なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
はてさて、一体どのような事態が起きた結果あんなことになったのか、ってことについての解説だけど。
「うん、まずフリーレンはこう思ったわけだ。
「ふむふむ」
彼女は私の攻撃手段を、自身の知識と照らし合わせた結果いわゆる操作系魔法だと認識した、というわけだ。
なので、操作対象となる武器を奪えば無効化も容易いはず、と考えたと。
実際には勘違い甚だしいのだけれど、とはいえあのタイミングで行う対処としてはそう間違ったものでもない。
なんでかって?流石に相手からの攻撃で吹っ飛ばされたのなら、飛鷹も拗ねるに拗ねられないからね!
「間違いじゃないって、まさかのキーアにとってってことかよ」
「そりゃそうでしょ。少なくともあの時フリーレン側が取れる対処としては百点満点ではないわけだし。……いやまぁ、そうなるようにこっちが思考を誘導したわけだから、ある意味では仕方のないことなんだけど」
なお、こうして説明している最中のフリーレンの様子についてだけど。
……うん、見事に大泣きしてらっしゃる。
作中でよく見る『うおーん』って感じのやつを、体育座りで披露していらっしゃる。
一応の見張りとして(滅茶苦茶嫌がったけど)付けたアウラは、その情けなさすぎる姿を見てドン引きしてるけど……まぁ仕方ないよね。
やだ、原作の私こんなのに負けたの……?的なことを思っても仕方ないような醜態というか。
話を戻すと、あの時フリーレンが取るべきだった行動とは、単純に直前までの作戦をそのまま継続することになる。
実際、フリーレン側はあの攻め方で息一つ上がっておらず、そのまま攻めを継続していたら普通に粘り勝ちしていたことだろう。
無論、そうなったらそうなったで私も覚悟を決めるため、最終的な答えは色んな意味での大敗北になるわけだが。
とはいえこれはフリーレンが知らない存在・知らない法則が相手だったからこその話。
「裏を返すと、
「それが『ネギせんせー』としての知識だった、と」
「うん。……まぁ、ピンポイント過ぎてこの予想が当たってるかどうかは、実は半信半疑だったんだけど」
「おい?」
つまり、今現在のフリーレンがあんなことになっている理由は、ひとえに彼女に混ざっている別の要素によるもの、ということになるわけで。
なにを隠そうそれこそが、『魔法先生ネギま!』の主人公であるネギの知識だった、ということになるのであった。
マジックシューター
古びたアンティークの銃。
内部の魔法式の特殊な構造により、後から装填する魔法を変えられるのが最大の特徴。
持つ者を選び、使い方をも選ぶが理論値としては最強にも迫る。
「……
「うむ。ネギせんせーとエヴァの戦闘の時に使われてたやつと同じような銃だね」*1
まぁ、あれは確か使い捨てだったはずだけど。
込められていた魔法も『
……話を戻すと、フリーレンがハロウィン武器として持っていたのは、強大な吸血鬼であるエヴァとの戦闘に際してネギせんせーが準備していた使い捨ての武装の一つだった、ということになる。
まぁ、原型がそれってだけでどうにも魔改造されてる感が否めないけども。
ともかく、魔法を打ち出す銃と、それから杖に乗っての高速移動という二点から、今のフリーレンに混ざっているのがネギせんせーである、と私は確信したわけだ。
「まぁ、混ざると言っても多分【複合憑依】ってよりは軽度の【継ぎ接ぎ】の方だろうけど」
「その心は?」
「ネギせんせーの精神が混ざってるんなら、
「あー……」
投げキッスが有効な色仕掛けだと思っちゃうようなキャラが、相手をほぼ裸にひん剥く魔法なんて使えるか……というか?
要するに、フリーレンが知り得ていたのはその魔法が相手の武装を弾き飛ばすものだ、という効果だけだったのだろう。
ゆえに彼女はこの魔法──彼女の言に倣うなら『
「それも、相手が魔王だから生半可な魔力じゃ効かない可能性も考慮して、威力最大でぶっぱしたと」
「……うおーん」
「さっきからこいつうおーんしか言ってないじゃない……」
……うん、なまじ知識だけ得てたからこその悲劇、というか。
でもまぁ、お陰で彼女の暴走が止まったわけだから、別に脱がされ損ってわけでもないんだけど。
実際、フリーレンもこの状況に陥らない限り普通に戦いを続けてただろうし。
「そうなの?」
「自身の思いもよらない結果に至る、っていう経験を踏まないとフリーレンとしての自意識がいつまでも凝り固まったままになるからね。荒療治とはいえ、こうでもしないと止まらなかったのはほぼ間違いないと思うよ」
「代わりにしばらく泣き喚くフリーレンの完成、ってわけじゃない」
「その辺はほら、この人って原作でもそんな感じだし」
「……うおおーん」
なお、実のところフリーレンが泣き喚いている最大の理由は、彼女が魔法で脱がした私が下着姿のまま平然と話をしているから、すなわち自身の罪をずっと突きつけられているから、だったりするのだが……。
うん、脱いでも損はないと言ったけど、別に脱がされたことに対して怒ってないわけじゃあないから、フリーレンへの嫌がらせであることは間違いないね!
……などと私が思っているかは定かではない。ホントダヨ?
「脱ぎ魔がでた、なんてわけのわかんねー通報で呼ばれてきたら……まさかのキーアかよ。なにやってんだオメー」
「そういう銀ちゃんもなんで来たし」
「祭期間中は警備員としても雇われてるからだよ。……デンライナーのお陰で現場に急行するのは楽だし」
「なるほど、確かに」
あらやだ、いつまでも下着姿でいるから通報されたみたいなのだわ。
いやぁねぇ、世の中にはもっと過激な姿のキャラクターなんて幾らでも居るでしょうに、わざわざ通報するだなんて……え?見た目幼女が裸同然の姿で居るならそりゃ通報もされるだろうって?
……それもそうだな?
ってなわけで、下着姿だったのをいい加減変えるために、服を錬成して瞬間お着替えする私である。
フリーレンから『着替えられるならさっさと着替えてよ……』みたいな恨みがましい視線が飛んでくるが、華麗にスルー。
君はしばらく幼女を裸にひん剥いた変態としての名声を欲しいがままにするがいいさ。
「いい加減許してやって欲しいじゃない。流石にコイツがいつまでもこんな感じだと調子が狂うじゃない」
「アウラ……私の代わりに出頭しろ」
「こいつ順応早すぎじゃない!?」
今の流れって『まさか魔族が私を庇ってくれるなんて……』みたいな感じに感動するところじゃない?!
……みたいな感じに喚くアウラに対し、さっきまで泣き喚いていたはずのフリーレンは『お前に感謝するなんて天地がひっくり返ってもありえないよ』と塩対応である。……いい性格してんね君。
まぁ、特に言葉にトゲとかもない感じだから、本来の彼女を思えばかなり柔らかい対応なのも事実だと思うけど。
……そう、本来の彼女を思えば、だ。
「その分だと、今さっきまでの間に状況の考察を終えた感じかな?」
「まぁ、そういうことになるかな。……でも仕方ないと思わない?私のところの魔族を思えば、例え周囲に人がいたとしてもまったく安心できないよ?」
「それに関してはノーコメントでーす」
まぁ、気持ちはわかる。
フリーレンとしての知識があって、目の前に魔族らしき存在が居て……ってなったら、周囲に普通の人が居ることはなんの保証にもならない、って感覚は。
人を騙すのが魔族なんだから、周囲を騙して溶け込んでる……なんて思考になるのはわからんでもない。
「まぁ、その凝り固まった思考を解すのに幼女の裸が必要、ってのはどうかと思うけど」
「……勘弁してほしい」
まぁ、だからっていじるのをやめるわけじゃあないんですけどね(ゲス顔)