なりきり板より愛を込めて~逆憑依されたので頑張って生きようと思います~ 作:アークフィア
唐突に登場したリボンズに思わず困惑する私達。
だが当のリボンズはそんなこと知ったこっちゃではない、とばかりにこちらに近付いてくる。
「ふふふ、困惑しているね。今回の騒動にまったく関連性の見出だせない僕がここに現れたことををををををををっ!?」
「!?」
え、なに?
思わず困惑した私達の目の前で起きたこと。
それは、突然なにかに躓いたリボンズがゴロゴロと転がっていく光景。
呆気に取られる私達の横を抜けて転がっていった彼を二度見して、
「……これって追い掛けるべき?」
「かもなぁ……」
他の面々に確認を取り、半ば渋々彼を追い掛けることになったのでありましたとさ。
「ふっ、まさかこんな結果に終わるとはねぐふっ!」
「なにがしたかったんだこの人……」
はい、追い掛けた先で他所のお店の壁にぶつかったリボンズ氏、そのままリタイアでございます。
……なんか知ってそうな気配を漂わせていたけど、生憎ボロボロになって気絶してしまわれたのでその辺確認のしようがありませんね。なんのために出てきたのこの人?
「というか、本当にあの人リボンズさんなのかなぁ?」
「見た目はしっかりリボンズだったけどねぇ……あの残念さを思うとどうも本人のような気がしないというか……」
「その辺も起きるまで確認できないな、これだと」
……うん、本人からなにかしら聞けてたらまだやりようがあったんだけどね。
実際はご覧の有り様、なにを聞くとか聞かないとかそれ以前の状態である、と。
直前の話で手掛かりもない、みたいな話をしていたこともあり、結局その日はそのまま解散になった……というのがそのときの顛末。
「で、それが昨日のことだっていうのは今しがた説明した通りですの」
「なるほどですの。……つまりはこう仰りたいのですわね?可能であるならば私達にもハロウィンの噂を持ってきてほしい、と?」
「まぁ大雑把にいうと。……あ、あくまでも噂だけでいいからね?大本を捕まえに行くとかしなくてもいいからね?」
その次の日であるところの今日、休みを終えた私は新しい手伝い先に着任を果たしていたのでありました。
具体的には祭の正常運行委員会ですね、比較的真面目な人が集まってる比較的真面目な集まりです。
「……どことなく含みを感じる台詞ね?」
「ははは、そんなことはありませんよ翼さん。真面目な人間ほどなにか変なはっちゃけ方をしたり天然でやらかしたリする、だなんてことはとてもとても」
「それって語るに落ちてる、ってやつだと思うの」
なお、構成メンバーは比較的生真面目な人が多めである。
わかりやすいところでいうと黒子ちゃんとか、それから翼さんとかなのはちゃんとか。
……今回の面子が構成員の全てってわけではないみたいだが、大抵似たような属性の──警備とかしてそうなタイプの人が多い、というのは間違いではあるまい。
ここにいない人だとトキさんとかも構成員の一人のはずだし?
それからエミヤんとかもたまーに手伝ったりしてるそうだし。
……まぁ、今回居ない人についてはそのくらいにして、だ。
今回私が一緒に行動するのは主に四人、黒子ちゃんになのはちゃん、翼さんにアスナさんとなっている。
「キーアちゃんを合わせると五人だね。……こういう時って四人一組の場合が多い気がするんだけど、なんで五人なんだろう?」
「戦隊ものみたいに五人で行動するパターンもありますの。……まぁ、今回のものに関しては適当にキリのいい数に割っただけ、というような気も致しますが」
アスナさんと黒子ちゃんが話しているのを横目に見つつ、改めて構成メンバーについて思考を巡らせる私。
まず、黒子ちゃんとアスナさんはそもそもの属性的に、こういう警備系の話に絡んでくるのはわからないでもない。
黒子ちゃんは原作だと風紀所属だし、アスナさんもどっちかと言えば体制・秩序側のイメージが強い。
なんなら混ざってる頼光さんの属性的にも治安維持のイメージが強いし、ここにいることにさほど違和感を抱かれるタイプでもないだろう。
「……って考えると、翼さんが若干不思議になるんだよね。いやまぁなのはちゃんとの繋がりゆえ、っていう風に納得もできなくないけど。その場合凛ちゃんがいないのが不思議になるというか」
「……一応、私も秩序維持側の人間よ?」
「アイドルイメージが防人イメージかの方が強いというか……」
「私の認識に間違いがなければ、防人って明確に治安維持側だと思うのだけれど?」
いや、翼さんの『防人』って立ち位置ってよりキャラ属性のイメージというか……。
なのはちゃんが治安維持側、ってのはわからんでもないんだけどね。時空管理局ってまんま治安維持のための組織だし。
なお、いつもならこの二人にくっついて行動していそうな凛ちゃんだけど、彼女は今回普通に出し物をしているらしい。
……魔法少女の集いがどうのって聞いたけど、それだったらなのはちゃんも翼さんも連れていくべきなんじゃないのかなぁ……?
いやまぁ、単に日替わりで顔見せする場所を変えてるだけ、みたいな感じなのかもしれないけど……。
閑話休題。
今日はこの四人+私を加えて郷内の見回りに行くんだけど。
その際に昨日探し損ねた噂と流行の発生源を見付けたい、というのが個人的な本音だったり。
そもそも正常運行委員会的には例のハロウィン騒動はなんとか解決したい、って思う方が正常だろうし?
「まぁ、私はその辺り今初めて耳にしたのですけど。……報告とか、してらっしゃらないんですの?」
「してるよー?してるけど
「それはまた……何故だ?」
「噂を聞いて勝手に突撃されてその結果その人が噂の一部になった、みたいなミイラ取りがミイラにパターンを警戒したからじゃない?」
特にリーシャちゃん*1とかがいたら確実に問題へ向けて突撃してるだろうし?
なにがあれって、今回の祭で気を付けるべきことは別にハロウィンだけに限らないってのがねー……。
「まぁ、そうだね。いつかのハロウィンみたいに
「それは確かに、なの。さっきお話ししてたリボンズ?さんも、ハロウィンとは関係のない危険人物のような気がするの」
「……言われてみれば、本人だったとすれば普通に危険人物ですの」
わかりやすいのが、さっき話題に上がっていたリボンズ。
話の流れ的にハロウィンに関係のありそうな人物に思えるが……例えば『実はハロウィンとは関係ありません』となったとしても、それで手放しに安心できる相手かと言われればノー。
元々がラスボスであることを差っ引いても、上位者としての奢りやらなにやらでトラブルを引き起こしかねないタイプのキャラクターである。
まぁ、細かく本人の話を聞いていけばそこまで警戒する必要もなかった、みたいな結論に落ち着く可能性も少なくはないけど……。
今のところその辺の会話をする余裕もタイミングもないので、確かめるまでは警戒し続けるしかない……みたいな話に落ち着くのであった。
で、ここまではハロウィン以外の問題についての話。
ここからはハロウィン関連の問題についての話となる。
「こっちは迂闊に触れたらその人までハロウィン問題に巻き込まれる、って時点で下手なことはできないわけで」
「その対処のために私達がいるわけだけど……」
「正直二度手間感は否めないよねー」
まぁ、そこで手を抜くと面倒なことになりかねないから、二度手間でもちゃんとやらないといけないんだけどさ。
というかそのためだけに、暇そうな面々は今日他の正常運行委員会の面子として加わってたりするんだし。
……ってわけで、改めて今日やることについての話だけど。
普通のトラブルに関してはみんなで当たり、もし仮にハロウィン武器関連のトラブルにぶち当たったのなら、そこは既にハロウィン武器を持ってる面々が対応する……みたいな形になる。
罷り間違っても無事な面子にハロウィン武器を持たせるような結果にはしないぞ、が共通認識になっているとでも言えばいいか……。
「そこまで徹底する意味というか理由はあるんですの?正直話を聞いているだけですと、そこまで警戒する理由が見えてこないのですが」
「んじゃあわかりやすく危険性について一つ。あんまりハロウィン武器餅持ちが増えると、局所的にブルアカテスクチャの適用範囲になる可能性があるんだよね」
「……仮にそうなった場合どうなるんですの?」
「そこらで気軽に銃ぶっぱが許される世界になる」
「思ったより現実的にヤバイことになる感じですわね?!」
そりゃまぁ、青春の皮を被ったグランド・セフト・オート、みたいな感じに言われることもあるし……。*2
ともかく、迂闊にハロウィン武器持ちが増えると徐々に郷内が物騒になる、という可能性はとても高い。
……いやまぁ、物騒になるだけならそこまで問題でもないけど、例えば誰も彼も女体化するとかになったらそっちはそっちで問題となるだろう。
要するに、想定される状況が色んな意味でヤバイため、広がる前に止めておきたいというのが実情なわけである。
……いやまぁ、既に後の祭り感がある、ってのは置いといた上って話なんだけどね?
ともかく。
トラブルの発生しやすい祭期間中、明らかに火種にしかならないモノはさっさと片付けておきたいというのが本音なのは間違いあるまい。
「その辺理解した上で今日は頑張りましょー」
「はーい」
そんな感じのことを再度確認しあって、私達は正常運行委員会の屯所的なところから出発したのでありました。