なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……長ぇ!!」
「確か、参加人数にあわせて難易度が変わる、みたいなことを言っていたな」
「それもう再現じゃないじゃん!リメイクじゃん!」
なんか走らされる距離が多くないか?
……という疑問と共に放たれた言葉は、横で楽しそうに走るオグリの言葉によって肯定される。
その説明されたのいつだよ、感がなくもないが、まぁ私がぼーっとしていて聞き流したのだろう、たぶん。
……まさかのボーちゃんポジが私だった……?*1
いやまぁ、ボーちゃんも大概万能なところのあるキャラだから、万能繋がりで当てはめられてる可能性はなくもない訳だけど……。
そうなると、他のかすかべ防衛隊も当てはめられるのか、という疑問が浮かび上がってくる。
……なんだけど。
その当てはめ、初っぱなのマサオ君*2で頓挫するわけで。……泣き虫?いたっけ、この中に泣き虫キャラ?
うーん、泣き虫キャラと言われて思い当たるキャラが、現状のメンバーに見当たらない気がする。
ということは、やっぱりかすかべ防衛隊には当てはめられていな……いや待った、別の角度から考えるんだキーア。
マサオ君の特徴といえばなんだ?……そう、調子に乗ると
この『豹変する』という面に焦点を向ければ、一人当てはまる人物がいることに気がつくはず。……いや、今ここにいる彼女が当てはまるかと言われると、微妙に首を傾げざるをえないわけだけども。
……勿体ぶる必要もないので答えを言うと、マサオ君に相当するのは恐らくオグリキャップ、彼女だろう。より正確にいえば、漫画版の彼女と言うべきか。
彼女が主人公である漫画版『ウマ娘 シンデレラグレイ』における彼女は、『
ともすれば、
「
なあ
なあ
……とかなんとか、お前どこの薩摩もんだよと言いたくなるような台詞がよく似合う表情を見せるのが、漫画版のオグリなのである。……あの作品に関しては他のキャラも似たようなもんだろうって?知らなーい。
ともあれ、普段が他の関連作のオグリの性格とそう変わらない辺り、漫画版の彼女に関しては『豹変』という表現を使うのも吝かではないのではないか、ということだ。
……というか、泣き虫までいかずともわりと気弱な部分があるのも漫画版だし、ここでの『マサオ君=オグリ』は、漫画版を基準に当てはめている可能性は高いと言わざるをえまい。
あ、あとよくおにぎり呼ばわりされるマサオ君なので、食べ物繋がりってのもあるかも。……オグリは食べる方?
ともあれ、めでたくマサオ君を当てはめることができたので、この調子でさくっと他のメンバーも当てはめてみよう。
ネネちゃんに関しては……うーん、なんとなくマシュかな?ほら、つい最近の『冷静さを欠こうとしている』のとか、『いつものマシュじゃない』って感じだったし。*4
風間君は……なんとなくアンナさんかな?無茶振りされてる感じがなんとなく似てるような。
……うーん、アルトリアが余ってしまった。
かすかべ防衛隊は五人組、しんちゃんがそのまま本人なのもあって、人数多いと当てはめられ……もしかして、アルトリアはあいちゃん……?*5
そんな感じに脳内であれこれ考えながら百面相をする私に、マシュが首を傾げていたのだった。
『んもう、しつこいわね!』
『しつこいやつは嫌われるのよ!』
「敵に嫌われることを進んでやってこそ、ですので。──跳びますよ、紫様」
「うわっ、ちょっ、まっ、ちぇんすとっ、……~~ジェレミア!!控えめで!控えめでお願いっ!!」
「承知しました」
『あら素直』
『ラブラブねぇ』
「ちーがーうーーー!!!」
「……なにやってんのあの人達」
「さあ……?」
ようやく追い付いたのは、やけになっがい階段を登りきった先、城の中でのこと。
強制スクロールステージみたく、空間が魔法であちこちに繋がっているのか、右に向かって出ていったジョマが上から降ってきたり、正面を突き進んでいったアンナさんが窓の外を落ちていくのが見えたり……と、かなりはちゃめちゃなことになっているのが窺える。
そんな中、
……うーむ。ゆかりんってばロマンスグレーなおじさまを眺めるのが好きなところあるから、ジェレミアさんは年齢的に対象外なのだろうけど……。
「もうちょっと年嵩が増せば、いい感じに好みの人になるから慌ててる、と見た」
「そうなんですか?」
「ちょっとぉっ!!?聞こえてるわよぉっ!!?」
ちっ、耳聡い。
ゆかりんがおじさま大好物なのは、親しい人間以外には秘密な話だが。……それが何故かと言えば、どうにも『境界を操る程度の能力』で特定ワードに関してだけ反応するように、なりきり郷内に糸のようなものを張り巡らせているから……である。……
どっちにせよ能力の無駄遣い感が半端ないが、実際は『能力に枷を付けると影響範囲を広げられる』みたいな検証に役立っているらしく、こちらからはなんにも言えないというのが現状である。まさに職権!乱用!
……ともあれ、ゆかりんがジェレミアさんを殊更にちぇんと呼ぶのは、基本的に照れ隠し……というのは覚えていていい事実だろう。
なお、それを彼女にバレないように言いふらしまくっているのが私である。まぁ、ちょっと本気を出せばこれくらいは、ね?
「人のこと職権乱用とか言っておきながら、そっちも大概じゃないのっ!!?」
「うるへー、魔王相手に喧嘩売っといて、無傷で帰れるとか思ってんじゃねぇー!!」
「きぃーっ!!」
「……言ってることは物騒ですが」
「両方とも抱き上げられた形なのは、格好が付かない感じだな」
前回の『赤裸々キーアの秘密暴露大会』については許してないんだぞ、というような主旨のことを叫びつつ、あっかんべーをする私と、じたばたと顔を真っ赤にして暴れるゆかりん。
……端からみると子供同士の喧嘩にしか見えないけど、ご安心下さい(?)。どっちもこの組織内ではトップクラスの人物ですよ。……どこぞの攻略本みたいだな?*7
あと外野のアルトリアとオグリの二人。
それも踏まえて遊んでるようなもんなので、ほっといて下さい……。
「んもー、みんな違うことして遊んでちゃダメなんだゾー!?」
「しんちゃんさんの言う通り!今は目の前に集中、デス!!」
「居たんだ、アンナさん」
「居ましたよ!!?確かに落っこちましたけど戻ってきましたよ!!?なんで唐突に
「語尾がどんどん取って付けたようなものに……」
「遊戯王の語尾ってわりと無理があるものが多いわよねー、ザウルスとか」*9
「やかましいデスッ!!」
おおっと、しんちゃんに怒られてしまった。
まぁ、現状とは全く関係ないことで、あれこれと騒いでいたのだから仕方ない。
わりとリーダーシップ溢れるしんちゃんなので、破天荒に見えてもこういうところはしっかりしているわけだ。
それとアンナさん、デュエリスト+影が薄い=三沢は当然の公理、そもそも存在感の薄いデュエリスト自体が特殊なんだから、ある意味称賛みたいなもんなのですよ?……あ違った、
「人の語尾を取るなデスっ!!あーもう、後で追加報酬を要求するデスッ!!」
『ちゃんとできたら考えておくわよ』
『この場合の
「無理ゲーじゃないデスかっ!!?」
おおっと、まさかの飛び火。
アンナさんの追加報酬獲得条件が唐突に決められたけど、その内容は『コピーマカオとジョマの打倒』。
……コピーと言えど、相手は劇場版のラスボス枠。正面から打ち倒すのは、ほぼ不可能に近い。
そうなれば、取れる手段は原作のやり方、ジョーカートランプをステンドグラスに掲げる……ということになるけれど。
そっちはそっちで、幼稚園児からカードを強奪する大人、という人の尊厳を捨てるような行為を取る必要があるわけで。
うーん、遠回しなボーナスカット宣言。
え?デュエリストなんだから普通に倒せるんじゃ、ですって?
甘いなワトソン君、デュエリスト技能も一応『異能』の範疇ではあるんだよ?*10
単に移動やちょっとした妨害に使う分には、お目こぼしが与えられているというのが現状。……そこから逸脱するつもりなら、相手側だって縛りを破るのは必然、というわけである。
……え?ヘンダーランド内では二人は魔法を使えないんじゃないのか、ですって?
ははは、よーく見たまえ。そこにいるのは本人達ではなく、本人達のコピーである。
……言いたいことがわからない?
じゃあまあ簡潔に言おう。そこの二人は
もう少し詳しく言うのなら、なりきり郷の更にヘンダーランドの中のみという、かなり限定された範囲のみにおいて稼働できる、原作の彼女達を模した魔法体。
それが、今私達の目の前にいる二人のコピー、正式名称『マカオとジョマMark.2』なのである!……昭和のロボットみたいって言ったやつ、後で校舎裏な。
元々は、郷の中だとなんにもできない二人を可哀想に思った
それこそが、目の前の二人の本当の姿、通称ドッペルゲンガーなのだ。*12
そのため、この二人にはなりきり組の方の二人のような制限はない。あくまでも、設定を守って魔法を使っていない、というだけである。
……まぁ、二人と違って
ともあれ、アンナさんがデュエリスト的なパワーを総動員して立ち向かうのなら、相手側も大人げなく本気を出して、ラスボス魔法使いパワーでストロングに捩じ伏せてくるのは確実。
……強いデュエリストではあるものの、伝説になるような人達と比べると一歩劣る彼女では、文字通りの無理ゲーなのが、今回のボーナス条件なのである。
───お労しや、アンナ様。*13
「……やってやろうじゃねぇかよこの野郎!!デスッ!!」*14
「あっ、突っ込んでいった」
進退窮まった結果、突撃を選んだアンナさん。
無論、予想通りに彼女は玉砕していったのだった。ムチャシヤガッテ……。*15