なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
「……うん、メイド服と
「まさかそれがフラグだったとは、って感じよね。……ええと、確か歌住サクラコ、だったかしら?」
「正確には既にいるシロコちゃんと同じく、ミームに汚染されてるタイプの、純粋な本人と言っていいのかちょっと悩むタイプだけどね」
まぁ、ある意味ゆかりんのご同類でもあるというか。
……そんなわけで、武器を手に持つまでメイドさんだったはずの彼女が変貌したのは、今回のハロウィン案件にも関わりがある作品『ブルーアーカイブ』のキャラクターの一人。
笑顔が怖い(?)せいで誤解されることの多いシスターフッドの中心人物、歌住サクラコさんである。
「……あの、これはどういう?」
「あーうん、詳しい説明は後でしますので、とりあえずここから移動しましょう?」
貰った賞品──アサルトライフルを携えた彼女は、困惑したように首を捻っている。
……個人的にはこの『目を閉じて冷や汗を流している顔』とかばっかり見ていたから細目キャラなのかと思っていた時もあったなー、なんて風に思ったり。*1
なのでこの間の生放送でアイドルと化した時は滅茶苦茶驚いたというか……。
「そういえば全然関係ないんだけど」
「はい?」
「私とヒナちゃん、それからキサキちゃんって誕生日一緒なのよね」
「……はい?」
「また不思議なところと被ってるのね……」
「だから私も身の丈くらいの大きさの機関銃でぶっぱしたほうがいいのかと……」*2
「色んな意味で止めときなさい」
「へーい」
「……あの、この流れはどういう?」
「気にしないでくれ、こういう中身のない話がわりと日常茶飯事なんだ」
「はぁ……?」
はい、そんなことを言ってる間に移動終了、フィールドから街へと戻ってきた私達である。
そのまま街を歩いて向かう先はフードスペース。
……無論、別に食事を楽しみに来たわけではなく、その中にあるとある場所に用事がある、というだけの話である。
「……なにか頼みたいなら頼んでもいいよ?」
「えっ、あっ、いえそういうわけではなくてですね……?!」
なのでそのままサンジ君に話を通して店の奥に進もうとしたんだけど、なにやらサクラコちゃんが物欲しそうな顔をしていたため一応別になにか頼んでもいいよ、と言葉を添えておく私である。
実際それなりに長い話になりそうだし、茶請けの一つや二つ問題ないというか?
なんて風に勧められては流石に断りきれないということか、彼女はサンジ君にケーキセットを頼んでいたのであった。
……まぁ、頼んだあとに『あれ?意味あるのかなこれ?』みたいな顔をしていたわけだけど、いつもの冷や汗顔で。
まぁうん、冷静に考えると意味ないよね、ってなるのはわからんでもない。
とはいえその辺の説明もこれからの話に含まれているわけなので、ここでは触れずに私達も飲み物やら食べ物やらを頼んで奥へと向かう。
地下へと続く扉を明け、道なりに進んでいくこと数分。
たどり着いたのは、和風庭園を望む日本家屋のような見た目の建物。
──仮称:マヨヒガと呼ばれるこの建物は、侑子が出張所扱いとしてこちらに用意して貰った、彼女の別荘のようなものの一つである。
「あら、今日も今日とて忙しそうね」
「そういう侑子は暇そうで。……今日はなにもない感じ?」
「まぁ、そうね。外で動けるようにして貰ったけど、基本的に私の本拠は
縁側に回ってみれば、ラフな格好でそこに座って庭園を眺めている侑子の姿が。
……私も休みだったが彼女も休みだったようで、特になにをするでもなくくつろいでいたらしい。
まぁ、こっちとしては別に彼女に気を使う必要もないので、場所を借りられるかどうかを打診。
結果、特に問題もなく一部屋貸して貰えることになったんだけど……。
「……その、私の顔になにか?」
「いいえ?どうにも厄介ごとばかりに恵まれているようだ、って思っていただけよ」
「おいこら、間接的に私をからかうんじゃねぇ」
なんか知らんけど、侑子も会話に同乗することになりました。なんで?
場所を貸すのは私なんだから、その内容を聞くのは問題ない……寧ろ
とはいえ後々対価を払わないといけなかったのも事実。
受けとる本人が出刃亀でいい、って言ってるんだからありがたくその言葉に甘えさせて頂こう、ということになり侑子が一緒に話を聞くことになったのであった。
……まぁ、その辺はあくまでついでの話であって本題ではないので適当にスルーするとして。
改めて、サクラコちゃん──もとい、彼女の前身となった人物になにが起きたのか、っていうことを説明して行く私達。
その上で、最初の印象とは違うものが『逆憑依』になった理由について、本人になにか心当たりはないか聞いてみたんだけど……。
「はぁ、よく勘違いをされると?」
「お恥ずかしながら……どうにもこちらの真意などを取り違えられることが多く……」
そこからわかったのは、彼女の『逆憑依』は恐らくなるべくしてなったものである、ということなのであった。
というのも彼女、こうなる前からなにかと勘違いされることが多かったのだという。
聞き間違い言い間違いは日常茶飯事、ともすれば動きの意味を別のものとして捉えられたり、はたまたなにもせずにいることを勘繰られたり……。
ともあれ、やることなすことあんまりよくない方向に勘違いされていたのだとか。
あのロベルタさんみたいな格好も勘違いの結果なのだそうで、単に知り合い達と話を合わせるために始めようとしただけなのに、何故かこのゲームの世界で天辺を取ることを求めていると認識され『強そうなキャラ』の見た目をおすすめされたのだとか。
「それだけなら断ればよかったのですが、何分私もこういうゲームの作法とか定石については知識がなく……」
「流されるままおすすめされるままにあの姿を選んだ、と。……参考までに聞きたいんだけど、あの時の主要武器ってなんだったんで?」
「え?ええと……スカートの裏に隠すことで装弾数を上げられるとかなんとかで、こう手榴弾の類いを……」
「まさかのボマーとな?!」
いや初心者に勧めるようなスタイルじゃねぇよ?!
……あ、でも冷静に考えると単なる火力面ではありと言えばありなのかな?
爆弾の威力は一定値・かつ減衰し辛いから安定したダメージソースになるし。
「いややっぱり初心者に勧めるもんじゃねえわ、タイミングの見極めとか難しすぎるって」
「え、もしかしてだけどなにも武器持ってなかったのこの子?」
「?いえ、武器はありましたよ?手榴弾がたくさん」
「……色んな意味で放っておけない子だね、この人」
うーんカオス。
……武器と言われて爆弾を引っ張ってくるのはボンバーマンだけで十分…………?
「……?どうしたのよキーア、なんか冷や汗掻いてるけど」
「いやその……糸目キャラと勘違いしてた、って私言ってたじゃない?」
「?そういえばそんなこと言ってたな、それがどうかしたのか?」
「……その、属性が似てて同じようなことを思われているキャラクターに覚えが……」
「あら、ということはそれがこの子がシノちゃんみたいになった理由、ということね?」
「なるほど、じゃあそれは一体誰……なんか冷や汗が滝レベルになってる!?」
その瞬間、私の中に電流走る!
どういうことかというと、シノちゃんに似てるというのが
具体的には、二つの要素が釣り合っているためにどちらにも変化していなかった、というもの。
……シノちゃんの時はそれが【星の欠片】によって混ざりあう結果になったが、彼女の場合はそれを
「……はい?」
「冷静に考えるとありえない話じゃなかったんだよ、そもそも『逆憑依』は色々と強引なやり方をするもの。それに加えてさらに強引な概念であるハロウィンが混ざれば、その強引さはさらに行きすぎたものになるってことは!」
「い、いやいやちょっと待ちなさい!一人で納得していなくていいから詳しい説明をプリーズ!!」
「じゃあ教えてやるよぉ!!この子【複合憑依】だよ!普通の『逆憑依』じゃなくて!」
「な、」
「な、」
「「「なんだってー!!?」」」
そんなわけで、どこかで聞いたことのあるBGM*3が流れてそうな状態に突入した私達なのでありましたとさ。
……もう笑うしかねー()