なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~   作:アークフィア

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大鑑巨砲主義的なもの

 そんなこんなで次の日の朝。

 いわゆる日曜日、昨日に引き続き今日も休みなのだが……先んじて述べていた通り、今日も今日とてハロウィン武器対処のために走り回る予定である。

 

 

「だからマシュ達には悪いんだけど、うちの出し物お願いした!」

「本当は一緒に問題解決に向かいたいのですが……言われてみれば私もハロウィン武器に引っ掛かりそうな予感がひしひしとしていますので、大人しくこちらの出し物に注力しようかと思います」

 

 

 で、申し訳ないんだけどうちの面々でやる出し物に関しては、マシュ達他の面々に任せる形になる。

 ……マシュに関してはブラックバレルが今回の騒動に引っ掛かりかねない、という面でどう足掻いても連れていけないわけだが、そうして残しておくことになる彼女のメンタル面のケアを他の面々に任せる形にもなるわけだ。

 

 うん、実際マシュ的にはこっちについて行きたい、的な気持ちの方が強いだろうからね。

 それを呑み込んで家であれこれ……ってなると、そりゃまぁ色々不満も抱え込むだろうなぁというか。

 

 

(そういうわけなので、キリアちゃん色々と宜しく)

(いえその、私だけでなく分身とかも置いていって頂けたりは……)

(生憎ゆかりんに言われた『祭期間中分身禁止』って例外なしなのよ)

(……おのれ八雲紫ぃ!)

 

 

 そんな状態なので、実写版私であるキリアちゃんにはマシュの様子を特に意識して見て貰いたい、という風にお願いしたんだけど。

 うん、私一人じゃ無理ですよ、みたいな顔をしていらっしゃいますわね。

 

 でもすまんな、ゆかりんと取り決めた祭期間中の分身使用禁止って、それが祭の出し物に関わるものなら例外なく禁止するタイプの、いわばギアス的なやつなんだわ。

 無論、私ならその辺破ろうと思えば破れるけど……その辺の取り決めの際にお偉いさんの目も入ってるから、なあなあに済ませられんのだわ。

 

 そういうわけなので、少なくとも『マシュと一緒に家でハロウィン関連の出し物に携わる』ってのは『ハロウィン武器を求めて探し回る』のとは両立できないんだな、これが。

 ……え?じゃあマシュ連れていけばいいんじゃないかって?

 その辺はこの禁止令のもう一つの制限である『脅威度の高い事例に限り承認なく破ってもいい』ってやつに引っ掛かるんですわこれが。

 

 正直なところ、無差別女体化もとい生徒化ってそこまで脅威ではないんだわ。

 最悪ハロウィンのせい、ってことにして一時的【継ぎ接ぎ】にできる時点で対処は必要だけど緊急性は認められないというか。

 それに対して、マシュを連れていった結果ブラックバレル発生、なんてことになったらそっちの方が脅威度高いって話になっちゃうのです。天寿の概念礼装ですからねあれって。

 

 ……いやまぁ、それ単体ではそこまでってわけでもないというか、ヤバい相手に使うとヤバい類いのものだから普通の人には普通の銃と同じくらいの危険性しかないとも言えるけど。

 この場合不味いのは、マシュとブラックバレルが揃ってしまうことの方。

 言い換えると、マシュの再現度が()()()()()()()()()()()にある。

 

 今でも大概高い再現度を持つ彼女だが、それでも武装面・精神面では微妙に違う部分もなくはない。

 それが、もし仮にブラックバレルまで揃うことになるとどうなるのか。

 ……答えは、本人の再現度ではなく『状況の再現度』に変じてしまうのだ。

 

 

(わかりやすく言うと、今のマシュは単独で上げられる再現度のほぼ上限まで行ってるのに、そこにさらに再現度という液体を器に注ごうとするようなもの……みたいな?)

(そうして溢れた再現度はそれでもなお再現をしようと作用し、結果として本人以外の部分──そのキャラクターがあるべき状況を再現しようとする、でしたか)

(まぁ、全部が全部そうなるわけじゃないけど)

 

 

 普通に考えるなら【継ぎ接ぎ】方面に行くのが筋というか。

 ……ただ今回の話、かつ相手がマシュのようなレベル5かつ条件に合う相手の場合は別。

 ブラックバレルを持つ、という部分までは再現度の単純な加算──【継ぎ接ぎ】判定で済まされるが、そのあとの『ブラックバレルを持つことによる原作のマシュとしての一致度』による再現度上昇は別判定になる、というか。

 

 まぁ長々と話したけど、要するにマシュを同行させてうっかりハロウィン武器入手でもした場合、唐突に地球が漂白される可能性がある、と理解しておけばよい。

 で、そういうことになるのも現状だとマシュくらいのものだ、ってこともついでに覚えておけばいいだろう。

 なお、【偽界包括】による再現度上昇はその辺の話と全く関係ない、ってことも合わせて記しておきます。

 

 

(扱いとしては【複合憑依】に近い【継ぎ接ぎ】、という形になるのでしたか?)

(そこまでややこしい話じゃなくて、単にその人物──器をもう一個持ってきてるってだけの話なんだけどね。さっきの話って結局一人分の器に許容量以上に液体(再現度)を注ごうとしてるから起こる問題、ってだけの話だし)

 

 

 まぁ総評すると、マシュを連れていくのは色んな意味で危険だし、かといって家に置いとくと別の意味で危険なので、その辺の対処を私とキリアちゃんでやろう、ってわけである。

 ……え?キリアちゃん側の負担が大きすぎる気がする?問題の最前線に行かなきゃいけない私の方が危険だと思うよ()

 

 ともあれ、頑張ってねーとみんなに返しつつ外に出た私。

 昨日は『tri-qualia』内での捜索だったけど、今回はなりきり郷内の探索の予定である。

 

 

「なのでハセヲ君は昨日に引き続きハセヲちゃん状態である」

「この姿の時にハセヲと呼ぶのは止めて貰えませんか?」

「おっと口調まで変えてら」

「怒りますよ?」

 

 

 で、真っ先に合流したのがハセヲ君だったんだけど。

 ……うん、祭期間中はアウラ様の姿なので諦めて口調とか変えることにしたらしい。

 まぁ、この姿でハセヲ君の話し方のまんまだとそっちの方が変なことになりかねないからさもありなん。……LINKみたいにラスボス化されても困るし()*1

 

 そういうわけなので、私の隣には(見た目)アウラ様がいるわけなんだけど……うん、見覚えのない相手がいればみんな話し掛けてくるのが常なので、微妙に対応に苦慮しているハセヲちゃん……もといアウラちゃんなのでありましたとさ。

 

 

「名前被りなんてよくある話だけど、実際に遭遇するとびっくりするじゃない」

「意外と珍しいんだけどね、ここだと」

「そうなの?」

「アスナちゃんとアスナさんとか、私とキリアちゃんとキリア(母)とかくらいじゃないかな?まぁ私の知り合いに居ないってだけかもしれんけど」

「なるほどねぇ」

 

 

 で、そんな彼女が地味に困っている相手というのが、(本当は違うんだけど)名前被りである七崩賢のアウラなのでありました。

 うん、ここのアウラって意外と話好きだから、気になることがあれば積極的に話に来るんだよね。

 まぁ、本人がミーム味の強いタイプだから、ってところも大きいんだろうけど。

 

 

「そういえば昨日ラットハウスで見なかったけど何してたの?」

「普通に休みだったじゃない。祭期間中は忙しいから休みの日がいつもとずれるじゃない」

「あーなるほど。普段はそこまででもないけどこういう期間中は普通に繁盛してるのか」

「というか常駐してる客がいるから疲れるじゃない。そもそも壁になりたいってのが理解不能じゃない」

「……そのうちあの人達なにか別のものになりそうで怖いんだよなぁ」

 

 

 で、会話は自然と彼女が昨日本来いるはずの場所にいなかったことについてのものに。

 うん、アウラってラットハウスに下宿?してるはずだから、昨日いなかったのが地味に不思議だったんだよね。

 なのでその辺をなんとはなしに聞いてみたんだけど……ふむ、休みだったと。

 

 ……この子休みの日なにしてるんだろ?

 魔法の訓練とかしてたりするんだろうか、と思ったのだけどその辺は否定された。

 曰く、そんなことしてたら危険視される可能性大じゃない、とのこと。

 言われてみれば確かに、アウラが魔法の訓練してるってことは必然『服従させる魔法(アゼリューゼ)』の訓練をしている、ということになる。

 実は『逆憑依』相手に効くかどうかは微妙なところがあるんだけど、それでも危険な魔法扱いされるものであることも間違いはあるまい。

 そりゃ、魔族的には正しい休日の使い方として、それが周囲に許されるかは微妙か……。

 

 

「じゃあなにしてたの?」

「普通に食べ歩きじゃない。それと他に葬送のフリーレン(うち)から来ているやつがいないか注意してたじゃない。『逆憑依』ならともかく、【顕象】だったりするとフリーレンも大概危険人物じゃない」

「あー」

 

 

 じゃあ代わりになにしてたの?

 ……と聞いてみたところ、返ってきたのは食べ歩きという彼女らしからぬ答え。

 ただまぁ、よくよく聞いてみるとちゃんとした理由のある行動であることも理解できたんだけど。

 

 というのも、彼女の同郷(同作)であるキャラクター達が意外と危険である、という論拠がまったく否定できないのがそのポイントになっていたのだ。

 何故かといえば、葬送のフリーレンという作品において魔族は人間達と絶対に共生できない存在だから、というのがとても大きい。

 

 あれだ、『互助会』の面子が一時期危ないと思われていたのと同じ。

 自身の出身世界の常識をそのまま持ち込みかねないため、やらなくていい戦闘を仕掛けに来かねないというか。

 ……なんなら私とか肩書き魔王ですし、普通にゾルトラーク飛んできかねませんよ?

 

 そんなこともあって、先んじてこっちに来ているアウラとしては気になって仕方ないのだという。

 ……冷静に考えると魔族がフリーレン達を気にするという大分変な状況なのだけれど、想定される問題を思うとまぁ仕方がないかなぁ、とも。

 

 

「自分で言うのもなんだけど、わりとおかしな状況じゃない。まぁミーム化してる私だから仕方ないんだけど」

「アウラも大変だねぇ……」

 

 

 そんなわけで、別の問題だけどアウラも同行することになったのでしたとさ。

 ……まぁ、この時期って新しい『逆憑依』も増えやすいからねぇ。

 

 

*1
PlayStationportable用ソフト『.hack//link』においてのアウラの扱い。黒幕であるとある人物による策によって『終焉の女王アウラ』に変貌させられてしまった。基本的に味方側の存在である彼女が明確に敵となった珍しいパターン

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