるか、と言われるとノーとしか言えないわけだ。

 

 まぁ、ハセヲ君の言うように元々銃を使っている人……例えばダンテ君だったりすれば、そういうパターンでも手に取って貰える可能性もあるかもしれない。

 

 

「知れないけど……その場合女体化ダンテさんとか発生する可能性大なのよね」

「いまいち想像は付かないけど……色々大変なことになりそうなのはわかるよ」

 

 

 ただ、今回の異変の根幹がブルアカのそれなので、仮にこのタイミングで銃器を手に入れた場合、自動的に生徒化させられる可能性が高い、ってのがねぇ……。

 一応私は効いてない……んだけど、そのまま放置するとこの『飛鷹』が別の持ち主を探して飛んでいきかねないので、敢えて干渉を受け入れてる感じだったり。

 

 そこからわかる通り、どうにもこの銃器達はあれこれ効果を持ちつつも『生徒化させる』のが本題なようで、その辺を思うとあんまり増殖させるわけにもいかんよなぁ、ってなるのであった。

 だってこれ、要するに【継ぎ接ぎ】を強制してくる危険物、ってことだからね。

 

 そんなわけなので、これから銃器には気を付けましょうって話をしていたのでありましたとさ。

 

 

「にしても……ゲーム内でもそうなるかも、ってのは中々に面倒くせぇな。外に影響を持ち出す可能性が低い、ってのはまだマシだが」

「そうなんだよねぇ……外から持ち込むこともできるけど、基本的にゲーム内で入手したパターンなら『tri-qualia』のせい、って感じにごまかせるから寧ろ簡単なんだよね」

 

 

 まぁごまかすのが簡単な分、向こうがすり寄ってくるのも簡単になっているんだけど。

 データの改竄なんてやろうと思えば幾らでもやれるだろうからね、相手の性質的に。

 

 

「まぁとにかく、銃器には気を付けましょうってこと。その辺理解して貰った上で、今日はちょっと向かいたいところがあるんだけど」

「向かいたい場所?」

「そ、これなんだけど」

 

 

 そんなわけで、銃関連が危ないよー、みたいな注意喚起をしたうえで私が引っ張ってきたのはとあるウインドウ。

 ゲーム内で開けるお知らせ画面なんだけど、そこには近くで開催されているイベントについての説明文が記載されていた。

 曰く、

 

 

「えー何々……『GGOコラボ中!みんなもトップシューターを目指そう』……???」

「第二期絶賛放映中だからね……」

 

 

 ……はい。

 ソードアート・オンライン内のゲームの一つ、ガンゲイル・オンライン。

 作中ではシノンの初登場となるエピソードに関わるゲームなんだけど、それだけではなくSAO系列では珍しい()()()()()()()タイトルだったりする。

 いわゆる他作者によるスピンオフなわけだが……これが結構人気なようで、最近アニメが放送し始めたのだ。それも通算二期目である。

 

 

「……外伝で二期目のアニメがある、って中々珍しいよな」

「そうだねー。そりゃ宣伝にも力入れるよねーってわけで、『tri-qualia』でもコラボのお知らせです」

「うへぇぁ」

 

 

 はい、この微妙に忙しい時期に、忙しくなりそうな題材の作品がコラボしてるわけですねー嫌がらせかな?()

 

 ……いやまぁ、仕方ない話でもあるんだけどね?

 世間一般のイベントごととアニメの放送タイミングなんてものは基本的に無関係。

 それからハロウィンイベントをやるかやらないかとか、言っちゃあ悪いけどとある掲示板を由来とした本来小規模の設立祭なんてさらに無関係でしょう。

 ゆえにそれらが折悪く重なる可能性、というのは決してゼロではない。だから誰が悪い、なんてこともないんだけど……。

 

 

「なんでどいつもこいつも銃の話しとるんじゃい、とはなるよね……(遠い目)」

「ちょっとでもずれてれば問題なかったのに、ってことか……」

 

 

 なんでよりによって話題まで重ねやがった、となるのも仕方のない話というか。

 こう、せめて銃じゃなく刀の話にでもしてくれてれば、と一瞬思ったけどよく考えたらブリーチも新シーズンやってたからどっちにしろ微妙か、とも思わないでもない私であった。*2

 

 

「……とりあえず、さっきの話と組み合わせると、このコラボが怪しいってこと?」

「そうなるねー。運営的な目玉は多分コラボスキンだしそっちも『逆憑依』的には気にしておくべきだけど、優勝賞品以下各種副賞にくっついてる特製武器達が怪しすぎるというか……」

 

 

 アスナさんがお知らせを読みながら尋ねてきたため、頷きつつ言葉を返す私。

 

 銃を扱うオンラインゲームとのコラボであるがゆえ、そこで開催される大会というのも必然銃による対決になる。

 一応、元ネタとなるガンゲイル・オンラインでは光剣による近接戦も許容されているため、全て銃器のみってわけでもないんだけど……。

 とはいえ、大半が銃器を使う人、ゆえに欲しいのも銃器ということになるだろう。

 ならば、優勝の副賞なども必然銃器になると見るのが普通のはず。

 

 それだけなら本来問題はないんだけど、今はハロウィンによる影響が発生中の状態。

 そのため、運営が用意したものであれハロウィンの影響を受ける可能性大であり、優勝者が副賞を手にした途端生徒に変貌する、なんて意味不明なことになる可能性も否定できないのである。

 

 

「特に、今回のこれはブルアカのキャラになるんじゃなくて、()()()()()()()()()()()()()()()みたいな感じの方が強いみたいだから、影響を受けない人がほぼいないってことになるしね」

「単なる『逆憑依』化なら既にそうなってる俺達には無意味だが、性質的に【継ぎ接ぎ】に寄ってるから俺達だって注意しないとダメってわけだな」

「うーん、なんだか大変そう……」

「一応、既に生徒化してる人なら問題ないと思うから、目指すのは既にそうなってる人達が優勝とか銃器が貰える順位を独占するパターンかな?」

「なるほど、なんで今回呼ばれたのかと思ってたけどそういうことだったのね!」

 

 

 なので、一般のプレイヤーには悪いんだけど、副賞が怪しい順位に関してはこっちで独占させて貰う方向で進めようと思う。

 その一貫として、今回はハセヲ君やキリトちゃん、それからアスナさんの三人の他にエリちゃんやシノちゃん・それからクリスもプレイヤーとして『tri-qualia』にログインしているのであった。

 ……なにげにシノちゃん以外は初『tri-qualia』である。

 その結果クリスが『なにこれ気持ち悪っ!?えっなんでリアルとゲームの感覚どっちも伝わってきてるの怖っ!?』とか『tri-qualiaあるある』を体験してたけど私は謝らない()

 

 

「独占しようとするのはいいけど、私とかこういうゲームそんなに得意じゃないわよ?上位とか入れる気がしないんだけど……」

「その辺は大丈夫。副賞に銃が貰える順位にラッキー賞的な低いやつも紛れてるから」

「おいィ?もしかしてそれは私が負けること前提ってことか?」

「変に期待されるよりはいいでしょ?」

「いやまぁそれはそうだけど……」

 

 

 なんかこう、納得いかない……と口をすぼめるクリスの姿に苦笑を返しつつ、とりあえず移動しよっかとみんなでフィールドを移動し始めたんだけど。

 目的の会場に向かうまでには通常のフィールドを通らねばならず、必然敵とのエンカウントも発生するってんでみんなが戦闘準備をした時、問題が発生したのであった。

 

 

「……?なんでこっち見てんだよお前ら」

「いや、だって、え?」

「お、おい……ハセヲなんだよな?」

「いや、俺以外の誰……いや待て、なんか声高くなってねーか?!」

 

 

 そう、みんなが装備を構えた途端。

 何故か一瞬周囲が明るくなったな、と思ったと同時、背後にいるはずのハセヲ君の雰囲気が変わったことに気が付いた私が振り返り、思わず声をあげることになったのである。

 その声につられたみんながそこで目撃したのは、明らかに様子のおかしくなったハセヲ君?らしき人の姿なのでありました。

 

 ……いや、確かにゲーム世界だとなんでもありになりやすいとは言ったけどさぁ!

 既に持ってる武器に変更を加えるのはどうかと思うんだよね私ぃ!!! 

 

 

*1
銃がコミュニケーション手段に等しいレベルで普及しているキヴォトスならではの光景……と思わせつつ、実はアメリカとかにも存在していたりするのが銃弾の自販機である

*2
『ソードアート・オンライン外伝 ガンゲイル・オンラインⅡ』および『BLEACH 千年血戦篇-相剋譚-』のこと。いわゆる冬アニメの類いでかつ続き物繋がり

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